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2025.06.17

【簡単】豆腐の水切りが決め手!「揚げ出し豆腐」プロのレシピ。丁寧に作ればご馳走に♡

揚げ出し豆腐の出来上がりイメージ

粉をつけて揚げた豆腐に、かけ汁をかけていただく「揚げ出し豆腐」。淡泊な味わいの豆腐に油のコクが加わり、食べ応えもあって、地味になりがちな豆腐料理のなかでも幅広い世代に人気の一品です。

材料や作り方がシンプルなので手作りしやすい料理といえますが、適当に作ってみたら油っこく、豆腐よりも衣を味わっているような仕上がりになってしまい、残念な思いをした方も多いのでは?

そこで今回は、50年以上続く和食教室「野口日出子料理教室」を引き継ぎ、和食の基礎を教えている野口敬子さんに、基本の揚げ出し豆腐のレシピを教えてもらいました。

まずは気になるポイントからチェックしていきましょう!

野口敬子さんのレシピ一覧>>

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豆腐そのものの美味しさを味わう!「揚げ出し豆腐」3つのポイント

「揚げ出し豆腐は、豆腐そのものの美味しさを味わうお料理です。鮮度が良く、美味しいお豆腐をぜひ使ってください。作り方は簡単ですが、豆腐の水切りなど、いくつか押さえていただきたいポイントがあるのでご説明しますね」

【ポイント①】絹ごしより木綿がおすすめ。水切り時間は5~10分、表面の水分を押さえればOK。豆腐の味わい、やわらかさが生きる!

木綿豆腐のイメージ

<三之助>木綿豆腐(300g) 302円(税込) ※販売期間:通年
今回使用した豆腐。初代が日本橋浜町で作っていた味を伝承する三之助の原点。国産大豆の豊かな味わいが楽しめる

豆腐には「絹ごし」と「木綿」の2種類ありますが、揚げ出し豆腐には木綿を使います。木綿は絹ごしに比べて水分量が少ない分、大豆の風味が濃く、適度なやわらかさと弾力が楽しめます。

水分量が少なめの木綿豆腐とはいえ、そのままだと水分が多すぎて衣がはがれたり、揚げる際に油ハネしたりしてしまうので、適度に水分を抜く「水切り」という作業が必須です。

豆腐の水切りいうと、何時間も重しをのせ、かたくなるまで水分を抜くイメージかもしれませんが、揚げ出し豆腐は豆腐そのものの美味しさを味わうお料理なので、持ち味である「やわらかさ」を生かすことが大事です。キッチンペーパーで5~10分包み、表面の水分を押さえる程度に水切りしましょう。

※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階 旨の膳(惣菜・弁当)
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階 和総菜

三越伊勢丹オンラインストアで<三之助>の商品を見る>>

▼関連レシピ<三之助>が教える湯豆腐もチェック!
豆腐専門店が直伝! 究極の湯豆腐の作り方>>

【ポイント②】衣は小麦粉と片栗粉を半量ずつ使用。まぶしたらすぐに揚げ、カリッとうすい揚げ上がりに!

豆腐の衣は厚ぼったいと油っこくなり、豆腐の味わいを邪魔してしまいます。また、揚げている途中に衣がはがれるのも油っこさの原因になるので、はがれにくい小麦粉と、衣が薄くてもカリッと揚がる片栗粉を半量ずつ混ぜ合わせて使用します。

粉をまぶしたら、熱した揚げ油ですぐに揚げることも大事。時間をおくと豆腐から水分が染み出て衣がはがれ、油ハネしてしまいます。粉をまぶす前に、揚げ油を温めておくことを忘れずに。

【ポイント③】豆腐を引き立てる「かけ汁」の出汁(だし)は、ぜひ手作りして。食べる直前に温め、熱々をいただくのが醍醐味!

揚げ出し豆腐は、豆腐自体に味つけはせず、出汁(だし、以下読み方省略)、しょうゆ、みりんで味を調えた「かけ汁」をかけていただくので、かけ汁が豆腐の美味しさを引き立てなければなりません。かけ汁には、ぜひ自分でひいた昆布とかつおの出汁を使ってみてください。丁寧にひいた出汁の風味は格別です。

そして、豆腐もかけ汁も熱々の状態でいただくのが、揚げ出し豆腐の醍醐味。豆腐の揚げ上がりに合わせ、かけ汁を温めておきましょう。

揚げ出し豆腐を作る前に、今回かけ汁に使用し、さまざまな和食にも使える「昆布とかつおの出汁(一番出汁)」のひき方をまずはご紹介します。

【基本の昆布とかつおの出汁(一番出汁)のひき方】

日本料理は「出汁(だし)の料理」と称され、そのなかでも基本となるのが「一番だし」と呼ばれる、昆布とかつおの削り節で最初にひいた出汁です。

2つの食材にそれぞれ合った方法でうま味を引き出すことで、相乗効果によりさらに美味しくなります。

だしの材料のイメージ

<材料>(作りやすい分量)

  • 昆布(今回は日高昆布を使用)…15㎝(8g)
  • かつお削り節…15g
  • 水…5カップ

<作り方>

1. 昆布と水を鍋に入れ、弱火で煮出し、沸騰直前に取り出す

昆布を取り出すイメージ

昆布と分量の水を鍋に入れて弱火にかける。じっくりとうま味を抽出し、沸騰する直前に昆布を取り出す。

「昆布はあらかじめ水に浸して戻してから火にかけるのが一般的ですが、今回使用する日高昆布は浸水なしでもすぐに出汁がひけます。やわらかく、出汁をひいた後もつくだ煮や煮物の具として再利用できるので、普段使いにおすすめです。

煮出すときは、弱火でじっくりとうま味を引き出すのが鉄則。昆布は沸騰させるとぬめりが出てしまうので、沸騰直前に取り出します」

2. いったん沸騰させ、再度火を弱める

煮立てるイメージ

火を強めていったん沸騰したら、気泡が静かに立ち上がる程度に火を弱める。

「沸騰したところにすぐにかつお削り節を入れると、濁ってしまうので再度火を弱めて温度を下げます」

3. かつお削り節を加えて火を止め、削り節が全体に浸るまでおく

鰹節を入れるイメージ

鰹節が沈むのを待つイメージ

かつお削り節を散らすように加え、すぐに火を止める。削り節が全体に浸るまで、そのままおく。

「かつお削り節を加えてからぐつぐつと煮出すと、雑味が出てしまいます。かつお節を加えたら、すぐに火を止めましょう」

4. 出汁を濾して絞る

だしを濾すイメージ

ボウルにザルを重ね、その上から一度濡らしてかたく絞った布巾(または不織布や厚手のペーパータオル)をのせ、3を濾す。

布を絞るイメージ

布巾で削り節を包んで端を持ち、菜箸などで押さえたまま、布巾をねじって出汁を絞る。

「手でぎゅっと力を入れて絞りますが、開封してから時間がたち、風味の落ちた削り節の場合は雑味が出てしまうので、絞らずにそのまま濾します」

だし汁のイメージ

一番出汁の完成。

それでは美味しい出汁のひき方が分かったところで、揚げ出し豆腐の作り方をチェックしていきましょう!

基本の「揚げ出し豆腐」の作り方。タイミングを整え、熱々をいただこう!

揚げ出し豆腐の材料

<材料>(2人分)

  • 木綿豆腐…1/2丁(約150g)
  • 【衣】
    ・小麦粉…大さじ1/2
    ・片栗粉…大さじ1/2
  • 【かけ汁】
    ・出汁(昆布とかつおの出汁)…100ml ※出汁(昆布とかつおの出汁)の作り方はこちら>>
    ・みりん…大さじ1
    ・うす口しょうゆ…大さじ1
  • 揚げ油…適量
  • しょうがのすりおろし…適量
  • 芽ねぎ(まはた細ねぎの小口切り)…適量

<作り方>

1. かけ汁を作る

しょうゆを加えるイメージ

鍋に出汁を入れて中火にかけ、温まったらみりん、しょうゆを加える。ひと煮立ちしたら火を止める。

2. 豆腐を切ってキッチンペーパーで5~10分包み、水切りする

豆腐を切るイメージ

豆腐は半分に切る。

「1切れ1/4丁程度(今回は5㎝×3.5㎝)の大きさだと、豆腐と衣のバランスが良く、揚げるときにも返しやすいです」

豆腐の水を切りはじめたイメージ

キッチンペーパーを2枚重ね、豆腐の断面を下にして置く。

豆腐をペーパーで包むイメージ

豆腐の水を切り終えたイメージ

キッチンペーパーで包み(上写真)、5~10分おく(下写真)。その間に鍋に豆腐が半分浸かる程度の揚げ油を入れ、火にかけて160℃に温めておく。

「豆腐によって水分量が違うので、かための場合は5分、やわらかめの場合は10分を目安に水切りします」

3. 豆腐に粉をまぶす

粉をまぶし終えたイメージ

バットに小麦粉と片栗粉を入れて混ぜ合わせ、手で2の豆腐をくるくる転がして全体にうすくまぶす。1のかけ汁を温めなおす。

「粉をつけすぎると揚げている途中に余分な衣がはがれ、油が汚れるので注意してください」

4. 160℃の揚げ油で豆腐を揚げる

油に豆腐を入れるイメージ

豆腐に粉をまぶしたら、すぐに160℃の揚げ油に入れて揚げる。

「私は豆腐を返しやすい中華鍋を使って揚げています」

豆腐をかえすイメージ

油に接している衣が固まったら返す。

「衣が固まらないうちに返すと衣がはがれたり、豆腐が崩れたりしてしまうので、しっかり固まってから返しましょう」

揚げ上がりのイメージ

全体がカリッと揚がったら、油をきって網を敷いたバットにのせる。

5. 器に盛り、温めておいたかけ汁を注ぎ、薬味をのせる

汁をかけるイメージ

器に豆腐を盛り、温めておいたかけ汁を注ぎ、芽ねぎ、しょうがをのせる。

【実食】揚げ出し豆腐。丁寧に作ればご馳走の味わいに!

揚げ出し豆腐出来上がりイメージ

揚げたての熱々のうちにいただきます。箸で一口大に分けると、自分で作った時とは比べものにならないほど、スッと抵抗なく豆腐が切れます。

カリッとした衣とほわほわとやわらかい豆腐を口に含むと、豆腐の甘さがすぐに広がって、大豆の豊かな香りが鼻に抜けます。かけ汁も、きちんとひいた出汁の風味が濃厚で、豆腐がより一層美味しく感じられます。

今までは厚い衣をつゆでいただいていただけで、豆腐の美味しさに気づくことはありませんでしたが、「揚げ出し豆腐は豆腐を味わう料理」という言葉に納得し、全然違う料理のように感じられました。

材料も作り方もシンプルですが、丁寧に作ればお店のようなご馳走の味わいに! とても奥が深い「揚げ出し豆腐」、みなさんもぜひお試しください!

レシピ/野口日出子料理教室 野口敬子さん

料理教室イメージ

2002年義母の主宰する「野口日出子料理教室」に入門。以後、お稽古、本の出版、テレビ出演等の助手を務める。2018年「和食クラス」「お魚クラス」を開講。2023年野口日出子の引退に伴い、教室の主宰を引き継ぐ。

教室と、築地・豊洲市場との関わりは50年以上、魚の仕入れには強い自負がある。食材の持つ味を大切にし、下ごしらえに手間を惜しまない料理を心掛けている。

野口敬子さんのレシピ一覧>>

撮影:菅井淳子
文:香取里枝

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店 本館地下1階日本橋三越本店 本館地下1階にてお取り扱いがございます。

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