2023.04.05
【プロが伝授】グリーンアスパラガスの人気レシピ3品。サラダ、パスタ、ピラフ
鮮やかな色味が食卓にパッと華を添える、アスパラ(グリーンアスパラガス)。爽やかな青々とした香りと甘み、シャキシャキ食感が魅力の野菜です。アスパラは下処理も簡単で、火の通りも早いため、調理しやすい野菜のひとつですが、「料理のレパートリーが意外と少ない!」という人も多いのでは?
そこで今回は、アスパラをもっとおいしく、幅広く使うおすすめレシピをプロに聞きました。教えてくれるのは、旬の野菜を使った料理を得意とする、料理研究家の植松良枝さんです。
アスパラガスの特徴と調理のポイント。実は生でも食べられる野菜なので、ゆで時間は30秒~1分でOK!
●アスパラガスの特徴と調理のポイント
アスパラは甘く、シャキシャキとした食感が特徴で、枝葉が出るまえの若芽を食べる野菜です。1年中出回っていますが、旬は春から初夏にかけて。
種類は、一般的になじみがある「グリーンアスパラガス」のほか、日光を遮断して育てられた「ホワイトアスパラガス」、ヨーロッパでは山菜として親しまれている「アスペルジュ・ソバージュ」などがあります。
「あまり知られていませんがアスパラは新鮮なものは生でも食べられる野菜なので、火を通しすぎないことがポイントです。塩を入れた湯に入れ、ゆで時間はさっと30秒〜1分でOK。シンプルにマヨネーズをつけて食べると、素材のおいしさを堪能できますよ。ゆでるとやさしい甘みが引き立ち、焼くと香ばしさや凝縮した旨みが感じられ、炒めるとシャキシャキ食感が楽しめます」
●鮮度のいいアスパラガスの見極め方
「アスパラは時間が経つと曲がる傾向があるので、まっすぐなものを選びましょう。根元の断面が黒ずんでおらず、茎はきれいな緑色で、穂先は締まっているものも新鮮な証拠です」
●アスパラガスの保存方法
「アスパラは鮮度が落ちるのがとても早い野菜なので、保存せず、なるべく早めに使いきるのがおすすめです。どうしても保存したい場合は、ペーパータオルなどに包んでからビニールやラップで全体を覆い、冷蔵庫の野菜室に立てて保存しましょう」
アスパラの鮮度がそんなに落ちやすいなんて知りませんでした! これからは鮮度を意識して、野菜売り場で選ぼうと思います。
続いて、アスパラの下処理をチェックしましょう。
【アスパラガスの下処理】どんな料理でも、根元の筋っぽさを取り除いてから使って!
アスパラの基本の下処理を紹介します。アスパラは筋っぽい根元だけ下処理すれば、そのまま使えるので、手軽なのもうれしいポイントです。
1. アスパラガスの根元を折る
アスパラガスの根元部分はかたく、食べられないため、手で自然にぽきっと折れるところで折る。
「アスパラは鮮度のいいものほど、根元の手で折れる長さが短く、鮮度の悪いものほど、長くなります。なるべく鮮度のいいものを選ぶことが大切です」
2. アスパラガスの根元の皮をむく
アスパラガスをまな板に寝かせ、ピーラーで根元3〜5cmの皮をむく。
「根元の皮も筋っぽいので、あらかじめ皮をむいておきましょう」
アスパラガスはすぐに調理しない場合、水に浸けておき、みずみずしさをキープ!
アスパラは下処理をしてそのまますぐに調理する場合は、何もせずに問題ありません。もし、他の食材の下ごしらえなどですぐに加熱しない場合は、水に浸けておくのがおすすめ。水分が抜けやすい野菜なので、みずみずしさをキープすることができます。
それでは、実際にレシピを見ていきましょう。人気のサラダとパスタ、ピラフのシンプルなレシピ3品です!
【アスパラガスレシピ①】「アスパラとクスクスのサラダ」やさしい甘みと爽やかな風味がたまらない!
グリーンと赤色のコントラストが美しいサラダ。アスパラはたっぷり使うことで、爽やかな風味とシャキシャキ食感を存分に堪能できます。ビネガーとオリーブオイルのさっぱりしたドレッシングで和えれば、いくらでも食べられそう!
「いろいろな食材でアレンジ可能なサラダレシピです。アスパラと組み合わせる野菜は、好みのものでOK。クスクスの代わりにゆでた玄米を加えてもおいしいですよ。アスパラはゆで加減がとても大事。アスパラの太さにもよりますが、ゆで時間は30秒〜1分塩ゆでしたらすぐにお湯から引き上げましょう。余熱でも火が入るので、加熱しすぎには注意してください」
<材料>(2〜3人分)
- グリーンアスパラガス(下処理済みのもの)…1束(3〜4本)
- クスクス…1/2カップ
- ラディッシュ…4個
- ミニトマト…1/2パック
- イタリアンパセリ…2〜3枝
- A
・オリーブオイル…大さじ1と1/2
・白ワインビネガー…大さじ1
・塩…小さじ1/3〜1/2
<作り方>
1. ボウルにクスクスを入れ、熱湯1/2カップ、オリーブオイル小さじ1(ともに分量外)を加えて素早く混ぜる。ラップをかけてそのまま10分ほど蒸らす。フライパンを弱めの中火で熱し、クスクスを木べらでほぐし入れ、細かくほぐしながら5分ほどから炒りし、バットなどに広げて冷ます。
2. アスパラガスは鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩適量(分量外)を加え、歯応えが残るよう30秒〜1分ゆでてから1cm幅の小口切りにする。ラディッシュは葉を切り落として6等分のくし切りにする。ミニトマトはヘタをのぞいて縦に4等分に切る。イタリアンパセリは葉を粗みじん切りにする。
3. ボウルに1、2を入れ、混ぜ合わせたAを加え、和える。
【アスパラガスレシピ②】「アスパラとホタテのレモンクリームパスタ」大きめに切った歯応えが楽しい!
アスパラと相性のいいホタテを組み合わせたクリームパスタ。アスパラの青々とした香りが、濃厚なクリームソースと絶妙にマッチします。アスパラは大きめにカットして、歯応えを楽しんで。一見、重そうなパスタですが、仕上げにレモンの皮をふりかけることで、爽やかな風味が加わり、あと味軽やか。
「ホタテは水煮缶を使うので、とてもお手軽です。アスパラはパスタと一緒にゆでて、そのゆで汁ごとソースに加え、旨みを余すことなく活用します。ゆで時間は、最後にフライパンで和える時間も考慮して、10〜15秒ほどを目安に短時間でOK。パスタはソースがよく絡む、やや太めのリングイネがおすすめです」
<材料>(2〜3人分)
- グリーンアスパラガス(下処理済みのもの)…1束(3〜4本)
- パスタ(リングイネ)…160g
- 生クリーム…200ml
- ホタテ缶(水煮)…小1缶(約60g)
- レモン…小1/2個 ※皮もすりおろして使うので国産レモンがおすすめ
- パルミジャーノチーズのすりおろし…30〜40g
- 塩…少々
<作り方>
1. アスパラガスは5mm幅の斜め薄切りにする。
2. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩適量(分量外・湯1.5リットルに対し塩大さじ1と1/2が目安)を加え、パスタを袋の表示時間よりやや短めにゆでる。
3. フライパンに生クリームを入れて中火にかける。2/3程度になるまで煮詰まったらホタテを缶汁ごと、レモンの絞り汁小さじ2を加え、弱火で軽く煮詰める。
4. パスタがゆであがる10〜15秒ほどまえに2の鍋に1を加えてゆでる。ゆであがったパスタとアスパラガスをゆで汁適量(お玉1杯分が目安)とともに3に加えて混ぜ、パルミジャーノチーズを加えてなじませ、塩で味をととのえる。
5. 器に盛り、すりおろしたレモンの皮をちらす。
【アスパラガスレシピ③】「アスパラとたらこのバターピラフ」下ゆでせずに炒めてジューシーさを堪能!
バターとオリーブオイルで炒めたアスパラのジューシーな味わいが楽しめるピラフ。たらこの程よい塩気が、アスパラのおいしさを引き立てます。すべて火が通りやすい食材なので、5分程度であっという間にできあがります!
「アスパラは下ゆでせずに炒めて、青々とした香りと食感を生かしましょう。バターをたっぷり使うことで、ピラフを風味よく仕上げます。ご飯を加えるときは、そのままフライパンに広げてしばらくいじらず、焼くようにすると、香ばしさが出ておいしいですよ」
<材料>(2人分)
- グリーンアスパラガス(下処理済みのもの)…1束(4本)
- たらこ…80g
- 卵…2個
- 塩…適量
- オリーブオイル…小さじ3
- バター…大さじ1と1/2
- 温かいご飯…300g(茶碗2杯分)
<作り方>
1. アスパラガスは2cm幅に切る。たらこは7mm幅に切る。卵はボウルに割り入れ、塩少々を加えて溶きほぐす。
2. フライパンにオリーブオイル小さじ2を入れて中火で熱し、溶き卵を入れる。大きく混ぜながら炒め、半熟状になったら一度取り出す。
3. 2のフライパンにオリーブオイル小さじ1、バターを入れて中火で溶かし、アスパラガスを炒める。色鮮やかになったらたらこを加え、弱火で2分ほど炒める。
4. たらこにほぼ火が通ったらご飯、2の卵を加えて全体が均一になるまで炒め、塩少々で味をととのえる。
いかがでしたか? 色鮮やかな見た目から食欲そそる、アスパラのアイデアレシピ。どれも身近な材料で思い立ったらすぐに作れるものばかりです。ぜひ、ご家庭の人気レパートリーに加えてみてください!
植松良枝さん
旬の野菜を使った料理を得意とする料理研究家。野菜づくりがライフワークで、季節に寄り添った食と暮らしに関するアイデアを発信している。
さらに国内外を旅し、多くの食文化に触れた経験から生み出される、世界各国のエッセンスを取り入れた料理も人気。『バスクバルレシピブック』(誠文堂新光社)、『春夏秋冬 ふだんのもてなし』(KADOKAWA)など著書多数。
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