2016.11.04
【プロが解説】自家製マスタードの作り方。フレンチマスタード、粒マスタードの2つのレシピ
マスタードは市販品を買ってくるものというイメージがありますが、実はおうちで作ると「えっ!」と驚くほど美味しいんです。
「手作りのマスタードはフレッシュなスパイスを使うので、市販のものよりも、深みのあるさわやかな香りとキリッとした味わいになるんです」とスパイス専門店<朝岡スパイス>の髙橋香さん。
そこで、簡単に作れるシンプルなマスタードの作り方を2種類教えていただきました。
「粒マスタード」の作り方。フレッシュなスパイスならではの香りと味わい!
「シンプルにソーセージにつけて食べると、『これがいつものソーセージ?』と驚く美味しさです。鼻にふわっと抜けるスパイスの香りのあとに、ソーセージの脂っこさがほどよく落とされて、うまみがぐっと引き立ちます。フレッシュなスパイスを使った粒マスタードだからこそ楽しめる、特別な味わいです」
「粒マスタード」の材料(作りやすい分量)
- マスタード(粒)…大さじ2
- ブラウンマスタード(粒)…大さじ1
- 白ワインビネガー(米酢で代用可)…大さじ2~3
- 塩…小さじ1/3
- 砂糖…2つまみ
作り方
① 粒マスタードを水に約1時間つける
器に2種類のマスタード(粒)を入れて、ひたひたになるくらいの水を加えて、約1時間おきます。
「白色のマスタードに比べて、ブラウンマスタードは辛みが強く苦みも感じます。今回は2:1で配合しましたが、なければ白色のマスタードだけで作っても構いません」
② 粒マスタードをつぶす
マスタード(粒)の水気をしっかりきって、スプーンの背などで好みの粗さにつぶします。
「粒はあまりつぶさなければ、粘りの少ない舌触りになります。香りは強く立ちませんが、食べたときに口の中でプチプチと粒がつぶれて、フレッシュなスパイスの香りがふわっと広がります。粒は細かくつぶすと、スパイスの香りをマスタード全体になじませることができ、ねっとりした粘り気のある仕上がりになります」
水にひたす時間が短いと、つぶすのに意外に力が必要です。すりごまをするような小さいすり鉢に入れて、すりこ木などでつぶすとより簡単です。
③ 調味料を加えて混ぜる
白ワインビネガー、塩、砂糖を入れてよく混ぜます。途中でかたさをみて、やわらかめがよければ、白ワインビネガーを足して、好みのかたさに調整しましょう。
作りたては少し苦みとえぐみがあり、ビネガーの酸味がたっていました。それはそれでキリッとした味で美味しいのですが、ここは我慢! 保存容器などに入れて冷蔵庫で1日以上おくことがポイントです。味がなじんで、えぐみや苦み、酸味が落ち着いて、絶品マスタードができ上がります。
「市販品の粒マスタードよりも、薄茶色の仕上がりになります。もう少し黄色くしたければ、マスタードの粉末やターメリックを加えるといいでしょう。はちみつを加えれば、マイルドな味わいになります。さらに、カルダモン、コリアンダー、ジンジャーなど、好みのスパイスを加えて、オリジナルの味を探してみるのも、手作りならではの楽しみ方です」
インド料理のほか、ソーセージ、ハンバーグなどに、軽くすりつぶして加えるのがおすすめです。ブラウンマスタード(下記)と一緒にワインに浸してからすりつぶすだけでも、手作りマスタードが楽しめます。
マスタード原形(上記)より辛みが強く、苦味も感じます。インド料理のほか、ソーセージ、ハンバーグなどに、軽くすりつぶして加えるのがおすすめです。マスタード原形と一緒にワインに浸してからすりつぶすだけでも、手作りマスタードが楽しめます。
「フレンチマスタード」の作り方。ビシッとパンチの効いた香りと辛さがクセになる!
「一般的にはフレンチマスタードと呼ばれる『黄色いマスタード』。こちらは粒マスタードよりもさらに簡単、混ぜるだけの手軽さが魅力です。作りたては和がらしのように、舌にビシッ!とくるパンチのある辛さ。そして、フレッシュなスパイスならではの、鼻から抜けるようなツーンとしたさわやかな風味が特徴です」
このフレンチマスタードは、ぜひシンプルなステーキや焼き肉に、たっぷりつけて食べてみてください! 脂身の多い肉や赤身肉でもどんどん食べられて、マスタードというより『これは、肉を美味しくする魔法のソース!?』と思えるほどの美味しさです。
「フレンチマスタード」の材料(作りやすい分量)
- マスタード(粉末)…大さじ1
- 白ワインビネガー(米酢で代用可)…大さじ2
- 塩…小さじ1/3
- 砂糖…2つまみ
作り方
材料を合わせて混ぜる
器にすべての材料を入れ、よく混ぜ合わせるだけ。あっという間にでき上がりです!
かたければ白ワインビネガーを足して、好みのかたさにするといいでしょう。粒マスタードと同様に、作りたては辛みと酸味がたっているので、数日おくと味がなじんできます。
水で溶いて、おでん、辛子あえのほか、ソーセージ、ホットドッグ、焼売、東坡肉、汁物の香りづけ、冷やし中華、マヨネーズなどにおすすめです。
【アレンジレシピ】「手作りマスタード」+「生クリーム」を加熱して極上ソースに!
ソーセージやステーキにつけて食べたり、ドレッシングやポテトサラダに加えたりと、使い勝手がいいマスタード。髙橋さんによると、ぜひ手作りマスタードは「加熱して」使ってみてほしいそう。加熱することで辛みが和らぎ、たっぷり使っても香りはそのまま、お子さまでも食べやすくなるそうです。
「私のおすすめの活用法は、生クリームに手作りしたマスタードを加えて、少しとろみがつくまで弱火で煮詰め、塩で味をととのえます。鶏肉や鮭のソテーにつければ、いつもの味がグレードアップします。また、鶏肉に塩で下味をつけてから、手作りマスタードをたっぷりとぬって、オーブンやグリル、トースターなどで焼くだけで、自宅にいながらお店のような味になります。ぜひお試しください!」
長年、伊勢丹で店の顔をつとめる。ルー無し、スパイスで作るカレーにおすすめしたいのは『炒め玉葱』のコク!
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=シェフズセレクションにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
Ranking
人気記事ランキング