Foodie(フーディー)は、三越伊勢丹グループが運営する食のメディアです。

2021.10.12

フライパンで作る「筑前煮」プロのレシピ。簡単に味がしみる技、煮しめとの違いも解説

筑前煮のイメージ

おふくろの味の代表格である筑前煮。根菜や鶏肉を油で炒めてから煮る料理は、一部の地域では骨つき肉を使ったり、「がめ煮」と呼ばれたりもする、家庭でもなじみの深い煮ものです。

でも、多くの食材を使う分、切りそろえるのが難しかったり、火の通り具合がバラバラだったり、味がうまくしみないなど「上手に作れない」と悩んでいる人も多いのでは?

そこで今回は、プロによる本格的な筑前煮の作り方を紹介します。教えてくれるのは、東京・日本橋にある和食居酒屋の老舗<いけ増>の3代目、喜多高廣さんです。

「煮しめ」と「筑前煮」の違いや作り置きにぴったりな保存方法、おせちに筑前煮を入れる理由も解説しているので、ぜひ、最後までチェックしてみてください!

名店の味をおとりよせ「シェフ’s DELI」はこちら>>

<いけ増>の素材を生かしたおせち一段重はこちら>>

<いけ増>のおせち二段重はこちら>>

三越伊勢丹のおせちはこちら>>

筑前煮が劇的にレベルアップする、プロのテクニック

筑前煮を煮ている様子

テクニック① 「煮しめ」と「筑前煮」は別もの。野菜はそれぞれ丁寧な下処理をほどこしてプロの味に!

複数の食材を使う筑前煮と似た料理で「煮しめ」がありますが、こちらは、それぞれの食材に合ったベストな火通しで、あらかじめ下ゆでしておき、それを煮汁でじっくり煮ていきます。一方「筑前煮」は食材を同時に炒めてから煮るので、食材によって火通し加減がバラバラになりがち。そこで火の通りにくい食材は油で炒めるまえに、電子レンジで加熱するなどの下処理をしておくと、各素材をベストな火通しで仕上げることができます。

テクニック② 調味料は2段階に分けて加え、見た目を美しく!

調味料は①食材を煮るとき、②筑前煮を仕上げるタイミングの2段階に分けて加えましょう。まずは砂糖、しょうゆ、酒で下味をつけ、そのあとしょうゆとみりんを加えて照りよく、味わいしっかりと仕上げます。①の段階でしょうゆを多く入れすぎないことで、野菜が黒っぽい色になるのを防ぐことができます。

テクニック③ 長時間炊くのではなく、一度冷ますことで味がしみしみになる!

具材に味をしみこませたいからといって、長時間煮てしまうと、形が煮崩れる原因になるので間違い。実は煮ているあいだではなく、冷めるときに食材に味がしみこんでいくのです。具材に火が通ったらすぐに火を止め、氷水などにつけて冷ますようにしましょう。この工程を挟めば、短時間でもひと晩寝かせたような味わいに!

テクニック④ 「炒める」工程が入るので、鍋よりフライパンで作るのがおすすめ!

筑前煮の特徴といえば、食材を油で炒めてから、煮ること。ほかの煮ものと同様、鍋で調理することも可能ですが、あれば深型のフライパンのほうが作りやすいでしょう。フッ素樹脂加工などのコーティングされたフライパンは、食材がくっつきにくいのでおすすめ。

▼関連記事
筑前煮も作りやすい! バーミキュラのフライパンの紹介記事はこちら>>

老舗料理店も愛用!使用した商品はこちら>>

プロは食材別にこんなに繊細に気を配っていたなんてびっくりです。調味料を目的に応じて2段階に分けて加えるテクニックも目からウロコ!

それでは、実際にレシピを見ていきましょう。

一度覚えれば一生もの! <いけ増>が教える筑前煮のレシピ

筑前煮の材料

<材料>(3〜4人分)

  • 鶏もも肉…160g
  • 干し椎茸(24時間かけて水で戻す)…2〜3枚(水で戻した状態で80g)
  • たけのこの水煮…80g
  • ごぼう…55g(約1/2本)
  • にんじん…80g(約1/2本)
  • こんにゃく…80g
  • れんこん…80g
  • 絹さや…4枚
  • ごま油…大さじ1/2
  • A
    干し椎茸の戻し汁…150ml
    水…150ml
    砂糖…40g(約大さじ4)
    酒…大さじ3
    しょうゆ…大さじ2
  • B
    しょうゆ…大さじ1
    みりん…大さじ1

<作り方>

1. 水で戻した干し椎茸を切る

干し椎茸を切っているところ

干し椎茸はかぶるくらいの水につける。冷蔵庫に入れ、24時間かけて戻し、軸を除いて六つ割りにする。

「干し椎茸は冷水で時間をかけて戻したがほう旨み成分が強く出るので、前日から準備するようにしましょう。筑前煮はだし汁を使わないので、椎茸の戻し汁が味のポイントになります。なるべく生ではなく、乾燥したものを使用するようにしてください。椎茸は形がきれいで肉厚などんこがおすめです」

2. たけのこを切り、さっとゆでる

たけのこを切っているところ

たけのこは根元のかたい部分の表面を薄く削り落とし、ひと口大に切る。

「たけのこは部位によってかたさが異なります。根元はかたいので小さめに切るようにし、穂先はやわらかいので根元よりやや大きめに切るといいでしょう」

たけのこをゆでているところ

鍋にたっぷりの湯を沸かし、たけのこを1分ほどゆでる。ザルにあげ、水気をきる。

「ちょっとしたひと手間ですが、面倒でも水煮のたけのこはさっとゆでることで、余分な水分が抜けて味がしみやすくなり、アクや臭いを取り除くことができます」

3. にんじんを切る

にんじんを切っているところ

にんじんは乱切りにする。

「乱切りにすることで表面積が広くなり、味がしみやすくなります」

4. こんにゃくをスプーンでちぎる

こんにゃくをちぎっているところ

こんにゃくはスプーンでひと口大にちぎる。

「包丁で切るよりも、スプーンでちぎるほうが味がしみやすくなります」

5. 鶏肉をひと口大に切る

鶏肉を切っているところ

鶏肉は余分な脂や筋があれば取り除き、ひと口大に切る。

「筑前煮には手に入りやすい一般的なブロイラーの鶏肉がおすすめです。地鶏は煮るとかたくなりやすいので、煮ものには向きません」

6. れんこんは電子レンジで加熱してからひと口大に切る

蓮根を切っているところ

れんこんは耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(500W)で1分加熱する。縦に四つ割りにしてからひと口大に切る。

「れんこんは生のまま切ると割れやすく、形がそろわないことも。電子レンジで軽く加熱してから切ることで、きれいに形をそろえることができます。れんこんは色が悪くならないよう酢水にさらすのが一般的ですが、水にさらすとその分、栄養も逃げてしまうので、食材の最後に切って、すぐに加熱してしまうのがおすすめです」

7. ごぼうを切り、電子レンジで加熱する

ごぼうを切っているところ

ごぼうはさっと洗い、乱切りにする。耐熱皿にのせ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(500W)で1分加熱する。

「ごぼうは皮に旨みがあるので、包丁でこそげとるのは避けましょう。汚れを軽くたわしで落とすか、ぬれ布巾で拭く程度で十分です。かたく、繊維の多い野菜なので、電子レンジで加熱してから使うと、ほかの野菜と火通りをそろえることができます。アクが強く変色しやすい食材なので、調理する直前に切るよう心がけましょう。切ってから火にかけるまで時間がかかってしまう場合は、ごく薄い酢水にさっとくぐらせてください」

8. 絹さやはさっとゆでて冷水につける

絹さやをゆでているところ

絹さやは筋を除く。鍋にたっぷりの湯を沸かし、絹さやをさっとゆでて冷水にとり、水気をきる。斜め半分に切る。

「絹さやはお湯に入れたら5〜6秒で引き上げましょう。ゆですぎると食感も残らないし、色も悪くなってしまいます。絹さやはあると料理の彩りがよくなりますが、ない場合は入れなくても大丈夫です」

9. フライパンにごま油を熱して、鶏肉を炒める

鶏肉を炒めているところ

フライパンにごま油を強めの中火で熱し、鶏肉の皮目を下にして入れ、焼く。軽く焼き色がついたら上下を返し、炒める。全体的に色が変わったら一度、肉を取り出す。

「ここでは表面を焼き固めるのが目的なので、中までしっかり火を通す必要はありません。今回使っているのは、直径24cmで深さがあるフライパンです。ご家庭の場合は、フッ素樹脂加工などのコーティングされたフライパンのほうが、鶏肉がくっつきにくいので作業しやすいでしょう」

▼関連記事
撮影で使ったのはこれ! バーミキュラのフライパンの紹介記事はこちら>>

老舗料理店も愛用!使用した商品はこちら>>

10. こんにゃく、野菜を加えて炒め、鶏肉を戻し入れる

野菜を炒めているところ

9のフライパンを洗わずにそのまま中火にかけ、こんにゃくを炒める。こんにゃくの表面が軽く白くなったらごぼう、にんじん、れんこん、椎茸、たけのこを一緒に入れて炒める。

「鶏肉の旨みが残った油で野菜を炒めます」

鶏肉を戻し入れているところ

野菜全体に油がなじんだら9の鶏肉を戻し入れ、さっと混ぜる。

11. Aの調味料を加え、煮立ったら落としぶたをし、15分ほど煮る

水を加えているところ

Aの調味料を加える。

「しょうゆは全量を一気に入れてしまうと、色が黒くなりすぎるので、2段階に分けて加えます」

落としぶたをしているところ

煮立ったら落としぶたをし、鍋の縁がふつふつと沸くくらいの弱めの火加減で、15分ほど煮る。

「落としぶたがない場合は、厚手のペーパータオルやクッキングシートで代用しても構いません。ペーパータオルやクッキングシートを使う場合は、中央に切り込みや穴を開けるようにするといいでしょう」

12. 具材に火が通ったら、煮汁ごとボウルに取り出し、冷やす

15分煮た筑前煮

15分ほど煮て具材に火が通ったら、煮汁ごとボウルに取り出し、ボウルの底を氷水などにつけて冷ます。

筑前煮を冷やしているところ

「煮ものは一度、冷ますことで味が食材になじみ、おいしくなるので、多少手間でも冷やしたほうがいいでしょう。手で触れる程度に冷えればOKです」

13. フライパンに筑前煮を戻し入れて、温める

筑前煮をフライパンに戻しているところ

12の筑前煮をフライパンに戻し入れ、強めの中火にかける。

14. 煮立ったら、仕上げにBの調味料を加え、汁気を飛ばして完成

みりんを加えているところ

筑前煮を混ぜているところ

煮立ったらBの調味料を加え、全体をさっと混ぜ、軽く汁気を飛ばす。

「仕上げにしょうゆとみりんを加えることで、照りを出し、味をととのえます」

筑前煮のイメージ

器に盛り、絹さやをのせる。

【筑前煮の保存方法】

保存容器に入った筑前煮

筑前煮は日持ちするので、作り置きおかずにもおすすめです。味が濃く、甘い味つけのほうが日持ちするので、必ず仕上げてから(14の工程を終えてから)保存すること。保存方法は清潔な保存容器に入れ、ふたをして冷蔵庫へ。3〜4日間保存可能です。絹さやは色が悪くなりやすいので、別で保存するようにしましょう。

当日作ったのに味がしみしみ! お店クオリティの筑前煮に感動

筑前煮のイメージ

野菜が美しく切りそろえられた、照りのいい筑前煮が完成しました。いざ、実食してみると「これ、本当に当日作ったもの?」と驚くほど、食材に味がしっかりしみこんでいます。野菜はどれも煮崩れることなく、れんこんのシャキシャキ感やごぼうのホクホク感がしっかり感じられ、風味も豊か。食卓に並べば、ご飯が何杯でもすすみそう!

【お正月の盛りつけ例】縁起のいい食材で作る筑前煮は、おせちにもぴったり!

筑前煮のイメージ

れんこんやにんじん、こんにゃくなど「ん」がつく食材は、運が良いといわれ、それらの食材を使う筑前煮は縁起がよく、おせちに重宝されます。

お店クオリティの筑前煮なら、おもてなしでも自信を持って振る舞えそう! お正月などのハレの日はもちろん、普段の食卓でもご家族が喜ぶこと間違いなしのプロの筑前煮。ぜひ、試してみてください。

<いけ増>3代目 喜多高廣さん

<いけ増>喜多高廣さん

昭和25(1950)年、「大衆割烹いけ増」として創業した日本橋にある和食居酒屋の3代目。店名の由来である「ちょいと、行けます」の精神のもと、新鮮かつ良質な食材を必要最低限の調味料で、素材の良さを引き出すよう調理し、リーズナブルに提供している。

<いけ増>の素材を生かしたおせち一段重はこちら>>

<いけ増>のおせち二段重はこちら>>

名店の味をおとりよせ「シェフ’s DELI」はこちら>>

三越伊勢丹のおせちはこちら>>

和食も美味しく作れるなんて!万能すぎるバーミキュラのフライパンはこちら>>

撮影:難波雄史
文:ケイ・ライターズクラブ

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

FOODIE 占い

人気のカテゴリー

閉じる