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2021.09.01

【永久保存版】日本料理店のだし巻き玉子(卵)レシピ。意外な巻き方と濃いだしに注目!

だし巻き玉子のイメージ

食卓にのぼると子どもから大人までみんなが喜ぶ、だし巻き玉子(卵)。材料はとってもシンプルなのに、いざ自分で作ってみると、「だしと卵のちょうどいい割合がわからない」「卵を上手に巻けない」「味がもの足りない」といった悩みが続出して、なかなか奥深いと実感しますよね。そんな悩みを解決すべく、作り方のコツをプロに聞きました。

教えてくれるのは、日本料理の銘店<よし邑>の冨澤浩一総料理長です。プロが作るだし巻き玉子(卵)は、しっかりと中が詰まってしっとりふわふわの食感。何よりだしの味わいが濃厚です!

だしがたっぷり入っているので日持ちはしないためお弁当向きではありませんが、作りたては格別のおいしさです。お正月のおせち料理で甘い伊達巻が苦手な人は、代わりにぜひ作ってみてほしいレシピです。ハレの日にぴったりな美しい盛りつけも紹介するので、お見逃しなく!

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<よし邑>総料理長が教える、おいしいだし巻き玉子(卵)は3つのポイントを守るべし!

だし巻き玉子(卵)を焼いている様子

ポイント① 味の決め手は、風味豊かで旨みたっぷりのだしにあり!

冨澤料理長曰く、「いいだしがとれさえすれば、おいしい料理は作れる」とのこと。そのためには昆布とかつお節を使った、濃いだしをとることが重要。「昆布は水だしで」「かつお節を加えてからは煮立たせない」「だしをこすときは絞らない」など、澄んだ色の上質なだしをとるためのコツを押さえることが大切です。詳しい解説はのちほどご紹介します!

ポイント② 巻き始めに芯を作れば、形がきれいに仕上がる!

卵焼き器に広げた卵液を、最初から大きく折りたたんでしまうと、形がくずれる原因に。まずは、少量の卵液を卵焼き器に流し入れ、細く巻いてしっかりとした芯を作るのがおすすめ。2回目以降は、その芯をベースにくるくる巻けば、中がスカスカにならず仕上がりもきれいです。

ポイント③ 強めの火加減で焼く「巻き流し」技でふわふわ食感に!

だし巻き玉子(卵)を焼くときは、最初から最後まで強めの中火が鉄則。火加減が弱いと、卵がふっくら焼き上がりません。卵液を流し入れたら、半熟状態ですぐに巻き始めること。これを専門用語で「巻き流し」といい、卵が焼き固まるまえに巻くことで、仕上がりがやわらかくなります。

同じ材料を使っているのに、プロが作っただし巻き玉子(卵)と比べると、どうしてできあがりに差がでてしまうのか疑問でしたが、知らなかったポイントばかりです。特にだしのとり方のテクニックと、最初は少量の卵液を入れて焼き始めるというのは目からウロコ!

まずは、だし巻き玉子(卵)の味のベースとなる、「一番だしのとり方」からチェック。昆布は煮ださず水にじっくり浸してとる「水だし」の技など、プロの技術が満載なので、料理初心者から上級者まで、ぜひ押さえておきたい方法です。

【基本】だし巻き玉子(卵)の味の決め手! かつおと昆布の一番だしのとり方(レシピ)

だしの材料

<材料>(作りやすい分量)

  • 水…1,800ml
  • 昆布(あれば羅臼昆布)…35g
  • かつお削り節…35g
    ※あれば半量をまぐろ削り節にすると、より上品な味わいになる

「<よし邑>の料理の基本となる、昆布やかつお節をふんだんに使った一番だしのレシピです。一般的なレシピより昆布をたっぷり使っていますが、ご家庭なら昆布の量を半分にしても問題ありません。<よし邑>では香りとコクのしっかりした羅臼昆布を使用しています。もちろん、真昆布でも十分おいしいだしはとれますよ。かつお節は、あれば半量をまぐろ削り節に変えると、澄んだ味の濃いだし汁に仕上がるので、ぜひ試してみてください」

<作り方>

1. 昆布を半日からひと晩水につけ(水だし)、火にかける直前に取り出す

水に昆布を浸しているところ

昆布は表面に汚れがあれば、乾いたふきんで拭く。鍋やボウルに水を入れ、昆布を浸し、冷蔵庫で半日〜ひと晩おく。

昆布を取り出しているところ

長時間、水につけてじっくりだしを抽出したら、火にかける直前に昆布を取り出す。

「昆布を水につけたまま火にかけ、沸騰直前に取り出す方法がよく知られていますが、それは昔のやり方です。今は『水だし』が主流。また、昆布を入れたまま火にかけないほうが、昆布のえぐみが出づらく、澄んだだし汁に仕上がります」

2. 昆布だしを弱めの中火にかけ、ふつふつと沸いてきたらかつお削り節を加える

だし汁を沸かしているところ

鍋の縁がふつふつと沸いてきたら、かつお削り節を入れる。

「かつお節を入れるタイミングは、だし汁が85℃ぐらいまで温まったら。鍋の縁に細かい気泡が出てくるのが、その温度になった目安です」

3. そのまま弱めの中火にかけ、沸騰直前になったら火を止める

沸騰直前のだし

再び鍋の縁がふつふつしてきたら火を止める。

「かつお節を加えただし汁は沸騰させないように、100℃手前(97℃ぐらいが目安)で火を止めます。表面がぼこぼこするまで沸かしてしまうと、かつお節の雑味が出やすくなるので気をつけましょう」

4. そのまま5〜10分おく

だし汁を冷ましているところ

「かつお節が沈むまで、そのまましばらくおきましょう」

5. だしをこす

だし汁を漉しているところ

ボウルにザルを重ね、その上からネル地のこし布(または不織布、厚手のペーパータオル)をのせ、4のだしをこす。

「鍋からだしを移すときは、静かに注ぐようにしましょう。だしを注ぎ終わったらそのまま、下に落ちるまで待つこと。急ぐからといってこし布をギュッと絞ってしまうと、雑味が出てしまうので気をつけてください」

こし終わっただし汁

「だし汁は時間が経つと風味が損なわれるので、なるべくその日のうちに使いましょう。どうしても使いきれなかった場合は、清潔な保存容器やペットボトルなどに入れて、冷蔵庫で保存を。翌日には使いきるようにしてください。すぐに使用しない場合は冷凍保存するのもおすすめです」

できたてのだし汁を飲むと、その味わいの濃さにびっくり! 塩などの味付けは一切していないのにもの足りなさはなく、旨みをしっかり堪能できます。このだし汁を使えば、どんな料理もおいしくなるであろう、納得の味わいに感激です。

では、お待たせしました! いよいよこの旨みたっぷりの一番だしを使った、だし巻き玉子(卵)の作り方を教えてもらいましょう。

【決定版】だし巻き玉子(卵)の作り方。きれいに巻くコツは、最初に流し入れる卵液を少量にすること!

だし巻き玉子(卵)の材料

<材料>(内寸25cm×20cm 卵焼き器1本分、3〜4人分)

  • 卵(L玉)…4個
  • 調味料
    だし汁(かつおと昆布の一番だし)…50ml
    薄口しょうゆ…小さじ2/3
    酒…小さじ2/3
    みりん…小さじ2/3
  • 浮き粉(片栗粉で代用可)…小さじ2/3

<作り方>

1. ボウルに卵を割り入れ、菜箸で溶きほぐす

卵を溶いているところ

「よくあるだし巻き玉子(卵)のレシピには、『卵白のコシをきるように』とか『卵液はこす』という作り方を見かけますが、個人的には卵を混ぜすぎないほうがいいと思っています。確かに、卵液をこすと均一になり、茶碗蒸しのようななめらかな食感になりますが、だし巻き玉子(卵)には少し卵白の塊も残しておいたほうが、卵らしい味わいが残ってよりおいしいと感じています。ぜひ一度、卵液をこさずに作ってみてください」

2. 別のボウルに調味料を混ぜ合わせ、浮き粉(または片栗粉)を加えて混ぜる

だしに浮き粉を加えているところ

「浮き粉とは、小麦粉のデンプンのこと。なければ片栗粉でも同様の効果を期待できます。これをだし巻き玉子(卵)に加えることで、ふわっとした食感に仕上がります。さらに、だし巻き玉子(卵)を焼いてから時間がたっても、中からだしが流れ出るのを防ぐ働きもあります」

3. 1の溶いた卵に2の合わせ調味料を、少しずつ加えて混ぜる

卵液にだしを加えているところ

「だしが多ければ多いほど、やわらかく仕上がりますが、巻きづらくもなります。一方で、卵の割合が多いと巻きやすくなりますが、その分仕上がりがかたくなってしまうことも。卵とだしの割合は今回のレシピを基本にしつつ、好みで調整してください」

4. 卵焼き器を強火で熱し、サラダ油をなじませる

卵焼き器に油を広げているところ

卵焼き器を強火で熱し、サラダ油適量(分量外)をたっぷりひいて、余分な油をペーパータオルで拭き取る。

「<よし邑>では熱伝導のいい、銅製の卵焼き器を使用しています。ご家庭ではフッ素樹脂加工のものを使用されている方も多いと思いますが、その場合は、サラダ油を薄くひいて、余分な油を拭き取るようにしましょう」

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5. 火加減を強めの中火にして、卵液をおたまの半量ほど入れ、薄く広げて巻く

卵液を広げているところ

卵焼き器が温まったら菜箸の先に卵液少々をつけて落とし、ジュッと音がして固まったら、火加減を強めの中火にする。卵液をおたま(※撮影時は75mlのおたまを使用)の半量ほど流し入れ、全体に広げる。

「銅製でもフッ素樹脂加工のものでも、火加減は同じく強めの中火をキープ。火が弱すぎると卵がふっくらとならず、巻くときに形もくずれやすくなってしまいます」

卵を巻いているところ

卵を巻いているところ

すぐに、奥側から少しずつ手前の方向に巻いていく。

「まずは、だし巻き玉子(卵)の芯を作ります。少なめの量の卵液を注ぎ、細い芯を作ることで、このあとの卵が巻きやすくなりますよ。最初からたっぷりの卵液を注いで焼いていた人は、ぜひこの作り方を試してみてください」

6. 卵液をおたまの8分目ほど入れ、広げて巻く

卵液を卵焼き器に広げているところ

あいたところにペーパータオルでサラダ油を薄く塗り、焼いた玉子(卵)を奥側に移動し、手前にもサラダ油を薄く塗る。今度は卵液をおたまの8分目ほど流し入れ(写真左)、全体に広げる。奥に寄せた玉子を軽く持ち上げて、焼いた玉子(卵)の下にも卵液を流し込む(写真右)。

卵を巻いているところ

すぐに、奥側から手前の方向に巻いていく。

「だし巻き玉子(卵)は強めの火加減で、卵液を流し入れてすぐに巻いていくのが基本。これを『巻き流し』といって、全体に広げた卵液が半熟状態のまま巻いていくことで、ふっくらやわらかいだし巻き玉子(卵)に仕上がります」

7. 同様に残りの卵液を焼いていく

卵を巻いているところ

残りの卵液も6の工程を5〜6回繰り返し、同様に焼く。

巻き終わった玉子(卵)を端に寄せているところ

最後に卵焼き器を傾けて、焼いた玉子(卵)を縁に押しつけて焼き、形をととのえる。余分な水分を取ってくれる木製のまな板、または通気性のいい巻きすに取り出す。 

「だし巻き玉子(卵)が熱いうちに巻きすで包んで固定しておくと、角を丸く整えることができます。また、おもてなしの食卓に出したいときは、縁起のいいひさご形(ひょうたん形)に整えるのもいいでしょう」

8. 3〜5分たったら、好みの大きさに切り分ける

だし巻き玉子(卵)をカットしているところ

だし巻き玉子(卵)をカットしているところ

3〜5分たって形が落ち着いたら、好みの大きさに切り分けて器に盛る。

【だし巻き玉子(卵)の保存方法】

だし巻き玉子(卵)を保存容器に入れている様子

だし巻き玉子(卵)は基本、保存にはあまり向きません。おいしく食べるタイミングは、だしの風味が際立つできたてをいただくのが一番おすすめです。

ただし、すぐに食べられない場合や食べきれなかった場合、粗熱をしっかりとってから乾燥しないようにラップで包み、清潔な保存容器に入れ冷蔵庫へ。翌日には食べきりましょう。

「日持ちさせたい場合は、だしの量を減らして煮きった酒、煮きったみりん、砂糖を加え、甘めに仕上げると2〜3日は保存ができるようになりますよ」

ふんわり上品! できたてのだし巻き玉子(卵)はすぐに食べるべし

だし巻き玉子(卵)のイメージ

だし巻き玉子(卵)に染めおろし(大根おろしに濃口醤油で色をつけたもの)を添えて

できあがっただし巻き玉子(卵)を切ってから器に盛ると、美しい黄色の断面がお目見え。箸で持ったときの感触は、とってもやわらか! ひと口食べると、だしの旨みが口の中にジュワーと広がります。塩分は控えめなのに、味わいは豊かで、とても上品な仕上がり。お店クオリティのだし巻き玉子に感動です!

【お正月の盛りつけ例】だし巻き玉子(卵)を縁起ものと一緒に盛りつければ、おせちの一品としても◎

だし巻き玉子(卵)のイメージ

だし巻き玉子(卵)は盛りつけ次第で、おもてなしにもぴったりな一品に! きれいな器に盛って、黒豆の松葉串さしやミニトマトのコンポート、染め卸しなどを添えれば、食卓が一気に華やかになります。お正月などハレの日に取り入れたいテクニックです。

いかがでしたか? この作り方なら、ご家庭でもプロの味わいを楽しめます。ぜひ、だしから自分でとって作ってみてくださいね!

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<よし邑>冨澤浩一総料理長<よし邑>冨澤浩一さん

千坪の広大な敷地で、庭園を眺めながら四季折々の日本料理を楽しめる<よし邑>の総料理長。豊富な経験を元に、日本各地から厳選して取り寄せた旬の食材を使用し、素材の味をいかしたシンプルでありながらも味わい深い料理と得意とする。2017年「現代の名工」、2020年「黄綬褒章」受章。

撮影:八田政玄
文:ケイ・ライターズクラブ

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