2023.02.07
アーモンドが香ばしい! 本場フロランタンのレシピ。簡単なのに高級感があるクッキーです♡
フロランタンとは、クッキー(シュクレ)生地にキャラメルでコーティングしたアーモンドをたっぷりのせて作るフランスの伝統菓子のこと。カリカリのアーモンドとサクサクのクッキー生地の相性がよく、リッチな味わいがたまらないお菓子です。昔から洋菓子店で作られてきましたが、最近では、コンビニなどでも見かける機会が増えてきました。
実はこのフロランタン、ご家庭でも簡単に作れるって知っていますか? 今回は、本場フランス仕込みのフロランタンの作り方を紹介します。教えてくれるのは、フランスの製菓学校でスイーツを学んだ経験のある、料理研究家の小島喜和さんです。
「フロランタンは私の主催する料理教室でも、生徒さんの家でのリピート率が特に高いお菓子のひとつです。一度手作りすると、そのおいしさにハマってしまう人が多いみたいです」と小島さんも太鼓判を押す、とっておきのレシピです!
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実は初心者でも簡単! フロランタンを上手に作るポイントは?
フロランタンは一見、高級感があって手作りするのは難しそうですが、意外と簡単に作ることができます。生地はボウルで順番に材料を混ぜるだけでOK。アーモンドのトッピングは、鍋に一気に材料を入れて火にかけるだけ。キャラメリゼする必要はなく、オーブンで焼きっぱなしで完成します!
お菓子初心者でも簡単に作れるフロランタンですが、上手に作るためにはいくつかのポイントがあります。
① バターの風味豊かなクッキー生地は、空焼きしてサクサク食感に!
フロランタンの土台となるのは、フランス語で「パート・シュクレ」と呼ばれるクッキー生地。卵入りの甘い生地で、かために焼きあがります。生地はアーモンドのトッピングをのせるまえに、きちんと空焼きしておくことが大事。あらかじめ生地だけを焼くことで、サクサク食感に仕上がります!
②アーモンドは生のものをローストすることで、香ばしさがアップ!
製菓材料のスライスアーモンドは生のものとロースト済みのものの2種類がありますが、なるべく生のものを購入して。ナッツはローストすると酸化が速くなるので、お菓子を作る直前に、生のアーモンドをオーブンでローストすることでより風味が増し、香ばしさがアップします。
③アーモンドのトッピングは、3つの甘み食材でリッチな味わいに!
トッピングの甘味にはグラニュー糖、はちみつ、水飴の3種類を使用します。グラニュー糖はベースの甘さをつけるため、はちみつは風味とコクを加えるため、水飴は砂糖の再結晶化を防ぐため、というようにそれぞれ役割が異なるため、ぜひ3種類用意して!
ナッツを「ロースト」するひと手間で、おいしさが変わるんですね。甘みの材料を3つも使うというのも驚きですが、 味に奥行きが出そうです。
それでは実際にレシピを見ていきましょう。
焼きっぱなしでOK! フロランタンのレシピ
<材料>(27.5×24cmの天板1枚分)
- 【クッキー生地(パート・シュクレ)の材料】
・バター(食塩不使用、室温に戻す)…120g
・粉糖(ふるう)…95g
・溶き卵…40g
・薄力粉(ふるう)…200g - 【アーモンドトッピングの材料】
・アーモンドスライス(生)…160g
・生クリーム(乳脂肪分45〜47%)…40g
・バター(食塩不使用)…80g
・水飴…25g
・はちみつ…25g
・グラニュー糖…40g
<作り方>
1. クッキー生地を作る
ボウルに室温に戻したバターを入れ、木べらでふんわりやわらかくなるまで練る。
「バターはきちんと室温に戻してから使用してください。室温に戻っていない場合は、電子レンジ(200W)で20秒ずつ、様子を見ながら加熱しても。500Wや600Wで加熱すると、バターが溶けてしまうこともあるのでNGです。バターを混ぜるときは、泡立て器ではなく、木べらがおすすめです。バターに空気を含ませたいのですが、泡立て器だと空気を含みすぎてしまうので、木べらを使います」
2. 粉糖を加える
1にふるった粉糖を一気に加え、粉っぽさがなくなるまで混ぜる。
「生地には砂糖ではなく、粉糖を使います。粒子が細かいので、他の材料となじみやすいのが特徴です」
3. 溶き卵を4〜5回に分けて加える
2に溶き卵を少量ずつ加え、その都度木べらでよく混ぜる。
「卵は4〜5回に分けて加えます。一度に加える卵の量が多いと、生地が分離しやすいので気をつけましょう。必ず卵とバターがつながってから、次の卵を加えるようにしてください。途中ゴムべらで、ボウルのまわりについた生地をぬぐうことも忘れずに。全体を均一に混ぜていきます」
4. 薄力粉を2回に分けて加える
3にふるった薄力粉を2回に分けて加え、ゴムべらで切るようさっくり混ぜる。
混ぜ終わったクッキー生地。ひとつにまとまらなくても粉っぽさがなくなればいい。
5. ラップで包み、冷蔵庫で2時間ほど寝かせる
ラップを広げ、4をのせてひとまとめにして空気を抜いてぴったりと包む。冷蔵庫で2時間ほど寝かせる。
「四角くのばすものは、四角く形をととのえてから生地を寝かせてください。もし、生地を作るときに泡立て器やハンドミキサーなどを使ってしまった場合は、冷蔵庫で一晩しっかり寝かせると生地が落ち着きます」
6. アーモンドをローストする
生地を寝かせているあいだにアーモンドをローストする。天板にクッキングシートを敷き、アーモンドを広げる。160℃のオーブンで、6分ほど焼く。
「生のアーモンドは先にローストしておかないと、他の材料と合わせて濡れたあとでは火が通らなくなるので、この工程を忘れずに行いましょう」
ローストしたアーモンド。うっすら焼き色がついたら取り出す。
7. クッキー生地用の型の準備をする
天板より2〜3㎝長めに切ったクッキングシートを用意する。天板に無塩バター適量(分量外)を刷毛でクロスを描くように薄く塗り、クッキングシートを貼り付ける。
「バターはクッキングシートを型にくっつけるための糊(のり)のようなもの。刷毛がない場合は指で塗っても構いません。クッキングシートは、天板から焼きあがったフロランタンを取り出しやすいよう、天板のふちから少しはみ出すように敷くのがポイントです」
8. クッキー生地をのばす
台に天板の底面サイズ(今回は27.5×24cm)に切ったクッキングシートをのせ、打ち粉(強力粉、分量外)をふる。
「必ずしもクッキングシートは用意しなくてもいいですが、敷いた上に生地をのせてのばすことで、大きさの目安になり、作業しやすくなります。プロのテクニックなので、ぜひ試してみてください」
冷蔵庫から出したてのクッキー生地を、クッキングシートにのせる。打ち粉をふっためん棒で、生地を上から下に向かって少しずつ押していき、生地をのばす。上下にのばしたら生地を90℃回転させ、同じようにのばす。
「冷蔵庫から出したてのクッキー生地はかたいので、あとできれいな四角にのばしやすくするため、まずはめん棒で上から押します。くっつきやすい生地なので、めん棒にも打ち粉をふることを忘れずに」
めん棒で押しているうちに生地がやわらかくなってきたら、めん棒を転がしながら5mm厚さになるまで生地をのばす。
「生地は上下、左右、斜めに方向を変えてのばします。その都度、めん棒に打ち粉をふるようにしましょう」
9. 生地の形をととのえる
生地をのばし終わったらクッキングシートからはみ出した部分をカードでカットし、足りないところにくっつけて、全体を四角く形をととのえる。
10. クッキー生地を天板に移し、穴を開ける
9をクッキングシートごと、7の天板に移す。
「もし、成形しているうちに生地がやわらかくなりすぎている場合は、生地を天板に移したタイミングでもう一度、冷蔵庫で寝かせるといいでしょう」
生地全体にフォークの先で穴をあける。
「生地がくっつきやすいので、フォークの先端にときどき打ち粉をつけながら作業してください。穴は生地全体にたくさんあけましょう。穴が少ないと、焼いたときに生地が膨らんでしまいます」
11. クッキー生地をオーブンで空焼きする
170℃に予熱したオーブンで、15分ほど焼く。
「まずはクッキー生地だけで空焼きします。空焼きせずにアーモンドトッピングをのせてしまうと、生地が生焼けになってしまいます」
空焼きし終わったクッキー生地。軽く焼き色がついたら、天板に生地が入ったままの状態でオーブンから一度取り出しておく。
12. アーモンドトッピングを作る。鍋にアーモンド以外の材料を入れる
鍋にアーモンド以外のトッピングの材料をすべて入れ、中火にかける。ときどき混ぜながら沸騰するまで加熱する。
「トッピングは作り置きできないので、必ずクッキー生地の空焼きが終わってから作りましょう。バターは加熱して溶かすので、あらかじめ室温に戻す必要はありません」
13. 沸騰したら火を止め、アーモンドを加える
沸騰して5秒ほどたったら火を止め、ローストしたアーモンドを加えて混ぜる。
「フロランタンの見た目から、トッピングの状態でキャラメルにするイメージを持っている人も多いと思いますが、この段階でキャラメルにしてしまうと、オーブンで焼くときに焦げてしまうので、加熱しすぎないようにします」
14. 空焼きしたクッキー生地に、アーモンドトッピングを広げる
11の生地に13のトッピングを熱いうちにのせ、手早く塗り広げる。
仕上げはカードを使って、クッキー生地の端までトッピングを均一に広げる。
15. オーブンで焼く
14を170℃に予熱したオーブンで20〜25分焼く。
「焼き色がしっかりつくまで加熱します。加熱時間は様子を見ながら調整してください。ご自宅のオーブンにくせがある場合は、途中で庫内の手前と奥側を入れ替えると、焼きムラが少なくなります」
16. 焼きあがったら粗熱をとる
焼きあがったら、天板から取り出してケーキクーラーなどにのせて粗熱をとる。
17. 少し温かいうちに、食べやすい大きさに切る
まだ少し温かいうちに、フロランタンを好みの大きさに切り分ける。先に端を切り落としてから切り分けると、きれいな長方形に仕上がる。
「フロランタンは完全に冷めてしまうと、とてもかたくなってしまい切りにくいので、少し温かいうちに切り分けるといいでしょう。切るときはパン切り包丁のような波刃の包丁を使うのがおすすめ。普通の包丁だと、割れやすいので形がきれいに仕上がりません」
サクサク食感がたまらないフロランタンは、やみつきになる味わい!
見るからに香ばしそうなフロランタンができあがりました。早速、ひと口かじると、バターの風味、キャラメルのコクのある甘さ、アーモンドの香ばしさが口いっぱいに広がり、幸せの味がします。サクサク食感のクッキー生地は甘さ控えめで、上のトッピングとのバランスが絶妙。甘さも食感も◎なお菓子は、食べ始めたら止まらなくなること間違いなし!
【ラッピング例】常温保存で10日間OK。バレンタインやホワイトデーの贈り物にもおすすめ!
水分が少なく、常温で10日間程度と日持ちするフロランタンは、プレゼントにぴったり! 食べやすく切り分けたものを1カットずつラッピングして、大切な人に贈ってみて。フロランタンを知らない人にも「こんなおいしいお菓子があるなんて!」と、きっと喜ばれるはずです。
簡単に作れて、リッチな味わいが楽しめる、本場フロランタンのレシピ。ぜひ、何度も繰り返し作ってみてください。
▼まだある! バレンタインの関連レシピもチェック!
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小島喜和さん
テーブルトップディレクター。季節のめぐりとともに暮らす日々。手仕事を行う楽しさ、美味しさを伝えることをライフワークに、自身の料理教室では「味噌」や「梅干し」など、【季節の手仕事教室】を開催している。『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)など著書多数。
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