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2018.10.25

【シェフ直伝】本格リゾットのレシピ。生米をアルデンテに仕上げるテクニック

材料も作り方もシンプルなのに、家で作ろうとするとうまくいかないのがリゾット。なんだかおじやみたいにモッタリとしてしまいがちです。そこで、イタリアンを得意とする、伊勢丹新宿店<キッチンステージ>の柬理美宏シェフに、リゾットの基本レシピと本格的な味わいに仕上げるコツを教えてもらいました。

「おじやみたいになるのは、米のデンプン質が変質して粘りが出てしまっているから。粘りを出さず、パラリとアルデンテに仕上げるのが本格的なレシピ。そのためには3つのコツがあるのです」

リゾット作りにぴったりな鍋はこちら>>

【これが本格!】リゾットをアルデンテに仕上げる3つのコツ

1 米を洗わずに炒め、オイルコーティングする

米を洗って濡らすと、水分を吸収しやすくなって粘りが出てしまいます。米は洗わずに炒め、一粒一粒、オリーブオイルでコーティングすることでサラッとした仕上がりに。

2 熱々のブイヨンを少量ずつ加えて炊き上げる

米の温度を下げないように、ブイヨンは「熱々」と「少量ずつ」が鉄則。温度が下がると、デンプン質が変質し糊化してしまいます。また、ブイヨンは一気に大量にそそぐと米が躍ってぶつかり合い、内部のデンプンが流れ出て粘りが出やすくなるため、少量ずつ加えます。

3 炊いている最中は木べらで混ぜ過ぎない

混ぜ過ぎると、米が割れて粘りを引き出す原因に。アルデンテに炊き上がるまでは、時々木べらで鍋底をこそぐ程度にしましょう。

徹底解説! アルデンテに仕上げる本格「チーズリゾット」のレシピ

米をブイヨンで炊き上げたのち、バターとパルミジャーノ・レッジャーノチーズを混ぜるシンプルなチーズリゾットのレシピです。

基本のリゾットの材料

<材料>2人分

  • 米…1合(150g)
  • オリーブオイル…大さじ2
  • ブイヨン…3カップ ※顆粒ブイヨンを湯に溶かしたもの
  • ローリエ(あれば)…2枚
  • 白ワイン…大さじ1
  • バター…20g
  • パルミジャーノ・レッジャーノチーズ…大さじ2
  • 塩…少々
  • 粗びき黒こしょう…少々

<作り方>

1 米をオリーブオイルで炒め、同時にブイヨンを温める

オリーブオイルで米を炒める、ブイヨンを沸かす

鍋にオリーブオイル、生米(洗わない)を入れて中火にかけ、米全体に油が回るように木べらでやさしく混ぜながら5分ほど炒めます。同時に別の鍋でブイヨンを中火で温めておきます。白ワインと、あればローリエを加えるとブイヨンの香りがグンとよくなります。

「米をオリーブオイルで炒めるときは、一粒一粒にオイルをコーティングするイメージで」

2 お玉2杯分のブイヨンを入れて、米を炊き始める

炒めた米に熱々のブイヨンをそそぐ

米が油を吸って熱くなり、表面が均等に白っぽくなったら熱々のブイヨンを注ぎます。注いだ途端にブイヨンが沸き上がり、湯気が立ち上がります。

「ブイヨンの温めが足りないと、米の温度が下がってデンプン質が変質してしまい、粘り気のあるリゾットになってしまうので要注意です」

3 ブイヨンをつぎ足しながら、20分炊く

ブイヨンが少なくなってきた、熱々のブイヨンを注ぐ

米がブイヨンを吸って、表面にカニ穴のような穴が開いてきたら、その都度、お玉半量の熱々のブイヨンを足しながら、弱火で20分炊きます。

「炊いていくときに木べらでかき混ぜ過ぎると粘りが出てしまいます。鍋底がこげないように、時折、木べらで軽く鍋底をこそぎ、鍋をふってください」

4 米がふくらみ、粒が立って、艶々してきたら、味見をする

炊き上がったリゾット

「20分炊いたら、一度、味見をしてみてください。本場のリゾットは米に微かに芯が残る程度がベストな炊き上がりとされています」

5 火を止め、バターとパルミジャーノ・レッジャーノチーズを加えて余熱で溶かし、塩で味を調えてこしょうをふる

リゾットにバターをチーズを加える、リゾットを木べらで混ぜる

「米をアルデンテに仕上げたら、その後は余分な熱を与えたくないのですぐに火を止めて。バターとチーズは余熱で溶けるので、手早く木べらで混ぜ、塩で味を調えたら完成。器に盛り、粗びき黒こしょうをふります」

基本のリゾットの出来上がり

出来上がりを眺めてみると、しっとりと濡れているのに、粒が立っていて、米に張りがあるのがわかります。スプーンですくって口にしてみると、口の中でパラリと米がほぐれる感覚。まるでおじやとは違う食感で、かめばかむほどに美味しい! これぞ、まさにプロの味。

【アレンジレシピ】ベーコンときのこのトマトリゾット

上記で紹介したチーズリゾットに、ベーコンときのこ、トマトピューレを加えて作るアレンジ。基本のレシピとの違いは、米を炒める前に具材を炒めること、ブイヨンで米を炊いていく途中にトマトピューレを加えるという2点だけです。

ベーコンときのこのトマトリゾットの出来上がり

<材料>(2人分)

  • 米…1合(150g)
  • オリーブオイル…大さじ2
  • スライスベーコン(1㎝幅に切る)…2枚分
  • きのこ(食べやすく切る)…60g ※エリンギ、しめじ、えのきだけなどお好みのもの
  • ブイヨン…3カップ ※顆粒ブイヨンを湯に溶かしたもの
  • 白ワイン…大さじ1
  • トマトピューレ…50g
  • 塩…少々
  • シブレット(小口切り)…適宜 ※万能ねぎで代用可能
  • 粗びき黒こしょう…少々

<作り方>

1 鍋にオリーブオイル、ベーコン、きのこを入れて中火で炒めると同時にブイヨンを温める

オリーブオイルでベーコンときのこを炒める

ベーコンときのこのエキスをオリーブオイルに移します。炒めすぎると焦げてしまうので、きのこがしんなりする程度でOK。

同時に別の鍋でブイヨンを中火で温めておきます。白ワインと、あればローリエを加えるとブイヨンの香りがグンとよくなります。

2 米を加えて、米に油が回るまで炒める

米を加えて炒める

チーズリゾットと同様に、米が油を吸って全体的に白くなるまで炒めます。

3 お玉2杯分のブイヨンを入れて、米を炊き始める

熱々のブイヨンを加える

米が油を吸って熱くなり、表面が均等に白っぽくなったら熱々のブイヨンを注ぎます。

「木べらで混ぜずに、鍋底がこげないように、時折、鍋をふってください。具材が入ると焦げやすくなるので、チーズリゾットよりも鍋を頻繁にふるのがポイントです」

4 トマトピューレを加え、軽く混ぜる

トマトピューレを加える

お玉2杯分のブイヨンがなくなり、次のブイヨンを足す前にトマトピューレを加えて軽く混ぜます。

「トマトピューレは生のトマトを濃縮した調味料。トマトピューレがなければ、トマト缶を煮詰めて水分を飛ばしたもので代用しても」

5 ブイヨンをつぎ足しながら、20分炊く

ベーコンときのこのトマトリゾットの出来上がり

ブイヨンを米が吸って、表面にカニ穴のような穴が開いてきたらその都度、お玉半量の熱々のブイヨンを足しながら、弱火で20分炊きます。

「味見をして、米に微かに芯が残る程度に炊き上がったら、火を止めます。塩で味を調えてから、器に盛って、シブレットと粗びき黒こしょう、オリーブオイル(分量外)をかけたら出来上がり」

トマトだけでなく、牛乳や生クリームなどを加えるとバリエーションはもっともっと広がります。まずはシンプルなチーズリゾットから挑戦してみてください!

リゾット作りにぴったりな鍋はこちら>>

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伊勢丹新宿店<キッチンステージ>では、有名シェフ監修のメニューが月替りで楽しめます!

キッチンステージ

伊勢丹新宿店 本館地下1階にある<キッチンステージ>は、有名シェフが監修したメニューを味わえるレストラン。メニューは4〜5週間ごとに変わり、フレンチに和食、中華まで、名店の味をカジュアルに楽しめます。ご家庭で提供メニューの味を再現できるようにレシピも差し上げていますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

<キッチンステージ>の詳細はこちら>>

shinjukuisetan_kitchenstage

文: 白鳥紀久子

写真:矢野宗利

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

バイヤー・スタイリスト / 柬理美宏
4~5週間ごとにさまざまなジャンルの人気料理人や料理研究家たちの創作メニューを提供している、伊勢丹新宿店本館地下1階「キッチンステージ」の料理長。「オープンキッチンスタイルを生かし、お客さまに五感で料理を楽しんでいただけるように心がけています」
柬理シェフのレシピ一覧はこちら>>

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