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2020.02.18

<銀座アスター>が教える中華丼のレシピ。八宝菜もおいしく作れる解説付き!

中華丼のイメージ

ひと品で野菜も肉もたっぷり食べられる中華丼。家庭でも人気のメニューですが、中華料理店で食べると味の違いは歴然。どんなところに気をつければ、おいしく作れるのでしょうか? プロのコツを伝授していただきました。教えてくれるのは、<銀座アスター>伊勢丹新宿店料理長、安蒜(あんびる)義政シェフです。中華丼がおいしく作れれば、水分調整で八宝菜も上手に作れるようになるそうで、記事の最後に解説してもらいます!

<銀座アスター>直伝のレシピ一覧はこちら>>

中華丼や八宝菜作りにピッタリな中華鍋はこちら>>

<銀座アスター>流、中華丼の極意とは?

中華丼のイメージ

「<銀座アスター>の中華丼は、うずらの卵の代わりに目玉焼きを添えるのが特徴。昔から当店に伝わるオリジナルレシピで、具材に半熟の黄身が絡み、まろやかな味わいが楽しめます。また、白菜などの葉物野菜は、水っぽくなるのを避けるためあまり使用しません。色鮮やかで具だくさんの中華丼は、常連のお客さまに大変人気のメニューです」

そんな<銀座アスター>流の中華丼のコツとは?

【その1】片栗粉の“ダブル使い”で素材の旨みを引き出す!

片栗粉は、仕上げのとろみづけだけでなく、動物性たんぱく質の食材の旨みを閉じ込め、調味料と絡みやすくする役割も担います。そのため<銀座アスター>の中華丼では、食材の下ごしらえと仕上げに、片栗粉を“ダブル使い”します。

【その2】味付けはしょうゆと砂糖のみ!

一般的に中華丼によく用いるオイスターソースやごま油は、<銀座アスター>では使用しません。いずれも料理をおいしくする代表的な食材ですが、存在感が強く、どの料理も画一的な味わいになってしまうからです。味付けはシンプルにしょうゆを使い、隠し味に砂糖をほんの少し加えることで、素材の味が引き立ち、滋味深い味わいの中華丼に仕上がります。

【その3】野菜はあらかじめ火を入れておき、最後に合わせる!

食材はあらかじめ湯通し、または油通しで8割ほど火を入れます。具材を炒める際は、加熱するのではなく「合わせる」イメージ。そうすることで野菜にほどよく水分が残り、シャキッとした食感が楽しめます。

それでは実際に中華丼の作り方を見ていきましょう。

【保存版】銘店の味を再現! 中華丼の作り方

中華丼の材料

<材料>(1人分)

  • 豚ロース薄切り肉…30g
  • むきえび(背ワタは除く)…2〜3尾
  • 【下味用調味料】
    ・塩、こしょう、紹興酒(または酒)、溶き卵(全卵でも卵白だけでも可)、片栗粉…各少々
  • にんじん(半月切り)…3〜4切れ
  • 小松菜(ざく切り)…1株
  • 玉ねぎ(薄切り)…1/8個
  • 長ねぎ(1.5cm幅の斜め切り)…10cm
  • セロリ(1.5cm幅の斜め切り)…10cm
  • たけのこの水煮(薄切り)…5〜6枚
  • しめじ(石づきを除き、1本ずつにほぐす)…1/8パック
  • 干ししいたけ(水で戻し、斜めにそぎ切りにする)…1枚
  • にんにく、しょうが(みじん切り)…各少々
  • しょうゆ、紹興酒(または酒)…各小さじ1
  • 砂糖…少々
  • 鶏がらスープ…100ml ※家庭では、顆粒鶏がらスープの素をメーカーの指定通りに湯で溶いたものでも可
  • 水溶き片栗粉(片栗粉小さじ1を水小さじ2で溶いたもの)…大さじ1
  • サラダ油、揚げ油…各適量
  • 【仕上げ】
    ・卵(目玉焼きにする)…1個
    ・温かいごはん…丼1杯分(約250g)

「具材に特に決まりはないので、好みのものを使用してください。<銀座アスター>でも、季節に合わせてそのとき手に入る新鮮な食材を使用します。基本となるのは豚肉とえび、たけのこ、玉ねぎ。

特に玉ねぎは、入れることで甘みが出るので、あるといいでしょう。炒める際は中華鍋がベストですが、ご家庭でフライパンを使う場合は、1〜2人分の少量ずつ作ると、火力が弱くならず、短時間で仕上がります」

<作り方>

1. 野菜ときのこを切る

長ねぎを切っている様子

はじめに、材料表に書いてある切り方で野菜ときのこを切っておきます。

「野菜は種類や数は問いませんが、彩りを考えて選ぶのがおすすめ。基本となる玉ねぎに、赤い色はにんじんのほかパプリカなど、青味は小松菜のほかアスパラガスや万能ねぎなどをプラスし、そこにきのこを加えるとバランスがよくなります」

2. 豚肉、えびに下味をつけ、片栗粉をまぶす

豚肉に片栗粉をまぶしている様子

豚肉、えびはそれぞれ下味用の塩、こしょう、紹興酒をふり、溶き卵、片栗粉をまぶします。

「溶き卵、片栗粉でコーティングする前に、しっかりと下味をつけます」

3. にんじん、小松菜を湯通しする

野菜を湯通ししている様子

中華鍋(または鍋)に熱湯を沸かし、にんじん、小松菜をさっとゆでます。ザルにあげ、水けをきります。

「油で揚げると焦げたり色が変わったりする野菜は、湯通しで火を入れます」

4. 残りの野菜を油通しする

野菜を油通ししている様子

湯を捨てて水けを拭いた3の中華鍋(または別の鍋やフライパン)に揚げ油を熱し(約120〜130℃)、残りの野菜(玉ねぎ、長ねぎ、セロリ、たけのこ、しめじ、しいたけ)を入れてさっと揚げます。網にあげ、油をきります。

「野菜の旨みと水分を油通しで閉じ込めます。揚げるのが手間な場合は、多めの油で軽く炒めてから取り出しておくとよいでしょう」

5. えび、豚肉を油通しする

豚肉、えびを油通ししている様子

4の鍋に豚肉、えびを入れて揚げます。火が通ったら網にあげ、油をきります。

6. サラダ油を入れ、にんにく、しょうがを炒める

にんにく、しょうがを炒めている様子

5の中華鍋(またはフライパン)の油をきり、サラダ油、にんにく、しょうがを入れ、弱火で炒めます。

「にんにく、しょうがは焦げやすいので、鍋を熱しすぎないよう気をつけてください」

7. しょうゆ、紹興酒を加える

しょうゆ、紹興酒を入れている様子

香りが立ったら、鍋肌からしょうゆ、紹興酒を加え、中火でひと煮立ちさせます。

「しょうゆは鍋肌から加えて焦がすことで香ばしい風味を引き出します」

8.  砂糖を加える

砂糖を加えている様子

すぐに砂糖を加え、混ぜます。

「店では旨みたっぷりのスープを使っているので入れませんが、ご家庭の場合、隠し味で砂糖をほんの少量加えると甘みが増し、奥深い味わいになります」

9. 3、4、5の具材、鶏がらスープを加える

具材を煮ている様子

34の野菜と5のえび、豚肉を加えてさっと炒めたら、鶏がらスープを加え、強火で煮ます。

「ここからは強火で一気に仕上げます。具材には火がほぼ通っているので、あとは合わせるだけ。加熱しすぎると、せっかく水分を閉じ込めた具材もしんなりしてしまうので、手早く作業しましょう」

10. 水溶き片栗粉を加えて混ぜる

水溶き片栗粉を加えている様子

片栗粉を加えて、手早く全体を混ぜます。とろみがついたらすぐに火を止めます。

11. ごはんにかけて、目玉焼きを添える

ごはんにあんをかけている様子

器にごはんを盛り、10をかけ、目玉焼きをのせます。

黄身がとろ〜り! <銀座アスター>の絶品中華丼が完成!

中華丼のイメージ

見てください。この食欲をそそるビジュアル! 照り照りの具材と目玉焼きがなんともおいしそうです。ひと口食べると、野菜のみずみずしくシャキッとした食感にびっくり!

具材がごろごろ入っていて食べ応え十分ですが、しょうゆのやさしく香ばしい風味が全体を包み込んでいるので、決してくどくはありません。卵の味わいと絡み合い、もう止まらないおいしさです。

水分を調整すれば【八宝菜】も作れる!

八宝菜のイメージ

中華丼と同じ手順で、八宝菜を作ることも可能です。にんにく、しょうがを炒めるタイミングで豆板醤少々を加え、少しピリ辛に。鶏がらスープの量を50mlに減らし、仕上げに香り油(あれば鶏油など)を加えてコクを出せば八宝菜の出来上がり。

具材は中華丼同様、好みのものでOKです(※写真はえび、ほたて、いか、かにの身、長ねぎ、アスパラガス、パプリカ、韓国かぼちゃ、エリンギ、舞茸、しめじを使用)。

「中国ではもともと『五目うま煮』や『えびのうま煮』といった料理が進化して『八宝菜』になりました。『八宝菜』が日本に入ってきて、ごはんにのせるようになったのが『中華丼』誕生のきっかけ。具材や味付けに特に決まりはなく、店やご家庭ごとに異なります。旬の食材を使って、その季節に応じておいしく調理し、料理を仕上げましょう」

自由度が高く、いろいろな食材を一度に楽しめる<銀座アスター>流の中華丼と八宝菜。ぜひ、試してみてください。

取材協力/中国名菜 銀座アスター 伊勢丹新宿店

<銀座アスター>の安蒜義政シェフ

銀座アスターの安蒜(あんびる)義政シェフ

中国の調度品を飾ったシックな店内で、季節ごとに変わるコース料理や気軽なアラカルトなどのメニューが楽しめる。

2017年4月よりシェフに就任した安蒜義政さんは、豊富なアイディアの持ち主。お客さまからのリクエストにも、柔軟に応えてくれる。

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写真:菅井淳子
文:ケイ・ライターズクラブ

店舗のご案内について

記事でご紹介している<中国料理 銀座アスター>は、伊勢丹新宿店本館7階にございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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