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2022.04.06

【プロが解説】温泉卵&ポーチドエッグの簡単な作り方。白身のかたさに違いあり!

ポーチドエッグのイメージ

温泉卵とポーチドエッグの違いって、ご存じですか? どちらもトロッとした半熟の黄身が醍醐味の卵料理なので、「和食と洋食で使い分けているだけ?」と勘違いしている人もいると思いますが、実は似て非なる料理なんです。

そして、どちらもいざ作ってみると、火が通り過ぎて黄身までかたまってしまったり、逆に加熱が足りず形が崩れてしまったり、意外に難しい…という共通点も。

「温泉卵とポーチドエッグはどちらも黄身が半熟ですが、大きな違いは白身のかたさ(食感)です。温泉卵は半熟の黄身よりも白身がプルッとやわらかい仕上がりに。一方、ポーチドエッグはほどよくかたまった白身が半熟の黄身をやさしく包んだ状態に仕上げます。ポイントは、卵の黄身と白身がかたまる温度の違いを利用することです」

そう教えてくれたのは、伊勢丹新宿店<キッチンステージ>の柬理美宏シェフ。卵の白身に違いがあるというのが気になります…。

そこで今回、温泉卵とポーチドエッグの違いに加えて、それぞれ基本の作り方と簡単なアレンジレシピを詳しく解説してもらいました!

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白身のかたさに違いがあり! 温泉卵とポーチドエッグの比較

あらためて「温泉卵」と「ポーチドエッグ」の目指す仕上がり(でき上がり具合)と作り方(レシピ)の違いについて、具体的に教えてもらいましょう!

温泉卵とポーチドエッグのイメージ

左:温泉卵、右:ポーチドエッグ

  温泉卵 ポーチドエッグ
白身のかたさ(食感) 黄身は半熟、白身は黄身よりプルッとやわらかい 黄身は半熟、ほどよく固まった白身がやさしく包む
調理方法(作り方) 卵を殻のまま68℃のお湯に入れ、20分加熱する。氷水に浸す 卵の殻を割って、水溶卵白を取り除いたものを、弱火~中火にかけた沸騰させた湯(100℃)に入れる。中火で動かさずに30秒加熱し、上下を返して弱火にして2分30秒加熱する。氷水に浸す

「卵の白身と黄身は、かたまる温度に差があります。白身がかたまる温度は65~80℃くらい。黄身はそれよりも低く65~70℃くらいでかたまります」

【温泉卵】「黄身よりも白身がやわらかい状態にしたいので、白身がしっかりかたまる手前の温度(68℃)に持っていくことがポイントです」

ポーチドエッグ】「半熟の黄身が流れ出さないように白身を早くかためたいので、沸騰させた湯(100℃)で作ります。意外と知られていないポイントは、水溶卵白を取り除くことです」

なるほど! でき上がりのイメージが異なるのは、作り方にもこれだけの違いがあるからなんですね。確かにポーチドエッグの「水溶卵白」という言葉は、初めて聞きました…。のちほどレシピ紹介のところで詳しく教えてもらいましょう。

 

それでは、温泉卵、ポーチドエッグの作り方をそれぞれご紹介していきましょう。それぞれ重要なポイントがあるので、丁寧に解説してもらいます。簡単なアレンジも紹介するのでお見逃しなく!

【基本】プロ直伝! 温泉卵のいちばん簡単な作り方

温泉卵を作るとき、慣れないうちは卵1個分ずつ調理するのがおすすめです。慣れてきたら2~3個と増やしていくといいでしょう。

1. 卵を冷蔵庫から出し、室温において常温に戻す

卵を室温において常温に戻すイメージ

冷蔵庫から出したばかりの卵を、室温に30分ほどおいて常温に戻す。急いでいるときは、キッチンの水栓から出るお湯をボウルにはり、卵を浸して10分ほどおくと常温に。

――卵を常温に戻すのはなぜ?

「黄身よりも白身がプルッとやわらかい状態がおいしい温泉卵の条件。冷蔵庫から出したての冷たい卵を使うと、加熱するときの温度差が大きくなり、湯の温度も下がるため、仕上がりがブレてしまいます。温泉卵を作るときは、まず卵を常温に戻しましょう」

2. 鍋に卵がかぶるくらいの水を入れ、強火で沸騰させたら火を止めて、冷水を加えて混ぜる

沸騰した湯に冷水を加えるイメージ

鍋(直径20cm程度の鍋を使用)に湯1ℓ(1,000ml)を沸かし、沸騰したら火を止め、冷水100mlを加えて混ぜ合わせる。これで湯の温度が80℃前後まで下がる。
「冷水とは、常温の水より冷たいと感じるくらいが目安(常温の水は15~25℃、冷水は10℃以下)。冬の寒い時期は水道水でもいいですが、それ以外の季節は冷蔵庫で冷やした水か、水100mlに氷1個を入れて冷やすといいでしょう」

――せっかく沸かした湯に冷水を加えるのはなぜ?

「本来は、68℃にキープしたお湯で20分加熱し、卵本体も68℃に到達させてベストなかたさにするというのがプロの作り方。ですが、家庭で温度を測りながら作るのは手間なので、今回は、高めの温度から加熱し始め、10分で卵本体を68℃に到達させます。

沸騰した湯1ℓ(1,000ml)に冷水100mlを加えると、お湯の温度は80~85℃に。自然とお湯の温度が下がっていくことも考慮すると、10分で卵が68℃に到達します」

3. 卵を入れてフタをし、10分おいて余熱で加熱する

網じゃくしで卵を湯に入れるイメージ

卵が割れないように網じゃくしなどにのせ、湯に静かに入れ、フタをして10分放置する。

――フタをするのはなぜ?

鍋にフタをするイメージ

「温泉卵は火を止めて余熱で卵に熱を通していくので、フタをしないと熱がどんどん逃げてしまいます。フタをすることで湯の温度が保たれ、白身だけでなく黄身にまで熱が通ります」

4. 鍋から卵を取り出して、氷水に浸す

でき上がった温泉卵を氷水で冷やすイメージ

10分経ったら鍋から卵を取り出して、たっぷりの氷水に入れてすぐに冷やす。

――氷水ですぐに冷やすのはなぜ?

温泉卵を割ったイメージ

温泉卵を割ったイメージ

「余熱で卵に火が入るのを防ぎ、黄身はトロッと半熟、白身もやわらかい状態をキープします。また、氷水に浸すことで白身の外側が引き締まって殻を割ったときに白身がつるんと殻から離れやすくなります」

【簡単アレンジ】混ぜるだけ! 温泉卵の冷製カルボナーラ

温泉卵を使った簡単アレンジレシピを紹介します。温泉卵の濃厚な黄身とプルンとやわらかい白身の食感を最大限に生かした冷製パスタです。

温泉卵の冷製パスタのイメージ

<材料>(1人分)

  • スパゲッティーニ(1.6mm)…70g
  • 温泉卵…2個
  • しらす(釜あげ)…20g 
  • 万能ねぎ(青ねぎ、小ねぎ)の小口切り…2g(2~3本分)
  • パルミジャーノチーズ…大さじ1
  • 塩、粗びき黒こしょう…各適量
  • エキストラバージンオリーブオイル…小さじ1

<作り方>

  1. 鍋にたっぷりの水を入れて強火で沸かし、2%の塩(分量外。水1ℓに対して20gの割合)を入れ、よく混ぜて溶かす。
  2. 1にパスタを入れ、パスタの袋の表示より1分長い時間でゆでる。
  3. パスタをザルに上げ、冷水でしめてザルにあげる。
  4. ボウルに温泉卵を入れてフォークで崩し、しらす、小ねぎ、パルミジャーノチーズ、オリーブオイル、塩、粗びき黒こしょうを加え混ぜてソースを作る。
  5. 4にパスタを加えてソースをからめる。
  6. 器に盛り付け、しらす干し、小ねぎ(各分量外)をちらす。

温泉卵を麺類や丼もの、サラダに乗せれば、簡単に料理がグレードアップします! もちろん、しょうゆをかけてシンプルにそのまま食べても◎。卵本来のおいしさを堪能できます。

続いて、ポーチドエッグの基本のレシピを紹介します。

【基本】プロ直伝! 絶対失敗しないポーチドエッグの作り方

ポーチドエッグも、慣れないうちは卵1個分ずつ調理するのがおすすめです。慣れてきたら2~3個と増やしていくといいでしょう。

1. 卵を冷蔵庫から出し、殻を割って、水溶卵白を取り除く

網じゃくしに卵を割ったイメージ

卵を網じゃくしの上に割り落とし、水溶性卵白を落とす。残った黄身と濃厚卵白部分は別容器に入れておく。

――水溶卵白とは? どうして取り除くの?

水溶卵白と濃厚卵白のイメージ

「卵の白身のサラッとしたところを『水溶卵白』、プリッと盛り上がったところを『濃厚卵白』といいます。水溶性卵白は加熱してもかたまらず、湯の中にモヤモヤとちってしまいます。そのため、ポーチドエッグを作るときはあらかじめ取り除いておくことで、きれいな仕上がりを目指します」

2. 鍋に卵が浸るくらいの水を入れて強火で沸騰させたら、酢を加えて混ぜる

沸騰した湯に酢を加えるイメージ

淵に卵が付かないよう、少し口の大きな鍋(直径25cm程度の鍋を使用)に1ℓ(1,000ml)の湯を沸かし、ボコボコと沸騰してきたら、酢50mlを加えて混ぜる。

――酢を入れるのはなぜ?

「ポーチドエッグは湯に割った卵を直接入れるので、卵の表面を早急にかためる必要があります。酢には卵に含まれるたんぱく質をかためる作用があるので、白身がかたまる温度(100℃)まで沸騰させた湯に酢を加えることで、白身が素早くかたまるようになるんです」

3. 弱火にして卵を入れ、中火で動かさずに30秒加熱する

湯に卵をすべり落とすイメージ

弱火にして、細かい泡がフツフツと沸くくらいになったら、1の卵(黄身と濃厚卵白)を入れた容器を湯に近づけてそっとすべり落とし、中火で動かさずに30秒加熱する。

――火加減の調節が細かいのは、なぜ?

「ポーチドエッグを作るときは、細かい泡がフツフツと沸く状態の湯の温度(100℃)をキープしたいのですが、卵を入れると湯の温度が急激に下がるので、いったん中火にして温度を高めて調整します」

4. フォークで卵をひっくり返したら弱火にして2分30秒加熱する

フォークで湯の中の卵を転がすイメージ

弱火にしたらフォークで卵をやさしく転がしながら2分30秒加熱する。

――転がしながら加熱するのは、なぜ?

「転がすことできれいな楕円体に成形され、黄身が中央に定まって、割ったときに半熟の黄身がきれいに流れ出るポーチドエッグに仕上がります」

5. 鍋から卵を取り出して、氷水に浸す

でき上がったポーチドエッグを氷水で冷やすイメージ

2分30秒たったら鍋から卵を取り出して、たっぷりの氷水に移してすぐに冷やす。

――氷水ですぐに冷やすのはなぜ?

ポーチドエッグを手に持つイメージ

「余熱で卵に火が入るのを防ぎます。また、すぐに氷水にさらすことで酢が洗い流され、香りも気にならなくなります」

【簡単アレンジ】とろける黄身がアクセント! ポーチドエッグのせアスパラベーコン

カリカリベーコンとバターソテーしたアスパラガスに、ポーチドエッグの黄身とレモンドレッシングをからめていただく華やかなサラダ。おもてなしにもピッタリです!

ポーチドエッグのグリルサラダのイメージ

<材料>(1人分)

  • ポーチドエッグ…1個
  • アスパラガス…2本
  • ベーコン…1枚
  • 無塩バター…30g
  • レモンの絞り汁…小さじ1
  • オリーブオイル…小さじ3
  • 黒こしょう、パルミジャーノチーズ…各適量

<作り方>

  1. アスパラガスは根元のかたい部分とはかまを切り落とし、下部をピーラーでむいた後、塩ゆでして、食べやすい大きさに切る。
  2. フライパンにベーコンを入れて、両面がカリカリになるまでソテーして取り出す。
  3. 2にバターを加えて中火で溶かし、1を入れて溶けたバターをからめながら温める。
  4. 皿にベーコン、アスパラガス、ポーチドエッグの順に重ねる。
  5. 小さめのボウルにレモンの絞り汁、オリーブオイルを入れてかき混ぜ、4にかける。仕上げに黒こしょう、パルミジャーノチーズをふる。

とろっと溢れる黄身のビジュアルが食欲をそそるポーチドエッグ。サラダやパンに乗せるだけでもぐっとおしゃれな一皿に。優雅な朝食の時間を過ごせそうです。

いかがでしたか? 簡単なようで奥が深い、温泉卵とポーチドエッグ。ぜひ今回のレシピを参考に、とろ〜り食感の卵料理を楽しんでみて!

【プロの愛用品】温泉卵を作るときに役立つ低温調理器

柬理シェフがプロ目線でおすすめする調理道具を紹介します。今回は、温泉卵を作るときにあると便利な低温調理器です。

自動で温度管理してくれる<貝印>KaiHouse aio The Sousvide Machine 低温調理器

<貝印>低温調理器 55,000円(税込) ※販売期間:通年

<貝印>低温調理器 55,000円(税込) ※販売期間:通年

今回は80~85℃の湯に入れて10分放置すればできるという、簡単で失敗知らずのレシピを紹介しましたが、プロは、温泉卵は68℃に保たれたスチームオーブンに20分入れて作ります。

プロと同じクオリティーで作れるのが、この低温調理器。食材を一定温度で加熱するシンプルな調理器です。付属の真空機と専用の真空袋を使えばお肉や魚の調理にも使用できます。

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撮影:矢野宗利
文:白鳥紀久子

バイヤー・スタイリスト / 柬理美宏
4~5週間ごとにさまざまなジャンルの人気料理人や料理研究家たちの創作メニューを提供している、伊勢丹新宿店本館地下1階「キッチンステージ」の料理長。「オープンキッチンスタイルを生かし、お客さまに五感で料理を楽しんでいただけるように心がけています」

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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