
2025.08.23
レバー好きが教える、簡単「レバニラ炒め」レシピ。下処理、もやし代用、味付けに注目!
スタミナ系中華料理の定番といえば、レバニラ炒め! レバーとニラ、どちらも個性の強い食材ですが、この2つが一緒になると何とも食欲をそそる絶妙な味わいになって、ごはんもお酒もすすんじゃいますよね。
レバーもニラも身近な食材。しかも手軽な炒めものなので、家庭でも作りやすい料理のはずですが、いざ作ってみるとレバーがパサパサになってしまったり、野菜がベチャッと水っぽくなってしまったり、なかなか理想的な味にならない…というお悩みも多いようです。
そこで今回は、「レバーとニラが大好物!」という料理研究家の小島喜和さんにレバニラ炒めの作り方を教わりました。まずは気になるポイントからチェックしていきましょう!
水っぽくならない! 塩味の「レバニラ炒め」3つのポイント
小島さんが作り続けてきたレバニラ炒めとは、よく見かける、もやしが入った甘辛いしょうゆ味やオイスターソース味ではないのだとか。
「意外に感じるかもしれませんが、味付けはシンプルに塩、こしょうだけ。レバーの味わいやニラの甘さが際立って美味しいんです。加える野菜はニラのほかに、もやしを使うのが定番ですが、私は別の野菜を使いますね」
その野菜とは? その答えとともに、小島さんならではのポイントを押さえておきましょう!
【小島流ポイント①】レバーは豚、または牛がおすすめ。厚みが均等なので、火の通りにムラが出ない!
市販のレバーには主に豚、牛、鶏があります。
レバニラ炒めには、豚か牛レバーが下処理に手間がかからないのでおすすめです。塊のものを購入したら、好きな厚みにカットするだけですし、スライスされた状態(写真左)で販売されていることもあります。厚みが均等だと加熱しやすいです。
豚、牛、鶏の特徴は以下。味の好みや手に入りやすいレバーを選べばよいでしょう。
●豚レバー:牛に比べて臭みが少ない。弾力があり、鉄分は牛の約3倍。
●牛レバー:豚や鶏に比べて臭みが強いけれど、うまみが濃くやわらかな食感。
●鶏レバー:牛や豚に比べてクセが少なく食べやすい。レバーとハツ(心臓)を切り離して、余分な脂肪や血の塊を除くなど、下処理に手間がかかる。
【小島流ポイント②】レバーは鮮度の良いものを選び、水で血抜きをして臭みを抑える
レバーは「血生臭さ」が強い部位です。美味しく食べるために、次の2つを知っておきましょう。
まずは「鮮度の良いレバーを選ぶ」こと。ドリップ(解凍の際に出る、臭みを含んだ赤い液体)が多いもの、切り口がシャープではないものは、鮮度が落ちている証拠なので避けましょう。そもそも賞味期限が1~2日と短いので、購入した日に調理するのがベスト。
もうひとつは「水に浸けて血抜きをする」こと。ただし、浸す時間が長すぎるとレバーのうまみまで流れ出てしまうので、5分程度にとどめておきましょう。
【小島流ポイント③】レバーは下味をつけず、香ばしく焼く。野菜は玉ねぎとニラを使いシャキッと仕上げる!
生のレバーは塩やしょうゆなどの下味をつけずに、焼き色がつくまでしっかり焼きつけてから、塩で味付けします。焼く前に下味をつけると、塩分による浸透圧で水分が出てしまい、ボソボソとした食感になりやすいからです。
ニラ以外に加える野菜は、定番のもやしではなく、「玉ねぎ」を使うのが小島流。お店のような強い火力が出せない家庭用コンロでは、水分の多いもやしは水っぽい仕上がりになりやすいですが、玉ねぎは水分が出にくく、シャキシャキ感やみずみずしさが楽しめます。
ニラは炒め方にコツがあり、仕上げに加えてサッと炒め、塩で味付けします。
レバーは香ばしく、野菜はシャキッ!「レバニラ炒め」の作り方
<材料>(2人分)
- 豚、または牛レバー(スライス)…100g ※今回は豚レバーを使用。塊の場合は7~8mm厚さに切る
- ニラ…1束
- 玉ねぎ…1/2個
- にんにく(芽を除いてうす切り)…1/2個
- 塩、こしょう…各適量
- サラダ油…適量
<作り方>
1. レバーは5分ほど水に浸し、血抜きをして水気を押さえておく
ボウルに水とレバーを入れ、水が濁らなくなるまで1、2回水を換え、5分ほど浸して(写真)血抜きをする。塊のレバーを使う場合は好みの厚さに切り、ドリップが気になる場合は、同様に水に浸して血抜きする。
「鮮度が良く、水があまり濁らないようならさっと洗う程度でOKです。長い時間浸し過ぎるとうまみや風味が抜けるので気をつけましょう。塊のレバーを使う場合は、好みの厚さにカットします。市販品は7~8㎜厚さですが、私は厚めが好きなので1㎝程度に切るようにしています」
水気をきり、キッチンペーパーを敷いたバットにレバーを並べ、さらにキッチンペーパーで挟み、水気をしっかりと押さえる。
「レバーが水っぽくならないよう、しっかりと水気を除きましょう」
2. ニラ、玉ねぎを切る
ニラは5㎝長さに切り、根元とそれ以外に分けておく。玉ねぎは2㎝幅のくし形切りにする。
3. フライパンにレバーを並べ入れ、焼き色をつける。上下を返して塩、こしょうをふる
直径22㎝程度のフライパンにサラダ油大さじ1とにんにくを入れ、強めの中火にかける。香りがたってきたらレバーを並べ入れ、焼き色がつくまで動かさずに焼き、上下を返して塩、こしょう各小さじ1/4をふる(写真)。
返した面も同様に焼き色をつける。
「今回はフッ素樹脂加工のフライパンを使用しましたが、鉄のフライパンの場合は火が入りやすいので、レバーの両面に焼き色がついたら、いったんフライパンから取り出してください。フッ素樹脂のフライパンを使用する場合でも、やわらかい食感のレバーがお好みなら、同様に取り出しましょう」
4. サラダ油を足し、玉ねぎを加えて炒める
サラダ油を小さじ1足し、玉ねぎを加え、フライパンの隙間で玉ねぎを炒める。
5. 玉ねぎが半透明になったらニラを加えて炒め、残りの塩、こしょうで味をととのえる
玉ねぎが半透明になったらレバーとともに端に寄せ、隙間にニラの根元を加えて炒める。
「ニラは根元の方が太くて火が通りにくいので、先に炒めます。レバーをいったん取り出した場合は、ニラの根元を加えるタイミングでレバーを戻し入れてください」
玉ねぎに火が入ったら、残りのニラを加えてサッと炒める。
塩、こしょう各小さじ1/4をふり、全体をサッと炒め合わせる。
レバニラ炒めの完成。器に盛る。
【実食】レバニラ炒め。塩味だけでも風味満点! これからは、玉ねぎ必須です
炒めているときから、食欲をそそる香りを漂わせていたレバニラ炒め。シンプルな塩味でいただくのは初めてだったため、食べる前は「味付けが物足りなくないのかな?」と正直思っていましたが、食べてみて納得。レバーの香ばしさやうまみ、ニラの香りや甘みがしっかりと感じられます。
何より驚いたのが玉ねぎの相性の良さ! 今まで「もやし」を入れて水っぽくなっていましたが、玉ねぎだとシャキシャキと甘く、余計な水分が出て味がぼやけないので、素材それぞれの味が塩で引き立つのを感じました。野菜の組み合わせを変えるだけでこんなに違うとは…。
レバーの下処理や味付けに手間がかかると思っていましたが、こんなに簡単ならレバニラ炒めをレパートリーに加えられそうです。みなさんもぜひ作ってみてください。
レシピ/小島喜和さん
料理・菓子研究家。季節の手仕事を得意とし、梅仕事や味噌作りなど、各種ワークショップを開催。また、ニューヨーク、パリの製菓学校で製菓、製パンを学び、ディプロマを取得した経験を活かし、料理教室、お菓子教室を主催している。
高知県出身で、地元の郷土料理や食材を広める活動はライフワーク。『心ふるえる土佐の味』(高知新聞社)、『みそさえあれば。』(日東書院本社)、『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)など著書多数。
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