2016.06.07
【基本の塩分18%】手作り梅干しのレシピ(作り方)。初めてでも失敗しにくい!
梅と塩だけで作られたシンプルな梅干しが食べたい! と思っている編集部Sです。
でも、なかなか売っていないんですよね(売っていてもすごく高価)。それならば、手作りするしかありません。料理のプロであるフードコーディネーターのタカハシユキさんに、初めての私でも失敗しにくく簡単でわかりやすい、王道の漬け方を教えてもらいました。
いつか作りたいと思っていた方、ご一緒しませんか?
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塩分18%、きほんの梅干しの作り方・レシピ
手作り梅干しの工程は、大まかに以下の通り。時期を選ぶことも大切です。
<梅干し作りの流れ>
梅の塩漬けを作る:6月中旬〜下旬頃
↓(約1週間以上)
赤紫蘇を加える:6月下旬まで〜7月上旬頃
↓(約2週間以上)
3日間の天日干し:7月中旬〜下旬頃の晴天が続く日
↓(約3日以上)
完成!
レシピは簡単に覚えやすい梅5kg分で紹介していますが、梅に対する塩の比率=18%を守れば量は増減してOK。ただ、塩分を減らすとカビが生えやすくなるので、まずはこちらのレシピで挑戦するのがおすすめです。
<材料>(梅5kg分)
【梅の塩漬け】
・完熟梅 5kg
・粗塩 900g(梅の18%)
・焼酎 35度のもの 1/2カップ程度
【赤紫蘇の下処理】
・赤紫蘇 1kg(梅の20%)
・粗塩 200g(赤ジソの20%)
・白梅酢 赤ジソにひたひた程度の量
【準備が必要な道具】
・梅を漬ける容器(中蓋・外蓋つき、酸に強い材質のもの)、重石(5kg)、大きめで平たい盆ざる
<作り方>
【梅の塩漬けを作る】
① 完熟梅を選ぶと失敗しにくい
梅には青くて硬いもの(写真左)、そこから熟して黄色くピンクがかった完熟梅(写真右)がある。アク抜きがいらず、その後の処理もラクな完熟梅を選ぶとよい。
② 傷んだものを除き、きれいに洗い、ヘタを取る
傷んだ実は傷の部分からカビが生えるので取り除き、やさしく水洗い。ふきんでやさしく、傷をつけないように水気をふき、1個ずつ竹串でヘタを取る。
③ 梅に焼酎をまぶす
大きめのボウルに梅を入れ、スプレー容器に入れた焼酎を吹きかける。ボウルに焼酎を入れておき、梅を何回かに分けて入れ、まぶしてもOK。
④ 塩、梅を交互に漬ける
清潔な容器に塩をひとつかみふり、梅を敷き詰めるように並べる。同様に塩、梅を繰り返す。最後に塩をし、中蓋をして梅と同重量の重石をする。外蓋をして新聞紙などで包み、日付を書く。
⑤ 白梅酢を取り出す
1週間ほど経つと白梅酢があがってくるので、梅がギリギリかぶるくらいの量を残し、取り出す(捨てずに取っておき、工程⑦で使用する)。
【赤紫蘇を加える】
⑥ 赤紫蘇の葉を摘んで塩もみし、アクを抜く
紫蘇の葉を摘み、たっぷりの水で2~3回洗ってよく水気を切る。大きめのボウルに入れて、塩の半量を加え、よく押しもみする。強く絞って汁は捨てる。同じ作業を再度繰り返し、しっかりと汁を絞る。
※ここでしっかりアク抜きしないと、梅干しが黒っぽい仕上がりになる。
⑦ 白梅酢と紫蘇を合わせ、梅の塩漬けに加える
紫蘇をボウルに入れ、工程⑤で取り出した白梅酢をシソがひたる程度に加え、紫蘇をもみほぐす。紫蘇が赤く発色したら、梅の塩漬けに紫蘇をのせ、梅酢もすべて入れる。中蓋をのせ、梅と同重量の重石をのせる。2週間くらいたつと水分が上がってくる。汁が中蓋より2cm以上あがってきたら、軽めの重石にして梅雨明けを待つ。
【3日間の天日干し】
*1日目
① 赤紫蘇、梅、容器を昼間だけ干す
赤紫蘇を取り出して汁気を切り、大きい盆ざるに1枚ずつ広げる。梅も取り出し、梅どうしがくっつかないよう間隔をあけて並べる。容器も汁ごと日に当てる。梅は全体に日が当たるよう途中で裏返し、ザルの位置も適宜調整する。日が出ているうちに容器に紫蘇と梅を戻し入れ、室内に取り込む。
*2日目・3日目
② 1日目と同様に干し、夜も干しっぱなしにする
2日目も1日目と同様に干す。ただし、日が暮れても室内には取り込まず、夜つゆに当てる。そのまま3日目も2日目と同様に干す。
※雨が降ったら室内に取り込む。梅をつかんだときに皮が柔かく、表面のシワがつまめるようになったら完了。
③ すぐに食べられる!
清潔な保存瓶に梅を入れ、冷暗所で保管する(すぐに食べられるが、半年以上おくと味がなじむ。3年するとさらに美味しくなる)。カラカラに干した赤紫蘇、梅酢はそれぞれ別の容器で保存する。干した赤紫蘇は細かく粉末状にすれば自家製のゆかりに。白梅酢、赤梅酢は料理などに使う。
失敗を防ぐために、知っておきたいポイント
① 梅の選び方・買い方
梅干し用の完熟梅を買うときは、よく行くお店に「完熟梅を◯日頃までに欲しい」「完熟梅が入ったら教えて欲しい」とお願いするとよい。ピンクがかった黄色、ふわっと豊かに香るのが完熟梅の特徴。青梅を買った場合は、黄色くなるまでおいた後、アク抜きをする。青梅は完熟梅と重石の加減も変わってくるため注意が必要。
【青梅のアク抜き】
たっぷりの水に浸し、5~6時間おいておく(青梅を黄色くなるまでおかず、そのまま使用する場合は、10〜12時間程度おく)。梅の状態(傷や個体差、熟し具合)で浸し時間は前後するため、時々様子を見ながらアク抜き時間は調節する。
【青梅の重石】
完熟梅より重め、梅の重さの1.5から2倍の重さにする。
② 紫蘇を買うタイミング
赤紫蘇が店頭に並ぶのは一瞬のこと。梅を塩漬けにしてからちょうど1週間後に入手できないことも。紫蘇は見つけたタイミングで購入して塩もみし、梅の塩漬けができあがるまで冷蔵庫で保管するという手もある。
③ 梅酢・漬けた赤紫蘇はどうする?
取り出した梅酢は、赤紫蘇ジュース(はちみつ、砂糖、レモン汁などを入れて炭酸水で割る)にする、ドレッシングに使う、新生姜を漬ける(砂糖を足して)、など、いろいろな用途がある。
カラカラに干した赤紫蘇はすり鉢やフードプロセッサーにかければ、自家製のゆかりに。
④紫蘇なしでも漬けられる梅干し(関東干し)
関東干しは、赤紫蘇を加えないで仕上げる梅干しのこと。梅本来の香りが立つ、シンプルな美味しさ。梅を塩漬けにして、干す。の2ステップで完成(白梅酢を取らず、紫蘇も加えない)。干し方はレシピの通り。
⑤ カビの原因は? カビが生えたらどうする?
カビの原因としては、容器が清潔でないこと、塩分が低いこと、梅が傷んでいることなどが挙げられる。もしカビが生えてしまった場合でも、処理をすれば大丈夫。ただ、生えたタイミングや生え方によって、方法が変わってくる。
【塩漬け時】
白い膜のようなカビは、カビがついてる梅、白梅酢を取り出して煮沸する。梅を完全に乾かしたのち、梅と梅酢を容器に戻せばOK。梅だけにカビが生えた場合は(液体にカビがついていない)、そっと取り除く。
【赤紫蘇を加えた後】
赤紫蘇に生えたカビは、その部分だけそっと取り除けばOK。
【干した後】
保存瓶に移してから生えたカビは、カビが生えた実を取り除いて、消毒しなおした瓶に入れ直し、早めに食べきる。
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商品の取扱いについて
記事で紹介している完熟梅は6月中旬ごろまで、赤ジソは6月下旬ごろまでの期間中、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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