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2017.05.14

材料は3つだけ。ほろ苦さが口にうれしい甘夏マーマレードジャムの作り方

『四季を愉しむ手しごと』 著:小島喜和 写真:寺岡みゆき 河出書房新社

木々が新緑で生い茂るころ、甘夏が旬を迎えます。大ぶりで肉厚、酸味の強い果肉はジャムにすると美味しさが増すのです。皮まで余さず使えるマーマレードにしてみませんか? 甘夏は皮が厚いので、たった2個から瓶4つ分もできてしまうんです。

材料は甘夏のほかに砂糖と水だけというシンプルさ。『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)の著者である料理・菓子研究家の小島喜和さんにレシピと作り方を教えていただきました。

小島喜和さんのレシピ一覧はこちら>>

甘夏マーマレードの作り方

「私の出身の高知県は柑橘類の名産地。これまでいろいろな柑橘でマーマレードを作ってきました。その中でもトップの美味しさが甘夏です」(小島さん)

今回ご紹介するのは、種のまわりに付着している天然のペクチンでとろみをつける、自然な作り方。

市販のジャムの瓶をとっておけば、ここぞという時に役立ちます。ジャムを詰める前に念のため煮沸消毒しましょう。

材料(作りやすい分量)

  • 甘夏……2個
  • 水……果肉の重さの1.2倍
  • 砂糖……果汁と皮の重さの80%

作り方

甘夏の果肉を取り出すところ

『四季を愉しむ手しごと』 著:小島喜和 写真:寺岡みゆき 河出書房新社

  1. 甘夏は丸ごと沸騰したお湯の中に入れて、数分ゆでる。
  2. 熱いうちにトングなどで取り出し、天地を半分に切って中の果肉をスプーンで取り出す。皮は薄くスライスし、果肉は小さめのぶつ切りにする。
  3. 果肉の重さを量り、1.2倍の水を加えてアクを取りながら、トロトロになるまで煮る。
  4. 3を裏ごしして果肉の袋と種を除き、果汁のみにする。果汁と皮の重さを量り、80%の砂糖を用意する。
  5. 鍋に果汁と皮を入れ、砂糖の半量を入れて煮る。途中で残りの砂糖を足し、アクを取りながら中火で煮る。皮が黄金色になり、煮汁をヘラにのせて、指でなぞると跡が残るくらいまで煮詰まれば、できあがり。

材料と作り方は『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)から引用

 

ほろ苦く、和の風味がするジャム

瓶に入った甘夏マーマレード

『四季を愉しむ手しごと』 著:小島喜和 写真:寺岡みゆき 河出書房新社

小島さんいわく、甘夏には、外来の柑橘類とは違う美味しさがあるとのこと。初めて作った時に「もっと食べたい!」と気持ちが高まり、以来、甘夏マーマレード作りが季節の手仕事になっているそうです。

「オレンジとは明らかに違う心地よい苦味は『和』ならでは。ぜひ一度味わって欲しいですね」(小島さん)

日本はパン食の文化が根付いているのに、マーマレードをあまり手作りしないのは、ちょっと不思議。せっかく旬を迎える果物が身近にあるのだから、マーマレード作りを、初夏の楽しみのひとつにしてみるのもいいかもしれません。

【記事作成協力】小島喜和さん

『四季を愉しむ手しごと』の表紙

『四季を愉しむ手しごと』小島喜和(河出書房新社) 1,512円(税込)

料理・菓子研究家。季節の手仕事を得意とし、梅仕事や味噌作りなど、各種ワークショップを開催。また、ニューヨーク、パリの製菓学校で製菓、製パンを学び、ディプロマを取得した経験を活かし、お菓子教室を主催している。

高知県出身で、地元の郷土料理や食材を広める活動はライフワーク。『心ふるえる土佐の味』(高知新聞社)、『みそさえあれば。』(日東書院本社)、『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)など著書多数。

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文: 藤島由希

※ 本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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