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2024.11.13

銀座アスターの名物「肉団子の甘酢あんかけ」簡単レシピ。ふっくら食感が大人気♡

肉団子出来上がりイメージ

伊勢丹新宿店 本館地下1階にある<銀座アスター>のデリカショップ。こちらでは中国料理店の本格的な味を、テイクアウトで気軽に楽しむことができます。

数あるメニューのなかでも、不動の人気を誇るのが「肉団子の甘酢あんかけ」。大きめの肉団子の外はカリッ、中はふっくら、ツヤツヤの甘酢あんをたっぷりからめてあり、普段のおかずとしてはもちろん、おつまみとしてもお弁当のおかずとしても、老若男女に愛されている一品です。

しかし、いざ自分で作ってみると「肉団子の食感がパサついてしまう」「なんだか味わいが単調…」と納得できる美味しさになりません。やはりお店の味に近づけることは、難しいのでしょうか…?

そこで<銀座アスター>の調理長、林 直樹シェフにご相談したところ、「ご自宅でも簡単に作れるようにアレンジした、オリジナルのレシピをご紹介しましょう」とうれしいお返事が!

それではさっそく、気になる作り方のポイントからチェックしていきましょう。

<銀座アスター>直伝のレシピ一覧はこちら>>

ふっくらジューシーに仕上げる「肉団子の甘酢あんかけ」4つのポイント

「肉団子の甘酢あんかけは、伊勢丹新宿店 本館地下1階にあるデリカショップ<銀座アスター>で購入することができます。発売以来、改良を重ね、長く愛されてきた当店の名物と呼べる一品です。なお、伊勢丹新宿店 本館7階 レストラン<銀座アスター>では、ご提供していません。

今回ご紹介するオリジナルレシピは、冷めても美味しくお弁当にもぴったりです。ぜひポイントを押さえながら作ってみてください」

<銀座アスター>の名物中の名物「肉団子の甘酢あんかけ」の深堀り記事はこちら>>

【ポイント①】肉だねに使うのは豚ひき肉。臭みはしょうが、ごま油、黒こしょうで消す!

今回の肉団子には、豚ひき肉を使います。赤身が多く脂身が少ない(牛肉と豚肉を混ぜた)合い挽き肉だとポソポソとした食感になるので、よりやわらかい食感に仕上がる豚ひき肉が最適です。

ただし、豚肉は特有の臭みがあります。そこで香味野菜のしょうがをたっぷりと使い、香りのあるごま油、黒こしょうを加えましょう。臭みが消えるだけでなく、食べたときにフワッとよい香りが漂ってきます。

【ポイント②】肉だねに加える野菜は、粗みじん切りにする! ふっくら食感の肉団子のアクセントになる

今回のレシピで肉だねに加える野菜は、サクサクとした独特の食感が楽しめる「くわい」(下写真)です。くわいが手に入らなければ、食感が似ているれんこんで代用してもかまいません。粗みじん切りにして加えることで、フワッとした肉団子にシャキッとした食感が加わり、楽しいアクセントになります。

肉団子の材料

今回使用した「くわいの水煮」は、サクサクとした食感が特徴。中国料理では肉団子に加えるほか、炒めもの、煮もの、汁ものにも使用される。ちなみに、日本の冬に出回る生のくわいは、加熱するとホクホクとした食感になるので、肉団子には不向き

【ポイント③】肉だねに濃いめの水溶き片栗粉を加える! 肉汁が逃げずジューシーになり、表面はカリッとする

肉団子の特徴である、外側はカリッとして中はふっくらジューシーな食感に仕上げるため、肉だねに加えるのが、ドロッとした濃度の高い水溶き片栗粉です。

水溶き片栗粉を加えると、表面がカリッと香ばしく揚がります。また、肉団子を揚げたときに蒸発する水分を補えるので、肉汁や水分が逃げすぎず、中はジューシーに仕上がります。

【ポイント④】甘酢あんは、とろみをつけてから肉団子をからめる! カリッとした肉団子の食感が生きる

肉だねを油で揚げたら、あとは肉団子に甘酢あんをからめて仕上げますが、この甘酢あんのとろみをつけるタイミングにプロのポイントがあります。

一般的に、甘酢あんの調味料を煮立たせて、揚げた肉団子を加えて、最後に水溶き片栗粉を加えてとろみをつけてからめる、というイメージがあるかもしれません。ちょっとした違いですが、おすすめの作り方は、甘酢あんにとろみをつけてから、揚げた肉団子を加えてからめるのがおすすめです。こうすると肉団子が水分でふやけないので、カリッとした食感が損なわれません。

<銀座アスター>林シェフ考案「肉団子の甘酢あんかけ」のレシピ

肉団子の材料

<材料>(2人分)

  • 【肉だね】
    ・豚ひき肉…300g
    ・塩…少々
    ・しょうゆ…10~15g(小さじ2弱~小さじ2強)
    ・卵(Mサイズ)…1個
    ・黒こしょう…少々
    ・ごま油…20g(大さじ1と2/3)
    ・くわいの水煮(粗みじん切り)…20g ※れんこんで代用可。食感は異なるが、玉ねぎ、生椎茸、にんじんでもよい
    ・しょうがのみじん切り…10g(2/3かけ分)
    ・水溶き片栗粉…片栗粉20g(大さじ2強)を水大さじ1で溶く
    ・小麦粉…大さじ2/3
  • 【甘酢あん】
    ・砂糖…60g(1/2カップ)
    ・水…60g(大さじ4)
    ・酢…30g(大さじ2)
    ・しょうゆ…30g(大さじ1と2/3)
    ・トマトケチャップ…30g(大さじ1と2/3)
    ・サラダ油…大さじ2/3
    ・水溶き片栗粉…片栗粉大さじ2/3を同量の水で溶く
  • 揚げ油…適量

<作り方>

1. 【甘酢あん】の材料のサラダ油と水溶き片栗粉以外を混ぜ合わせて、甘酢を作っておく

砂糖を溶かすイメージ

砂糖が溶けたイメージ

ボウルに【甘酢あん】の材料の砂糖を入れ、水、酢を順に加えて泡立て器でそのつど混ぜる。

「上の写真のように砂糖が溶けきっていないと白濁しています。下の写真のように透明になるまでよく混ぜ合わせてください」

混ぜ終えたイメージ

しょうゆ、トマトケチャップを加え、ケチャップが溶けきるまでよく混ぜ合わせる。

「【甘酢あん】の材料にある、サラダ油と水溶き片栗粉は、このタイミングでは使いません。肉団子を揚げたあと、甘酢あんを仕上げるときに使います」

2. 肉団子を作る。ボウルに【肉だね】の材料のひき肉を入れ、残りの材料を順に加えてよく混ぜ合わせる

しょうゆを加えるイメージ

肉団子を作る。大きめのボウルに【肉だね】の材料のひき肉を入れ、塩を加えてよく混ぜ、肉がつながってきたらしょうゆを加える。

よく混ぜるイメージ

肉の粒がなくなり、糸をひくような状態になるまでよく練り混ぜる。

「まずは塩分を加え、なめらかになるまでしっかり練りましょう。ここでよく練らないと肉がつながらず、ボソボソとした食感になってしまいます」

くわいを加えるイメージ

溶いた卵、黒こしょう、ごま油を加えてさらに混ぜる。卵が混ざりきったら、くわい、しょうがを加えてさらに混ぜる。

片栗粉を加えたイメージ

くわい、しょうがが全体に混ざったら水溶き片栗粉を加え、さらによく混ぜる。

小麦粉を加えたイメージ

最後に小麦粉を加え、2、3回ざっと混ぜる。

「つなぎとして加える小麦粉を加えたら、あまり混ぜないこと。混ぜすぎると小麦粉のグルテンが発生し、食感がかたくなってしまいます」

3. 鍋に揚げ油を170℃に熱したら弱火にする。2の肉だねを手で丸めて揚げ油に入れる

タネを絞り出すイメージ

タネを丸めるイメージ

肉ダネを丸めて揚げる。鍋や深めのフライパンに肉団子がつかるくらいの揚げ油を入れて170℃に熱し、いったん弱火にする。

2の肉だねを適量手に取り、親指で輪を作り、輪の間から肉だねを絞り出す(上写真)。直径約4㎝(約10個分)に丸め、摘み取って(下写真)揚げ油に入れていく。

タネを油に入れるイメージ

「肉ダネはやわらかいので、あらかじめ丸めておくと揚げ油に入れる際に形が崩れます。形にこだわらないのであれば、そのやり方でもかまいません(その場合は弱火にする必要なし)」

4. 肉だねを入れたら火を強めて170℃で4分ほど揚げ、さらに火を強めて1分揚げたら取り出す

肉団子を奥にやるイメージ

肉だねを丸めて揚げ油に入れ終えたら火を強め、170℃で4分ほど揚げる。表面がかたまってきたら手前から奥に向かってお玉(または木ベら)を動かしながら揚げる(写真)。

「揚げ油が高温のままだと、最初に入れた肉団子と最後に入れた肉団子とで火の入り方に差がつきます。いったん火を弱め、肉団子を全部入れてから再度火を強めてください。

肉団子を手前から奥に大きく動かすと、肉団子が鍋底や肉団子同士でくっついても、バラけながら自然と手前に戻ってきます。箸などで無理に触らないようにしましょう」

揚げ途中のイメージ

4分ほど揚げてキツネ色になったら(写真)、強火にして1分ほどさらに揚げる。

揚げ上がりのイメージ

濃いキツネ色になったら取り出し、油をきる。

「最後に火を強めると、よりカリッと香ばしく揚がります。肉団子は甘酢あんと合わせるので、ここでは9割程度火が通っていれば大丈夫です」

※揚げた肉団子は甘酢あんにからめず、ケチャップや花椒塩につけていただくのもおすすめです。その場合は完全に火を通してください(火の通りが心配なら、1個割ってチェックする)

5. フライパンや中華鍋に油を熱して、1の甘酢を加え、水溶き片栗粉でとろみをつける。肉団子を加え、甘酢あんが全体にからんだら完成

鍋に油を入れるイメージ

フライパンや中華鍋に【甘酢あん】の材料のサラダ油を熱する。

「サラダ油を加えると、あんにツヤが出て冷めにくくなります。ただし、油が冷たいと甘酢と混ざりきらず油が上に浮いてしまいます。必ず先に油を熱してから、混ぜ合わせておいた甘酢を加えましょう」

調味料を加えたイメージ

混ぜ合わせておいた1の甘酢を加え、混ぜながらブクブクとするまでしっかり煮立てる(写真)。

「一度しっかり煮立てることで、トマトケチャップの酸味が飛んで甘みが引き出され、お酢の酸味もマイルドになります。ブクブクとしてきたら、油と甘酢がしっかり混ざった合図です」

肉団子を入れたイメージ

火を弱め、【甘酢あん】の材料の水溶き片栗粉を加えて、とろみをつける。4の肉団子を加え、火を強めて混ぜ合わせる。

あんが絡んだイメージ

肉団子全体に甘酢あんがからんだら、火を止めて器に盛る。

【実食】<銀座アスター>直伝、肉団子の甘酢あんかけ。味・香り・食感の三拍子揃って冷めても美味しい!

肉団子出来上がりイメージ

ドン!と器に盛られた肉団子に、ツヤツヤの甘酢をたっぷりからめていただきます。カリカリと香ばしい肉団子の中はフワッとやわらか、くわいのサクサク感も加わり、食感のコントラストが実に鮮やかです! しっかり揚げるとかたくなってしまうのでは?と思っていましたが、さすがプロの技…。

甘酢にはお酢をたっぷり使っていますが味も香りもマイルドで、しょうがとごま油の風味との相性が絶妙。これぞまさに飽きのこない味です。冷めても食感はそのままなので、お弁当にも重宝します。ご家庭の定番料理にぜひ加えてみてください!

取材協力/中国名菜 銀座アスター 伊勢丹新宿店

銀座アスターの林シェフ

林直樹シェフ

中国の調度品を飾ったシックな店内で、季節ごとに変わるコース料理や気軽なアラカルトなどのメニューが楽しめる。2022年8月より<中国名菜 銀座アスター>新宿伊勢丹店の調理長に林直樹シェフが就任。中国料理をこよなく愛し、25年間<銀座アスター>一筋で腕をふるう。

<銀座アスター>直伝のレシピ一覧はこちら>>

※今回ご紹介した「肉団子の黒酢あんかけ」は、伊勢丹新宿店 本館7階にあるレストラン<銀座アスター>では、ご提供していませんのでご注意ください。本館地下1階 にあるデリカショップ<銀座アスター>にてお取り扱いがございます。

撮影:八田政玄、矢野宗利(林直樹調理長)
文:香取里枝
※2024年11月15日(金)肉団子の調味料の分量に一部間違いがあり、修正しました

商品の取扱いについて

記事でご紹介しているレシピとは異なりますが「肉団子の甘酢あんかけ」は伊勢丹新宿店 本館地下1階 旨の膳/銀座アスターにてお取り扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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