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2017.01.28

【スープ作家・有賀薫さん直伝!】出汁もブイヨンも使わない。野菜の美味しさがわかる、3つのスープレシピ

有賀薫さんの作ったスープのイメージ

家族を起こすためにスープを作りはじめ、約5年もの間、毎朝作り続けているというスープ作家の有賀 薫さん。有賀さんが作るスープは、飲むというよりたっぷりの野菜を「食べる」スープ。素材の持ち味をぐーっと引き出した、シンプルでやさしい味わいが特長です。家にある食材で、しかも主材料は2〜3つ。出汁もブイヨンも使わないレシピはWEBを中心に広く人気を集めています。今回は、有賀さんらしい素材使いが際立つ、3つのスープのレシピを教えてもらいました。

あえてつぶ感を残して仕上げる「つぶしじゃがいものミルクポタージュ」

有賀薫さんのつぶしじゃがいものミルクポタージュ

ミキサーがなくても大丈夫。じゃがいもやかぼちゃなど、煮くずれやすい野菜なら、小さく切って煮て、つぶすだけでもポタージュになります。完全になめらかなポタージュとは違い、じゃがいものつぶ感が残りますが、それがまた素朴で、美味しいのです。

つぶしじゃがいものミルクポタージュの材料

材料(1~2人分)

  • じゃがいも…2個(300g~350g)
    ※男爵、きたあかり、とうやなど煮くずれやすい品種
  • 牛乳…50ml
  • バター…10g
  • 塩…適量
  • 粉チーズ…適宜

 

作り方

  1. じゃがいもは皮をむき、半分に切ってから1cmの厚さにスライスする。厚手の鍋にじゃがいもと塩ひとつまみを入れ、かぶるぐらいの水を加えて約12~15分煮る。しっかりやわらかくなったら、ざるに上げて湯を切る。
  2. 鍋にじゃがいもを戻し、火にかけて水分を軽く飛ばしてから火を止め、バターと塩ふたつまみを加えて、木べらなどでじゃがいもをつぶす。
  3. じゃがいもがつぶれたら再び鍋を火にかけ、牛乳50mlと水100~150ml(分量外)を少しずつ加えて好みの濃度にのばす。最後に粉チーズの塩気を考慮して薄めに塩で味を調え、器によそって粉チーズをふる(粉チーズがないときは粗塩をトッピングする)。

キャロットラペのホット版「にんじんと干しぶどうのスープ」

有賀薫さんのにんじんと干しぶどうのスープ

ビストロの定番、にんじんサラダ・キャロットラペを温かくして食べる感覚のスープです。包丁よりスライサーで細切りにすると、表面がギザギザになって味が染み込みやすくなるのでおすすめ。「にんじんってこんなに甘かったんだ!」と素材の美味しさを再発見できますよ。

にんじんと干しぶどうのスープの材料

材料(2人分)

  • にんじん…1本(約200g)
  • レーズン…20g
  • なたね油…大さじ1
    ※オリーブ油やサラダオイルでも可
  • 塩…適量

 

作り方

  1. にんじんは皮をむき半分の長さに切り、スライサーで縦に細切りにする。
  2. 鍋になたね油を入れ、にんじんと塩小さじ1/2を入れてゆっくりと焦がさないように炒める。焦げ付きそうになったら水を大さじ1~2(分量外)ずつ足しながら炒める。
  3. にんじんの赤みが増しよい香りがしてきたら、水450ml(分量外)とレーズンを加えて温める。塩で味を調えたら完成。

短時間でじっくり煮込んだ味わいに仕上がる「ミックスきのこのトマトスープ」

有賀薫さんのミックスきのこのトマトスープ

うまみ野菜の代表、きのこ、トマト、たまねぎを組み合わせます。ポイントはたったの2つ。きのこのソテーを作るときに最初のうちは動かさずに焼き目をしっかりつけること。そして調味の塩は最後に入れるのではなく、それぞれの素材ごとに少しずつ加えていくことだけです。そうすることで、しっかり素材の香りが立っているのに、じっくり煮込んだようなスープに短時間で仕上がるんです。レシピに何度か出てくる「塩ひとつまみ」は、約1g。親指、人差指、中指の3本でつまみます。

ミックスきのこのトマトスープの材料

材料(2~3人分)

  • きのこ(好みのものを3~4種類)…200g
  • たまねぎ(薄切り)…1/2個分
  • トマト缶(ホール)…1缶
  • オリーブ油…大さじ3
  • 塩…適量

 

作り方

  1. きのこは乾いたキッチンペーパーなどで汚れをふいてから石づきを取り、しめじ、まいたけ、エリンギなどは手で食べやすく割く。しいたけやマッシュルームなどは包丁でスライス。
  2. 鍋にオリーブ油大さじ2を入れて熱し、きのこを広げるように入れ、動かさずにしばらく強火にかける。きのこに軽く焼き目がついたら、大きく返して塩ふたつまみと水30ml(分量外)を入れ、水分が飛ぶまで加熱する。
  3. 鍋にたまねぎ、オリーブ油大さじ1、塩ひとつまみを入れ、中火にかけて3分炒める。鍋にトマト缶のトマトをつぶしながら汁ごと加え、塩をふたつまみ足して約10分煮る。トマトが少し煮詰まったら、2のきのこと水500ml(分量外)を加え、沸騰したら弱火で約5分煮る。塩で味を調えたら完成。

プロフィール
有賀 薫(ありが かおる)

スープ作家。1964年東京生まれ。毎朝のスープ作り&撮影を約5年間続けている。2014年よりスープの実験イベント「スープ・ラボ」をスタート、スープをテーマにイベントやレシピ作成などを行う。著書に『365日のめざましスープ(SBクリエイティブ)』 。https://note.mu/kaorun

文: 有賀 薫

写真:有賀 薫

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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