2021.08.17
青椒肉絲(チンジャオロース)の本格レシピ。シャキシャキにするプロの技! オイスターソースはなしでOK
中国料理の定番、ピーマンと牛肉の細切りを炒めた青椒肉絲(チンジャオロース)。ご家庭でも登場することが多い人気のメニューですが、いざ作ってみると、ピーマンがクタクタになったり、肉がちりちりに縮んでかたくなってしまったりと、なかなか難しいもの…。やはりお店のように強い火力のコンロや鉄の中華鍋がないと、おいしく作るのは無理なのでしょうか?
「そんなことはありません! フッ素樹脂加工のフライパン、かつご家庭のコンロでも、食材の切り方や炒め方に気をつければ、ピーマンがシャキシャキの青椒肉絲を作ることは可能です」
そう教えてくれたのは、<銀座アスター>伊勢丹新宿店料理長、安蒜(あんびる)義政シェフ。ポイントを押さえれば、家庭でもお店のような仕上がりになるのだとか。
フッ素樹脂加工のフライパンで作れるなんてうれしい! 早速、レシピのコツを詳しく聞いてみましょう。
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<銀座アスター>流、青椒肉絲の極意とは?
極意① 牛肉とピーマンは繊維の方向を見極めて切り、歯ごたえよく仕上げる!
肉や野菜にはそれぞれ繊維の走っている方向があります。その繊維を断つように切ってしまうと、加熱した際に肉が縮んだり、野菜から水分が出やすくなったりしてしまうので、炒め物には向きません。きちんと繊維の走る方向を見極めて、沿うように切ることが重要です。
極意② 牛肉と野菜はあらかじめ別々で炒め、最後に合わせて!
食材はあらかじめ、多めの油で炒めて「油通し(※本来は、たっぷりの油に野菜や肉などをくぐらせる下ごしらえのこと。今回は多めの油で炒めることで代用)」しておきます。
そのとき、それぞれ食材の火を通しすぎないことが大切。余熱と仕上げのタイミングでも火が入ることを想定し、牛肉は8割程度、ピーマンは6割程度火が通ったら、いったん取り出します。最後に具材をフライパンに戻して炒めるときは、加熱するのではなく「合わせる」イメージで。ピーマンのシャキッとした食感を残します。
極意③ 味付けはオイスターソースを使わず、しょうゆと鶏がらスープでシンプルに素材の風味を活かす!
一般的に青椒肉絲というと、オイスターソースで味付けるイメージが強いですが、<銀座アスター>では使用しません。オイスターソースは旨みの強い調味料ですが、その分存在感が強く、どの料理も画一的な味わいになってしまうからです。味付けはシンプルにしょうゆと鶏がらスープのみ。アクセントとして黒こしょうを効かせることで、素朴ながらも素材の味が引き立つ炒め物に仕上がります。
確かに炒め物をするとき、余熱で火が入るところまで計算していませんでした。実際に火が通ったと思うより、手前で取り出していいんですね。参考になります!
それでは、実際にレシピを見ていきましょう。
<銀座アスター>料理長が伝授! 青椒肉絲の作り方
<材料>(2人分)
- 緑ピーマン…3個(正味90g)
- 赤ピーマン…1個(正味30g)
※緑ピーマンで代用可 - 牛もも肉(塊)…200g
(下味用:しょうゆ、こしょう、溶き卵、紹興酒、片栗粉各少々) - たけのこの水煮(長さ5〜6cmの細切り)…60g
- あれば、黄ニラ(5〜6cm長さに切る)…30g
- 長ねぎのみじん切り)…大さじ1
- 生姜(しょうが)のみじん切り…小さじ1
- しょうゆ…小さじ2
- 紹興酒…小さじ1と1/2
- 鶏がらスープ…40ml
※鶏がらスープの素(顆粒)を袋の指示通りに湯で溶いたものでも可 - 水溶き片栗粉…小さじ2(片栗粉と水を1:1の割合で溶いたもの)
- 粗挽き黒こしょう…少々
「牛肉は脂の少ない赤身肉(もも肉)を選びましょう。好みによりますが、脂がのった霜ふりの和牛よりも外国産の牛肉のほうが炒めたときに縮みにくいのでおすすめ。赤ピーマンと黄ニラは彩りのために入れているので、ない場合は入れなくても問題ありません。紹興酒は風味とコクをアップする働きがあり、中国料理には欠かせない調味料。なるべく使うようにしましょう」
<作り方>
1. ピーマンを細切りにする
緑ピーマンと赤ピーマンは、先端と上部のヘタごと切り落とし、縦に半分に切る。まな板と平行に包丁をすべらせ、種と白いワタを丁寧に取り除く。
「ピーマンは上下を切り落とし、種とワタをそいで平らな四角形にしてから細切りにすると、均一に切りやすく、見た目もきれいに仕上がります」
7〜8mm幅の細切りにする。
「ピーマンは斜めや横など繊維を断つように切ると水分が出やすく、加熱するとすぐにくたっとなってしまいます。炒め物にするなら縦に走っている繊維に沿って切るようにしましょう。細すぎず、太すぎない幅に切ることも大切です」
2. 牛肉(塊)を細切りにする
まな板と平行に包丁をすべらせ、牛肉を5mm厚さの薄切りにする。
「牛肉は薄切り肉ではなく、塊肉を自分でスライスするほうがおすすめです。市販の薄切り肉だと薄すぎるのと、繊維を断つようにスライスされているので、炒めるとすぐに縮んでしまいます。その点、塊肉を自分で薄切りにすると、厚みを調整できるので、加熱したときに食べ応えのある牛肉に仕上げることができます」
牛肉を繊維に沿って7〜8mm幅に細切りにする。
「牛肉の繊維の走っている方向を確認し、ピーマンと同じ幅に細切りにしていきます。長さは加熱すると縮むのでピーマンよりやや長めを目安に切るといいでしょう」
3. 牛肉に下味をつける
ボウルに2の牛肉を入れ、下味用のしょうゆ、こしょう、溶き卵、紹興酒、片栗粉を加え、手でもみ込む。
「青椒肉絲は他の炒め物と比べて、シンプルに仕上げる料理なので、調味料が少ないという特徴があります。その代わり、牛肉にはしっかり下味をつけておくことで、仕上がりの味がぼやけません」
4. フライパンで牛肉を炒める
フライパンにサラダ油大さじ2(分量外)を強火で熱し、牛肉を入れる。1〜2分箸で肉をほぐすように炒めたら、ザルを重ねたボウルに肉を取り出して、油をきる。
「牛肉の表面を焼き固める程度、全体的に色が変わったら取り出しましょう」
5. フライパンに油を戻し、ピーマン、たけのこを炒める
フライパンに4できった油を戻して強火で熱し、緑ピーマンと赤ピーマン、たけのこを加える。1〜2分炒めたらザルに取り出して油をきる。
「牛肉を炒めた油には牛肉の旨みが出ているので、捨てずに活用しましょう。このタイミングでのピーマンは6割程度(油が全体に回って、ツヤっとしたら。多少かたくても大丈夫)火が通れば十分です。余熱でも火が入るので、炒めすぎないよう気をつけましょう」
6. 長ねぎ、生姜を炒める
フライパンに5できった油を戻して弱火にかけ、生姜、長ねぎを炒める。
7. しょうゆを回し入れる
香味野菜の香りが立ってきたら強火にし、しょうゆを回し入れる。
「フライパンを傾けながらしょうゆを焼いて、香ばしさを引き出しましょう」
8. 紹興酒、スープを加え、片栗粉でとろみをつける
紹興酒、鶏がらスープを加え、煮立たせる。
「紹興酒は風味とコクをアップする働きがあるので、ぜひご家庭でも使ってほしい調味料です」
フライパンを傾けてスープを端に寄せ、水溶き片栗粉を加えて混ぜる。
「具材を戻し入れてから水溶き片栗粉を加えるイメージがあるかと思いますが、先にスープに加えて混ぜたほうが、ダマになりにくく、失敗しづらいのでおすすめです」
9. 黄ニラを加え、炒めておいた野菜と牛肉を戻し入れる
スープにとろみがついたら黄ニラを加えてさっと炒め、すぐに4の牛肉、5のピーマンとたけのこを戻し入れ、全体をさっと混ぜる。仕上げに粗挽き黒こしょうをふったら青椒肉絲の完成。
「汁気が少ないように感じるかもしれませんが、青椒肉絲はシンプルにあっさり仕上げたいので、大丈夫。肉に下味もしっかりついているので、食べたときに物足りなさを感じることはないはずです」
あっさりなのに滋味深い、銘店の青椒肉絲の完成!
炒め始めてからあっという間に完成した青椒肉絲。箸で持ち上げてみると、写真を見てわかるようにピーマンがへたらずピンとして、見た目にもシャキシャキしているのが伝わります。
味わいは、牛肉の旨み、ピーマンの程よい苦味にしょうゆと黒こしょうの風味が加わって、しみじみおいしい! オイスターソースを使っていない分、肉や野菜の味がしっかり感じられて、何度食べても飽きのこない味わいです。これなら子どもから大人まで食べやすいので、食卓のレギュラー選手になれること間違いなし!
レストラン<銀座アスター>では作りたてのお惣菜が、テイクアウトも可能です!
伊勢丹新宿店7階にあるレストラン<銀座アスター>では、「牛肉と彩り野菜の細切り炒め(青椒肉絲)」(イートイン2,530円、テイクアウト2,484円・税込)を始め、レストランで提供している作りたてのお惣菜が、テイクアウトでも購入できます! 店頭、またはお電話(☎03-3352-0975 <銀座アスター>伊勢丹新宿店)にて注文も可能なので、ぜひチェックしてみてください。
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店舗のご案内について
記事でご紹介している<中国料理 銀座アスター>は、伊勢丹新宿店 本館7階にございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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