2017.08.10
【プロのレシピ】油っぽくならない「なす炒め」の正しい作り方。少ない油でジューシーに!
麻婆なす、みそ炒めなど、油で炒めたなす(ナス、茄子)はとってもジューシーで美味しいですよね。でも、なすが油をどんどん吸ってしまうので、あわてて油をつぎ足していたら、結局「すごい量の油を使ってしまい、べちゃっとした仕上がりになってしまった…」という失敗をした経験はありませんか?
そこで、少しの油でもジューシーに仕上げる「なす炒め」のコツをプロに教えてもらいました。
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途中で油をつぎ足さない! プロが教える「なす炒め」の作り方
「なすが油をどんどん吸ってしまう!という方は、加熱の早い段階で油を足してしまっていることが大半。なすの加熱はじっくり待つことが大事なんです!」と教えてくれたのは、伊勢丹新宿店・フレッシュマーケットの鈴木理繪シェフ。もっと美味しくなるという切り方のポイントにも注目です。
1) なすのヘタは極力残すようにかたい先端だけを除くこと!
ヘタのかたい先端だけを切り落とす(写真◎の部分)。ガクを手でむくか包丁で削ぎ落とす。
「なすは先端(なり口)ほどうまみが強いので、ヘタを切り落としすぎないようにするのが美味しく仕上げるコツです。写真の×部分で切り落とす人が多いのですが、もったいない。昔はお殿さまにわざわざ献上したといわれる美味しい部分なんです」
2) 一口大に切る。切れ目は入れても入れなくてもOK。すぐに炒めればアク抜きは不要!
皮目に切り目を格子状に入れて、一口大に切る。薄切りにするより、なすのやわらかな食感が楽しめるので乱切りがおすすめ。
「切り目は入れると早く火が入りますが、入れなくてもOK。なすは切ってからすぐに炒めるようにすれば、アク抜きは不要です。切ってから空気に触れた部分からアクが出るので、すぐに炒めない場合は、塩水につけて『アク止め』をして、炒めるまえにしっかり水気をふきます」
3) じっくり焼くように炒める。油のつぎ足しはしないこと!
フライパンになす1本に対して、サラダ油大さじ2~3を入れ中火強にかける。なすが油を吸い始めたら、箸で転がし全面に油を吸わせながら焼きつける。
「最大のコツはなすが油をすべて吸ってしまっても、絶対に油を足さないこと! また、『炒めもの=ヘラで絶えず混ぜる』と思われがちですが、なすはあまり触らず全体を焼きつけるように火を通しましょう」
4) なすから油と水分が、ジワジワ出てくるまでじっと待つ!
全体にこんがりと焼き色がつき、皮がカリッとして、甘い香りがしてきたらできあがり。
「なすは油をたっぷり吸っても(写真左)、しばらく経つと余分な油と水分がジワジワ外に出てくる(写真右)んです。これを知らないことが、油をつぎ足しすぎてしまって、べちゃっとしたなす炒めになる、最大の原因だったんです」
じっくり炒めたなすは、甘くてふっくらジューシー!
食べてみると、ふっくらして軽やかな食感で、なす本来の甘みがじゅわっと口に広がります! 後味もさらっとしているので、パクパク食べたくなる美味しさ……。いつも作っていた「なす炒め」は、油の足し過ぎが原因でベチャッとしていたのかと気がつきました。
美味しいなす炒めは「全体に油を吸わせたら、余分な油が出てくるまでじっと待つ」。今日からすぐにでも実践したい驚きのコツでした!
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シェフおすすめ、炒めて美味しい「なす」
① 【千両なす】 アクが少なく、まろやかな口当たりのため和洋折衷、どんな料理にもむく品種です。夏秋は露地及び雨除け栽培で、冬春はハウス栽培して一年中食卓に提供される使いやすい種類。市場の8割がこのなすです。
② 【長なす】 20㎝前後の細長いなす全般のことです。肉質はやややわらかめなので、炒めもののほか、煮ものや焼きなすにもむいています。
③ 【米なす】 アメリカのブラックビューティー種を日本で改良されたと言われています。肉質は締まり煮崩れしないので加熱調理に向いています。生食には不向きです。
ほかに、肉質がきめ細かく丸形をした京都の賀茂なす、とろりとした食感の白なす、皮が緑色をした青なすがあります。水なすは生食向きです。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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