2020.10.31
本場で習ったバスクチーズケーキのレシピ。材料5つで意外と簡単!
近年、人気急上昇中のバスクチーズケーキ。真っ黒でインパクト抜群の見た目となめらかな口溶けで、老若男女問わず、幅広い人たちに支持されています。
パティスリーやコンビニなどで手に入るので市販品を購入する機会も多いと思いますが、実は家庭でも簡単に作れるってご存知ですか? そこで今回は、バスクチーズケーキの作り方を紹介します。
教えてくれるのは「バスク地方が大好きで、10年以上毎年訪れています!」という料理研究家の植松良枝さんです。
大ざっぱでも大丈夫! バスクチーズケーキが簡単な理由
そもそも「バスクチーズケーキ」とは、「美食の街」として知られるスペイン・バスク地方サンセバスチャンの「ラ・ヴィーニャ」というバルで誕生したチーズケーキが元祖なのだとか。
「『ラ・ヴィーニャ』で初めてこのケーキを食べたとき、その味わいにとても感動しました。オーナーに何度も『おいしい!』と言い続けていたら、レシピを教えてもらえることに。現地ではケーキ1台につきクリームチーズを1キロ(!)使用し、大きいサイズで焼きますが、今回はご家庭でも再現しやすい分量に調整して本場の味を再現しています」
植松さん曰く、このバスクチーズケーキは「買うのがもったいない」くらい簡単に作れるそう。その理由は?
① 使う材料はたった5つ!
使用する食材はいたってシンプル。たっぷりのクリームチーズに砂糖、卵、小麦粉、生クリームを加えるだけ。材料はすべてスーパーで手軽に手に入るものばかりなので、食べたいときにすぐに作ることができます。
② 型紙はくしゃくしゃにしてOK!
オーブンシートをくしゃくしゃにしてから使用するのが現地のレシピの特徴。紙は濡らすことでスムーズに型に沿わせて敷くことができます。サイズをきっちり計る必要もないので、とっても簡単!
③ 生地は順に混ぜるだけ!
バスクチーズケーキは、ボウルひとつで作ることが可能。生クリームを泡立てたり、卵を卵黄と卵白に分けたりする工程もなく、混ぜるだけで完成します。特に分離しやすい食材も入っていないので、失敗する余地がありません。
それでは、実際にレシピを見ていきましょう。
【決定版】バスクチーズケーキの作り方
<材料>(直径18cmの底が抜ける丸型1台分)
- クリームチーズ…500g
- グラニュー糖…150g
- 溶き卵(Lサイズ)…4個分(約240g)
- 薄力粉…大さじ2※ふるう必要はない
- 生クリーム(乳脂肪分47%)…400ml
<下準備>
・卵、生クリームは室温に戻す
・オーブンは220℃に予熱する
<作り方>
1. 型に紙を敷く
オーブンシートは型よりひと回り大きくカットしてから、くしゃっと丸めて水で濡らします。水気を絞り、型に沿うように敷き込みます。
2. クリームチーズをなめらかにする
クリームチーズは室温に戻すか、耐熱ボウルに入れてふんわりとラップをし、電子レンジ(200Wまたは解凍モード)で1分〜1分30秒ほど加熱してやわらかくします。ボウルに入れ、泡立て器でなめらかになるまで混ぜます。
「クリームチーズは、押すと指がスッと入るくらいまでやわらかくしてください。冬場は室温に置いてもなかなか戻りにくいので、電子レンジで加熱した方が早いでしょう」
「きちんとやわらかくしたクリームチーズは、泡立て器で混ぜるとすぐになめらかになります。特に難しいポイントのないバスクチーズケーキですが、しいて言えば、ここでダマにならないようになめらかに混ぜるのが、上手に作る最大のコツです」
3. グラニュー糖を加える
2にグラニュー糖を一気に加え、混ぜます。
「現地のレシピだと砂糖の量が多いので、食べやすいよう甘さはやや控えめにしています」
4. 溶き卵を2〜3回に分けて加える
3に軽く溶いた卵を数回に分けて加え、その都度均一になるまで混ぜます。
5. 薄力粉を加える
4に薄力粉を一度に加えて混ぜます。
「小麦粉の量が極端に少ないのもバスクチーズケーキの特徴です」
6. 生クリームを少しずつ加える
5の生地を混ぜながら、生クリームを少しずつ加えます。
「生クリームは乳脂肪分47%のものを使用しましたが、好みのもので問題ありません。45%以上だと濃厚でリッチな味わいに、42%だとややあっさりした仕上がりになります」
7. 型に流し入れる
6の生地を1の型に流し入れます。
8. オーブンで焼く
220℃に予熱したオーブンで45分ほど焼きます。
「オーブンの中段から上段に入れると、焦げ色がつきやすくなります。ただし、焼いている途中で生地がふくらむので、庫内の天井にくっつかないよう気をつけましょう。すぐに火が通る材料しか使っていないので、焼き上がりは表面の焦げ具合を目安に判断してください」
9. 粗熱をとる
型のままケーキクーラーなどにのせ、完全に冷めるまで半日ほど置きます。
「焼き立ては生地がふくらんでいますが、冷めると中央部分が沈みます」
冷めたら型から外し、好みの大きさに切り分けます。
「ハサミで少しだけ切り込みを入れたら、側面のオーブンシートをそのまま手でビリビリと破きましょう。型の底の部分と紙は、切り分けて器に盛るときに外すようにすると、形が崩れる心配がありません」
しっとり、濃厚! 絶品チーズケーキの完成
完成したバスクチーズケーキを切り分けると、まるでプリンのようになめらかで密度の凝縮した美しい断面がお目見え。
ひと口食べると、表面の香ばしい風味とクリームチーズの濃厚な味わいが口いっぱいに広がります。たっぷり入った生クリームとチーズのコクはありつつも、小麦粉が控えめなので後味は軽やか。飽きのこないシンプルなおいしさで、食べ進める手が止まりません!
「常温で食べるとやわらかな食感が、冷蔵庫で冷やすと生地が締まってしっかりした味わいが楽しめます。どちらもおすすめですよ」
塩をふってもおいしい!
バスクチーズケーキは、食べ方をアレンジすることも可能です。植松さんのイチオシは、塩を振ること。
「同じスペイン・バスク地方産の『アニャーナ』の粗めの塩をひと振りすると、味が引き締まって甘さが引き立ちます。ワインにもよく合いますよ。ほかにもレモンなど柑橘類の皮をすりおろしてたっぷり散らしたり、好みのジャムを水とレモン汁でのばしたソースをかけたりしても楽しめます」
材料も少なく、工程もいたってシンプルな絶品バスクチーズケーキ。何度も繰り返し作りたくなる、とっておきのお菓子です。
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植松良枝さん
旬の野菜を使った料理を得意とする料理研究家。野菜づくりがライフワークで、季節に寄り添った食と暮らしに関するアイデアを発信している。
さらに国内外を旅し、多くの食文化に触れた経験から生み出される、世界各国のエッセンスを取り入れた料理も人気。『バスクバルレシピブック』(誠文堂新光社)、『春夏秋冬 ふだんのもてなし』(KADOKAWA)など著書多数。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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