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2023.07.21

【プロ直伝】とろとろやわらか! なすの煮浸しの人気レシピ。作り置きやそうめんアレンジも解説

なすの煮浸しの仕上がり

なすを使った定番おかずといえば「なすの煮浸し」。煮汁をたっぷり吸ったなすは、やわらかくとろとろの食感でしみじみおいしい、まさに和食の基本料理です。ご家庭でも登場頻度の高い人気おかずなので、ぜひおいしく作れるようにマスターしておきたいですよね。

そこで今回は、なすの煮浸しをより上手に作るコツをプロに聞きました。教えてくれるのは、「なすの煮浸し大好きです。毎日でも食べられます!」と話す、料理研究家の小島喜和さんです。

「なすの煮浸しは、なすを揚げてから浸したり、最初から煮汁で煮たりといろいろな作り方を試してきました。その結果、一番簡単でおいしいと思う方法を伝授します」と小島さん。

プロが試行錯誤してたどりついたレシピなんて気になりますよね! しかも簡単に作れるなんて、嬉しいかぎりです。まずは、なすの煮浸しの作り方のポイントから見ていきましょう。

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定番おかずだからこそもっとおいしく! なすの煮浸しを上手に作る3つのポイント

なすを煮ているところ

① なすは細長いものより、短くて太いものの方が煮崩れしにくい!

なすの煮浸しは、野菜売り場などで手に入りやすい、中長なすで作るのが一般的。サイズ的に扱いやすく、皮や果肉がやわらかいので、なすを丸ごと煮る煮浸しにぴったりです。

選ぶときは形がぷっくりしていて、長すぎないものが煮崩れしにくくておすすめ。長なすなど細長いものは煮崩れしやすいので、長さを半分に切るなど、調理時に工夫するといいでしょう。

② 油で炒めてから煮ることで、コクがアップ!

なすの煮浸しは、油で揚げてから浸したり、そのまま煮汁で煮たりなど、いろいろな調理法で作れますが、小島さんのおすすめは油で炒めてから煮る方法。油で炒めることで、そのまま煮るよりもコクが出ると同時に、揚げるよりも簡単と、まさにいいとこ取りの調理法です。鍋ひとつで作れるのも、嬉しいポイント。

③ さつま揚げなどたんぱく質と一緒に煮ることで旨みたっぷりに!

なすの煮浸しはなすだけで作るレシピも多いですが、小島さんのイチオシはさつま揚げなどのたんぱく質がメインの食材と一緒に煮ること! たんぱく質の旨みが煮汁に溶け出し、その煮汁をなすがたっぷり吸うので、よりおいしさがアップします。

組み合わせる食材はさつま揚げのほかに鶏肉などもおすすめ。小島さんの地元・高知では、なまり節(カツオをゆでたり、蒸したりして加工した食材)を使うのがポピュラーだそう。

煮浸しは、なすを炒めてから煮るのがポイントなのですね! 鍋ひとつで作れるので手軽なのもありがたいです。たんぱく質の食材と一緒に煮る理由も納得。さつま揚げと一緒に煮たなすの煮浸しがどんな味なのかも気になります!

それでは実際にレシピを見ていきましょう。

とろとろ食感&旨みたっぷり! なすの煮浸しのレシピ

なすの煮浸しの材料

<材料>(4人分)

  • なす…6本
  • さつま揚げ…150g
  • サラダ油…大さじ3〜4
  • だし汁(かつお昆布の一番だし)…1000ml ※和風顆粒だしを水で溶いたもので代用可
  • 砂糖…大さじ4
  • 醤油…大さじ4
  • みりん…大さじ2

<作り方>

1. なすの下処理をする

なすのヘタを切り落としているところ

なすに切り込みを入れているところ

なすの切り目を入れているところ

なすはヘタを切り落とし、縦半分に切る。皮目に浅く2~3mm幅の切り込みを入れ、水にさらす。

「ガクを手でむしってから、無駄のないようにヘタをギリギリのところで切り落としましょう。皮目に細かく切り込みを入れると、味がしみ込みやすく、見た目も美しく仕上がります。変色を防ぐため、切ったなすはすぐに水にさらしてください」

2. 水にさらしたなすは、ザルにあげて水気を拭き取る

なすを水に浸しているところ

なすの水気を拭いているところ

水にさらしたなすを、ザルにあげてペーパータオルで水気を拭き取る。

「なすを水にさらす時間は、具材の下処理をする数分間だけで大丈夫です。逆に長時間水にさらすと、なすの風味が落ちてしまうので、注意しましょう」

3. さつま揚げを切る

切ったさつま揚げ

さつま揚げは食べやすい大きさに切る。

「さつま揚げは熱湯をかけて、油抜きしてから調理することも多いですが、今回は油を使う料理なので、油抜きする必要はありません」

4. なすを多めの油で炒める

なすを鍋に並べているところ

なすを炒めているところ

鍋(今回は行平鍋を使用)にサラダ油を入れて、中火で熱し、なすを切った断面を下にして入れる。すべて入れ終わったらすぐに混ぜ、なす全体に油をからめてから、もう一度切った断面を下にして並べる。しばらく触らないようにして、軽く焼き色をつける。

「なすの切った断面を下にして鍋に入れる理由は、断面が変色しやすいからです。すべて入れ終わったらすぐに全体を混ぜることで、油でなすの表面をコーティングします。すぐに混ぜないと、一部のなすだけが油を全部吸ってしまいます」

なすを焼いているところ

「断面をチェックして、写真のようにうっすらと焼き色がつけばOKです。焼きつけることで旨みが引き出され、香ばしさも加わり、奥深い味に仕上がります」

5. さつま揚げを加える

油揚げを加えて炒めているところ

さつま揚げを加え、さっと全体を炒める。

6. だし汁を加える

だし汁を加えているところ

アクをすくっているところ

だし汁を加え、煮立ったらアクを除く。

7. 調味料を加える

砂糖を加えているところ

醤油を加えているところ

みりんを加えているところ

砂糖、醤油、みりんの順に調味料を加える。

「砂糖の方が醤油よりも味がしみ込みにくいので、最初に加えましょう。砂糖の量は好みで問題ないですが、私は甘めの味付けがおすすめです」

8. 落としぶたをして、ごく弱火で30分ほど煮る

落としぶたをしているところ

落としぶたをしてごく弱火で30分ほど煮る。

「落としぶたがない場合は、クッキングシートで代用しても構いません。煮るときはごく弱火にすることが大事。火加減が強いとなすが煮崩れやすくなってしまいます。煮る時間は30分ほどが目安。じっくりと煮ることで、なすがやわらかく、とろとろの食感に仕上がります」

9. 火を止めてそのまま冷ます

煮終わったなすの煮浸し

30分ほどたったら火を止めてそのまま冷ます。

「時間がないときはそのまま食べてもいいですが、余裕がある場合は一度冷まして味を含ませるといいでしょう。一層具材に味がしみ込みます。食べるときは冷めたままでもいいですし、温め直してもおいしいですよ」

旨みたっぷりの煮汁がジュワーッと広がる! なすの煮浸しの味わいに感動

なすの煮浸しの仕上がり

見るからに味しみしみのなすの煮浸しができ上がりました。早速ひと口食べると、甘くて旨みたっぷりの煮汁が口の中いっぱいにジュワーッと広がります。なすは噛む必要のないほどやわらかく、とろとろの食感がたまりません。さつま揚げが入る分、なすだけの煮浸しよりも煮汁にコクが感じられます。やさしく奥深い味わいに「毎日でも食べられる」という小島さんの言葉に納得です!

【なすの煮浸しの保存方法】作り置きにぴったり!

保存容器に入ったなすの煮浸し

なすの煮浸しは日持ちするので、作り置きおかずにもおすすめです。多めに仕込んで冷蔵庫に常備しておくと、毎日の食卓に活躍します。保存方法は清潔な保存容器に入れ、粗熱がとれたらふたをして冷蔵庫へ。2〜3日間保存可能です。食べるときは冷たいままでも、温め直してもどちらでも大丈夫です。

【なすの煮浸しの食べ方アレンジ】のっけるだけで完成!「なすそうめん」

なすそうめんの仕上がり

「なすの煮浸しを作ったら、翌日は必ず『なすそうめん』にします。旨みたっぷりで少し甘めの煮汁がそうめんと相性満点! これを食べたいがために『なすの煮浸し』を多めの煮汁で作るようにしているほど、好きな一品です。簡単に作れるので、さっと済ませたいときのお昼ご飯などにおすすめです!」

作り方はとってもシンプル。ゆでたそうめんを器に盛り、なすの煮浸しを煮汁ごとそうめんにのせるだけ。なすの煮浸しは冷たくても、温かくてもどちらでも大丈夫です。好みで青じそなどを添えるといいでしょう。

作り置きおかずとして重宝して、そうめんにもアレンジできる、なすの煮浸し。ぜひ、プロのポイントを意識して、繰り返し作ってみてください。

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小島喜和さん

小島喜和さん

テーブルトップディレクター。季節のめぐりとともに暮らす日々。手仕事を行う楽しさ、美味しさを伝えることをライフワークに、自身の料理教室では「味噌」や「梅干し」など、【季節の手仕事教室】を開催している。『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)など著書多数。

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撮影:矢野宗利
文:KWC

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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