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2022.02.09

【コンソメ&トマト缶不要】濃厚ミネストローネのレシピ。野菜の旨みを引き出す煮込みにプロの技あり!

ミネストローネのイメージ

ミネストローネといえば「煮込み時間が短めの、あっさりしたトマトのスープ」というイメージがありませんか? ところが、本場イタリアでは、野菜をクタクタになるまでじっくり煮込んだ、素材の旨みたっぷりのレシピが基本なのだそう!

「ミネストローネ=トマトのスープと思っている人が多いと思いますが、トマトは必須ではありません。香りづけ程度に使用します。また、しっかり炒め、野菜がクタクタになるまで煮て濃厚な味を引き出すのが、本来のミネストローネの作り方です」

そう教えてくれたのは、伊勢丹新宿店<キッチンステージ>の柬理美宏シェフ。なんと今回はトマト缶や生のトマトは使わず、さらにコンソメやブイヨンなど市販のスープの素を使わない、濃厚ミネストローネの作り方を教えてくれるというから驚きです!

シンプルな作り方ながら、レストランで食べられるような本格的な味わいのミネストローネは、リピートしたくなること間違いなしのレシピです。あまり知られていない、プロならではの【鉄則】も丁寧に解説してくれるので、お見逃しなく。

濃厚な野菜の旨みを引き出す、本格ミネストローネ【3つの鉄則】

玉ねぎ、にんじん、セロリに塩をふっているイメージ

【鉄則1】ベースになる必須の野菜は、玉ねぎ、にんじん、セロリだけ!

ミネストローネは野菜がたくさん入った「食べるスープ」。使う野菜は【ベースになる野菜】+【具になる野菜】を組み合わせて使います。

必須で入れてほしい【ベースになる野菜】は「玉ねぎ、にんじん、セロリ」です。【具になる野菜】は、自由に選んでOK。今回【具になる野菜】には、ほうれん草やさつまいもなどを使いますが、ほかにもズッキーニやかぼちゃ、きのこ類など、季節に合わせていろいろな野菜を入れてみてください。食べ応えが出るいも類もおすすめです。

【鉄則2】塩で野菜の甘みを引き出す

ミネストローネの味の要は、野菜の甘さです。その甘さを引き出すために必要なのが、実は「塩」。野菜を加えるたびに塩をふって炒めることで、野菜の濃厚な甘さが引き出され、それがスープのコクと旨みになります。

【鉄則3】クタクタに煮込んでスープに野菜の旨みを移す

野菜の旨みをスープに移したいので、煮込み時間は40~60分と長め。野菜がクタクタになるまで煮込みます。こうすることで、コンソメやブイヨンを使わなくても、塩と黒こしょうだけで深い味わいに仕上がります。

巷にある一般的なミネストローネのレシピは、時短で手軽なものがほとんど。一方、柬理シェフのレシピでは、野菜を加えるたびに塩をふって炒めて、さらにじっくり時間をかけて煮ることが美味しく作るコツだったなんて初耳! それに【具になる野菜】には、さつまいもやほうれん草も合うというのは意外でした。そんな自由度の高さも驚きです。

それでは、実際にレシピを見ていきましょう。今回紹介する材料は「6人分」と多めですが、味付けしやすく、作りやすい分量です。ミネストローネは日持ちもするスープなので、目安にしてみてください。

【永久保存版】野菜をたっぷり使って旨みを凝縮! 本格ミネストローネレシピ

ミネストローネの材料

<材料>(6人分)

  • パンチェッタ(細切り)…30g ※生ハム、ベーコンでもOK
  • にんにく(みじん切り)…1/2片
  • 【ベースになる野菜】 ※ミネストローネの必須野菜です
    ・玉ねぎ(1cm角切り)…100g
    ・にんじん(1cm角切り)…50g
    ・セロリ(1cm角切り)…50g
  • 【具になる野菜】 ※今回は冬の旬野菜を使用。ほかの季節の野菜例はこちら
    ・さつまいも(1cm角切り)…100g
    ・カリフラワー(1cm角切り)…50g
    ・ブロッコリー(1cm角切り)…50g
    ・キャベツ(ひと口大)…50g
    ・ほうれん草(ざく切り)…50g
  • 【ハーブ】
    ・タイム…1枝 ※ローリエ、バジルでもOK
  • トマトジュース(無塩)…100ml
    ※角切りの生トマト、またはホールトマトを潰したトマト缶100gで代用可
  • 塩…適量
  • 黒こしょう…少々
  • オリーブオイル…大さじ2
  • 水…1,200ml

ミネストローネに合う【具になる野菜】おすすめリスト

たけのこ、菜の花、グリンピース、スナップえんどう、そら豆、新じゃが
なす、ズッキーニ、トマト、パプリカ、インゲン、ヤングコーン
きのこ、栗、ごぼう、れんこん、里芋、じゃがいも
さつまいも、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、ほうれん草、大根、長ねぎ

<作り方>

1. 鍋にオリーブ油、にんにく、パンチェッタを入れて炒める

オリーブ油、にんにく、パンチェッタをフライパンに入れるイメージ

火をつけるまえの鍋にオリーブオイル、にんにく、パンチェッタを入れてから中火にかける。にんにくのまわりが泡立ってきたら弱火にし、にんにくがうっすら色づくまで炒める。

「鍋をあらかじめ熱してから炒めると、にんにくが焦げやすくなるので、オリーブオイル、にんにく、パンチェッタを入れてから火をつけてください」

2. 材料の【ベースになる野菜】玉ねぎ、にんじん、セロリを加え、塩をふって10分炒める

玉ねぎ、にんじん、セロリを加えて、塩をふるイメージ

玉ねぎ、にんじん、セロリを加え、塩ひとつまみをふり、焦げないよう木べらでかき混ぜながら中火で10分ほど炒める。

「玉ねぎ、にんじん、セロリはミネストローネの味のベースを作る野菜です。塩をふって炒めることで野菜から水分が出やすくなって、味が凝縮します。このとき入れる塩は味つけのためのものではないので、入れ過ぎないようにしてください」

3.  材料の【具になる野菜】はかたいもの(さつまいも)から加え、塩をふって炒める

さつまいもを加えるイメージ

さつまいもを加えて、塩ひとつまみをふってから、全体にオリーブオイルがまわるまで炒める。

4.  材料の【具になる野菜】のやわらかいもの(カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、ほうれん草)を加えて、塩をふって炒める

カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、ほうれん草を加えて塩をふるイメージ

カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、ほうれん草を加えて、塩ひとつまみをふってから、木べらでかき混ぜながら全体がしんなりとするまで炒める。

5. トマトジュースを加えて炒め、煮詰める

トマトジュースを加えるイメージ

「ミネストローネはトマトのイメージが強いかもしれませんが、主役はトマトじゃなくて野菜。今回使うトマトジュースは、旨みの補足として100mlだけ使います。(トマトジュースがなければ、同量(100g)の角切りの生トマト、またはホールトマトを潰したトマト缶で代用してもいいでしょう)

トマトジュースが煮詰まるくらい炒めるイメージ

「トマトジュースを野菜にからめるようにして炒めて、味を濃縮させます」

6. 水、タイムを加えて煮立たせる。沸いたらアクをとり、弱火で40~60分煮て、味を調える

タイムを加える

「水とタイムを加えたら、弱火で40~60分かけて、全体が4/5量になるまで煮詰めていきます。水分を飛ばすため、煮込むときはふたはしないでください」

ミネストローネの完成写真

「全体が煮詰まって4/5量になって、具材がクタクタになったら、塩と黒こしょうで味を調えて完成です」

とろとろ野菜のやさしい味が口いっぱいに広がる! 大満足のミネストローネが完成

ミネストローネの出来上がり

器に盛って、好みでエクストラバージンオリーブオイルを回しかけ、イタリアンパセリ(分量外)をちらします。熱々のミネストローネをふうふう吹きながらいただくと、にんにくの風味、パンチェッタの塩気、そして、野菜から引き出された甘みが混然となった豊かな味わいに驚きます!

野菜に塩をふって炒めて水分を引き出して旨みを凝縮させ、さらにクタクタになるまで煮込むことで、野菜の美味しさがスープに完全に溶け込んでいるからこその味わい。味つけは塩と黒こしょうだけ、というのが信じられないほど、まったりと濃厚な味に仕上がっています。

【シェフのおすすめアレンジ】まるでレストランの味わい。チーズでおしゃれに、マイルドに!

ミネストローネに粉チーズをかけたところ

「仕上げにパルミジャーノチーズをかけると、本格的なレストランの料理のようになります。ミネストローネは作ったその日はもちろん、翌日になると味が馴染んでさらに美味しくなりますよ」

また、柬理シェフ曰く、ミネストローネはベースとなる野菜(玉ねぎ、にんじん、セロリ)は必ず入れるようにすれば、そのほかの具材は、季節の野菜やきのこ類などを使って自在にアレンジして楽しめるそう。

季節の野菜のほかに、おすすめアレンジの一例として「豆の水煮」や「ショートパスタ」を加えると、主食も兼ねたボリューム感のあるご馳走スープとして楽しめるそうです。

毎日でも食べ飽きないスープなので、ぜひ、アレンジを加えて自分好みの組み合わせを見つけてください!

伊勢丹新宿店<キッチンステージ>では、有名シェフ監修のメニューが月替りで楽しめます!

キッチンステージ

伊勢丹新宿店 本館地下1階にある<キッチンステージ>は、有名シェフが監修したメニューを味わえるレストラン。メニューは4〜5週間ごとに変わり、フレンチに和食、中華まで、名店の味をカジュアルに楽しめます。ご家庭で提供メニューの味を再現できるようにレシピも差し上げていますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

<キッチンステージ>の詳細はこちら>>

shinjukuisetan_kitchenstage

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撮影:矢野宗利
文:白鳥紀久子

バイヤー・スタイリスト / 柬理美宏
4~5週間ごとにさまざまなジャンルの人気料理人や料理研究家たちの創作メニューを提供している、伊勢丹新宿店本館地下1階「キッチンステージ」の料理長。「オープンキッチンスタイルを生かし、お客さまに五感で料理を楽しんでいただけるように心がけています」
柬理シェフのレシピ一覧はこちら>>

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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