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2021.11.09

時短なのにトロトロ&しみしみ~! 豚の角煮の作り方。なんとプロは下ゆでに生おからを使う⁉

豚の角煮のイメージ

豚の角煮といえば、2~3時間かかるレシピをよく見かけますが、しっかり煮たのにトロトロではなくパサパサになったり、肉の中までしっかり味が染み込まなかったり…。そんな経験ありませんか?

そこで今回は、なんと「生おから」を使うことで煮る時間を短くして、トロトロ&しみしみの豚の角煮を作るコツをプロが詳しく伝授します。教えてくれるのは、伊勢丹新宿店<キッチンステージ>の柬理美宏シェフです。

「生おからが肉をやわらかくして、脂や臭みをしっかり取り除くので、調理時間は1時間30分。一般的なレシピよりも時短で作れます。臭み消しのための長ねぎやしょうがも必要なし! 味つけは中華風のこっくり濃厚な味つけではなく、豚肉のおいしさを最大限に引き出す、和風だしをベースにした上品な味つけのレシピです」

記事の最後に、豚の角煮のおいしさをグレードアップする「じゃがいもあん」のレシピと、角煮を煮るのにぴったりのプロが使っている鍋についても紹介してもらったので、最後までチェックしてください!

名店の味をおとりよせ「シェフ’s DELI」はこちら>>

「肉がかたい」「味がしみ込まない」…豚の角煮の失敗しない3つのポイント

豚の角煮のイメージ

ポイント① 「豚バラ肉の脂身を焼く」→「豚バラ肉を生おからと一緒にゆでる」の2ステップで、肉がぐんとやわらかくなる!

しっかり脂を落とすことが、やわらかい角煮を作る決め手! トロトロ食感にするために、豚バラ肉の脂を2段階で落としていきます。

まずは下ゆでする前に、フライパンで脂身を焼いて表面の脂を落としましょう。そのあと、肉をやわらかくする酵素が含まれる生おからと一緒に、1時間ほど豚バラ肉をゆでます。生おからはお湯に溶け出た豚の脂を吸着するので余分な脂がしっかり落ち、やわらかく、しつこくない仕上がりになります。

わざわざ生おからを買うのは面倒…という人は、乾燥おからや米のとぎ汁で代用できます。ただし、どちらも酵素で肉をやわらかくする働きはありません。生おからよりもやわらかくする効果が落ちますが、煮る時間を長くすれば、脂がしっかりとれて、肉もやわらかくなります。

ポイント② 調味料の順番「さしすせそ」を守り、中まで味をしみ込ませる!

豚バラ肉の中まで味がしみ込まないのは、しょうゆを加えるタイミングが早すぎることが考えられます。最初にしょうゆを入れると肉がかたくなり、そのほかの調味料がしみ込まなくなってしまうからです。

豚の角煮を作るときは、和風だしに「①砂糖、酒、②しょうゆ」の順番で調味料を加えましょう。濃すぎず薄すぎず、だしのうまみを効かせたまろやかで上品な味の角煮に仕上がります。

ポイント③ 長時間煮るのではなく、一度冷ますことでさらに味がしみしみに!

料理は、冷めるときに味がしみ込んでいきます。今回のレシピでは、調味料を入れて煮る時間は30分だけ。30分煮たあとに一度完全に冷まし、食べる直前に再度温め返すことで、味をしっかりしみ込ませます。

下ゆでに生のおからを使うなんて、知りませんでした…。やわらかい角煮を作るためには、何よりもまず脂をしっかりと落とすことが大切なんですね!

それでは、実際にレシピを見ていきましょう。

生おからでやわらか食感! 上品な和風に仕上げる、豚の角煮のレシピ

豚の角煮の材料

<材料>(2人分)

  • 豚バラ肉(塊)…300g
    ※脂身が多すぎず、脂と身のバランスが良いものを選ぶ。脂が多いときは脂の厚みが約1㎝厚さになるようにそぎ落とすとよい。
  • 生おから…100g
    ※代用する場合、乾燥おから20g、または米のとぎ汁1,000ml。
  • ※生おからが余ったら、おからの黒糖ドーナツのレシピをチェック!>>

  • 和風だし汁(かつお節と昆布)…600ml
    ※顆粒だしを分量の水で溶いたものでもよい。
  • 砂糖…大さじ2
  • 酒…大さじ3
  • しょうゆ…大さじ3
  • お好みで
    玉ねぎ…1/2個
    半熟ゆで卵…2個
    さやいんげん(ゆでたもの)…適宜

<作り方>
◆豚バラ肉の余分な脂を落とす下ごしらえ

1. フライパンで豚肉の脂身部分だけを焼く

豚バラ肉の脂の部分を焼いているところ

フライパンにサラダ油適量(分量外)を入れて強めの中火で熱し、豚肉の脂身側を下にして焼き、脂を落とす。

「焼くときにサラダ油はいらないのでは? と思うかもしれませんが、熱したサラダ油が豚肉の脂を引き出す役割を担います」

豚バラ肉の脂の焼き目を見ているところ

「脂身に写真のようにきつね色の焼き色がつくまで、しっかり焼きます。焼き時間の目安は約5分です」

2. 焼いた豚肉の脂身側にお湯をかけて、表面の余分な脂を落とす

豚バラ肉の脂をお湯で流しているところ

「豚肉をフライパンから出し、ペーパータオルで脂身をおさえて脂を吸いとったあと、ボウルに入れ、お湯をかけて表面の余分な脂を洗い流します。お湯の温度は35〜40度くらい(キッチン水栓から出るお湯)でOK。ただし水だと脂がかたまるのでNGです」

◆豚バラ肉の生おからを使った下ゆで

1. 鍋に豚肉、水、生おからを入れて1時間ゆでる

鍋に豚バラ肉と生おからを入れてゆでているところ

鍋に豚肉と肉がかぶるくらいの水を入れたら、生おからを加え、強火で沸騰させる。

「生おからの酵素が肉をやわらかくします。さらに、煮ていくうちに豚肉から出てくるアクやにおいを吸着する効果もあります」

※生おからが余ったら、おからの黒糖ドーナツのレシピをチェック!>>

アクをすくっているところ

煮立ったら弱めの中火にし、1時間ゆでる。

「途中で細かい泡が立ってきますが、これは余分なアクなのでお玉でこまめにすくい取ってください。このとき生おからはすくわないように注意しましょう」

豚バラ肉の脂身に串を刺しているところ

「1時間ゆでて、豚肉の脂身に串がスッと入るくらい、やわらかくなったら火を止めます」

2. ゆでた豚肉にお湯をかけて生おからを洗い流す

豚バラ肉の脂を湯で洗い流しているところ

「生おからを洗い流します。このときもお湯の温度は35〜40度くらい(キッチン水栓から出るお湯)でOKです」

◆豚の角煮の味つけをする

1. 豚肉を食べやすい大きさに切る

 豚バラ肉を食べやすい大きさに切っているところ

「やわらかくなった豚肉を食べやすい大きさに切ります。ゆでると肉か縮むので、このタイミングで切ると仕上がりのサイズがイメージできます。また、下ゆでする前に切ると脂は出やすくなりますが、おいしいうまみまで一緒に流れ出てしまうので、必ず下ゆでしてから切りましょう」

くし形切りの玉ねぎ

「豚肉と一緒に玉ねぎを入れるとうまみが溶け出て一層おいしくなります。このタイミングで用意しましょう。玉ねぎはバラバラにならないように、写真のように根元の部分を残した状態でくし切りにします。ゆで卵もお好みで。入れる場合は半熟状態にゆでておきましょう」

▼関連記事をチェック!
半熟ゆで卵の作り方を紹介している記事はこちら>>

2. きれいに洗った鍋に豚肉、和風だし、砂糖、酒を入れて中火にかけ、煮立ったらふたをして10分ほど弱火で煮る

鍋に豚バラ肉、だし、調味料を入れているところ

「このタイミングで使う調味料は和風だし、砂糖、酒だけ。しょうゆは加えません。まずは10分煮てから、そのあとにしょうゆを加えるのが和食の基本です」

3. しょうゆを加えてふたをし、弱火で20分ほど煮る

しょうゆ、玉ねぎを加えて煮ているところ

「玉ねぎを加えるなら、しょうゆを加えるタイミングと一緒に入れましょう」

4. 火を止め、室温に置いてそのまま冷まし、味をしみ込ませる

豚の角煮を冷ましているところ

一度完全に冷まして味をしみこませる。食べる直前に温め直していただく。

「半熟のゆで卵を加えるなら、火を止めたタイミングで入れてください。半熟をキープしたまま、卵に味がしみ込んでいきます。半日~1日おいて食材すべてに味をしみ込ませると、さらにおいしくなりますよ」

脂はトロトロ、肉はホロホロ、味はしみしみ! 料亭レベルの豚の角煮が完成!

豚の角煮の完成写真

豚の角煮と玉ねぎ、半分に切ったゆで卵を盛りつけ、ゆでたさやいんげんの緑を添えたら完成。お好みで白髪ねぎと糸唐辛子をのせ、練りからしを添えても。

はやる心を抑えきれず、早速、試食させてもらいました。お肉はホロホロ、トロトロでお箸で切れるほどのやわらかさ! 和風だしを立たせたあっさりした味付けなのですが、肉の中までしっかりしみ込んでいるのでうまみがたっぷり。料亭でいただくような品のある味わいに思わず感動です!

今回教えてもらった豚の角煮は、簡単に作れる「あん」をプラスするだけで、おもてなしの料理にグレードアップします。以下のレシピも要チェックです!

【プロのおすすめアレンジ】濃厚でクリーミー! 豚の角煮をごちそうに変える「じゃがいもあん」のレシピ

豚の角煮 じゃがいもあんかけの完成写真

「うまみたっぷりの煮汁を利用して、角煮をおしゃれに映えさせるテクニック」として柬理シェフが教えてくれたのが、じゃがいもあんのレシピ。煮汁にじゃがいもを合わせて、なめらかなあんに仕立てるのが意外です! じゃがいもあんをかけるだけで、濃厚でクリーミーなおいしさが加わり、角煮のごちそう感がさらにアップします。

<材料と作り方>

つぶしたじゃがいもにバターと豚の角煮の煮汁を加えているところ

じゃがいも(男爵いも)100gをやわらかくゆでてつぶし(できれば裏ごす)、バター10gと温めた豚の角煮の煮汁60mlを加えて混ぜるだけ。

「温かい煮汁でバターが溶けて、トロリとしたあんができ上がります。ひと手間ですが、じゃがいもはつぶしたあとに裏ごすことで、断然なめらかな仕上がりになるので、ぜひやってみてください」

角煮とアレンジレシピはこちら(近日公開予定)の動画ページでもご紹介するので、お楽しみに!

【プロの愛用品】今回、豚バラ肉の角煮に使用した鍋はこちら!

柬理シェフがプロ目線でおすすめする調理道具を紹介します。今回は豚の角煮をゆでたり煮たりするときに使用した、使い勝手抜群の片手鍋です!

2人前の角煮にぴったりなサイズ感<貝印>o.e.c.片手鍋18㎝(ふた付)

o.e.c.片手鍋18㎝(ふた付)の写真

<貝印>o.e.c.片手鍋 18cm(ふた付) 16,500円(税込) ※販売期間:通年

豚の角煮を作るときは、具材が重ならない大きさの鍋がおすすめです。具材に対して鍋が大きすぎると具材が煮えないうちに煮汁が蒸発したり、逆に小さすぎると具材が重なって煮汁が均等に回らなかったりします。

「この片手鍋は円錐状にすぼんだ形で、内部の対流が起こりやすく、豚の角煮を効率的にゆでたり煮たりできます。ふたが透明で鍋中の状態が確認しやすいところもおすすめです!」

鍋の素材は、ステンレスとアルミを合わせたIH対応の多重構造。熱伝導性と保温性に優れていて、底だけでなく鍋の側面にも素早く熱が伝わるので、煮物に最適な鍋です。

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撮影:矢野宗利(プロの愛用品以外)
文:白鳥紀久子

バイヤー・スタイリスト / 柬理美宏
2~3週間ごとにさまざまなジャンルの人気料理人や料理研究家たちの創作メニューを提供している、伊勢丹新宿店本館地下1階「キッチンステージ」の料理長。「オープンキッチンスタイルを生かし、お客さまに五感で料理を楽しんでいただけるように心がけています」

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、三越伊勢丹オンラインストアにてお取り扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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