
2026.05.18
エリックサウス流「カレーうどん」レシピ。京風、キーマ風の2品。かつおだしが決め手!
お蕎麦屋さんやうどん屋さんでいただく「カレーうどん」。和風だしが効いたあんかけ風のカレー味のつゆに、ツルツルのうどんをからめながらいただく一杯は、やみつきになる美味しさですよね。
ならば手作りであの味をマネできないものかと、市販のカレールーと麺つゆを使ってみたり、残り物のカレーをリメイクしてみたりするものの、何だか物足りない…と感じていませんか?
そこで今回は、カレーのことならこのお方! 大人気の南インド料理専門店<エリックサウス>の総料理長・稲田俊輔さんに、こだわりのカレーうどんレシピを教えてもらいました。以前、ご紹介したバターチキンカレーでも、独自のスパイス理論に基づいたレシピが大好評だったので期待大です。
「今回は、正統派のとろみのある京風カレーうどんに加え、個性派のさらさらしたスパイシーなキーマカレーうどんの2品をご紹介します。どちらも『かつおだし』をしっかりと効かせますが、だし汁をひく手間は不要で簡単。冷凍うどんを使って作れるので、ぜひ食べ比べてほしいです」
まったくタイプが違いそうな2つのレシピを知れるなんて嬉しいです! まずは、ぞれぞれのカレーうどんについて、稲田さんに解説していただきましょう。
目次
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正統派「京風」と個性派「だしキーマカレー」。稲田流カレーうどんの特徴とは?

左から、京風カレーうどん、だしキーマカレーうどん
●【京風カレーうどん】かつおだしを効かせた、とろみのあるつゆに、やわらかいうどん。具材は京揚げと青ねぎでシンプルに
和洋折衷の発想から誕生した、とろみのある「カレーうどん」。その起源は意外に古く、明治の時代までさかのぼるとか。そのため、老舗とよばれる日本各地のお蕎麦屋さん、うどん屋さんのメニューの定番として親しまれてきました。
九州出身の稲田さんにとって、なぜ「京風」のカレーうどんが正統派だと考えているのでしょうか?
「九州でうどんのつゆといえば『煮干しだし』が一般的ですが、大学進学を機に暮らした京都で、京風の『かつおだし』のうどん文化に出合い、その美味しさにドはまりしたのです。ちなみに、大阪もうどん文化ですが『昆布だし』がメイン。
京都のカレーうどんの特徴を自分なりに分析したところ、お店によって辛さに幅はありますが、かつおだしを効かせたつゆをベースに、カレー粉などで風味をつけ、具は京揚げと青ねぎだけのシンプルさがある。京風うどんの麺はやわらかく、もっちりとしているところも好みでした。
そんな思い出深い京風カレーうどんを、自分の見解で再構築したのが今回ご紹介するレシピです。私は普段、愛用しているコンパクトなミキサーでサッと1人分作っているので、同様に1人分のレシピにしました」
●【だしキーマカレーうどん】大阪発のだしカレーブームから触発! かつお削り節をスパイスのように使い、つゆはさらさらに仕上げる
もう1つの「だしキーマカレーうどん」を稲田さんが考案した背景には、大阪発のスパイスカレーがブームになっていくなかから派生した、「だしカレー」のムーブメントがきっかけになっているのだとか。
「もともと大阪はスパイスカレー作りが盛んな土地でしたが、大阪の『だし文化』が合わさって、スパイシーかつ和風だしの効いたカレーが注目されるようになり、急速に広まっていきました。
そんなインドカレーの枠にとらわれない自由な発想に刺激を受け、オリジナルの『だしキーマカレー』を開発。正統派南インド料理店の<エリックサウス>では提供できなかったので、いつか機会があれば、ぜひお披露目したいと温めていた渾身のレシピです。
今回、その『だしキーマカレー』を家庭でも作れるようにアレンジし、カレーうどんとしてご紹介します。京風カレーうどんと同様に、かつおだしを効かせますが、かつお削り節をスパイスのように使い、つゆはさらさらに仕上げるところに特徴があります」
こちらは、カレーうどんのつゆを深さのあるフライパンで作れるので、2人分でご紹介します。
どちらのカレーうどんも稲田さんの思い入れたっぷりですね。かつお削り節を使いながら、だし汁をひくことなく、だしとしての美味しさを引き出す、それぞれのポイントがあるというから気になります!
では、さっそく「京風カレーうどん」から。まずはポイントをチェックしたあとに、レシピを教えてもらいましょう。
正統派「京風カレーうどん」4つのポイント。1人分でも簡単に作れる、つゆ作りに注目!

【ポイント①】「つゆ」作りは簡単! 水、カレー粉、調味料、片栗粉、かつお削り節をミキサーにかけるだけ
京風カレーうどんのつゆは、しっかりとかつおだしを効かせることが大切です。とはいえ、通常のうどんつゆのように、澄んだつゆに仕上げる必要がないところが、カレーうどんの良いところ。
最初からつゆのすべての材料となる、水、カレー粉、調味料、片栗粉、そしてかつお削り節までもミキサーにかけ、鍋で温めて作るので簡単! こうすれば、わざわざだし汁をひくことなく、かつおだしの効いたつゆが完成します。
片栗粉もあらかじめ定量をミキサーに入れて撹拌しておくので、混ぜながら火にかけるだけでちょうどいいとろみが付きます。
【ポイント②】カレー粉は炒める必要なし! いきなり煮込んでも香りが出やすいものを選ぶ

カレーの風味づけには、さまざまなパウダースパイスがブレンドされている、市販の「カレー粉」を使用します。稲田さんが試作を重ねた結果、おすすめは昔ながらの定番といえる<エスビー食品>「S&B(エスビー)赤缶カレー粉(カレーパウダー)」、通称「赤缶」。
通常、カレー粉は、風味を引き出すために、乾煎りしたり、油で炒めたりする必要がありますが、「赤缶」はいきなり煮てもしっかり風味が引き出されます。
【ポイント③】京風カレーうどんの具材は、シンプルに「青ねぎ」と「京揚げ」を選び、京都の味に近づける

必ず使いたい具材は「京揚げ」と「青ねぎ」。どちらも京都ならではの食材です。
「京揚げ」は、ふわふわとしていない、身の詰まった厚手の油揚げで、お肉に引けを取らない食感とコクがあります。京揚げが手に入らなければ、同タイプの厚手の油揚げを使用してください。
「青ねぎ」は関西でよく食される青い葉の部分が大半のねぎで、京都では「九条ねぎ」が伝統野菜として知られています。関東でよく食される長ねぎ(白ねぎ、根深ねぎ)よりも細身で、葉がやわらか、辛味が少なく、加熱しても豊かな香りが残ります。
※細ねぎ(小ねぎ)は、青ねぎ系の品種の若採りしたものとして区別されています
【ポイント④】冷凍うどんは長めに茹でて、京風うどんのやわらかな食感を再現
京風うどんの麺は、細めでやわらかく、もっちりとしているのが特徴。この食感を手に入りやすいうどんで再現するには、「冷凍うどんを、袋に表示された茹で時間よりも2~3分長めに茹でる」のが正解です。できれば細麺タイプを使うと、より京風うどんの味わいに近づけることができます。
だし汁をひくことなく、かつお削り節をミキサーにかけるだけなんて、簡単で驚きました! それでは具体的にレシピをご紹介しましょう。
【稲田さん直伝レシピ①】とろみのある正統派「京風カレーうどん」。かつおだしが効いた老舗の味!

かつおだしのうま味、青ねぎのシャキッと感など、フレッシュ感を損なわないうちに手早く作るのが美味しさのコツ。つゆを温めるのと同時にうどんを茹でると、ちょうど良いタイミングで仕上がります。このレシピは1人分で紹介します。
<材料>(1人分)


- 【つゆ】
・水…300g(300ml)
・かつお削り節…5~6g
・うす口しょうゆ…24g
・みりん…12g
・カレー粉(できればエスビー赤缶)…3g
・片栗粉…10g - 京揚げ(または厚めの油揚げ、ひと口大の短冊切り)…30g ※油抜きは不要
- 青ねぎ(斜め切り)…20g
- 冷凍うどん(あれば細麺)…1玉
「具はお好みで『かまぼこ』や、鶏肉の『ささみ』をそぎ切りにして加えても美味しいですよ。2人分で作る場合は分量をすべて倍量にし、ミキサーに一度に入りきらない場合は数回に分けるか、水はミキサーに入る量だけ加えて攪拌し、残りの水は鍋で合わせるようにするといいでしょう」
<作り方>
1. 【つゆ】を作る。ミキサーに【つゆ】の材料を入れて攪拌する


ミキサーに【つゆ】の材料をすべて入れ、なめらかな状態になるまで攪拌する。
「ミキサーに全量入らない場合は、2回に分けて攪拌してください」
2. 1.を鍋に入れて温め、具材を加えて火を通す

1.を鍋に入れて中火にかけ、沸騰するまで混ぜ続ける。
「つゆの材料に片栗粉が入っているので、ダマにならないよう沸騰するまで混ぜ続けてください」

京揚げ、青ねぎを加える。

ふたたび沸騰したら火から下ろす。
3. うどんを袋の表示より長めに茹でて、丼に入れる

別の鍋に湯を沸かし、冷凍うどんを入れ、袋に表示された茹で時間よりも2~3分長めに茹でる。ザルに上げて湯をきり、丼に入れる。
「冷凍うどんではなく、ゆでうどんで代用する場合は、長めに茹でると途中でブツブツと切れてしまうので、袋の表示通りの茹で時間を守ってください」
4. うどんに2.のつゆを注ぐ

3.のうどんに2.のつゆを注いで完成。
続いて、稲田さん渾身のオリジナルレシピ!「だしキーマカレーうどん」のポイントとレシピを紹介していきます。
個性派「だしキーマカレーうどん」3つのポイント。かつお削り節パックを使って簡単!

【ポイント①】「つゆ」作りには、鶏ひき肉を使う! 炒めてから煮込んでうま味を引き出す
「だしキーマカレーうどん」のつゆ作りは、一般的なキーマカレー作りとほぼ同様です。ポイントは鶏ひき肉を使うこと。鶏肉からはあっさりしているのに濃いうま味が得られ、かつお節とも相性が良いからです。
香味野菜の玉ねぎと鶏ひき肉を、スパイスとともに炒めてから、フタをして水とともに5分ほど煮込むことで、うま味がグッと引き出され、短時間でも深い味わいに仕上がります。
【ポイント②】スパイスは油で炒めてから煮込む! 鮮烈な香りを最大限に引き出す

左は、クミン、コリアンダー、ターメリック、チリパウダーを合わせたもの。右はガラムマサラ
大阪発祥の「スパイスカレー」から触発を受けた「だしキーマカレーうどん」のレシピでは、鮮烈なスパイスの風味を楽しむのが真骨頂。パウダースパイスを油で炒めてから煮込み、しっかりと風味を引き出します。
使用するスパイスは、カレーのベースとなる「クミン」「コリアンダー」「ターメリック」、「カイエンヌペッパー(チリペッパー)」です。あればカレーに欠かせないスパイスをミックスした「ガラムマサラ」を加えると、より風味豊かに仕上がります。
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ガラムマサラ、ホールスパイスを挽く作り方>>
【ポイント③】水とともに市販の「かつお削り節パック」をそのまま加えるだけで簡単! 煮込んでうま味と香りを引き出す
だしキーマカレーに欠かせない「だし」は、京風と同様、「かつおだし」です。こちらもだし汁をひく必要はありません。市販の「かつお削り節パック」をつゆに直接投入するだけで簡単! 煮込んでうま味、香りを引き出します。
「かつお削り節パックをそのまま入れるなんて、口当たりが悪くなるのでは?」と心配に思うかもしれませんが、かつお削り節パックのかつお節は細かいので、ひき肉や玉ねぎなどの具材と一体化して案外気になりません。スパイスと同じような感覚で使ってみましょう。削り節パックがない場合は、花かつおを手でもみほぐして、細かくしてから使うといいでしょう。

どちらもかつお節をうす削りにしたもの。花かつおは主にだし汁用。かつお削り節パックは一般的にうす削りを細かく刻んだもので、冷奴にのせるなど、そのまま食べるのに適している。要は細かさの違い
こちらはスパイスを炒めてから使い、サラサラに仕上げる。まさにスパイスカレーといった感じで、うどんとの相性が気になります! それでは、レシピをチェックしていきましょう。
【稲田さん直伝レシピ②】個性派「だしキーマカレーうどん」。スパイスとかつおだしがガツンくる、さらさらタイプ!

スパイス、香味野菜、鶏ひき肉、かつおだし。いくつもの香り、うま味が重なり合うキーマカレースープでうどんを食す、新感覚の美味しさが体験できます。
お好みで、かぼす、すだち、ライムなどの柑橘果汁を絞ると爽やかな酸味が加わって、また違った味わいが楽しめます。このレシピでは、2人分でご紹介します。
<材料>(2人分)


- 【A】
・サラダ油…12g
・玉ねぎ(繊維に沿ってうす切り)…60g
・にんにく(すりおろし、またはみじん切り)…5g
・しょうが(すりおろし、またはみじん切り)…5g - 【B】
・鶏ひき肉(もも肉)…120g
・塩…2g
・コリアンダーパウダー…2g
・クミンパウダー…2g
・カイエンヌペッパー(チリペッパー)…2g ※辛さが苦手な場合は1/4量まで減らしてOK
・ターメリックパウダー…2g
・あればガラムマサラ…2g - 【C】
・水…300g(300ml)
・かつお削り節(パック)…5〜6g ※花かつおを手で細かくほぐしたもので代用可
・しょうゆ…36g
・みりん…36g - 冷凍うどん…1玉
- 細ねぎ(小口切り)…適量
- 好みでかぼす、すだち、ライムなどの柑橘(半月切り)…各適量
- 好みで七味唐辛子…適量
「つゆの仕上がり重量の目安は500gです。煮込み具合で重量は変わるので、レシピ通りの味を目指すなら、調理前のフライパンを計量しておき、仕上がり重量(煮込み終わりの重量)が500g±50gになるようにしてください」
<作り方>
1. 【A】のサラダ油と香味野菜を中火で3分ほど炒める

冷たいフライパンに【A】の材料をすべて入れ、中火にかける。
「玉ねぎはにんにく、しょうがと同様、香味野菜としてたっぷり加えます」

玉ねぎがしんなりするまで、3分ほど炒める。
2. 【B】の鶏ひき肉、塩、スパイス類を加えて3分ほど炒める

【B】の材料をすべて加える。

ひき肉に火が通り、スパイスの香りが立つまで3分ほど炒める。
「スパイスを炒めて風味を引き出します」
3. 【C】の水、かつお削り節、しょうゆ、みりんを加え、沸騰したらフタをして弱火で5分ほど煮込む

【C】の材料をすべて加える。

煮立ったらフタをして弱火にし、5分ほど煮込む。
「5分ほど煮込むと、香りとうま味がより引き出されます」

「仕上がりの重量は500g程度になります」
4. うどんを茹でて器に入れる

鍋に湯を沸かし、冷凍うどんを入れ、袋に表示された茹で時間通りに茹でる。ザルに上げて湯をきり、器に入れる。
「麺をやわらかい食感に仕上げたい京風カレーうどんとは違って、キーマカレーうどんの場合は、袋の表示通りにゆでればOKです」
5. うどんに3.のつゆを注ぎ、細ねぎをのせる

4.のうどんに3.を注ぎ、細ねぎをのせて完成。好みで柑橘を添え、七味唐辛子をふる。
「器はパスタ皿のように、少し深さのある平皿がおすすめです」
【実食】とろみがある「京風」とさらさらスープ「キーマカレー」のカレーうどん2品。同じかつおだしでも、まったく違う美味しさ!

いよいよ実食タイムです。まずは「京風カレーうどん」から。
おつゆはかつおだしのうま味と香りが濃厚。短時間温めただけと思えない、スパイスの芳醇な香りをしっかりと感じられます。京揚げは「これはお肉?」と勘違いするほどのコクと弾力があって、お肉ナシの物足りなさを一切感じさせません。やわらかなうどんと、シャキッとした食感の青ねぎの相性も格別。
慣れ親しんだ関東の「豚肉、玉ねぎ」のカレーうどんとは違うけれど、「ほっとする」味わいが確かにあり、これが「さすが京都…」と感服しました。

お次は「だしキーマカレーうどん」。ひと口食べるやいなや鮮烈なスパイスの香り、辛味が押し寄せ、これぞスパイスカレーといった風格。そこに鶏とかつお、2種類のだしの濃いうま味がじんわりと口に広がります。ひき肉はうま味に加え、食べ応えもあって存在感抜群。
カレーにとろみがないので、麺にからむというよりも、麺に染み込むような感覚で、それがこのカレーうどんにとてもよく合っています。柑橘を絞ると全然違う味になって楽しく、残り汁にごはんを入れて、普通にカレーとしていただくのも捨てがたい…。
2種類のカレーうどん、いかがでしたか? みなさんもぜひお試しください。
取材協力/<エリックサウス>稲田俊輔さん

南インド料理専門店<エリックサウス>総料理長。料理人、飲食店プロデューサー。文筆家。鹿児島県生まれ。京都大学卒業後、飲料メーカー勤務を経て「円相フードサービス」の設立に参加。和食店、フレンチ、タイ料理など幅広いジャンルの事業立ち上げやメニュー開発などを手掛ける。
2011年にまだ日本人に馴染の薄かった南インド料理店専門店「エリックサウス」を開店。南インド料理とミールス、ビリヤニのブームの火付け役となる。
『だいたい15分! 本格インドカレー』『ミニマル料理』(ともに柴田書店)、『インドカレーのきほん、完全レシピ』(世界文化社)、新刊に『稲田俊輔のおそうざい十二カ月』など著書多数。
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