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2020.01.28

【プロが解説】失敗しないチョコレートのお菓子作りQ&A

チョコレートのイメージ

バレンタインにお菓子を手作りする予定の人も多いと思いますが、チョコレートの扱いはなかなか難しいもの。今回は「どんなチョコレートを使えばいいかわからない」「チョコレートが分離する」といった悩みを解決すべく、製菓のプロにチョコレートに関する素朴な疑問に答えてもらいました。

教えてくれるのは、製菓・製パンの材料や道具を取り扱う専門ブランド<クオカ×トミーズ>日本橋三越本店の店長、寺沢恭子さんです。

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Q1. チョコレートの違いがよくわかりません!

チョコレートの種類

A. 製菓用のチョコレート、4種類の違いを知って

一般的に製菓用チョコレートは大きく以下の4種類に分けられます。

スイートチョコレート:カカオマス、カカオバター、糖分からできているもの
ミルクチョコレート:スイートチョコレートの原料に乳成分が加わったもの
ホワイトチョコレート:カカオバターと糖分、乳成分からできている白いもの
フレーバーチョコレート:キャラメルやいちご風味など、チョコレートにカカオ以外の素材や香料、色素を加えたもの

※③と④は同じ種類として扱われ、「3種類」とすることもあります

一般的によく聞く「ブラックチョコレート」の定義は、メーカーによって異なり、明確な決まりはありません。粉乳などの乳成分が入っていない、①のスイートチョコレートのことをいうことが多く、「ダークチョコレート」や「ビターチョコレート」とも呼ばれます。

なお、お菓子のレシピ本に記載されているクーベルチュールチョコレートとは、製菓用の中でも特に厳しい国際規格をクリアしたチョコレートのこと。「総カカオ分が35%以上かつ、カカオバターが31%以上含まれるもの」といった条件をクリアしたチョコレートは、カカオの割合が高いのが特徴です。

Q2. スーパーの板チョコレートはお菓子作りには向かない?

板チョコのイメージ

A. 加工に向かないので、できれば製菓用チョコレートを使うのがおすすめ

通常、市販の板チョコレートはそのままおいしく食べられるように作られており、カカオ以外にも、香料や植物油脂など、多くの原料が含まれています。

一方、製菓用のチョコレートは、調理を前提に作られているので、余計なものが入っておらず、加工しやすいという特徴があります。カカオとカカオバター分が占める割合が高いため、口溶けなめらかな、美しくツヤのあるチョコレート菓子に仕上がるので、なるべく製菓用のチョコレートを使うとよいでしょう。

Q3. チョコレートはどう保存すればいいの?

A. 冬場は暖房の当たらない場所。それ以外の季節は新聞紙で包んで野菜室で保存して

チョコレートの保存は5〜15℃がベストだと言われています。冷蔵庫や冷凍庫だと、冷えすぎてブルーム現象(※チョコレートの表面に白い粉がふいたり、白い斑点が浮いたりすること)が起きることもあります。

開封済みのチョコレートは、袋を閉じてファスナー付き保存袋に入れ、冬場は玄関など、暖房の当たらない場所で、それ以外の季節は、冷気と湿気からチョコレートを守るため、新聞紙でしっかり包んでから冷蔵庫の野菜室で保存してください。ワインセラーがある場合は、そちらも保管場所としておすすめです。

Q4. チョコレートはなぜ湯せんで溶かすの?

溶かしたチョコレートのイメージ

A. やさしく、緩やかに加熱できるので

チョコレートは60℃ぐらいの温度で溶かすことが推奨されています。湯せんなら温度がいきなり上がることはないため、失敗しづらく、きれいに溶かすことが可能。

電子レンジで溶かすこともできますが、焦げたり、爆発したりすることもあります。少しずつ加熱し、こまめに取り出して混ぜる必要があるので、チョコレートの扱いに慣れていない人には難易度が高いかもしれません。

湯せんの方法は、小さめの鍋にお湯をはり、沸騰しない程度の火加減で温めましょう。鍋に沈まないサイズのボウルを使って溶かすと、水分が入らないのでおすすめです。

Q5. チョコレートが分離してしまった! 原因はなぜ?

A. 水分が入ってしまったか、加熱しすぎが理由

チョコレートにとって水分は大敵。少しでも水が入ると状態は悪くなります。よくある失敗例が、洗いたてのボウルや泡立て器を使ってしまうこと。

よく拭いたつもりでも、意外と目に見えない部分に水分が残っていることがあります。洗いたての調理道具はしばらくそのまま置いて乾かしてから使用するか、ペーパータオルなどで徹底的に拭いてから使うようにしましょう。

また、電子レンジで加熱したり、直火に当てたりして溶かしたチョコレートも、熱が入りすぎて分離しやすくなります。分離してしまったチョコレートはコーティング用には向きませんが、チョコレートムースやブラウニーなどのケーキ、ホットショコラなど、ほかの材料に混ぜ込むタイプのお菓子に使うことができます。

Q6. できあがったチョコレートの口当たりが悪いのはなぜ?

生チョコのイメージ

A. 水分、または温度管理が原因

口当たりの悪さの原因としては、湯せんで溶かすときに水が入ってしまったか、使用した調理道具に水分が残っていた可能性が高いです。生チョコなどに使用するガナッシュ(※チョコレートと生クリームを混ぜたもの)がぼそぼそになってしまうのは、水分のほかに温度管理の失敗が原因として考えられます。

混ぜ合わせる際、生クリームが冷たすぎたり、チョコレートが熱すぎたりして温度が極端に異なると、なめらかな仕上がりになりません。両方ともほどよく温めてから混ぜると、失敗する可能性は低くなります。

Q7. 溶かしたチョコレートがきちんと固まりません!

<ル サロン ジャック・ボリー ラ・ブティック>キャレショコラ

A. テンパリングをしてみて

チョコレートはただ溶かして固めただけだと、パリッと固まりません。チョコレートに含まれるカカオバターの結晶が不安定なためです。その結晶を温度調整して安定させる作業が「テンパリング」。ツヤがあり、口溶けなめらかなチョコレートを作るのに欠かせない工程です。

【テンパリングの手順】

① チョコレートの温度を50℃前後まで上げて溶かします。
② ①の溶かしたチョコレートを、混ぜながら28℃前後まで冷まします。
③ 再度31℃前後に温度を上げ、この温度をキープしたまま、コーティングしたり、薄く伸ばしたりします。

※チョコレートによって最適な温度は異なるので、メーカーが推奨している数字を参考にしてください。

Q8. チョコレートにツヤが出ないのはなぜ?

A. テンパリングをしていない、もしくはテンパリングに失敗している可能性が

Q7と同様、溶かしたチョコレートをそのまま固めると、表面が白っぽくなることも。ツヤよくきれいに仕上げるためには、テンパリングがおすすめです。ただし温度調整は十分に気をつけながら作業して。最適な温度を超えたり、少しでも水分が入ったりすると、結晶化がうまくいかず固まらなかったり、表面にブルームができる原因となります。

「テンパリングはハードルが高そう……」という方は、テンパリングのいらない「コーティングチョコレート」という商品があるので、そちらを使用するとよいでしょう。

Q9. ガトーショコラに向いているチョコレートは?

ガトーショコラのイメージ

A. 乳成分の入っていないスイートチョコレートがおすすめ

グラニュー糖や生クリームを使用するガトーショコラは、シンプルな「スイートチョコレート」を使うとよいでしょう。カカオ分60〜70%のものを選ぶと、加熱しても風味がしっかりしており、チョコレートの味わいが堪能できます。

おすすめは、ビターな味わいをしっかり楽しみたいなら<ヴァローナ>の「グアナラ」、クセのない味わいが好みなら酸味、苦み、甘みのバランスがとれた<ベルコラーデ> の「ノワール・スーペリヤー」です。使うチョコレートによって味に差が出るので、いろいろなものを試して、食べ比べてみてもおもしろいでしょう。

知れば知るほど、奥深いチョコレートの世界。一度でもお菓子作りが成功すると、その魅力にハマッてしまうこと間違いなしです。ぜひ、今年のバレンタインは正しい知識を参考に、手作りチョコレートにチャレンジしてみてください。

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取材協力/クオカ×トミーズ 日本橋三越本店

製菓・製パンの材料や道具を販売している専門ブランド<クオカ×トミーズ>では、18カ国・約100種類もの「製菓用チョコレート」を扱っている。日本橋三越本店では、通年のあいだ約30種類のチョコレートが店頭に並ぶ(店頭にない商品は取り寄せも可)。

文:ケイ・ライターズクラブ

店舗のご案内について

記事でご紹介している<クオカ×トミーズ>は、日本橋三越本店新館地下2階にございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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