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2017.12.05

魚のプロが教える「ぶり大根」のレシピ。臭みがある、身がパサつく、味がしみない悩みを解決!

ぶり大根のイメージ

しっとりしたぶりの身とうまみがしみた大根のほくほく感がたまらないぶり大根。でも、家庭で作るとぶりがパサついたり、魚の臭みが気になったりと、なかなか満足いく仕上がりにならないという人も多いのでは? そこで今回は見違えるほど美味しくなる、ぶり大根のレシピをプロに教えてもらいました。

ぶり大根などの煮物や炒める、茹でる、蒸す、揚げるなど一台で調理できる深型フライパンはこちら>>

臭みがある、ぶりがパサつく、大根に味がしみない…その悩みを解決します!

東信水産の石戸さん

レシピを教えてくれるのは、伊勢丹新宿店の鮮魚コーナーで日々魚を扱うプロフェッショナル、石戸宏さん。臭み、ぶりの身のパサつき、大根に味がしみない……などのお悩みを解決し、劇的に美味しくするプロのテクニックを、石戸さんに教えてもらいました。

ぶり大根を作るプロのコツ

①【アラの扱い】 うまみの元になる「アラ」はマスト! 「焼いてから煮る」で臭みなし

下処理が面倒だと敬遠しがちな「アラ」ですが、これが「出汁」のもと。皮や骨からゼラチン質が出てうまみたっぷりに仕上がるので、ぜひ入れましょう。

アラはうまみが出る反面、正しい下処理をしないと「臭みのもと」になります。煮る前にサッと焼く「焼き霜」をすれば、臭みをおさえることができます。

②【ぶりの身の扱い】ぶりの身は「サッと煮る」、大根とアラは「じっくり煮る」が鉄則!

面倒に思えるかもしれませんが、プロは「ぶりの身」と「大根とぶりのアラ」を別々の鍋に入れて煮ます。ぶり大根のぶりがパサつく原因は、長く煮すぎていること。ぶりの身はサッと15分煮て、大根とアラはじっくり30分煮てアラのうまみをしみこませます。

また、サッと加熱して仕上げる「ぶりの身」の煮汁には、調味料に「たまり醤油」を加えるのがポイント! 短時間でも煮汁にコク、照り、うまみを出せる秘密兵器です。

③【大根の扱い】米のとぎ汁で下ゆでして、味をしみやすくする!

大根は米のとぎ汁で下ゆですると、アクも抜けてやわらかくなり、調味料がしみやすくなります。調味料を加えたあとに、いくらじっくり煮ても、大根はやわらかくなりません。

これらのテクニックを盛り込みながら、プロ直伝のぶり大根の作り方を見ていきましょう。

ふっくらしみしみ! 絶品ぶり大根のレシピ

<材料>(4人分)

ぶり大根の材料

ぶつ切りになった身の部分

  • ぶり(切り身、アラ合わせて)…400~500g
  • 大根…4~6cm(中央の白い部分)
  • 【ぶりの身の煮汁】
    ・昆布出汁…800ml
    ・みりん…100ml
    ・たまり醤油…50ml
    ・濃口醤油…50ml
    ・酒…50ml
    ・砂糖…大さじ3
    ・しょうが(薄切り)…1かけ分

※【ぶりの身の煮汁】の分量は具材がひたひたになる程度が目安です。多ければ半量で作るなど、鍋の大きさによって調整してください。

ぶり大根の材料

ぶりの身がほとんどついていない、アラの部分(頭、中骨、かま、尾など)

  • 【大根とアラの煮汁】
    ・昆布出汁…800ml
    ・みりん…100ml
    ・濃口醤油…100ml
    ・酒…50ml
    ・砂糖…大さじ3
    ・しょうが(薄切り)…1かけ分

※【大根とアラの煮汁】の分量は具材がひたひたになる程度が目安です。多ければ半量で作るなど、鍋の大きさによって調整してください。

<作り方>

1 ぶりの身の下処理をする

ぶりは身とアラに分ける。身に塩(適量、分量外)をふり、20分ほどおいてペーパータオルで水気を拭き取る。鍋にたっぷりの湯を沸かしてぶりを入れ、表面が白くなったら取り出し、ウロコや水気をペーパータオルで取り除く。

2 ぶりのアラに焼き霜をする

グリルで焼き色をつけたアラ

ぶりのアラに「焼き霜」という作業を行う。全体に塩(適量、分量外)をふって10分ほどおき、魚焼きグリルで写真のように焼き色がつくまで両面を中火で焼く。

3 大根を米のとぎ汁で下ゆでする

下ゆでした大根の火の通りを竹串で確かめる様子

大根は厚めに皮をむき、1.5~2㎝厚さの輪切りにし、煮崩れを防ぐために面取りする。鍋に大根とたっぷりの米のとぎ汁を入れて中火にかける(米のとぎ汁がなければ、生米をひとつかみ入れてもOK)。煮立ってから15分ほど煮て、大根に竹串がスッと通るくらいやわらかくなったらざるにあげる。鍋かボウルに移し、5分ほど水にさらす。

4 ぶりの身、大根とアラを別々の鍋で煮る

ぶり、大根を煮ている様子

鍋を2つ用意する。

1つの鍋に「ぶりの身の煮汁」の材料を入れ、中火にかけて煮立ったらぶりの身を加える。ペーパータオルやアルミ箔などで落しぶたをして、ぶりの身は15分弱めの中火で煮る。途中でアクが出てきたら除く。

もう1つの鍋に「大根とぶりのアラの煮汁」の材料を入れ、中火にかけて煮立ったら下ゆでした大根とぶりのアラを加える。落しぶたをして30分ほど弱めの中火で煮る。途中でアクが出てきたら除く。

5 火を止め、一度冷ます。食べるときに温める

4は煮たあとそれぞれ火を止めて、いったん冷ます。食べるときに温めて、器にぶりの身、大根、好みでぶりのアラを盛りつける。

「冷めるときにぶりや大根に味がしみていきます。少し時間をおいて味を落ち着かせてから、食べるときに再度温めてください」

感動の美味しさ! お店のような本格ぶり大根が完成

ぶり大根のイメージ

いつもより少し手間をかけて作ったぶり大根。お味はというと、ぶりは身がふっくらやわらかく、煮汁が全体にしみていていい塩梅。大根も箸でスッと切れるほどやわらかく、ぶりや煮汁のうまみがしっかりしみて、まるでお店の味! 文字通り「箸が止まらない」美味しさです。

定番の和食だからこそ、美味しくできた感動はひとしお。白飯や日本酒とともに、ぜひ家庭でプロの味わいを楽しんでください。

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文: 西島恵

写真:岡田一也、松本いく子(ぶり大根)

バイヤー・スタイリスト / 石戸宏
伊勢丹新宿店「東信水産」担当。秋田県の料理屋に生まれ、もともとは料理人を目指していた経緯から、ふぐ調理師の免許も所持。休日もキッチンに立ち、料理した魚をアテにお酒を飲むのが楽しみ。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット/東信水産にてお取扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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