2021.03.18
【簡単】炊飯器で作るおはぎの2合レシピ。もち米の割合は100%だからすりこぎ不要!
もちもちとした食感と、あんこやきな粉のやさしい甘さが魅力のおはぎ(※春のお彼岸では牡丹の花に見立てて「ぼたもち」、秋のお彼岸では萩の花に見立てて「おはぎ」と呼び分けられている)。
でも、自分で作るとなると「もち米っておいしく炊くのが難しそう…」「すりこぎでつぶすのが面倒そう…」と思い込んでいる人も多いのでは?
今回は、炊飯器で手軽に炊けて、なんとすりこぎ不要で作れるという、3色おはぎのレシピをご紹介。教えてくれるのは、シンプルで丁寧なレシピに定評がある料理研究家の小島喜和さんです。以前、小島先生はWEB FOODIEの記事で、おはぎにもぴったりな「基本のあんこ(粒あん)のレシピ」を教えてくれました。
今回のおはぎ作りの記事では、初心者でもおいしく作れるよう、意外に知られていない「もち米の正しい炊き方」について詳しく解説してもらったので、最後までお見逃しなく!
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もち米100%で作るのが正解! つぶつぶ&もちもちのおはぎを作る4つのポイント
小島先生が料理作りで大事にしているのは素材の特徴を理解し、そのおいしさを最大限引き出すこと。そのためにはシンプルな料理やおやつでも、丁寧に行うべきポイントがあるのだとか。小島先生によると、おはぎを作る場合、とくに大事にしたいポイントは以下の4つ!
ポイント① もち米100%ならつぶさなくてOK。本来の食感を味わうのが正解!
おはぎのレシピのなかには、もち米と比較的安価なうるち米(=普段ごはんとして食べている白米のこと)を食材費をおさえるために混ぜるレシピも多く見かけますが、米を炊いたあと、すりこぎでつぶしてもちもち食感をわざわざ作り出す作業(=半殺しと呼ばれる)が必要になってきます。
一方、小島先生のおすすめはもち米100%で作ること。そうすれば、炊いた米をすりこぎでつぶさなくても、おこわ(=炊いたもち米のこと)本来のつぶつぶ&もちもちとした食感が楽しめて、とってもおいしいのだそう。
ポイント② もち米はスピーディー&しっかり研ぐことで、味に差が出る!
意外と知られていませんが、米は研ぎ方によって味が大きく変わります。とくにもち米は水を吸水しやすいので、最初のすすぎを素早く行うことがとても重要。今回は「正しい米の研ぎ方」から丁寧に写真つきで解説していくので、料理上級者の人もあらためておさらいしましょう!
ポイント③ 蒸し器は不要! 水加減&浸水時間を守れば、もち米は炊飯器でおいしく炊ける
もち米というと、ひと晩水に浸けて蒸し器で蒸す方法がありますが、芯が残ってしまったり、加熱ムラができてしまったりとやや難易度が高いイメージが。その点、炊飯器なら、初心者でも失敗せずにおいしくもち米を炊くことが可能に。ポイントはうるち米より長めの浸水&少なめの水加減!
ポイント④ あんこは断然、手作りがおすすめ!
あんこは市販品でも構いませんが、甘さや水分量が調整できる自家製あんこがおすすめです。おはぎは材料がシンプルな分、「ただ甘いだけ」のあんこよりも、小豆本来の風味がダイレクトに感じられる手作りの方が、味が引き立ちます。おはぎにぴったりな粒あんの作り方は、こちらの記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
なるほど、もち米100%でおはぎを作れば、炊いたごはんをつぶさなくていいとは、目からウロコです! それに「正しい米の研ぎ方」を知っているかと聞かれると、確かによくわかっていないかも……。
それでは実際にレシピを見て、基本のおはぎの作り方を学びたいと思います!
【保存版】炊飯器で作れる3色おはぎのレシピ
<材料>(粒あん10個、きな粉3個、ごま3個の全16個分)
- もち米…2合
- 水…360ml
- <あんこ味>
粒あん…約450g
※好みでこしあんでもよい - <きな粉味>
・きな粉…大さじ2
・砂糖…大さじ2弱
・塩…少々 - <ごま味>
・黒すりごま…大さじ2
・砂糖…大さじ2弱
・塩…少々
「今回、きな粉と黒ごまのおはぎの中には、あんこを入れない関東風のレシピにしました。ちなみに私が育った西の地方では、おはぎの中にあんこを包みます。そちらもおいしいので興味がある人は、あんこの量を増やして、ぜひ作ってみてください」
<作り方>
1. もち米をすすぐ
ボウルにもち米を入れ、水をたっぷり注ぐ。さっと混ぜたらすぐにザルにあげ、水をきる。
「もち米が研ぎ汁を吸ってぬかのにおいがついてしまうのを防ぐため、最初の水は入れたら素早く捨てるようにしましょう」
2. 米を研いで、米ぬかを落とす
1のもち米をボウルに戻し、手のひらを使って10回ほどもむ。
「ほぼ水がない状態で、写真のようにやさしくもんで、表面のぬかを落とします」
3. 水を3回ほど入れ替えて、もち米をすすぐ
研ぎ終わったらボウルに水を入れて軽く混ぜ、ザルにあげ、白く濁った研ぎ汁を捨てる。これを研ぎ汁がほぼ透明になるまで3回ほど繰り返す。
4. 1時間ほど浸水させる
3のもち米の水をしっかりきったらボウルに戻し入れ、もち米がかぶるくらい新しい水をたっぷり注ぐ。そのまま1時間ほどおく。
「浸水させるときの水は、炊くまえに捨てるので、分量は適量で大丈夫です。もち米はうるち米より芯が残りやすいので、浸水時間はうるち米が30分程度なのに対し、もち米はその2倍の1時間おくようにしましょう」
5. 炊飯器に入れて普通に炊く
1時間ほどたったらザルにあげ、水をしっかりきる。
炊飯器の内がまにもち米を入れ、分量の水360mlを加えて炊飯器にセットし、普通に炊く。
「水加減は内がまにおこわの目盛りがあればそれに合わせてください。もち米はうるち米より吸水しやすいので、水の量が多いと仕上がりがべちゃっとすることも。うるち米は1.2倍の水で炊きますが、もち米の場合は1倍(同量)の水で炊きましょう。つまり、今回はもち米2合(360ml)に対し360mlの水で炊きます」
6. もち米が炊き上がったら俵形に成形する
もち米が炊き上がったらボウルにあけ、軽く粗熱をとる。手に水をつけながらおこわを、<あんこ味>用は1個につき25〜30g、<黒ごま味>と<きな粉味>用には各50gを目安に手に取り、ざっくり俵形にととのえ、バットに並べる。
「形はあとでととのえるので、この段階ではそれほど神経質に成形する必要はありません。もち米100%なら、そのままでも充分にもちもちしていますが、好みによって、さらにもっちり食感にしたい場合は、すりこぎでおこわを軽くつぶすといいでしょう」
「<あんこ味>用のおこわ(=炊いたもち米)は、<黒ごま味>と<きな粉味>よりもひと回り小さく成形するのがベター。3色おはぎをひと皿に盛りつけたとき、同じ大きに揃うので、見た目がきれいに仕上がります」
7. おこわを粒あんで包む
40〜50gの粒あんを手のひらにのせて広げ、<あんこ味>用に成形した小さいサイズのおこわをのせて包む。
「盛りつけたときに裏側は見えないので、底の部分まであんこが行き渡らなくても問題ありません」
水で濡らしてかたく絞ったさらしでおはぎを包み、形をととのえる。
「あんこがくっつかないよう、さらしは必ず水に濡らしてから使いましょう。さらしがなければ水で濡らした手ぬぐい、またはラップ(※この場合は水で濡らす必要はなし)などでも代用できます」
材料の<ごま味>と<きな粉味>の材料を、それぞれ混ぜ合わせる。6で成形した大きいサイズのおこわに、それぞれまぶす。
「きな粉もすりごまも、砂糖と一緒に塩を少し加えると、味のバランスがよくなります。手のひらにすりごま(またはきな粉)を広げ、おこわを転がすようにすると上手にまぶすことができますよ」
もち米が際立つおはぎ。素朴なおいしさに手が止まらない!
もち米100%にこだわって作った3色おはぎ。おこわの量を計算して成形しているので、器に盛ると、大きさが見事に揃っていてきれい!
あんこのおはぎを食べてみると、やさしい甘さと米粒の素朴なおいしさが口に広がります。おはぎというとずっしりして重たいイメージがありましたが、このおはぎはおこわをつぶしていない分、意外と軽く感じられて、ペロリと食べられちゃいます!
きな粉と黒ごまは、それぞれ甘みと塩味のバランスがよく、3種類揃うと無限のループに。これなら春や秋のお彼岸だけでなく、小腹が空いたとき、ちょっと甘いものが欲しいときに気軽に作りたくなります。
もち米の素朴なおいしさが堪能できるおはぎレシピ、ぜひ試してみてください。
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小島喜和さん
テーブルトップディレクター。季節のめぐりとともに暮らす日々。手仕事を行う楽しさ、美味しさを伝えることをライフワークに、自身の料理教室では「味噌」や「梅干し」「季節の漬物」など、昔ながらの【季節の手仕事教室】を開催している。『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)など著書多数。
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