
2025.03.06
卵と練乳に技あり♡ ふわふわむっちり簡単「蒸しパン」レシピ。さつまいも黒糖味もご紹介
身近な材料で手軽に作れることから、手作りおやつの定番となっている「蒸しパン」。便利なホットケーキミックス粉を使ったものをはじめ、いろいろなレシピが出回っていますが、コレだ! という味にはなかなか出合えないものです。
そこで今回は、お菓子教室を主宰している小島喜和さんに、簡単だけどプロならではのコツが詰まった蒸しパンの作り方を教わりました!
「この蒸しパンは中国風の蒸しパン『マーラーカオ』の作り方をベースにしたものです。卵をしっかり泡立てて、ふんわり、かつむっちり弾力のある生地に仕上げます。今回は基本の蒸しパンの他に、黒糖風味の生地にさつまいもを入れた蒸しパンもご紹介しますね」
中国茶といただいて、飲茶を楽しみたいです! さっそく作り方のポイントからチェックしていきましょう。
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マーラーカオ風「蒸しパン」4つのポイント
【ポイント①】2種類の膨張剤を使用! 理想的な膨らみ、キメの細かさに仕上がる
蒸しパンをふくらませるためには、2種類の膨張剤「ベーキングパウダー」と「重曹」を使用します。今回のように粉と砂糖の配合の多い、重めな生地の場合、ベーキングパウダーだけだと生地のキメは整いますが、持ち上げる力はイマイチ。そこでキメは粗くなるけれど持ち上げる力は強い重曹を合わせ、それぞれの良さを活かします
【ポイント②】全卵を泡立てる! 細かい気泡が生まれ、ふわふわ食感に
この蒸しパンの最大の特徴は、卵をハンドミキサーでふわふわに泡立てること。全卵を湯煎にかけてから泡立てるので、スポンジケーキの「共立て」と同じ製法になります。
全卵を泡立てることで細かい気泡がたくさん生まれ、より膨らみが増し、ふわふわ感のある生地になります。
【ポイント③】蒸す前に生地を休ませる! 気泡が大小ランダムになり、弾力が増す
生地を型に流し終えたら、そのまま5~10分休ませます。こうすることで写真のように大きな気泡が浮いてきて、大小の気泡がランダムに入った状態に。ふわふわ食感一辺倒ではなく、むっちりとした弾力も加わって、より複雑で楽しい食感になります。
【ポイント④】練乳を使う! ミルキーな風味とコクが加わり、しっとり感もアップ

<富澤商店>森永 練乳(森永ミルク)チューブ(120g) 334円(税込)
砂糖のほかに、いちごのお供でおなじみ「練乳(コンデンスミルク)」で甘みをプラス。練乳は牛乳に砂糖を加えて濃縮したものなので、少量でもミルキーな風味が加わり、甘みにコクと深みが出ます。また、卵に乳脂肪分が加わると、生地のしっとり感が増します。
※取扱い:日本橋三越本店 新館地下2階 富澤商店
【基本】蒸しパンの作り方。卵の力を引き出しふわふわむっちり食感に!
<材料>(直径15㎝のアルミ型2台分)
- 【A】
・薄力粉…100g
・ベーキングパウダー…3g
・重曹…1g - 卵…130g(約2個分)
- 砂糖…100g ※写真は洗双糖(せんそうとう)。グラニュー糖、上白糖など好みのものでOK
- 水…小さじ1
- サラダ油…10g
- 練乳(コンデンスミルク)…20g

今回使用した薄力粉。<富澤商店>ドルチェ(江別製粉)(1kg)626円(税込)。北海道産小麦を100%使用しているため小麦の風味が豊か

左から、<富澤商店>アルミ底取型 15cm(5組)869円、グラシン 8F(100枚)(底:45×H35mm) 319円(ともに税込)
今回使用した型。左は「基本の蒸しパン」に使用したアルミ製の使い捨て型。底を下から持ち上げて取り外せるので、中身がきれいに取り出せる。右は「さつまいもと黒糖の蒸しパン」に使用したグラシン紙製のカップ。生地を流し込むと自立できずにこぼれてしまうので、同サイズのココット型やプリン型の内側にセットして使用する。
どちらのレシピも生地の分量は同じなので、好みで選んでOK。
※取扱い:日本橋三越本店 新館地下2階 富澤商店
<下準備>
・【A】は合わせてふるっておく
・卵液を湯煎するための湯を、鍋に温めておく
・蒸し器用にたっぷりの湯を沸かしておく
<作り方>
1. 卵に砂糖の半量を加え、湯煎にあてながら泡立て器で混ぜる
大きめのボウルに卵を割り入れ、泡立て器で溶きほぐし、砂糖の半量を加える。
ボウルの底を湯煎にあて、泡立て器で混ぜる。砂糖が溶け、42℃くらいになって卵のコシが切れたら湯煎から外す。
「卵液は温めると泡立ちやすくなります。お風呂くらいの温度になったら湯煎から外しましょう」
2. 湯煎から外し、ハンドミキサーに持ち替え、ツノが立つまで泡立てる
ハンドミキサーに持ち替え、卵液を中速で泡立てる。
「ハンドミキサーを使うときは、ハンドミキサーの羽根を動かす向きと反対向きにボウルを回転させながら、空気を含ませるように泡立てましょう」
ミキサーの羽根の跡が残るようになり(上写真)、すくうとツノが立つようになったら(下写真)いったん止める。
3. 水、サラダ油、練乳、残りの砂糖を順に加えて混ぜ合わせる。【A】を加え、粉気がなくなるまで混ぜ合わせる
分量の水、サラダ油、練乳を加え、全体になじむまでハンドミキサーの中速で混ぜ合わせる。
残りの砂糖を加え、砂糖が溶けるまでさらに混ぜ合わせる。
ふるっておいた【A】を一気に加える。
ハンドミキサーの低速で粉気がなくなるまで混ぜ合わせる。
「生地にツヤが出れば混ぜ終わりです」
3. 型に流し入れ、5分ほどおいてから蒸し器で22分ほど蒸す
2を型に均等に流し入れ、そのまま5~10分おく。
大きな気泡が浮いてきたら(写真)蒸気の上がった蒸し器に入れ、強火で22分ほど蒸す。
「強火で蒸すことで膨らみもよくなります。途中でお湯がなくならないように気をつけましょう」
蒸し上がったら取り出す。
「すぐに食べない場合は粗熱がとれてからラップに包んでください。冷蔵庫で4日ほど保存が可能ですが、冷えるとかたくなるので食べる際はラップを外し、蒸し器で温めなおすと、ふわふわな食感がまた楽しめます」
【実食】蒸しパン。やさしい甘さとコクに癒される♡
粗熱のとれた蒸しパンを一口ちぎると、跳ね返るようなむっちりとした弾力が指に伝わってきます。噛みしめると練乳のミルキーな香りと甘み、卵のコクが広がって、マーラーカオらしさも感じるのですが、ふわふわだけではない、むっちりとした弾力が新鮮です!
翌日蒸し器で温めなおしてみると、蒸したてのふわふわが復活し、しっとり感が増しました。 中国茶といっしょにいただくと蒸しパンの甘みが引き立って、お茶と蒸しパンの無限ループに突入しそうになるほど美味しい…。
卵の泡立てさえコツをつかめば、あとはとても簡単です。身近な材料で作れる新感覚の蒸しパン、皆さんもぜひお試しください!
【アレンジ】さつまいも入り黒糖蒸しパンのレシピ
黒糖風味の生地に、さつまいもがゴロゴロッと入った滋味深い蒸しパン。さつまいもの自然な甘み、黒糖のコクと香りがぴったりマッチして、飽きのこない美味しさです。
<材料>(直径7.5㎝のココット型6個分)
- さつまいも(皮つきのまま1.2㎝角に切る)…小1本(130g)
- 【A】
・薄力粉…100g ※今回は<富澤商店>ドルチェ(下写真)を使用
・ベーキングパウダー…3g
・重曹…1g - 卵…130g(約2個分)
- 黒糖(粉末)…100g
- 水…小さじ1
- サラダ油…10g
- 練乳(コンデンスミルク)…20g
<下準備>
・さつまいもは水にさらし、水気を拭きとっておく
・【A】はあわせてふるっておく
・卵液を湯煎するための湯を、鍋に温めておく
・蒸し器にたっぷりの湯を沸かしておく
<作り方>
1. 「基本の蒸しパン」の作り方1~2と同様にする。ただし、砂糖は黒糖に置き換える。
2. ココット型の内側にグラシンカップをセットし、生地を均等に流し入れて5~10分おく。
3. さつまいもを均等にのせ(写真)、蒸気の上がった蒸し器に入れ、強火で12~15分ほど蒸す。
※蒸している途中でさつまいもが下に沈む場合があります。上にのったまま仕上げたい場合は、最初からさつまいもをのせず、1分ほど蒸したタイミング(=表面がかたまる前の半生状態)でのせることをおすすめします。
4. 蒸し上がったらココット型から取り出す。
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レシピ/小島喜和さん
料理・菓子研究家。季節の手仕事を得意とし、梅仕事や味噌作りなど、各種ワークショップを開催。また、ニューヨーク、パリの製菓学校で製菓、製パンを学び、ディプロマを取得した経験を活かし、料理教室、お菓子教室を主催している。
高知県出身で、地元の郷土料理や食材を広める活動はライフワーク。『心ふるえる土佐の味』(高知新聞社)、『みそさえあれば。』(日東書院本社)、『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)など著書多数。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、日本橋三越本店 新館地下2階 富澤商店にてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
※オンラインストアでは商品によりギフト包装が出来ない場合がございます。詳しくは各商品ページの「ギフト包装」をご確認ください。
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