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2021.03.13

【魚のプロ直伝】旨みと香りがすごい! 切り身で作る鯛めしレシピ。 鯛のさばき方解説も

魚の王様・鯛を炊き込んだ「鯛めし」。ふっくらとしたごはんに、鯛ならではの上品な旨みと香りがたっぷり詰まっていて、ハレの日や行楽弁当にもぴったりの炊き込みごはんです。

でも鯛を一尾使うのは、仕上がりに臭みが残らないか気になるところ。かといって切り身だけで作ると、鯛の味が物足りないのではないかが心配……。一体どれがベストな方法なのでしょうか?

そこで今回は、プロに「鯛めし」を上手に作るコツを伝授していただきました。

教えてくれるのは、伊勢丹新宿店の鮮魚コーナー、<東信水産>の保科哲也さんです。今回は鮮魚店で三枚おろしにした鯛を使いますが、自分でおろしてみたい!という人のために、記事の最後に鯛のさばき方も詳しくご紹介しているので、参考にしてみてください!

名店の味をおとりよせ「シェフ’s DELI」はこちら>>

鯛のあらでだしをとるだけで、まるでプロの味! 鮮魚店が教える、鯛めしをおいしく作るポイント

生の鯛

「鯛めしをおいしく作るベストな方法は、鯛の切り身とあらの両方を焼いてから別に使うこと。一尾丸ごとの姿見で作ると見栄えはよいですが、骨やウロコがごはんに混ざってしまい、食べにくいという難点が。一方で、切り身だけで作ると、鯛の味わいがやや物足りないと感じることも。その両方の悩みを解決するのが今回紹介するレシピです」

なるほど! 確かに上記の作り方ならおいしく作ることができそう。では具体的にどういうポイントに気をつければいいのでしょう?

ポイント① 鯛は一尾丸ごと、または切り身とあらを一緒に購入を

鯛を丸ごと一尾購入して、鮮魚店でさばいてもらい、あらも一緒にもらうのがおすすめ! もしくはスーパーなどであらだけ別売りされていることも多いので、切り身とセットで購入するようにしてください。あらがどうしても手に入らない場合は、切り身を分量より多めに加えて!

ポイント② 「塩をふる」&「焼いてから加える」のひと工夫で臭みのない仕上がりに!

魚は塩をふってしばらくおくと、塩の脱水効果で余分な水分が出てきます。これが臭みのもとなので、拭き取ってから調理に使いましょう。また、焼いてから使うと、いっそう生臭みを消す効果は高まります。香ばしさも加わるので一石二鳥!

ポイント③ あらはだしに、切り身はご飯と炊いて、別々に使う!

あらは昆布と一緒に水で煮出して、だしをとるのに使って。切り身はそのまま米と一緒に炊いて、ふっくら仕上げます。あらと切り身を別々に使うことで旨みはたっぷり、かつ食べやすい、絶品鯛めしに!

それでは、実際にレシピを見ていきましょう。

【保存版】鮮魚店が教える、鯛めしの作り方

鯛めしの材料

<材料>(3人分)

  • 真鯛の切り身…2切れ(体長20cmの真鯛1尾を切り身にしたもの)
  • 塩…適量
  • 米…2合
  • だし汁
    真鯛のあら…1尾分
    ※ない場合は、切り身の分量を多めにする。鯛のおろし方はこちら
    昆布(10cm角)…1枚
    水…500ml
  • 調味料
    うす口醤油…大さじ2
    酒…大さじ1
  • 木の芽…適宜
    ※焼きのり、白炒りごま、細ねぎの小口切りなどでも

<作り方>

1. 米を研いで浸水させる

米は研いでから30分ほど浸水させ、ザルにあげておく。

2. 鯛に塩をふる

鯛に塩をふっているところ

鯛の切り身とあらをバットに並べ、裏表全体に塩を軽くふる。

鯛の水分をペーパータオルで拭いているところ

10分ほどおいたら、キッチンペーパーで水分を拭き取る。

「塩をふってしばらくすると、水分が浮き出てきます。これが臭みのもとなので、しっかり拭き取っておきましょう」

3. 鯛の切り身とあらを焼く

グリルで焼いた鯛

オーブンペーパーを敷いた天板に、皮目を上にした鯛の切り身とあらを並べ、280℃のオーブンに入れて10分ほど焼き色がつくまで焼く。または、焼き網か魚焼きグリルで強火で焼き色がつくまで両面を焼く。

「鯛をしっかり焼くと、香ばしさがごはんに移ってよりおいしくなります。魚焼きグリルで焼く場合は、厚みのある頭、身、あら(中骨)の順で、時間差でグリルに入れるか、焼けたそばから取り出してください」

4. 鯛のあらでだしをとる

鯛のあらを加えているところ

鍋に分量の水500mlと昆布を入れ、30分浸けおきし、3の焼いた鯛のあら(切り身は入れない)を入れて弱火にかける。途中アクが浮いてきたらすくう。フツフツとした火加減(沸騰しない程度の火加減)で20分ほど煮たら火を止め、粗熱がとれるまでそのまま冷ます。

「昆布とともに水から弱火で煮て、煮汁が黄金色になるまでじっくりと旨みを引き出します。これは潮(うしお)汁(=魚のあらなどからだしをとって、塩で味つけした汁物)と同じ手法で、澄んだ上品な味わいのだし汁がとれるんですよ」

鯛のあらでとっただし汁

「上写真は20分ほど煮た、鯛のあらのだし汁です。うっすら黄金色になっています。火を止めたあと、昆布のみを取り出し、あらはそのままだしと一緒に冷ますと、旨みがより深まります」

5. 炊飯器に米、だし汁、焼いた鯛、調味料を入れて炊く

炊く直前の炊飯がま

炊飯器に1の米、3の鯛の切り身、4のだし汁2カップ(もし足りなければ水を足す)、うす口醤油、酒を入れ、炊飯器で普通に炊く。

「できあがっただし汁は多めなので、きっちり2カップを計量して入れてください。余った分は、お吸い物に利用したり、鯛めしにかけて鯛茶漬け風にしたりするのがおすすめ。醤油はうす口醤油を使うと、色味が淡く仕上がります」

6. 鯛を取り出してほぐし、ご飯と混ぜる

炊き上がった鯛めし

炊き上がった鯛めしを混ぜているところ

炊き上がったら鯛の切り身を取り出し、食べやすい大きさにほぐす。炊飯器に戻し入れ、全体をやさしく混ぜる。器によそい、好みで木の芽をあしらう。

「炊飯器のフタを開けると、おいしそうな香りがふわ~っと漂います。おこげもおいしくできていれば合格です!」

香ばしい旨みたっぷり! 鯛めしのできあがり

鯛めしのイメージ

ごはんを噛むごとに鯛の濃厚な旨みが口にあふれ、焼き魚特有の皮の香ばしさがたまりません。骨やウロコが混じっている心配がないので、安心して食べ進められるのも嬉しいですね。

木の芽と鯛めしを一緒にいただくと、春のさわやかな香りが加わって、後味が軽やかに。ほかには焼きのりや白ごま、細ねぎなどのトッピングもよく合うのだそう。

鯛めしは冷めてもおいしい! 俵形に握って春の行楽弁当にもおすすめ

俵形に握った鯛めしのイメージ

冷めても香りがよい鯛めしは、おにぎりでもおいしくいただけます。俵型に握って木の芽を飾れば見栄えもよく、行楽弁当にぴったり。

「ほかには焼きおにぎりや、味噌と青じそを入れたお茶漬けにするのもおすすめです」

なお、鯛は年中出回っていますが、特に春と秋が旬と言われています。ぜひ、鯛のおいしい時期に、旨みたっぷりの鯛めしを作ってみてください!

「一尾さばきたい」という本格派の人向け。鮮魚店が教える鯛の下処理(3枚おろし)

鯛が一尾手に入り、「自分でさばいてみたい」という方向けに、保科さんに鯛の基本のさばき方を教えていただきました。鯛をおろすのは、基本的な手順を覚えればどの魚にも応用可能。定期的に魚をさばく機会があるなら、出刃包丁、ウロコ取り、骨抜きの3点は揃えるといいでしょう。

1. ウロコを除く

鯛のウロコをひいているところ

鯛の尾の方にウロコ取りをあて、頭側に向かって動かし、ウロコを取り除く。ウロコ取りがない場合は、包丁を使う。

鯛のウロコをひいているところ

ヒレのまわりなど、ウロコが取りきれない部分は、包丁でこそげ落とす。

2. 頭を切り落とす

鯛の頭を落としているところ

胸ビレと腹ビレに沿って、出刃包丁で頭を切り落とす。

※鯛の頭や骨はかたいので、なるべく出刃包丁で作業するといい。

3. 腹を切り開き、内臓をかき出す

鯛の腹を開いているとことろ

尾を左、腹を手前に置き、肛門に包丁の切っ先を刺して、頭側に向かって腹を切り開く。

鯛の腹を洗っているところ

内臓を引き抜き(写真左)、流水で腹の中を洗う。赤い色をした血合い(血ワタ)が残っていると生臭くなるので、指先でしっかりとこそげ落とす(写真右)。洗い終わったらペーパータオルで水気を拭き取る。

4. 3枚におろす。腹側から包丁を入れ、尻ビレに沿って中骨に届くまで切れ込みを入れる

鯛を3枚におろしているところ

尾を奥、腹を右側に置く。包丁を寝かせ、尾側から頭側に向かい、尻ビレの上に沿って中骨に届くまで切れ込みを入れる。

5. 背側からも同様に、背ビレに沿って中骨に届くまで切れ込みを入れる

鯛を3枚におろしているところ

尾を手前、背を右側に置きなおす。包丁を寝かせ、頭側から尾側に向かい、背ビレの上に沿って中骨に届くまで切れ込みを入れる。この段階では、骨から身がはずれなくてもOK。

6. 包丁を貫通させ、中骨から身をはがす

鯛を3枚におろしているところ

中骨の上に沿い、尾の付け根あたりに腹側から背側に包丁を貫通させる(刃は頭側に向ける)。尾を持ちながら、頭側に向かって包丁を動かし、中骨から身を離す。

鯛を3枚におろしているところ

包丁の刃を先ほどと反対(尾側)に向けて、骨と身のあいだに入れ、尾の付け根の身を切り離す。身を裏返し、今度は背、腹の順に身を切り離す。

7. 切り身についた腹骨をそぎ取る

おろした鯛の切り身

写真は中骨から身をはずし、おろし終わった鯛の切り身。内臓が入っていた部分に腹骨がある。

鯛の腹骨をすいているところ

腹骨に沿って包丁を寝かせて、そぎ取る。

8. 小骨を取る

鯛の小骨を取り除いているところ

中骨の小骨を骨抜きで抜く。上から指でなぞり、骨があたらなくなればOK。

9. 中骨の血合いを洗う

鯛の頭と中骨

残った頭と骨の部分があら。中骨のまわりの赤い色をした部分が血合い。

鯛の中骨の血合いを洗っているところ

中骨の血合いが残っていると生臭くなるので、歯ブラシやタワシを使って、しっかりかき出して洗う。

10. 鯛の頭を半割りにしてエラを除き、血合いを洗う

鯛の頭を割っているところ

鯛の頭を口が上に向くように立てて置く。口の中央に包丁の切っ先を差し入れ、頭をしっかり押さえながら、切っ先をそのまま口の中に滑り込ませるようにしてかち割る。

鯛のエラを除いているところ

エラを取り除き、真ん中で切り離す。

鯛の頭を洗っているところ

半割りにした鯛の頭についた血合いも、きれいに洗う。

おろし終わった鯛

水気を拭き取れば、鯛のあらの処理と3枚おろしが完成。

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撮影:菅井淳子
文:香取里枝

バイヤー・スタイリスト / 保科哲也さん
寿司職人を経て、東信水産に。お惣菜コーナーの特撰寿司などで、その腕前に触れることができる。ひとり娘をこよなく愛する一児の父。娘の好物はイクラなので、これから魚のおいしさも伝えていきたいと思っている。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット/東信水産にてお取扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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