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2020.07.28

植松良枝さん直伝、きゅうりのアイデアレシピ5品。箸が止まらない絶品メニューで1袋使い切り!

きゅうりのザーサイ中華和え

夏野菜の定番、きゅうりといえば、サラダや漬け物にするのが一般的。でも「いつもメニューがマンネリ化しがちで、1袋使い切ることができない!」という悩みを抱えている人も多いのでは? 今回は、きゅうりのおいしさをとことん堪能できるアイデア料理をプロに聞きました。

教えてくれるのは、旬の野菜を使った料理を得意とする料理研究家の植松良枝さん。生食はもちろん、炒めたり、揚げたり、天日干ししたりときゅうりの新しい魅力を感じられるレシピは必見です!

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【レシピ①】きゅうりのザーサイ中華和え

きゅうりのザーサイ中華和え

箸休めやお酒のおつまみにもぴったりなさっぱりとした料理。しょうが、ザーサイ、ごま油の組み合わせが食欲をそそります。崩し豆腐にのせて、あっさりサラダ仕立てで召し上がれ。

「ザーサイと塩揉みしたきゅうりの塩気でしっかり味がついているので、調味料は不要です。きゅうりは厚めの輪切りにして、しっかりと食感を残しましょう」

<材料>(2人分)

  • きゅうり…2本
  • しょうが…1/2片
  • ザーサイ(市販品)…40g
  • 豆腐(木綿)…1丁
  • ごま油…小さじ2
  • 塩、白炒りごま…各適量

<作り方>

  1. きゅうりは3〜5mm厚さの輪切りにする。ボウルに入れ、きゅうりの重量に対し3%(小さじ1弱ほど)の塩を加えて軽く揉み、10分ほどたったらしっかり揉んで水気をぎゅっと絞る。
  2. しょうがはみじん切りにする。ザーサイは粗く刻む。豆腐はペーパータオルで包んで水気を拭き取る。
  3. ボウルに1、しょうが、ザーサイ、ごま油を加えて混ぜ合わせる。
  4. 器に豆腐を手で崩しながら盛り、ごまをふって3をのせる。

【レシピ②】きゅうりとハムのトーストサンド

きゅうりとハムのトーストサンド

薄くスライスしたきゅうりを何層にも重ねることで、食べやすくなると同時にシャキシャキの食感を堪能できるひと品に。軽くトーストしたパンにたっぷり塗ったからしバターが味のアクセント。

「時間が経つときゅうりがしんなりするので、ぜひ作りたてをすぐに味わってみてください。旬のきゅうりのおいしさを存分に楽しめる、朝食に何度も作るお気に入りの食べ方です」

<材料>(2人分)

  • きゅうり…1 1/2〜2本
  • ロースハム(大判)…2枚
  • 食パン(8枚切り)…2枚
  • バター(室温に戻す)…大さじ2
  • 練りがらし…小さじ1(チューブから出して2cmほど)
  • 塩(あれば粒状のもの)…適量

<作り方>

  1. きゅうりは両端を切り落として食パンの長さに合わせて切り、スライサー(またはピーラー)で2mm厚さに薄くスライスする。
  2. バターとからしを混ぜ、好みの焼き加減にトーストした食パンの片面にたっぷり塗る。
  3. 2の、からしバターを塗った面にハムをのせ、その上に1を均等な厚みになるように何層も重ねる。食べる直前に塩を全体にぱらりとふる。

【レシピ③】きゅうりとたこの煎り酒炒め、山椒風味

きゅうりとたこの煎り酒炒め、山椒風味

翡翠色のきゅうりの色味が美しい炒め物。煎り酒は江戸時代の日本でしょうゆの代わりに使われていた調味料で、上品な旨みと酸味が野菜や魚介などの食材のおいしさを引き立てます。

「きゅうりは皮をむくことで油なじみがよくなり、味もしみ込みやすくなります。ですが、濃い緑色の部分まで厚くむいてしまうと、せっかくのきゅうりの青い香りや風味が薄れてしまうので、ピーラーでそっとなでるようにむき、皮もところどころうっすら残すのがおすすめ。

煎り酒がない場合は、自家製にチャレンジするか、煮切った日本酒と市販のポン酢を同量ずつと梅干し適量を合わせたもので味つけしても」

<材料>(2〜3人分)

  • きゅうり…2〜3本
  • 蒸しだこ(またはゆでだこ)の足…1本(約120g)
  • ごま油、オリーブオイル…各小さじ2
  • 煎り酒(※)、塩、粉山椒…各適量

<作り方>

1. きゅうりはピーラーで薄く皮をむき、縦半分に切る。スプーンで種を除いてひと口大の乱切りにする。きゅうりの重量に対し1.5%(小さじ1/2ほど)の塩を揉み込んで15〜20分おき、水気をしっかりと絞る。

きゅうりの種を除いている様子

特に夏の終わりのきゅうりは大味なので、種を除くとよい。

2. たこはひと口大の乱切りにする。

3. 中華鍋(またはフライパン)にごま油とオリーブオイルを入れて強火で熱し、1を炒める。油が全体に回ったら2を加え、さっと炒めて煎り酒で味を調え、粉山椒をふる。

自家製煎り酒の作り方

小鍋に日本酒1カップ、昆布約5cmを入れて中火にかける。煮切ったら(アルコールが飛んだら)、だし汁1カップ、梅酢1/2カップ、みりん大さじ1〜2を加え、3/4〜半分程度になるまで煮詰める。
※だし汁はかつお昆布だしなど好みのもので。
※魚醤を少量加えてもよい。

煎り酒について

煎り酒は市販品を購入することも可能ですが、身近な材料で簡単に作ることができるので、自家製で仕込んでストックしておくと何かと重宝します。冷蔵保存する場合は瓶に入れて1週間以内に使い切りましょう。小分けに保存容器に入れて冷凍すれば2〜3ヵ月保存可能です。炒め物のほか、野菜の浅漬けやカルパッチョ、白身魚の刺し身に使用するのもおすすめ。

【レシピ④】きゅうりと白身魚の揚げ春巻き

きゅうりと白身魚の揚げ春巻き

まるでお店で出てくるような上品な味わいの揚げ春巻きが、家で気軽に楽しめます。揚げるとさらに際立つ、きゅうりのみずみずしい香りと食感にびっくりするはず。

「まずは塩だけで食べてみてください。シンプルに味わったら、途中から味変で『梅だれ』をつけるのがおすすめ。白身魚の代わりに鶏ささみを使ってもおいしいですよ」

<材料>(小8本分)

  • きゅうり(小)…1本
  • 白身魚(すずきなど)…1さく(120g)
  • 青じそ…16枚
  • 春巻きの皮…4枚
  • 塩、揚げ油…各適量
  • <梅だれ>(混ぜ合わせておく)
    ・梅肉(梅干しの果肉を叩いたもの)…小さじ1
    ・酢、水…各大さじ1/2

<作り方>

1. きゅうりは8cm長さに切って縦4つ割りにする。包丁で種を除く。

きゅうりの種を除いている様子

きゅうりは種を除くことで水っぽくならず、ぽりっとした食感が味わえる。

2. 白身魚は塩少々をふって下味をつけたら、包丁を寝かせて刺身の切り身のように7mm厚さにスライスし、さらに1cm幅に切る。これを数本組み合わせて8等分に分けておく。青じそは縦半分に切って真ん中の軸を除く。

3. 春巻の皮は三角形になるように対角線で切り、1枚ずつはがす。切った側が手前になるように広げ、手前中央に青じそ1枚分、白身魚、きゅうり、白身魚、青じそ1枚分の順に重ねる。両端を内側にたたみ、そのままくるくると巻いて、巻き終わりを水適量(材料外)でとめる。残りも同様に巻く。

春巻きの具を包んでいる様子

春巻きの皮は、半分に切ることでミニサイズの春巻きを作ることができる。

4. 170℃に熱した揚げ油で3を揚げる。香ばしいきつね色になったら取り出して熱々のうちに塩少々をふる。器に盛り、好みで梅だれを添える。

【レシピ⑤】セミドライきゅうりと豚肉のしょうが炒め

セミドライきゅうりと豚肉のしょうが炒め

天日干ししたきゅうりのコリコリとした食感が魅力の炒め物。豚肉、新しょうが、きゅうりを一緒に食べると味わいが一体となっておいしい!

「時間がないときは、干したものではなく、塩揉みしたきゅうりで作ってもいいのですが、干すことで独特の食感が楽しめるので、ぜひセミドライきゅうりにチャレンジしてみてください」

<材料>(2人分)

  • きゅうり…3本
  • 豚ばら薄切り肉…200g
  • 新しょうが…50g ※またはしょうが20gのせん切りでも代用可
  • A
    ・しょうゆ…大さじ2
    ・みりん…大さじ1
    ・中国黒酢(または好みの酢)…大さじ1
  • 粗挽き黒こしょう…適量

<作り方>

1. きゅうりは5〜7mm厚さの斜め切りにしてざるに広げる。途中裏返しながら天日干しする。

天日干ししたきゅうり

真夏の炎天下なら2〜3時間、晴れた日なら半日ほど干せばOK。もしくは網に並べて100℃のオーブンで1時間加熱しても。

2. 豚肉は3〜4cm幅に切ってほぐす。新しょうがは縦半分に切ってから斜め薄切りにする。

3. フライパンを中火で熱し、豚肉を広げる(※油はひかなくてよい)。そのまま香ばしい焼き色がつくまであまり動かさずに両面焼く。途中、脂が出てきたらペーパータオルで拭く。

4. 1、新しょうがを加えてさっと炒めたら混ぜ合わせたAを回し入れ、強火にして汁気がほとんどなくなるまで手早く炒める。器に盛り、黒こしょうをふる。

きゅうりのさまざまな魅力を引き出した使い方は、目からウロコ。どれも箸が止まらなくなる絶品料理ばかりです。旬の新鮮なきゅうりが手に入ったら、ぜひ試してみてください。

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植松良枝さん植松良枝さん

旬の野菜を使った料理を得意とする料理研究家。野菜づくりがライフワークで、季節に寄り添った食と暮らしに関するアイデアを発信している。

さらに国内外を旅し、多くの食文化に触れた経験から生み出される、世界各国のエッセンスを取り入れた料理も人気。『バスクバルレシピブック』(誠文堂新光社)、『春夏秋冬 ふだんのもてなし』(KADOKAWA)など著書多数。

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写真:難波雄史
文:ケイ・ライターズクラブ

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