2021.06.07
【シェフ直伝】ジャーマンポテトのレシピ。じゃがいもはレンジより、水からゆでて焼くのが格段においしい!
じゃがいも×ベーコンというシンプルな材料で作るジャーマンポテト。ビールと相性のいい料理の代表格でもあります。
でも、レシピがシンプルな分、「じゃがいもはどの種類を使うべき?」「ゆでてから炒める? それとも直接フライパンで炒めて加熱する?」など、細かい疑問が…。一体どれがベストな方法なのでしょうか?
そこで今回は、伊勢丹新宿店<キッチンステージ>の柬理美宏シェフに「ジャーマンポテト」をおいしく作るコツを伝授していただきました。
「最大のポイントは、じゃがいものおいしさを引き出すこと! そのためにはじゃがいもを水からゆでてじっくり甘みを引き出すのがおすすめです」(柬理シェフ)
また、ジャーマンポテトに添えるとおいしい、キャベツを使った「ザワークラウトとセロリのソテー」のレシピも教えてもらったので、そちらもお見逃しなく!
▼まだある、じゃがいものレシピもチェック!
【レシピまとめ】毎日でも食べ飽きないじゃがいもレシピ>>
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じゃがいものおいしさを引き出す3つのポイント。ゆで方次第で甘みがアップ!
柬理シェフが教えてくれた、具体的に気をつけるべきポイントは、以下の3つ!
ポイント① じゃがいもは煮崩れしにくい、メークインをチョイス!
じゃがいもは好みのものでいいですが、調理しやすいのは煮崩れしにくいメークインです。種類によって調理の方法に工夫が必要なので、まずはそれぞれの特徴を理解して!
【メークイン】煮崩れしにくく、しっとり、ねっとりした食感が特徴。ジャーマンポテトやローストポテトなど、形をキープしたい料理におすすめ。
【男爵】ホクホクとした食感でさっぱりとした味わいのじゃがいも。煮崩れしやすいため、強火での加熱はNG。粉ふきいもやポテトサラダなどに向いている。
【新じゃが】皮のえぐみが少なく、香りもいいので、皮ごと調理するのがおすすめ。水分が多いため火が入りやすく、加熱しすぎないのが調理のポイント。煮物やローストにおすすめ。
ポイント② 皮ごと水からゆでると、じゃがいもの甘みがアップ!
じゃがいもは中心までじわじわと熱が伝わるように水からゆっくり加熱することで、でんぷんが糖に変わり、甘みが増します。電子レンジを使う人も多いですが、レンジだと短時間で加熱できる分、一気にじゃがいもの温度が上昇してしまい、甘みはそこまで増しません。
また、ゆでるときは皮をむかないこと。皮をむいてしまうと、ゆで汁に糖が溶け出してしまうことに。皮付きのまま時間をかけてゆっくり温度を上げるのが正解です!
ポイント③ ゆでたじゃがいもはひと晩寝かせると、よりおいしい!
ゆでたじゃがいもは、すぐに使用せず、一旦冷まして冷蔵庫でひと晩寝かせてから調理するのがおすすめ。冷ますことで余分な水分が飛んで身が締まり、調理しやすくなります。また、ひと晩寝かせることで甘さが増すという効果も!
ゆでたじゃがいもをひと晩寝かせるとおいしくなるなんて、目からうろこです!
まずは、じゃがいもの旨み、甘みを最大限引き出す、「じゃがいものゆで方」からチェック。じゃがいも料理全般に共通して使える方法なので、ぜひマスターしてみてください!
【初心者必見】一度覚えれば一生もの! じゃがいものゆで方
1. 水からゆでる
鍋にじゃがいもを入れ、水を注ぎ、中火にかける。
「じゃがいもは外側の温度と中心温度をなるべく差が出ないようにゆでたいので、水から火にかけます。水の量はゆでている間に水分が蒸発するので、じゃがいもの表面プラス2cmほどを目安にしてください」
2. 温まってきたら弱火にする
鍋底に小さな泡が出てきたら弱火にする。
「でんぷんが糖に変わる温度帯は60~80℃。なるべくその温度帯を長くとるよう、ゆっくり加熱していきます。鍋底に気泡が出てきたら、60℃を超えた合図なので、火加減を少し弱めます。ただし、80℃以下の温度を長時間キープしてしまうと、今度はじゃがいもがかたくなってしまうので注意してください。じゃがいもや水の量にもよりますが、水の状態から10分程度時間をかけて95℃くらいまで温度を上げるイメージです」
3. 沸騰したら、ごく弱火でゆでる
鍋の表面がぐらぐらとしてきたらごく弱火にする。
「ぼこぼこ沸かすのは、外側から熱が入りすぎてしまうのでNG。中心からじんわり、を意識してください」
4. 20分ほどたったら取り出して、そのまま冷ます
「ゆで時間は個体差によるので、竹串や金串を刺して中まで火が通っているかを確認してください。余熱で火が入るので、スーっと抵抗なく刺さるのではなく、刺さるけれど、少し力がいる程度で取り出すようにしましょう」
5. ひと晩おく
「できればゆでたじゃがいもはひと晩おくのがおすすめ。粗熱がとれたら皮付きのまま冷蔵庫で保存しましょう。ひと晩寝かせたじゃがいもは、水分が飛んで身が締まり、調理しやすくなります」
ゆでたてとひと晩おいたじゃがいもを実際に食べ比べてみると、ゆでたてのじゃがいもは、みずみずしくホクホクした食感なのに対し、ひと晩おいたものはしっとりしていて、甘みが強く感じられます。
ゆでた皮付きのじゃがいもは冷蔵庫で3日程度保存可能とのこと。一度に多めにゆでて下準備しておくと、いろいろな料理に使えて便利そうですね!
シェフが教える! 本格ジャーマンポテトのレシピ
<材料>(2人分)
- ゆでたじゃがいも(メークイン)…2個(約200g)
- 厚切りベーコン(1cm幅の拍子木切り)…50g
- にんにく(半分に切って芽を除き叩く)…大1片分
- オリーブオイル…大さじ1
- パセリ(みじん切り)…大さじ1
- バター…小さじ1/2
- 塩、粗挽き黒こしょう…各少々
- 粒マスタード(好みで)…適量
<作り方>
1. ゆでたじゃがいもを切る
じゃがいもは皮付きのまま1cm幅の輪切りにする。
「じゃがいもを皮付きのまま調理すると、皮の香り、苦みがアクセントになり、ビールとより相性のいい仕上がりになります。逆に皮をむいてしまうと少し、物足りなく感じるかもしれません。今回はじゃがいもの表面をカリッと仕上げたいので、断面積が広く、焼きやすい輪切りにカットします」
2. フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れ、弱火にかける
冷たいフライパンにオリーブオイル、にんにくを入れ、弱火にかける。
「にんにくはじゃがいもと一緒に食べてもらいたいので、じっくりローストしてやわらかく火を通していきます」
3. 香りが出てきたらじゃがいもを並べ、中火で焼く
にんにくの香りが立ってきたらじゃがいもを加える。
「じゃがいもの表面を丁寧に焼くのがポイント。しっかり焼き色がつくまで、なるべくいじらないようにしましょう」
4. 焼き色がついたら裏返す
5分ほどたってきれいな焼き色がついたら裏返す。
「にんにくがやわらかくなったら、食べやすいよう軽くつぶしましょう」
5. 裏面も焼き色がついたらベーコンを加える
3〜4分たって裏面にも焼き色がついたら、じゃがいもを寄せて空いたスペースにベーコンを加え、炒める。
「一般的な調理法だと、先にベーコンを炒めてからじゃがいもを加えるレシピが多いと思いますが、その方法だとじゃがいもをしっかり焼くことができません。ベーコンはカリカリにする必要はないので、まずはしっかりじゃがいもをおいしい状態に仕上げ、その後ベーコンを加えましょう」
「ベーコンから脂が出てきたら、その脂をじゃがいもにまとわせるイメージで全体を混ぜます」
6. 塩、こしょうをふり、パセリ、バターを加える
脂が全体にまわったら弱火にして、塩、粗挽きこしょうをふり、味をととのえる。パセリ、バターを加える。
「バターはコクと風味付けの役割を果たします。1〜2分加熱し、バターが軽くはしばみ色になったらジャーマンポテトの完成です。器に盛り、好みで粒マスタードを添えるとおいしいですよ」
じゃがいもの甘みが引き立つジャーマンポテトは、最強のビールのお供!
こんがり焼き色のついた見た目が食欲をそそるジャーマンポテト。ひと口食べると、「じゃがいもってこんなに甘かったんだ」とびっくり! 皮のほろ苦さもいいアクセントに。ほくほく香ばしいじゃがいもが、にんにくの風味、ベーコンの塩気と相まって、止まらないおいしさです。よく冷やしたビールと一緒に味わえば、至福のひとときを約束してくれます!
【付け合わせ】キャベツたっぷり!「フレッシュザワークラウトとセロリのソテー」のレシピ
最後に、ジャーマンポテトにぴったりな付け合わせのレシピを教えてもらいました。ドイツ料理でもおなじみのキャベツの漬物、ザワークラウトを手軽に作る方法です。酢を加えるのではなく、キャベツを塩で乳酸発酵させて作るのが特徴。乳酸菌の力で、旨味をプラスし、酸味はほんのりぐらいにしたいので、約24時間寝かせます。仕上げにセロリと一緒にオイルでさっと炒めることで、香りよく仕上げます。
24時間ほどキャベツを寝かせる必要があるので、ジャーマンポテト用のじゃがいもをゆで終わって、ひと晩寝かせるタイミングで、ザワークラウトを仕込んでおくのがおすすめ。
<材料>(2〜3人分)
- キャベツ…300g
- 塩…大さじ1/2
- 砂糖…大さじ1/4
- セロリ(薄切り)…40g
- オリーブオイル…適量
<作り方>
1. キャベツはせん切りにする。
2. ボウルに1を入れ、塩、砂糖を加えてよくもみ込む。
3. 保存容器に網、ペーパータオルの順に敷く。その上に2を敷き詰め、バットなどを上から重ねて重石をのせてふたをし、冷暗所で24時間ほどおき、発酵させる。(24時間以上おく場合は、発酵させた後、冷蔵庫で保存する。)
4. 食べる直前にフライパンにオリーブオイルを入れて中火で熱し、水気をきった3、セロリをさっと炒める。温かい状態でいただく。
柬理シェフ曰く「温かいうちに食べるのがおすすめです。炒める油はオリーブオイルではなく、バターで炒めてもおいしいですよ。一般的なザワークラウトのような酸っぱくなるほどのレシピではありません。室温の条件などでも仕上がりは変わりますので、お好みで時間調整してください」とのこと。
また、作り方3の状態で、冷蔵庫に入れておけば5日間程度保存が可能です。食べる直前に炒めてから食べてください。
皮付きのじゃがいもも、ゆでてストックしておけば、いつでも手軽にジャーマンポテトが作れます。シンプルだけどプロのテクニックが詰まった絶品ビールのお供で、暑い夏を乗り切りましょう。
▼まだある、じゃがいものレシピもチェック!
【レシピまとめ】毎日でも食べ飽きないじゃがいもレシピ>>
【プロの愛用品】今回、じゃがいもをゆでるのに使用した鍋はこちら!
柬理シェフがプロ目線でおすすめする調理道具を紹介します。今回はじゃがいもをゆでるのに使用した、使い勝手抜群の片手鍋をピックアップ!
鍋ごとオーブンにいれられる! <貝印>o.e.c.片手鍋 18cm(ふた付)
熱伝導性と保温性の両方に優れた片手鍋。対流が起こりやすい形状になっており、肉じゃがなどの煮物調理が得意です。ほどよい深さで、煮物から揚げ物、蒸し物まで、幅広い料理に活躍します。
「円錐状にすぼんだ形で、内部の対流が起こりやすく、じゃがいもを効率よくゆでることができます。また揚げ物も、少ない油で揚げることができて便利です。ふたが透明で鍋中の状態が確認しやすいので、ごはんを炊くのにもおすすめ。鍋ごとオーブン加熱にも対応しており、煮込み料理も上手に仕上がります」
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館5階
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三越伊勢丹バイヤーおすすめ! 今使ってほしいキッチンアイテムはこちら>>
伊勢丹新宿店<キッチンステージ>では、有名シェフ監修のメニューが月替りで楽しめます!
伊勢丹新宿店 本館地下1階にある<キッチンステージ>は、有名シェフが監修したメニューを味わえるレストラン。メニューは4〜5週間ごとに変わり、フレンチに和食、中華まで、名店の味をカジュアルに楽しめます。ご家庭で提供メニューの味を再現できるようにレシピも差し上げていますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
「shinjukuisetan_kitchenstage」柬理シェフのレシピ一覧はこちら>>
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店 本館5階、三越伊勢丹オンラインストアにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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