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2023.05.23

【プロ直伝】濃厚トマト味のピリ辛パスタ「ペンネ アラビアータ」のレシピ。コンソメ不要で簡単!

ペンネアラビアータのイメージ

「アラビアータ」は唐辛子のピリッとした辛味、香ばしいにんにくの風味が効いたシンプルなトマトソースが食欲をそそる、イタリアンの人気メニューです。今回は、イタリアンを得意とする伊勢丹新宿店<キッチンステージ>の柬理美宏シェフにアラビアータのレシピを教えてもらいました。

「アラビアータは唐辛子で辛味を加えますが、ベースのトマトから甘味をたっぷり引き出すことで辛味と甘味のバランスがとれ、グッと美味しくなります。本来、本格的なトマトソースはいろいろな香味野菜を使って丁寧に作りますが、今回はシンプルな香味野菜とトマト缶だけで簡単に作るレシピをご紹介します」

なんとトマトソース作りの味付けにコンソメは不要。トマト缶をベースに塩こしょう、唐辛子のみで、濃厚なアラビアータに仕上げるという驚きのレシピ…。どんなプロの技を使っているのか気になります!

記事の最後には、迷いがちなペンネとスパゲッティの使い分け方も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

トマトを潰すのにも、ゆで汁を加えるにも万能なちょこっとスプーンはこちら>>

ペンネ水切りから粉ふるいまで、洗いやすくて使いやすいざるはこちら>>

「アラビアータ」とは、どんなパスタ?

アラビアータとはイタリア語で「怒りんぼう風」を意味する言葉。食べるとソースの辛さで怒ったように顔が赤くなることが名前の由来なんだとか。ベースのトマトソースに唐辛子の辛さ、にんにくの香りを移したスパイシーなソースで、シンプルながら素材の旨みと香りを存分に楽しめるパスタです。

ちなみに、スパゲッティにソースを絡めたものを「スパゲッティ・アラビアータ」、ペンネに絡めたものを「ペンネ・アラビアータ」と呼びます。ちなみに、ペンネを使って作れば作り置きもできて、冷たいままでも美味しく食べられるので、お酒のおつまみとしてもおすすめです。

【シェフ直伝】辛味、甘味、塩味の絶妙なバランスを生み出すアラビアータの3つのポイント

【ポイント1】イタリア産「ホールトマト缶」でトマトの旨みをまるごと生かす

トマト缶

トマト缶にはホール缶とカット缶がありますが、おすすめはホール缶。カット缶は切り口から旨みが抜けやすく水っぽいので、トマトの旨みを生かすアラビアータには向きません。

今回のレシピでは、南イタリア産のトマト品種「ダッテリーノ(ダッテリーニ)」のトマト缶を使用します。ダッテリーノは、プチトマト大の細長い品種で強い甘味が特徴。加熱せずにそのまま食べても酸味を感じず、濃厚な旨みが特徴です。イタリア食品店などで購入できます。

手に入らない場合は一般的なホールトマト缶で代用してもOK。その場合は、甘味や酸味に応じてグラニュー糖を加えて甘味を調整するといいでしょう。酸味のカドがとれたと感じられる量が目安です。

さらに詳しい、ホールトマト缶とカットトマト缶の使い分けの記事はこちら>>

【ポイント2】スパイシーな香りと辛味の「カラブリア産赤唐辛子」を使って本場の味を再現

イタリア食材店などで販売されている「カラブリア産赤唐辛子」は辛味が強く、スパイスを思わせる華やかな香りが特徴。小ぶりながら強烈な辛味があるので、苦手な人は1本に減らす、もしくは種を除いて使ってください。これを使うことで、本場の味にグッと近づけることができます。ペペロンチーノなど他のパスタを作るときにも使えるので、これを機会に購入してみるのもおすすめです。

【ポイント3】ペンネをゆでるお湯は塩分濃度1〜1.5%! かたさと下味をバシッと決める

ペンネをゆでるときは、塩分濃度1〜1.5%のお湯がベストです。1ℓのお湯に対して塩10〜15gなので、少し多く感じるかもしれませんが、ペンネに下味をつける意味合いもあるので怖がらずに入れてください。ペンネをスパゲッティに変えても塩分濃度は同じです。

ホールトマト缶よりカットトマト缶のほうが手軽で使いやすいと思っていましたが、旨みが強いのは断然ホールトマトなんですね。「ダッテリーノ」という品種も初めて聞きました。また唐辛子にこだわることで、味が全然違うなんて、アラビアータって奥深い料理なんですね。

それでは実際にレシピを見ていきましょう。

トマトの旨みと唐辛子の辛さがガツンと効いた「アラビアータ」の作り方

ペンネアラビアータの材料のイメージ

<材料>(1人分)

  • ペンネ…60g ※スパゲッティ(1.8㎜)なら80g
  • ホールトマト缶…100g ※イタリア産「ダッテリーノ」を使用
  • にんにく(みじん切り)…小さじ1(約1片分)
  • 赤唐辛子…2本 ※カラブリア産赤唐辛子を使用
  • 玉ねぎ(みじん切り)…大さじ1(約15g)
  • オリーブオイル…20ml
  • 塩、こしょう…各適量
  • 塩(ペンネをゆでる用)…10〜15g/水1ℓ ※水の量に対して1〜1.5%の量。今回は岩塩を使用しましたが、粗塩、精製塩などどんな塩でもOK
  • 【仕上げ用】エキストラバージンオリーブオイル…小さじ1
  • 好みで粗挽き黒こしょう、イタリアンパセリ(みじん切り)… 各適量

<作り方>

1.オリーブオイルに、にんにくと赤唐辛子の香りを移す

オリーブオイルににんにくと唐辛子を加えて熱するイメージ

火にかける前のフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、唐辛子を細かくちぎりながら加えて強火にかける。にんにくから水分が出て、油がシュワシュワと泡立ち始めたら弱火にする。

「にんにくがきつね色になるまでじっくり炒めて、香りや辛味をオリーブオイルに丁寧に移します。また、辛味が苦手な人は使う唐辛子を1本に減らす、もしくは種を除いて使ってください」

2.玉ねぎを加えて、透き通るまで炒める

玉ねぎを加えるイメージ

にんにくがきつね色になったら玉ねぎを加え、弱火のままフライパンをゆすり、玉ねぎ全体に油を回すようにしながら透明になるまで炒める。

「この工程で、玉ねぎから引き出された甘味がオイルに移ります」

3.ホールトマトを加えて、つぶしながら煮詰める

ホールトマトをつぶすイメージ

汁ごとホールトマトを加え、スプーンの背などでつぶしながら弱火のまま5分ほど煮詰める。

「トマトの皮の口当たりが気になる方は、ここで皮を取り除いてください」

アラビアータソースの出来上がりのイメージ

トマトの色が赤から濃いオレンジに変わったら、塩、こしょうで味をととのえる。ダッテリーノ以外の一般的なホールトマト缶を使う場合はここで、酸味のカドがとれたと感じられるくらいを目安にグラニュー糖を加える。

「色の変化が、オイルとトマトがしっかり乳化したサイン。ペンネにも、この後加えるゆで汁にも塩味がついているので、ここで加える塩は少し足りないかなと思う程度で大丈夫です」

4.ペンネをゆでる

ペンネをゆでるイメージ

鍋にたっぷりの水を入れて強火で沸かし、塩を入れてよく混ぜて溶かしたら、ペンネを加えて袋の表示通り(今回は10分)ゆでる。
「ゆで汁は次の工程でソースに加えるので、捨てないでください。ペンネをゆでるときは、もしあれば持ち手のついたザルの中でゆでると便利です。スパゲッティの場合は袋の表示より30秒から1分短くゆでてアルデンテにすると美味しく仕上がります」

5.ゆであがったペンネとアラビアータソースを合わせる

ソースとペンネを合わせるイメージ

ゆで上がったペンネの水気をきって3に加え、中火にかけ、ソースにサッとからめる。香り付けにエキストラバージンオリーブオイルを加えてあえる。

6.ゆで汁を加え、乳化させる

ゆで汁を加えるイメージ

ソースがだんだん煮詰まってくるので、ゆで汁30mlを2〜3回に分けて加え、その都度よく混ぜて乳化させる。

「一般的なレードルは1杯が50ml程度なので、それを目安にゆで汁を加えてください。レードル1杯の分量を把握しておくとスムーズに計量できますよ」

ペンネアラビアータのイメージ

ゆで汁がなくなり、しっかり乳化したのが確認できたら、好みで粗挽き黒こしょうを加えて混ぜる。皿に盛り付け、好みでイタリアンパセリを散らす。

ビリリとした辛さをトマトの甘味が追いかけるアラビアータの完成!

ペンネアラビアータのイメージ

ムッチリと肉厚な食感のペンネに、辛くて甘いソースがたっぷりと絡み、最後の1本まで飽きずに食べられそう! トマトと玉ねぎ、にんにくの3つの甘味が辛さを引き立て、やみつきになる味わいです。

「アラビアータはペンネを使って作れば、作り置きができて、白ワインやスパークリングワインのつまみとしても相性抜群です!」

スパゲッティ? ペンネ? おすすめのパスタの選び方

スパゲッティとペンネのイメージ

スパゲッティとペンネは食べるシーンに合わせて使い分けを。スパゲッティは伸びやすくてくっつきやすいので、作ってすぐに食べる場合におすすめ。一方、お弁当のおかずや作り置きにするならペンネが最適です。

ペンネはソースが穴の中に入って、食べるとソースが口の中にジュワッと広がり、ソースの旨みを存分に堪能できるので、おつまみなどにも適しています。食べ応えがあるので、スパゲッティよりも少量で満足できるのもうれしいポイントです。

ぜひお好みのパスタで、アラビアータを試してみてください。

なお、香味野菜をたっぷり使って丁寧に作る本格的なトマトソースでアラビアータを作ってみたい方は、以下の記事を参考にしてください。

本格的なトマトソースの作り方はこちらをチェック>>

伊勢丹新宿店<キッチンステージ>では、有名シェフ監修のメニューが月替りで楽しめます!

キッチンステージ

伊勢丹新宿店 本館地下1階にある<キッチンステージ>は、有名シェフが監修したメニューを味わえるレストラン。メニューは4〜5週間ごとに変わり、フレンチに和食、中華まで、名店の味をカジュアルに楽しめます。ご家庭で提供メニューの味を再現できるようにレシピも差し上げていますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

<キッチンステージ>の詳細はこちら>>

shinjukuisetan_kitchenstage

トマトを潰すのにも、ゆで汁を加えるにも万能なちょこっとスプーンはこちら>>

ペンネ水切りから粉ふるいまで、洗いやすくて使いやすいざるはこちら>>

撮影:矢野宗利
文:白鳥紀久子

バイヤー・スタイリスト / 柬理美宏
4~5週間ごとにさまざまなジャンルの人気料理人や料理研究家たちの創作メニューを提供している、伊勢丹新宿店本館地下1階「キッチンステージ」の料理長。「オープンキッチンスタイルを生かし、お客さまに五感で料理を楽しんでいただけるように心がけています」
柬理シェフのレシピ一覧はこちら>>

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