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2017.12.22

脂がのったとろける美味しさ! 魚のプロ直伝「ぶりしゃぶ鍋」レシピ。3つの極意を解説

ぶりしゃぶのイメージ

12月~2月の冬に旬をむかえ、たっぷりと脂がのる「寒ぶり」。富山や金沢で有名なのが、そんな寒ぶりをさっと鍋にくぐらせて食べる「ぶりしゃぶ鍋」です。さっぱりポン酢につけてほおばれば、ぶりの甘い脂がとろ~っと溶けて、お酒がぐいぐいすすむ美味しさ!

家庭で作るとしたら、出汁やつけだれが美味しさのポイントになるのかと思いきや、実はぶりの「選び方」で味の8割が決まってしまうんです。

ぶりが綺麗に切れる包丁はこちら>>

魚のプロが教える「ぶりしゃぶ」3つの極意

伊勢丹新宿店の魚のプロ、東信水産の野地祐太郎さん

「ぶりしゃぶを美味しく仕上げるには、正しい『選び方』が重要! 加えて、切り方や食べ方にもポイントがあります」と教えてくれたのは、伊勢丹新宿店の魚のプロ<東信水産>の野地祐太郎さん。

これを押さえておけば、お店みたいに美味しいぶりしゃぶが食べられるというプロの極意を、さっそく教えてもらいました!

 

【極意1】ぶりしゃぶには、たっぷり脂がのった「腹身」を選ぶ!

ぶりの背身と腹身の図解

さっと鍋にくぐらせて食べるので、刺身でも食べられる新鮮なぶりを選ぶことはもちろん大切ですが、「背身(せみ)」と「腹身(はらみ)」の2つの部位の味の特長を知ることも、大きなポイントなんだとか。

「ぶりは部位によって味がまったく違います。背身は脂が少ない分、身が締まっていてさっぱりした味わいです。一方で、腹身は脂がのっていてやわらかく、とろっとした濃厚な味わいです。とくに冬の寒ぶりは脂がたっぷりのってくるので、しゃぶしゃぶにして楽しむなら、腹身が断然おすすめです!」

ぶりの「背身」と「腹身」の見分け方

ぶりの背身と腹身のそぎ切りにしたものの比較

【背身】魚の背中の部位。皮をむいた跡(=青く囲んだ部分)が「黒っぽい銀色」に。

【腹身】魚の腹の部位。皮をむいた跡(=赤く囲んだ部分)が「白っぽい銀色」に。背身に比べて形が湾曲していて細長い。

【極意2】厚さは4mm、断面をより広く切るのがベスト!

「ぶりしゃぶに最適な厚さは4mm。もっと厚くしたい!という場合でも最大8mmにとどめましょう。欲張ってそれ以上の厚さに切ると、しゃぶしゃぶにしたとき、表面にしか火が通りません。中までほんのり温まらないと美味しくないんです。また、断面はなるべく広く切ったほうが、口に入れたときにぶりのうまみを存分に感じることができます」

ぶりはさくで買ってきて、食べる直前に薄く切るのがおすすめ。鮮度が落ちにくく、薄さも好みで調整できます。また、さくを買ったお店で「ぶりしゃぶ用に薄く切って」と注文してもいいでしょう。

ぶりしゃぶ用のぶりの切り方

ぶりの背身さくと腹身さく

ぶりのさくは「刺身用」を買うこと。背身の方が肉厚で、腹身は身が薄い。

1)さくの皮目を下にして置き、断面が大きくなるようにそぎ切りにする

ぶりのさくをそぎ切りする様子

ぶりに包丁の根元を当て、手前にスーッとゆっくり引いて4mm厚さのそぎ切りにする。なるべく断面が大きくなるように包丁をできるだけ寝かせて、包丁の根元から刃先までを使うようにイメージするとよい。

「押しながら切ってはダメ。魚の身はやわらかいので繊維がつぶれてしまい、見た目も食感も悪くなります。ベタベタと魚に何度も触ると鮮度が落ちてしまうので、切った流れで皿に盛りつけます」

【極意3】表面がうっすらと白くなったら、すぐに食べる!

ぶりしゃぶのイメージ

ぶりしゃぶは食べるタイミングがとても重要です。強火でグラグラさせた鍋の中に、一度にたくさん入れていつまでも煮ているのはNG! ぶりは火を通し過ぎると、脂が抜けてパサパサになりボロボロと崩れてしまいます。

「見落としがちなのが火加減です。一度グラグラ沸いてきたら、鍋の表面がゆらゆらと動くくらいの弱火~中火弱にしましょう。ぶりは1枚ずつ鍋に入れ、2~3回しゃぶしゃぶします。表面が白っぽくなり、中がほんのりピンクに色づいた『霜降り』の状態になったときが、いちばん美味しい食べごろです」

ぶりしゃぶの鍋のスープは、昆布を入れるだけのシンプルなものでも良いそう。魚の臭みを消すために、好みで酒やゆずの輪切りなどを入れてもOK。食べすすむうちにぶりの脂がスープに出てきて、さらに美味しくなっていきます。シメは雑炊、うどん、そばなど。

「新鮮で美味しいぶりが手に入ったら、塩だけで食べるのもおすすめです」

ぶりしゃぶ鍋の「スープ」と「つけだれ2種」のレシピも教えてもらったので、こちらもお試しあれ!

◆ぶりしゃぶ鍋「スープ」のレシピ

【材料と作り方】鍋にたっぷりの水を入れ、昆布10~15cm、酒1カップくらいを入れて中火にかける。沸騰したら中火弱~弱火にする。

◆「つけだれ2種」のレシピ

ゆずこしょうだれ

【材料と作り方】水大さじ2、みりん大さじ1、しょうゆ大さじ1/2、ゆずこしょう小さじ1/2を混ぜ合わせる。好みで大根おろしを加えても美味。
「たらちりやかにすきなどの淡白な鍋にもおすすめ。ピリッとした大人向けの辛さでお酒にもピッタリな味です」

ピリ辛だれ

【材料と作り方】酒大さじ1(電子レンジ600Wで1分加熱してアルコールを飛ばす)、水大さじ1、甜麺醤(テンメンジャン)小さじ1、豆板醬小さじ1/2、砂糖小さじ1/4を混ぜ合わせる。好みでごま油少々を加えても。
「豚しゃぶや鶏鍋などにも合う、しっかりとしたパンチのある味です」

ぶりしゃぶにイチ押しはこれ!

香川県「オリーブぶり」

オリーブぶり

オリーブぶり 100g 780円(税込)。11月上旬~12月下旬ごろまで、伊勢丹新宿店にてお取扱いいたしております

香川県の特産品オリーブをえさに育てた「オリーブはまち」を、より大きく育てたのが「オリーブぶり」。身はぷりぷりとした弾む歯ごたえとコクがあり、脂はとろけるような質の良いうまみがある。

【鮮度のいいぶりの見分け方】
鮮度のよいものは、血合い(=皮と身の間にある赤い色の部分)が鮮やかな赤色になっている。鮮度が落ちると茶色や黒っぽくなってくるので避ける。

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文: 原田視納子

写真:八田政玄
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

バイヤー・スタイリスト / 野地祐太郎
2011年より<東信水産>鮮魚コーナーに勤務。店頭に並ぶ刺身の製造を中心に、夕方以降に調理法などのアドバイスを行なうことも。「魚は季節ごとの旬が味わえる食材です。刺身のほかに焼く、煮る、蒸す、揚げるなど、料理法によって味や食感がガラッと変わるので、いろいろな食べ方で楽しんでください。好きな魚はカワハギです」

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにてお取扱いがございます。

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