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2018.07.25

読み物・コラム

ホールとカット、トマト缶ってどう選ぶ?【プロが解説】料理が美味しくなる使い分けテク

トマトソースや煮込み料理などに欠かせないトマト缶。ホールとカット、どちらを選ぶべきか、迷うことはありませんか? さらに、同じトマト製品のトマトピューレやトマトジュースもレシピに登場することがあって、「使い分ける必要あるの?」と疑問に思ったことがある方は少なくないはずです。

そこで今回は、意外に知らないトマト製品の違いや特徴、持ち味を活かした使い方をプロに教えてもらいました。教えてくれるのは、伊勢丹新宿店キッチンステージの柬理美宏シェフです。ちなみに、シェフが最もよく使うのは、ホールトマトなのだそう。気になるその理由とは……。

「ホールトマト」は加熱することで、うまみが出る

ホールトマトの缶と中身

ホールトマトに使われているのは、サンマルツァーノ種などのイタリアントマト。加熱することで旨みが引き出され、美味しくなるトマトです。また、果実に甘みが、種には酸味があり、一緒に煮込むことで旨みが際立つのだそう。その両者が詰まっているホールトマト。トマトソースなどの煮込み料理におすすめです。

「ホールトマトは、生のトマトを一度加熱して水煮にしたもの。それをさらに加熱することで旨みが増します。種が邪魔だと取り除く人もいますが、種ごと煮込んだほうが味に深みが出ますよ」

【美味しさを引き出す使い方】ギュッとつぶして、じっくり煮込む

ホールトマトを手でつぶしているところと、トマトソースができ上がったところ

ホールトマトを使うときは、ギュッとつぶして果実と種をなじませることが大切。煮込む際、果汁・果肉・種への火の入り具合が均等になり、旨みが引き出しやすくなるためです。缶の中身をボウルなどに取り出し、ボウルの中で2、3回、手でギュッと握りつぶせばOK。

「カットトマト」は果実感を味わいたいときに

カットトマトの缶と中身

トマトを水煮にしている点はホールトマトと同じですが、違いは角切りになっているところ。種がある程度取り除かれているので、酸味はホールトマトに比べると弱いのですが、果肉はしっかりしています。じっくり火を入れる料理よりも、さっと温める程度でトマトの果実感を生かした料理に向いています。

「カットトマトは、ミネストローネなど、素材の見た目や風味をダイレクトに感じることができる料理におすすめです。また、そのままでも食べられるので、ドレッシングに混ぜて使ってもよいでしょう」

【美味しさを引き出す使い方】加熱の最後に加え、煮込みすぎない

鍋にカットトマトを加えているところ、完成したミネストローネ

料理の最終工程で加えることで、トマトの果実感を生かしましょう。ミネストローネなどのスープに入れるなら、玉ねぎやにんじんなどの野菜をやわらかく煮込んでから、仕上げにカットトマトを投入して。グツグツ煮込むのではなく、温めてなじませる程度にすると、トマトの角もきれいなまま美味しくいただけます。

「トマトピューレ」は短時間でコクがプラスできる

トマトピューレの中身と瓶

トマトピューレは、トマトの水煮を裏ごしして1/3程度に煮詰めた調味料。トマトの旨みが凝縮されているので、カレーやシチューなどの煮込み料理に加えると味わいがグッと深くなります。また、トマトに含まれるグルタミン酸は、昆布にも含まれる成分。そのため、味噌汁にちょっと加えてコクをプラスするなど、使い道はいろいろ。

「いつもの料理を美味しくしたいけれど、時間はかけたくない。そんな時は手軽にコク出しができる、トマトピューレが便利です」

【美味しさを引き出す使い方】煮込み前と仕上げのダブル使いでうまみ倍増

鍋にトマトピューレを加えているところ、カレーにトマトピューレを加えて混ぜるところ

料理の仕上げに加えるだけでもよいのですが、2段階に分けて使うと一層旨みが際立ちます。例えばカレーに加えるなら、玉ねぎなどの野菜を炒める段階で入れて一緒に炒めたあと、完成直前にも少量加えてなじませるのがおすすめです。

「トマトジュース」はトマトのフレッシュ感を生かす料理に

トマトジュースの中身と瓶

トマトを絞り、皮や種を裏ごしして加熱処理したものがトマトジュース。トマト缶やピューレに比べ、トマトのフレッシュさが感じられる点が特徴です。煮込みなどじっくり加熱する料理よりも、ドリンクやデザート、ドレッシングなどに使うとその特徴が生かされます。ジュースに使われている品種は多岐に渡り、日本各地でご当地ものが作られているので、使い比べしてみるのも楽しいかも。

「なめらかでのど越しがよく、そのままゴクゴク飲めるフレッシュ感がトマトジュースのいいところ。冷製スープなど、フレッシュ感を生かした料理に使いたいですね」

【美味しさを引き出す使い方】火を使わないジュースや冷製スープに

ジューサーにトマトジュースを加えているところ、完成したガスパチョ

冷製スープにする場合は、きゅうりやセロリなどの野菜や、スイカやメロンなどの果物を角切りにして、トマトジュースと一緒にミキサーで撹拌(かくはん)するだけ。ジュースのなめらかな口当たりとフレッシュ感が生かされた、さわやかな冷製スープに仕上がります。

身近で便利なトマト缶! 特徴を生かしてご家庭の料理をワンランクアップしてみては。

今回使ったアイテムはこちら

ホールトマト、トマトピューレ、トマトジュース

(写真左から)<アルチェネロ>有機ホールトマト(400g)454円(税込)、<平取町農業協同組合>ニシパの恋人 桃太郎のトマトピューレ(200g)216円(税込)、<池一菜果園>ぎゅぎゅっとフルトマ(500ml)1,404円(税込)

記事中で使ったホールトマト、トマトピューレ、トマトジュースはいずれも伊勢丹新宿店で購入できます。「有機ホールトマト」は、収穫したばかりのイタリア産のオーガニックトマトを使用した、有機JAS認定品。「ニシパの恋人 桃太郎のトマトピューレ」は、北海道平取町産の桃太郎を100%使用したリッチな味わい。「ぎゅぎゅっとフルトマ」は、高知県産のフルーツトマトを1本につき贅沢に約1キロも使ったトマトジュースです。

文: 白鳥紀久子

写真:矢野宗利
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バイヤー・スタイリスト / 柬理美宏
2~3週間ごとにさまざまなジャンルの人気料理人や料理研究家たちの創作メニューを提供している、伊勢丹新宿店本館地下1階「キッチンステージ」の料理長。「オープンキッチンスタイルを生かし、お客さまに五感で料理を楽しんでいただけるように心がけています」

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=シェフズセレクションにてお取扱いがございます。 

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