2020.12.20
パリポリ新食感! 紅白なますのレシピ。プロの技は切り方にあり。ちょい足しアレンジもご紹介
今年は「せん切り」ではなく長方形の「薄切り」にした、新食感の紅白なますを作ってみませんか? せん切りの紅白なますよりも食べやすく、パリポリした食感が楽しいおいしさです。
「実は京都の日本料理店では、この切り方が多いんですよ」と話すのは、今回、紅白なますの作り方を教えてくれる、東京・恵比寿の日本料理店<賛否両論>の店主、笠原将弘さん。
大根、にんじん、柚子の皮の切り方も丁寧に解説します。また、余りがちな紅白なますにちょい足しして、味を変化させるアレンジレシピも2品ご紹介するので、お見逃しなく!
※こちらの記事は三越伊勢丹オンラインストアの特集記事より流用、一部編集・加筆をして掲載しています。
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笠原流のアイディア満載! 「紅白なます」のポイント
◆野菜の切り方でおいしさが変わる!
一般的な紅白なますのレシピは、大根とにんじんを「せん切り」にしますが、大胆にも「短冊切り(長方形の薄切り)」にするのが笠原流! パリポリした食感が楽しめ、せん切りの紅白なますよりも甘酢がからみすぎず、漬物感覚で食べやすいおいしさです。
◆野菜の水気をしっかり絞ると、甘酢がよくしみる
大根とにんじんに塩をふってしばらくおくと、水気が出てきます。これをギュギューッとしっかり絞ることで、甘酢が薄まらず味がよく染みます。
◆名脇役! 柚子の皮が味をまとめる
「柚子の皮は香りづけに入れるというより、食べるため」と笠原さん。柚子の皮1/8個分という少しの量なのですが、これを加えるのと加えないのとでは大違い! 柚子のさわやかな香りとほのかな苦みが、上品な味わいにまとめてくれる名脇役。ぜひ加えてほしい材料です!
◆酸っぱさが苦手なら、甘酢を煮立ててまろやかに
甘酢の酸っぱさが苦手なら、甘酢の調味料を小鍋に入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせるといいでしょう。酢のツンとした酸味の角がとれて、まろやかな食べやすい甘酢になります。
和食のプロが教える「紅白なます」レシピ
材料(作りやすい分量)
- 大根(中央部分)…9cm長さ(200~250g)
- にんじん…1本(100~120g)
※あれば京にんじんで作ると赤色が鮮やかになる - 塩…小さじ1/2
- <甘酢>
・水…1/2カップ(100ml)
・酢…1/2カップ(100ml)
・砂糖(上白糖)…40g
・うす口しょうゆ…大さじ1/2 - 昆布(日高昆布など)…5g
- 柚子の皮(黄)…1/8個分
作り方
1.大根とにんじんを3cm長さの短冊切りにする
大根とにんじんは皮をむき、3cm長さの短冊切りにする。
「大根は部位によって味わいが異なります。お正月のおせちなので、いちばんおいしい中央部位(上写真)を使いましょう」
Q:大根の味わいは部位によって、どう変わる?
A:3つの部位に分けて味わいが変わります。
「葉元」…かためでシャキシャキした食感。甘みがある。サラダに。
「中央」…形が均一。水分と甘みのバランスがよくやわらか。煮物にも。
「根元」…形が悪い。辛みが強く繊維質。大根おろしやみそ汁に。
Q:短冊切りの切り方は?
A:大根を例にして解説します。
まず3cm長さに切ります。断面をよく見るとわかりますが、大根は皮が厚いので、味がよく染みるように厚めにむきましょう。にんじんはピーラーなどで薄くむけばOKです。
1.5cm幅に切り(写真左)、横に倒して2㎜ほどの薄切りにします(右写真)。
2.大根とにんじんに塩をふり、よく混ぜて15分おく
大根とにんじんをボウルに移し、塩をふって全体にまぶすように手でよく混ぜ、15分ほどおく。
「大根:にんじん=2:1の量にすると、色合いのバランスが美しくなります」
3.甘酢を作る
ボウルに水、酢、砂糖、淡口しょうゆを入れて、泡立て器でよく混ぜる。昆布(大きければ適当なサイズに切る)を加える。
「酸味をやわらげたい場合、甘酢の調味料(=昆布と柚子は入れない)を鍋に入れて、30秒ほど煮立たせましょう」
4.柚子の皮をせん切りにする
Q:柚子の皮のせん切り方法は?
A:意外に知られていない、プロがやっている柚子の皮のせん切りの方法を解説します。
柚子の上下を切り落とし、2か所に切り込みを入れ(左写真の矢印の部分)、皮をむきます(右写真)。
包丁で白いワタ部分をそぎ取り(左写真)、せん切りにします(右写真)。白いワタ部分は苦みが強いので丁寧に除きましょう。
5.大根とにんじんの水気を絞り、甘酢と合わせて半日以上おく
2の大根とにんじんをザルに移し、両手でギュッと水気を絞り、保存袋に移す。
「これでもか! というくらいしっかり野菜の水気を絞ること。これをやらないと、水っぽく味がぼやけた仕上がりになってしまいます」
3の甘酢と4の柚子の皮を加える。好みで柚子の絞り汁を少々加えてもよい。
保存袋の上から全体を手でもみ、空気をしっかり抜いて保存袋の口を閉じる。冷蔵庫に入れて半日以上おいて味をなじませる。食べるときに軽く汁気を絞って盛りつける。
「保存袋を使うと、甘酢の量が少なくても充分に漬け込むことができます。保存袋がない場合、甘酢であえてから保存容器に移し、表面にラップをぴったりかけましょう」
パリポリ食感が楽しい紅白なますは、新しいおいしさ!
でき上がりを食べてみると、パリポリした食感がたまらないおいしさ! 今まで食べていた、一般的なせん切りの紅白なますと比べて、酸っぱい甘酢がからみすぎなくて食べやすいです。
そして「柚子は香りをつけるだけでは?」と思い込んでいましたが、笠原さんの言う通り、柚子は香りだけでなく、皮の味わいが絶妙なアクセントになっています。絶対に入れることをおすすめします!
記事の最後にちょい足しするだけのアレンジレシピも紹介しますので、そちらも参考にしてみてください。今年は新しい味わいの紅白なますを、ぜひ作ってみてください!
【保存方法】冷蔵庫で1週間
保存袋に入れて空気を抜いて口を閉じ、冷蔵庫で1週間保存可。
簡単ちょい足し! なますのアレンジレシピ2品
余りがちな紅白なます。調味料をちょい足しするだけの、簡単アレンジレシピ2品を教えてもらいました。
【アレンジレシピ①】なますのカレー味
紅白なますにカレー粉適量をふって混ぜ合わせ、盛りつけて黒こしょう少々をふる。
【アレンジレシピ②】なますのコチュジャン味
紅白なますにコチュジャン適量を加えて混ぜ合わせ、盛りつけて白ごま少々をふる。
<賛否両論>笠原将弘さん
東京・恵比寿の日本料理店<賛否両論>店主。1972年生まれ。高校卒業後<正月屋吉兆>で9年間修業。実家の焼鳥店を継いだのち<賛否両論>を構え、「予約の取れない人気店」として一躍人気店になる。テレビ、雑誌、料理教室、店舗プロデュース、イベントなど幅広く活躍。著書も多数。
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