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2022.01.19

【シェフ直伝】ブロッコリーのゆで時間とおすすめレシピ(炒め物、パスタ)。洗い方、切り方、保存…

ブロッコリーとレシピのイメージ

鮮やかな緑色がきれいで値段も手ごろ、野菜のなかではビタミンなどの栄養成分が高い(※)ことでも知られているブロッコリー。食卓にもよく登場する野菜のひとつです。

※参考文献:文部科学省「食品成分データーベース」日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

そんな身近な野菜ブロッコリーですが、「おいしいブロッコリーの選び方は?」「ゆで時間は何分がベスト?」「カリフラワーとはどう違うの?」「シンプルに食べるなら、どんな料理がおすすめ?」といった、素朴な疑問を抱いている人は多いと思います。

そこで今回、ブロッコリーの基本について野菜のプロを直撃しました! 教えてくれるのは、伊勢丹新宿店 本館地下2階にある人気のカフェレストラン<HATAKE CAFÉ(ハタケカフェ)>の横山浩平料理長。旬の野菜をふんだんに使い、シンプルな調理法で最大限においしさを引き出す料理が大人気のお店です。

記事の後半にはブロッコリーのおいしさを最大限に引き出せる、料理長おすすめのブロッコリー料理「ブロッコリーと鶏肉のオイスターソース炒め」と「ブロッコリーのくたくたパスタ」のレシピ2品も教えてもらったので、最後までお見逃しなく!

ブロッコリーの調理に使えるバットやボウルはこちら>>

Q1 おいしいブロッコリーの選び方(見分け方)とは?

ブロッコリー

A1  ブロッコリーは、緑色が濃いもの、蕾がぎゅっと詰まっているものを選んで

ブロッコリーは緑色が濃く、鮮やかなものが新鮮な証拠。色が薄かったり、黄色みを帯びたりしているものは鮮度が落ちてしまっているので、なるべく避けましょう。蕾(花蕾とも)がしっかり密になっていて、中央部分が盛り上がっているものがおいしいので、選ぶときの参考にしてください!

Q2 ブロッコリーの正しい洗い方は?

ブロッコリーを洗っているところ

A2  ブロッコリーは、ボウルにぬるま湯をはって洗うのが正解!

ブロッコリーは水をかけると弾いてしまうので、ぬるま湯で洗います。40℃前後のぬるま湯をボウルにためて、茎を手で持ち、蕾をぬるま湯につけて軽く揺らすようにゆすぎましょう。1分程度ゆすげば、小さな虫やほこりを取り除くことができます。

Q3 ブロッコリーの上手な切り方は?

ブロッコリーを切っているところ

A3  ブロッコリーは茎をなるべく長く残し、小房に切り分けて

ブロッコリーを切るときは、切りやすい外側から順に小房に切り分けます。包丁は、小さくて小回りのきくペティナイフがおすすめです。なるべく茎を長く残し、大きさをそろえるように切り分けましょう。包丁は必ず、茎だけに入れること。房部分に包丁を入れてしまうと、蕾がポロポロと崩れてしまいます。

ブロッコリーを切っているところ

中央部分の房は大きいので、2〜3つに分けて他の房と大きさをそろえます。そのとき、茎に包丁を入れて残りは手で割くようにするとバラバラになりません。

Q4 ブロッコリーの茎は食べられる? おすすめの調理方法は?

ブロッコリーの茎

A4  ブロッコリーの茎は甘くてホクホクした食感がおいしい。房と一緒に調理して食べよう!

捨ててしまいがちなブロッコリーの茎ですが、栄養価が高い部分です。ゆでると甘く、ホクホクとした食感、炒めるとシャキシャキとした食感が楽しめるので、ぜひ活用を!

使い方は簡単! 乾燥している底の部分を切り落とし、茎の外側のかたい皮を切り落とすようにして厚めにむきます。あとは輪切り、角切り、短冊切りなど好みの形にカットし、房と一緒に調理しましょう。火が通りにくいので房よりもひとまわり小さいサイズに切るとよいでしょう。

Q5 ブロッコリーの上手なゆで方は? ゆで時間は何分がベスト?

ブロッコリーをゆでているところ

A5  ブロッコリーは、塩味のしっかりついたお湯で3〜4分ゆでるのがベスト!

鍋にたっぷりの湯を沸かし、湯量に対して1.5%の塩(お湯1ℓの場合、塩15g・大さじ1が目安)を加えます。塩が多いように感じるかもしれませんが、塩分が入ることでブロッコリーの甘みが引き出されます。

今までゆでるときに「塩は少ししか入れていなかった」という人が多いと思いますが、思い切って入れてみてください。逆に塩を入れずにゆでると、ブロッコリーが青臭くなってしまうので要注意。

ゆで時間は房の大きさにも左右されますが、3〜4分が目安。小房の茎の部分は房よりも火が通りにくいので、時間になったら小房をひとつ取り出してみて、茎の部分をつまんで確認するといいでしょう。

ちなみに電子レンジで加熱する方法もありますが、塩入りのお湯でゆでたほうが、ブロッコリーの中心まで塩味が入り、甘さを引き出すことができるのでおいしく仕上がります。

【ゆで方のポイント】ゆで上がったブロッコリーは氷水で冷やして、余熱を断ちきって!

ゆでたブロッコリーを氷水で冷やしているところ

ゆで上がったブロッコリーはすぐに氷水に取り、一気に冷まします。そのままザルにあげて自然に冷ます方法もありますが、そうすると余熱で火が入ってしまうので、いったん氷水につけるのがベスト。余分な塩分も取り除くことができます。

ブロッコリーが冷めたらザルにあげ、しっかり水気をきりましょう。ペーパータオルで水分を拭き取ってもOKです。

Q6 ブロッコリーを使った「下ゆで不要」の調理法(レシピ)を教えて!

A6 下ゆでは不要! ブロッコリーの甘みを生かす「蒸し炒め」と「やわらかくゆでる」調理法を使ったレシピがおすすめ

ブロッコリーの甘みと香りを最大限に生かす、シンプルなレシピを2つご紹介します。

1つは、蒸し煮にしてから炒める「ブロッコリーと鶏肉のオイスターソース炒め」。もう1つは、やわらかくゆでてからつぶしソースに仕立てた「ブロッコリーのくたくたパスタ」です。

【おすすめレシピ①】ブロッコリーと鶏肉のオイスターソース炒め

ブロッコリーと鶏肉のオイスターソース炒めのイメージ

ブロッコリーと相性の良い鶏ささ身をオイスターソースで味つけした炒め物です。最初に少量の水で蒸し煮にすることで、ブロッコリーの甘みが引き立ち、ささ身もやわらかく仕上がります。トッピングの柿の種のクリスピーな食感がいいアクセントになっています!

<材料>(2人分)

  • ブロッコリー…1個
  • 鶏ささ身…150g
  • 塩、こしょう…各少々
  • ごま油…小さじ2
  • 生姜(しょうが)のすりおろし…小さじ1
  • にんにくのすりおろし…少々
  • 長ねぎのみじん切り…大さじ1
  • 【合わせ調味料】
    ・オイスターソース…大さじ1
    ・酒…大さじ1/2
    ・しょうゆ…小さじ1と1/2
    ・顆粒鶏がらスープの素…小さじ1
  • 赤唐辛子(種を除いて輪切り)…少々
  • 柿の種(ピーナッツ入り、粗く砕いたもの)…大さじ1

<作り方>

  1.  ブロッコリーは小房に分ける。茎はかたい皮をむいてひと口大に切る。ささ身は白い筋を除いて縦半分に切ってから斜め3等分に切り、塩、こしょうをふる。合わせ調味料の材料は混ぜておく。
  2.  直径26cmほどのフライパンに水200ml(分量外)を入れて沸騰させる。ブロッコリーをできるだけ重ならないように並べ入れ、ささ身を広げるようにしてのせる(熱いので、いったん火を止めて作業してもよい)。ふたをして中火で約3分蒸し煮にしたら、ザルにあげて水気をきる。
  3.  2のフライパンの水気を拭いてからごま油、生姜、にんにくを入れ、中火で炒める。香りが出てきたら長ねぎを加え、さっと炒めたら2のブロッコリー、ささ身を加えて炒め合わせる。
  4.  合わせ調味料、赤唐辛子を加え、さっと炒める。器に盛り、柿の種をちらす。

【おすすめレシピ②】ブロッコリーのくたくたパスタ

ブロッコリーのくたくたパスタのイメージ

ブロッコリーをくたくたになるまでゆでてからソースにした、イタリア・プーリア地方の伝統的なパスタです。ブロッコリーは食感を残すのではなく、やわらかくゆでて細かくペースト状にするのがポイント。シンプルなパスタなので、ブロッコリーの香りや甘みを余すことなく堪能できます。

<材料>(2人分)

  • パスタ…200g
  • ブロッコリー…1個
  • アンチョビ(フィレ)…2枚
  • にんにく(包丁で叩く)…1片
  • 赤唐辛子(種を除く)…1本
  • 粉チーズ、オリーブオイル…各適量
  • 塩、こしょう…各少々

<作り方>

  1.  ブロッコリーは小房に分ける。茎はかたい皮をむいて5mm角に切る。
  2.  鍋にたっぷりの湯を沸かし、湯に対して1%の塩(お湯1ℓの場合、塩10gが目安・分量外)を入れ、パスタを袋の表示より1分ほど短い時間を目安にゆでる。途中パスタのゆで上がりから逆算して6分前になったら1のブロッコリーを加え、一緒にゆでる。
  3.  フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れ、中火で炒める。香りが出てきたら赤唐辛子を加えてさっと炒め、アンチョビを加えてよくほぐし、パスタのゆで汁適量を加える。
  4.  先に2のやわらかくゆでたブロッコリーの水気をきって3に加え、ブロッコリーを木べらなどで細かくつぶす。次にゆでたパスタを加えて全体をあえ、塩、こしょうで味をととのえる。器に盛り、粉チーズをふる。

Q7 ブロッコリーの正しい保存方法は?

ブロッコリーのイメージ

A7  ブロッコリーは「生のまま」か「ゆでてから」の違いで、保存方法を変えるべし

ブロッコリーの保存方法は、以下の2つのパターンがあります。

① 生のまま丸ごと保存する方法(1週間ほど保存可)
② 小房に分けてゆでてから保存する方法(2日ほど保存可)

【ブロッコリーの保存方法①】生のまま丸ごと保存。乾燥を防いで立てる!

生のブロッコリーを保存する場合は、乾燥を防ぐことが大事。新聞紙(ない場合はペーパータオルで代用可)を水で軽く濡らし、ブロッコリーを丸ごと包みます。ポリ袋に入れ、口を閉じ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存しましょう。1週間ほど保存可能。

生のままの丸ごとブロッコリーの保存方法

【ブロッコリーの保存方法②】小房に分けてゆでてから保存。ペーパータオルを1枚敷く!

小房に分けてゆでたブロッコリーを冷蔵保存しておくと、食べたいときにすぐにそのまま食べられるので便利です。保存容器に余分な水分を除くためにペーパータオルを敷き、ゆでたブロッコリーを入れ、ふたをして冷蔵庫に入れます。2日ほど保存可能。

小房にしてゆでたブロッコリーの保存方法

なお、ブロッコリーをどうしてもすぐに食べきれない場合は、冷凍保存することも可能。冷蔵保存同様、小房に分けてゆでたブロッコリーを冷凍用保存容器に入れ、ふたをして冷凍庫に入れます。1ヶ月ほど保存可能ですが、解凍後は食感が損なわれるため、あまりおすすめではありません。

Q8 ブロッコリーとカリフラワーとの違いは? どう使い分けるのが正解?

ブロッコリーとカリフラワー

A8  ブロッコリーとカリフラワーは「生食できるかどうか」が大きな違い! カリフラワーは生食OK

  野菜の属性 味わい 調理法/使い方のヒント
ブロッコリー アブラナ科 甘み、香り、うまみがある、青々しい 加熱が必要。鮮やかな緑色を生かす。メイン料理の添え物などに。
カリフラワー アブラナ科 淡白、生はコリコリとした食感 加熱するか、生食でもよい。味が淡白なので、味の濃い食材と組み合わせる。

ブロッコリーとよく似た野菜に、カリフラワーがあげられます。どちらもアブラナ科の野菜で、キャベツの仲間。花蕾(からい=つぼみ)を食べるという共通点があります。

一方で、食べ方には大きな違いが! ブロッコリーは加熱調理が基本ですが、カリフラワーは生食することも可能。薄くスライスしてサラダに使ったり、小房に分けてピクルスにしたりすると、とってもおいしいんです!

使い分けるときは、彩りと味の個性を生かすのがコツ。ブロッコリーは鮮やかな緑色が特徴なので、肉料理の添え物など食卓に華を添えたいときにぴったり! カリフラーはブロッコリーと比べて味が淡白なので、味の濃い食材と組み合わせるとバランスよく仕上がります。

いかがでしたか? ブロッコリーは普段、何気なく使っている食材ですが、塩をしっかり入れてゆでると甘みが引き出せるなど、プロの話を聞くと知らないこともたくさんありましたね! ぜひ、ブロッコリー料理を作るときは、今回の解説を参考にしてみてください。

<HATAKE CAFÉ>の横山浩平料理長

<HATAKE CAFÉ>の横山浩平料理長

取材協力/HATAKE CAFÉ

伊勢丹新宿店 本館地下2階の「健康と美」をテーマにしたフロア「ビューティアポセカリー」の一角に展開するカフェレストラン。旬の野菜をたっぷり使ったヘルシーな料理を、木のぬくもりを感じられるゆとりの空間で味わえます。

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写真:難波雄史、松本いく子(Q7の3枚目)
文:ケイ・ライターズクラブ

店舗のご案内について

記事でご紹介している<HATAKE CAFÉ>は、伊勢丹新宿店 本館地下2階にございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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