2016.10.17
少しの煮汁で驚きの味! かぼちゃの煮物(煮付け)プロのレシピ
かぼちゃの煮ものといえば、たっぷりの煮汁を入れて、弱火でコトコトじっくり。途中でひっくり返して味を含ませて―。「ちょっと待った! それが失敗の原因です」と驚きのアドバイスをくれたのは、伊勢丹新宿店の青果コーナー・鈴木理繪シェフ。
「煮崩れるし、味がしみない…」といった失敗だらけの作り方から脱出すべく、プロの技を教えてもらいました!
煮崩れせずにかぼちゃに味がしみる! 驚きの「3つの技」
その① 「ちょっとの煮汁」と「強火」で裏返し不要!
「煮ものの煮汁というと、ひたひた、もしくはかぶるくらいの量にしがち。実は、緑色の皮が隠れるほどの少ない煮汁(写真左)で十分なんです。ただし、必ずふたをして中火強~強火(写真右くらいに沸く火加減が目安)で一気に加熱することが大切。かぼちゃから水分が出て、蒸し煮のような状態になるので、ひっくり返さなくても火が通り、煮崩れも防ぐことができます」
その② 「砂糖のしっとり効果」で美味しさが格段にアップ!
「かぼちゃに市販の麺つゆを入れて煮る人が多いのですが、煮汁に入れる調味料は、まずは砂糖だけでOK! 砂糖にはかぼちゃをやわらかくし、しっとり保湿する効果があるんです。最初からしょうゆなどの塩分を入れて煮ると、上手に煮えません」
その③ 煮物は「火を止めてほったらかし」で、味を含ませるのが正解!
「かぼちゃがやわらかく煮えたら、酒としょうゆを加えて、さっとひと煮するだけ(写真左)。少~し煮汁が残った状態で火を止めて、20分ほどほったらかしておくと、かぼちゃが煮汁を吸って、自然に中まで味がしみるというわけ(写真右)。コトコト煮れば味がしみると思うのは間違いだったんです」
しっとり&やわらか!「かぼちゃの煮物(煮付け)」の作り方
材料(2人分)
- かぼちゃ…1/6個(約300g) ※写真は栗マロンかぼちゃ(北海道産)
- 砂糖…大さじ1強~2
- だし汁(昆布)…約100ml ※鍋の大きさによって調節する
- 酒…大さじ1
- しょうゆ…小さじ2
<作り方>
① かぼちゃを切る
かぼちゃはワタを除き、半分に切ってから一口大に切り(写真左)、火の通りと味しみが良くなるよう、少し皮をむく。
「三角形の一切れ(写真左・赤い丸部分)は、木の葉に飾り包丁(写真右)を入れるだけで、盛りつけたときにパッと食卓が華やかになります。ちょっとしたことですが、ぜひご家庭でもやってみてほしいひと手間です」
② だし汁を入れて砂糖をふり、蒸し煮にする
鍋にかぼちゃの皮を下にして並べ、だし汁を皮の少し上(5㎜~1cm深さ)まで加える。砂糖をふりかけ、ふたをして中火強~強火にかけ、楊枝がすっと通るまで煮る。
「家庭によってコンロの強さが異なります。かぼちゃに火が通るまえに水分がなくなりそうなときは、だし汁または水を適宜足してください」
③ 調味料を加えてさっと煮る
ふたを外し、酒、しょうゆを加える。鍋をやさしくゆすってしょうゆを全体になじませ、酒のアルコール分が飛ぶまで30秒~1分煮て火を止める。
④ 火を止め、ほったらかして味を含ませる
ほっくりとした食感が好みならふたを外し(しっとりとした食感が好みならふたをする)、そのまま20分ほどおく。
実は「こんな少ない煮汁で本当に美味しく煮えるの?」と半信半疑でしたが、煮汁を吸ったかぼちゃは、見るからにホックホク。極上の和菓子のような上品な甘みと、しょうゆの香ばしさがたまりません。
「ふたがあればフライパンでも大丈夫。かぼちゃは季節や産地によって食感が変わります。しっとりやわらかさが増すこの作り方は、特に栗マロンかぼちゃで作るとほっくり感もアップします」と鈴木シェフ。ずっと作り続けたい味は、やっぱりシンプル・イズ・ベストです。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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