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2022.01.27

【初心者必見】混ぜるだけでOK! 濃厚フォンダンショコラのレシピを丁寧に解説

フォンダンショコラのイメージ

毎年、バレンタインが近づくと、チョコレート菓子作りにチャレンジしたいと思いつつ、「難しそう…」「どんなお菓子が自分に作れるのかわらかない…」といった理由からためらってしまう人も多いのでは?

「お菓子作りの初心者なら、フォンダンショコラがおすすめです。一般的な作り方は、外側のチョコレート生地と中に入れるガナッシュ生地を別々に作るなど、難易度が高いイメージがあると思います。でも、今回ご紹介したいレシピは、とっても簡単! 材料も5つとシンプルで、食材を順に混ぜるだけ。メレンゲを別のボウルで泡立てる必要もなく、あっという間に完成するレシピです」

そう話すのは、以前、WEB FOODIEの記事で、「ガトーショコラのレシピ」を教えてくれた、料理研究家の小島喜和さんです。

「フォンダンショコラは、①焼きたての温かい状態だけでなく、②常温で、③冷やしてと、3つの食べ方で異なる味わいを楽しめます。ラッピングすれば贈り物にもぴったり!」

そこで今回は、初心者でも失敗なく、おいしく作れるフォンダンショコラのレシピを紹介します。チョコレートのお菓子作りのポイントや、型の準備の仕方、ラッピングのアドバイスも詳しく解説してもらったので、最後までお見逃しなく!

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【意外と知らない基本知識】失敗しないために守りたい! チョコレートのお菓子作りのポイントとは?

まずは、チョコレートのお菓子を作るにあたって、失敗しないためにおさえておきたい基本的なポイントを解説します。意外と知られていない知識も多いので、経験者の方もぜひおさらいを!

ポイント① チョコレートはそのまま食べる板チョコではなく製菓用を選んで!

チョコレート

チョコレート菓子を作るなら、材料はそのまま食べる用の市販の板チョコレートではなく製菓用を使いましょう。そのまま食べる用の板チョコは、カカオ以外に香料や植物油脂などさまざまな原料を含んでおり、あまり加工には向きません。製菓用のチョコレートは、余計なものが入っておらず、扱いやすいのが特徴です。最近はタブレット状になっているので、刻む手間がなく溶かすことができます。

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ポイント② とにかく水分が大敵! 調理器具はきちんと乾燥してから使用を

濡れたボウル

チョコレートは少しでも水分が入ってしまうと、ボソボソになるなど状態が悪くなってしまいます。ボウルやゴムベラ、泡立て器など、使用する調理器具は、きちんと乾かしたものを使いましょう。洗いたての道具を使う場合は、ペーパータオルなどで徹底的にふいて、水分を一滴も残さないよう確認を!

ポイント③ 卵は必ず室温で戻してから使うこと!

卵

卵は事前に冷蔵庫から取り出して、室温に戻しておきましょう。温かいチョコレートに冷蔵庫から出したての冷たい卵を加えると、チョコレートがかたまるなどして、うまく混ざらないことがあります。ちなみに室温は20〜25℃ぐらいが目安です。

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調理器具の乾き具合なんて気にしたことありませんでした! 洗いたての道具を使うときは、要注意ですね。そのまま食べる用の市販の板チョコレートはいろいろなものが含まれていて、お菓子作りに向かないなんて意外です!

それでは実際にレシピを見ていきましょう。

混ぜるだけ! とろけるフォンダンショコラのレシピ

フォンダンショコラの材料

<材料>(直径6cmのセルクル6個分)

  • 製菓用チョコレート(スイート、カカオ分55~65%)…100g
  • バター(食塩不使用)…100g
  • 卵(Lサイズ)…2個
  • 薄力粉…25g
  • 粉糖…75g
  • 【好みで飾り用】
    ・粉糖(溶けないタイプ)…適量
    ・ホイップクリーム…適量
    (生クリーム100mlに砂糖大さじ1程度を入れ、8分立てにする)

<下準備>

・卵は室温に戻す
・オーブンは180℃に予熱する

「今回、チョコレートはカカオ分64%の製菓用スイートチョコレートを使用しています。ちなみに『スイートチョコレート』とはチョコレートの種類のこと。『甘い』という意味ではなく、『ミルクチョコレート』と違って乳成分の入っていないチョコレートのことを指し、カカオ分も55~80%とかなり幅があります。チョコレートは好みのもので問題ありませんが、個人的には55~65%のものが、苦味などの味わいのバランスもよく、おすすめです」

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<作り方>

1. 型の準備をする

型にバターを塗っているところ

型の内側に無塩バター適量(分量外)を刷毛で薄く塗る。

「バターはクッキングシートを型にくっつけるための糊(のり)のようなもの。刷毛がない場合は指で塗っても構いません。型にきちんとくっつくのであれば、バターの代わりにサラダ油を使ってもいいでしょう。

今回は型から取り出しやすいようにセルクルを使用しましたが、ない場合はココットで代用してもOKです。その場合は、取り出すのではなく、スプーンですくって食べるようになります」

クッキングシートを型に沿わせているところ

クッキングシートをセルクルの円周より1cmほど長く、型の高さより1〜2cmほど高く切り、バターを塗った型の内側に沿わせる。

クッキングシートを敷いた型

天板にクッキングシート敷き、クッキングシートを貼り付けたセルクルを並べる。

「生地を作ってから型を用意すると、時間がかかってしまい、生地がかたまって型に流しにくくなるので、必ず最初に型を準備するようにしましょう」

2. 薄力粉、粉糖をふるう

薄力粉と粉糖をふるっているところ

薄力粉、粉糖は、合わせてザルなどでふるう。

「薄力粉と粉糖は事前にふるうことで、生地を作るとき、ダマになるのを防ぎます」

3. チョコレート、バターを湯せんで溶かす

チョコレートとバターを溶かしているところ

ボウルの口径よりもひとまわり小さな鍋に、ボウルの底が浸かるくらいまで水を入れて沸かす。沸騰したら弱火に落とし、ボウルにチョコレート、バターを入れて鍋に重ね、ボウルの底を湯に当てて溶かす。

「湯せんの水がボウルに入らないよう、鍋はボウルよりも少しサイズの小さいものを選びましょう。バターは冷蔵庫から出したてのもので構いません。あらかじめ薄く切っておくと、短時間で溶かすことができます。湯せんにかけるときは、火が強すぎると横から火が漏れて、ボウルに直接当たってしまう場合も。チョコレートが焦げる一因になるので弱火で溶かすことが大切です」

溶かし終わったチョコレートとバター

バターがほぼ溶けたらチョコレートは余熱で溶けるので、火から外してOK。湯せんにかけているときは特に混ぜる必要はない。

「ボウルは熱くなっています。火から外すときは布巾や手袋を使うなどして、火傷をしないように注意してください」

4. 溶かしたチョコレート、バターをよく混ぜる

チョコレートを混ぜているところ

火から下ろした3のチョコレートとバターをゴムベラでなめらかになるまで混ぜる。

「湯せんにかけただけだと、チョコレートとバターは分離しているので、ここでしっかり混ぜることが大切です」

混ぜ終わったチョコレート生地

混ぜ終わったチョコレート生地。なめらかでツヤがある状態が理想。

5. 卵を溶きほぐす

卵を溶きほぐしているところ

別のボウルに卵を割り入れ、泡立て器で溶きほぐす。

溶き終わった卵

「卵は泡立てるのが目的ではないので、卵白のコシをきるように混ぜ、卵黄と卵白が均一に混ざればOKです」

6. 卵に薄力粉、粉糖を少しずつ加えて混ぜる

卵に粉を加えているところ

5の卵に2のふるった薄力粉と粉糖を少しずつ加え、泡立て器でよく混ぜる。

「ダマになりやすいので、最初は利き手で卵を混ぜながら、別の片手で少しずつ粉を加えていきます。このように両手を一度に動かす作業が難しいと感じる場合は、粉を2〜3回に分けて加え、その都度よく混ぜるやり方でも構いません」

混ぜ終わった生地

混ぜ終わった生地。ダマがなくなればOK。

7. 4のチョコレート生地を2回に分けて加え、混ぜる

卵にチョコレートを加えているところ

生地を混ぜているところ

64のチョコレート生地を2回に分けて加え、その都度泡立て器でよく混ぜる。

「室温が低いと4のチョコレート生地がかたくなってしまうことがあります。そのときは6の生地に加えるまえに、4のチョコレート生地を軽く泡立て器で混ぜましょう。それでもかたく感じるようなら、再度湯せんに軽くかけて温め直すといいでしょう」

混ぜ終わった生地

混ぜ終わった生地。ゴムベラですくうと生地がリボン状に落ちていくかたさが理想。

8. 型に生地を等分に流し入れる

型に生地を流し入れているところ

1で用意した型に7の生地を均等に流し入れる。

「チョコレートがかたまると流しにくくなるので、作業はなるべくスピーディに行いましょう。ボウルから直接、生地を流すのが難しい場合は、口金をつけた絞り袋に生地を入れて、それぞれの型に絞るといいでしょう」

9. 180℃のオーブンで8分30秒焼く

生地を流し終えたところ

180℃に予熱したオーブンで8分30秒焼く。焼きたてを食べる場合は、このタイミングでホイップクリームを用意するとよい。

「焼き加減はオーブンによって異なるので、様子を見ながら調整してください。自分の家のオーブンのクセを知ることがとても重要です。以下の焼き上がりの目安を参考にしてください」

【焼き上がりの目安】側面はしっかりと焼けて(=乾いて)いて、中心は色が濃く、表面に丸いふくらみがある状態。竹串で刺して焼き上がりを確認すると穴が空いてしまうので、見た目で判断しましょう。

【焼き加減が足りない場合】生地の層が薄すぎてすぐに破れてしまい、型から外すと中身がジャーッと流れ出てしまう場合も。

【焼きすぎた場合】フォンダンショコラの特徴である、割ったときに中のチョコレートがとろ〜りと顔を出す状態にはなりません。とはいえ、焼きすぎたとしても、チョコレートケーキとして充分においしくいただくことができるので、安心してください。

10. 焼き上がったらすぐに型から外し、器に盛る

フォンダンショコラのクッキングシートを外しているところ

フォンダンショコラの型を外しているところ

焼き上がったらすぐにクッキングシートを引き抜き、その後に型を抜いて外す。

「余熱でフォンダンショコラにどんどん火が入るので、型はすぐに外しましょう。このとき型はとても熱くなっているので、火傷しないようミトンや鍋つかみなどを使ってください」

11.器に盛る

フォンダンショコラのイメージ

器に盛り、好みで粉糖をふり、ホイップクリームを添える。

焼きたてはチョコレートがとろ〜り! 冷めてもおいしいフォンダンショコラの完成

フォンダンショコラのイメージ

さっそく焼きたてのフォンダンショコラを半分に割ってみると、温かいチョコレートがとろ〜り。味わいは甘さ控えめで、カカオの風味が濃厚。見た目は小さいですが、外側と内側で異なる食感が楽しめるので、ひとつ食べると充分な満足度です!

「今回はシンプルな材料で作りましたが、刻んだミルクチョコレートを混ぜたり、風味づけにラム酒やブランデー、グランマニエを加えたりと、いろいろアレンジを楽しんでみるのもいいでしょう」

Q:小麦粉が入っているのに生焼けでも大丈夫ですか?

A:上写真を見て「とろ~りした状態=生焼け」というイメージをもつかもしれませんが、これは生焼け(=小麦粉・薄力粉が加熱されていないの状態)ではないのでご安心ください。

上写真の状態は、生地が熱い状態でカットした場合、チョコレートが固まっていないために起こる現象です。しっかりと冷ますとチョコレートが固まり、生地も固まります。(※生焼けの生地の場合、冷めても中の生地はどろっとしたままになります)。

今回のレシピは、バターとチョコレートの分量を多くしており、小麦粉の割合は大変少なくしています。また型が直径6cmセルクルを使用することで、レシピの焼き時間を守っていただければ十分に加熱することができます。

フォンダンショコラは3つの食べ方を楽しめます!

フォンダンショコラは3パターンの食べ方で、味わいの違いを楽しむのもおすすめです。

【食べ方①】焼きたての温かい状態で、とろっとした温かいチョコレートを楽しめます。または、一度冷めてからでも、1個につき電子レンジ(500W)で30秒加熱して温め直せば、焼きたてに近い味わいを楽しめます。

【食べ方②】常温のままで。中がやわらかい食感のおいしいチョコレートケーキとして。

【食べ方③】冷蔵庫で冷やしてからいただくのもおすすめ! 生地がしっとりして、チョコレートそのものの味がダイレクトに堪能できます。

1個ずつラッピングすれば、贈り物にもぴったり!

ラッピングしたフォンダンショコラ

手作りしたフォンダンショコラは、1個ずつラッピングしてプレゼントにしても! 温かいうちは形が崩れやすいので、必ず冷めた状態でラッピングしましょう。透明フィルムに包んで箱に詰めたり、クリアバッグに入れたりすれば見栄えがします。

フォンダンショコラを贈るときは、先ほどご紹介した3パターンの食べ方のアドバイスをカードに書いて添えるといいでしょう。また渡すまでは要冷蔵で、なるべく早めに召し上がっていただくようにしましょう。

いかがでしたか? シンプルながらチョコレートの濃厚な味わいが堪能できる、フォンダンショコラの簡単レシピ。ぜひ試してみてください。

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小島喜和さん

小島喜和さん

テーブルトップディレクター。季節のめぐりとともに暮らす日々。手仕事を行う楽しさ、美味しさを伝えることをライフワークに、自身の料理教室では「味噌」や「梅干し」など、【季節の手仕事教室】を開催している。『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)など著書多数。

小島喜和さんのレシピ一覧はこちら>>

撮影:矢野宗利
文:ケイ・ライターズクラブ
(追記:2023/12/19 16:15)一部レシピの内容を変更いたしました。
(追記:2024/9/13 16:50)一部の内容を追記いたしました。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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