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2026.01.03

甘くて香ばしく弾力あり! 関東風の厚焼き玉子(卵焼き)レシピ。弁当にも◎

厚焼き玉子の出来上がりイメージ

以前、WEB FOODIEの記事でご紹介した、関西の玉子焼きは、だしを効かせた甘くないタイプ。一方、関東で玉子焼き(卵焼き)といえば、甘みをしっかり効かせたタイプが主流です。

こんがりと焼き色がついた関東風の「厚焼き玉子」は、いわゆる江戸前のお寿司屋さんなどではおなじみで、必ず頼むという人も少なくないですよね。でも自分で作るとなると、味つけや焼き方に高い技術が必要なのでは…と尻込みしてしまいます。

そこで今回は、50年以上続く和食教室「野口日出子料理教室」を引き継ぎ、和食の基礎を教えている野口敬子さんに、基本の関東風の厚焼き玉子(玉子焼き、卵焼き)の作り方を教えてもらいました。

「厚焼き玉子は強火で一気に焼き上げるのがコツです。しっかり甘みをつけるので、外は焼き目が香ばしく、中はふんわり仕上がります。最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れたら簡単。冷めても美味しいので、お弁当やおやつにもおすすめですし、自信がついたらぜひ手土産にしてみてください」

ちなみに、大寒のころに出回る卵は、鶏が冬前に栄養を蓄えて冬を過ごしたあとに生むため、ほかの時期よりも栄養が高いとされていて、お教室ではおもに1月に厚焼き玉子を教えているそうです。

では、レシピのポイントをチェックする前に、関東風と関西風の玉子焼きの違いを押さえておきましょう。

野口敬子さんのレシピ一覧>>

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関東風「厚焼き玉子」と関西風「だし巻き玉子」の違いとは?

出汁の文化が異なる関東と関西。すき焼きや肉じゃがなど地域によって作り方が異なる食べ物は数あれど、その最たるものが玉子焼き(卵焼き)といえるでしょう。そんな2つの味つけ、食感の違いを比較してみました。

【厚焼き玉子(関東風)】江戸っ子好みの甘辛味で、しっかり食感

「厚焼き玉子」と呼ばれる関東風の玉子焼き(卵焼き)は、砂糖やしょうゆを入れた出汁(甘露出汁、かんろだし)で、濃いめに味つけするのが特徴。これは甘辛い味を好んだ江戸っ子の文化によるもの。折りたたむように焼くため、しっかりと弾力のある食感に仕上がります。

なお、分厚く焼いた関西風のだし巻き玉子のことを「厚焼き玉子」と呼ぶ場合もあります。

【だし巻き玉子(関西風)】出汁を効かせた京風で、やわらかな食感

関西風の玉子焼き(卵焼き)は、かつおの削り節と昆布で濃いめに引いた(とった)だしを、卵にたっぷり加えた「だし巻き玉子」。塩味を立たせて甘みを控えた、京風の味わいです。焼き色がつかないよう、くるくると数回に分けて巻くため、ふんわりとしたやわらかな食感が特徴です。

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甘みがジュワッと染み出る! 関東風「厚焼き玉子(卵焼き)」3つのポイント

切り分けた玉子焼きのイメージ

【ポイント①】卵は室温にもどし、混ぜすぎない。弾力のある仕上がりに

卵が冷蔵庫で冷えている場合は、室温にもどしてから使いましょう。

溶きほぐすのは厚焼き玉子を作る直前に行います。溶きほぐした卵は、時間が経つにつれて、卵のコシがなくなっていくからです。

溶きほぐすときには混ぜすぎないことが大切。卵の白身と黄身が大まかに混ざる程度に溶きほぐしたら、甘露出汁と合わせ、ざっと混ぜ合わせます。こうすると卵のコシが残り、弾力のある仕上がりになります。

【ポイント②】卵を焼くときは常に強火で。よく膨らみ、ふんわりとした食感になる

関東風の厚焼き玉子を焼くときは常に強火が鉄則。膨らみのよい厚焼き玉子に仕上がるからです。卵焼き器を持つ手を離さず、火が入り過ぎそうなら卵焼き器を持ち上げ、火から遠ざけて温度調節をしてください。

卵焼き器に卵液を注ぐときは、お玉を使うのが一般的ですが、それだと片手にボウル、もう片手にお玉を持つことになり、卵焼き器から手が離れてしまいます。卵液はボウルから卵焼き器に直接流し入れるようにしましょう。

【ポイント③】卵に焼き目をつけるのは仕上げのみ。中はふんわりのまま、外は香ばしい食感になる

関東の厚焼き玉子を焼くときは、仕上げまでは焼き目をつけないようにします。半熟の状態で折りたたみ、仕上げの段階になってから、全体にこんがりと焼き目をつけていきます。

こうすると、中はふんわり、外は香ばしい食感になります。

なるほど、関西風のだし巻き玉子の場合は、一般的に卵液をこし器でこすなどして、きめを細かくする工程がありますが、関東風の厚焼き玉子の場合は、卵液を混ぜすぎないのがコツとは知りませんでした!

それではポイントが分かったところで、いよいよ関東風「厚焼き玉子」の作り方をご紹介します。

強火で香ばしく焼き上げる! 関東風の「厚焼き玉子(卵焼き)」の作り方

「厚焼き玉子は大きく作ると、ふんわりとした食感が十分に楽しめます。焼くときは、卵焼き器を温め、油をなじませ、卵液を流し入れ、折りたたむ。この作業のくり返し。とにかく回数をこなし、慣れるのが上達の近道です。強火を怖がらず、何度も作ってみてください」

厚焼き玉子の材料

<材料>(内寸18㎝×13.5㎝ 卵焼き器1本分、3~4人分)

  • 卵…5個 ※室温に戻しておく
  • 【甘露出汁】(※)
    出汁(昆布とかつおの出汁)…70ml
    ・砂糖…大さじ4
    ・酒…大さじ2
    ・しょうゆ…小さじ1/2
    ・塩…小さじ1/3
  • 油(米油)…1/3~1/4カップ
  • 大根おろし…適量
  • しょうゆ…適量

※卵焼き器について
熱伝導率のよい銅製を使うと、卵の膨らみがよくなるのでおすすめです。フッ素樹脂加工の卵焼き器は、強火での使用は禁止としている商品が多いのでおすすめしません。

※甘露出汁(かんろだし)とは
出汁に砂糖やしょうゆを合わせたもの。ひと煮立ちさせることで砂糖がきれいに溶け、卵液とよくなじみます。冷ましてから使います。

【厚焼き玉子を焼くお助けアイテム】ガーゼを使った「油引き」の作り方

関東風の厚焼き玉子を焼くときは、「油引き」を使って卵焼き器に油を何度もなじませます。キッチンペーパーを折りたたんだものを油引きにしても構いませんが、ガーゼを三つ折りにした「油引き」を自作するのがおすすめ。

ガーゼはキッチンペーパーよりも油を含み続けやすく、素材がやわらかいので、卵焼き器の隅にもしっかり油をなじませることができます。以下に作り方をご紹介するので、時間があるときにまとめていくつか作ってみてください。ガーゼは薬局などで購入できます。

<作り方>

1.約15㎝×30㎝のガーゼを1枚用意する。縦長になるよう、短辺を三つ折りにする。

ガーゼを使った「油引き」の作り方

2.縦長に置き、手前の角を三角に折り、三角を保ちながら奥に向かって折りたたむ(写真)。

ガーゼの角を三角に折るイメージ

3.端を袋状になった部分に入れ込む。

ガーゼの端を折り込むイメージ

<作り方>

1. 甘露出汁を作る。鍋に【甘露出汁】の材料を入れ、ひと煮立ちしたら火から下ろし、冷ましておく

砂糖を加えるイメージ

鍋に出汁を入れ、残りの【甘露出汁】の材料を加えて中火にかける。砂糖が溶けるまでよく混ぜ、ひと煮立ちしたら火から下ろし、そのまま人肌程度に冷ます。

「早く冷ましたければ、鍋からボウルに移してください。もし冷蔵庫に入れて冷たくなっている場合は、常温にもどしてから使いましょう」

2. 卵焼き器に油を注ぎ、ごく弱火にかけてじっくり油慣らしする

油を注ぐイメージ

分量の油は耐熱容器に入れる(あとで熱した油を戻し入れるので)。卵焼き器一面が浸るくらいの油を注いでごく弱火にかける。4分ほどかけてじっくりと温め、油慣らしをしたら火を止める。

「卵焼き器は加熱する前に油を注ぎ、じっくりと温めて油をなじませてから使うと、卵がこびりつきにくくなります。これを『油慣らし』と呼びます」

油を移すイメージ

油の入った耐熱容器にガーゼで作った油引きを入れ、卵焼き器の油をいったん戻し入れる。

3. ボウルに卵を割り入れ、軽く溶きほぐし、1の甘露出汁を加えてざっと混ぜる

出汁を加えるイメージ

卵液を混ぜるイメージ

ボウルに卵を割り入れる。白身と黄身が大まかに混ざる程度に軽く溶きほぐし、1の甘露出汁を加え、ざっと混ぜ合わせる。

「まだ少し白身の形が残ったくらいで混ぜるのを止めましょう。溶きほぐしたら時間をおかず、すぐに焼きはじめます」

4. 卵焼き器を強火にかけ、油を多めになじませる。卵液を約1/5量ずつ流し入れ、そのつど半熟状で巻きながら焼く

油を塗るイメージ

油慣らしをしておいた卵焼き器を強火で加熱し、2のガーゼの油引きで油を全体になじませる。

「油は多めに。卵焼き器の隅や側面にもしっかりなじませておきましょう」

1回目の卵液を注ぐところ

箸先につけた卵液を少したらし、「ジュッ!」と音がするほど卵焼き器が熱くなったら、3の卵液を軽く混ぜてから、約1/5量をボウルから直接流し入れる。

「煙が立つほど熱くなっている場合は、濡れ布巾にのせ、落ち着かせてから焼きはじめましょう。甘露出汁は砂糖を多く含んでいるので、卵液の底に糖分がたまりやすいです。卵液を流し込むときは、軽く混ぜてからにしてください」

1回目の卵液を混ぜるところ

スクランブルエッグを作るようにグルグルと混ぜ、手前1/3ほどに寄せる。

「半熟状で巻いていくので、手早く寄せましょう。グルグル混ぜるのは、初回の卵液だけです」

油を奥側に塗るイメージ

空いた部分にガーゼの油引きで油をなじませる。

「写真のように、卵焼き器の空いた部分ができたら、その底面に火を当てるようにします。卵焼き器から手を離さず、焦げそうになったら卵焼き器を持ち上げ、火から遠ざけて調節してください」

隙間に箸を入れるところ

半熟状になったら側面に箸を入れて玉子焼きをはがし、奥にずらす。

「慣れないうちは、ヘラを使っても構いません」

手前に油を塗るところ

空いた部分にガーゼの油引きで油をなじませる。

2回目の卵液を流しこむところ

同量の卵液を流し入れる。

真ん中の隙間に卵液をいきわたらせるところ

焼けた玉子の底に菜箸を差し込んで少し持ち上げ、卵焼き器を傾けて、玉子の下にも卵液を流し入れる。

「中央、両端、それぞれ何度か持ち上げて、卵液が均等にいきわたるようにしましょう。大きな気泡ができたら箸でつぶし、空気を抜きます」

全体に卵液がいきわたったところ

半熟状になったら(写真)、焼けた玉子を手前に1~2回折りたたむ(二つ折りか三つ折りにする)。

「たたむとき、私はヒザを軽く曲げてから、伸ばすのと同時に玉子焼きを持ち上げています。勢いをつけて一気にたたむのがコツです」

全体に卵液がいきわたったところ

空いた部分に油をなじませ、玉子を奥にずらし、ガーゼの油引きで油をなじませ、残りの卵液も同様に焼いていく。

「2回目からは二つ折りにします。側面に箸を刺して折りたたむようにすると、やりやすいです」

全体に卵液がいきわたったところ

最後(5回目)の卵液を流し入れ、折りたたむ直前の状態。

5. 香ばしい焼き目を全体につける

玉子焼きを奥に押しあてて焼き色をつけるところ

すべての卵液を流し入れて折りたたんだら、仕上げに焼き目をつけていく。焼けた玉子を卵焼き器に密着させて焼き目をつける。

「両端、側面、角にもしっかりあてて、香ばしい焼き目をつけていきます」

手前に押し当てて焼き色をつけるところ

玉子を返し、反対側にも焼き目がつけば完成。

6. まな板に取り出し、粗熱がとれたら切り分ける

まな板に取り出すところ

まな板に取り出し、そのまま粗熱をとる。

「早く冷ましたい場合は、『巻きす』にのせてください」

切り分けるところ

好みの大きさに切り分ける。

「厚めに切ると、よりふんわりとした食感が楽しめます。今回は8等分にしました」

厚焼き玉子の出来上がりイメージ

器に盛り、染めおろし(大根おろしにしょうゆを落としたもの)を添える。

【実食】基本の厚焼き玉子(卵焼き)。噛みしめるたびに甘い出汁があふれ、香ばしさがたまらない

玉子焼き出来上がりイメージ

まだほんのりと温かい大きな厚焼き玉子(卵焼き)を口に運ぶと、外は香ばしく、中はカステラのようにフワフワとして、甘い出汁がジュワッと染み出してきます。こんなにしっかり焼き目をつけたらかたくならない? と思っていたのですが、見た目からは想像つかないジューシーさで、これが強火の威力…と納得。

冷めた状態も気になり、3時間ほどおいて食べ比べてみました。膨らみは少し抑えられましたが、変わらず甘い出汁がたっぷり染み出てきます。より甘み、塩味がなじんで、これはお弁当に入っていたら嬉しすぎます。

身近な材料で作れるので、何度も作って絶対にマスターしたい。私の厚焼き玉子は今日からこれ一択! そう思わせてくれる「一生もののレシピ」です。ぜひお試しください。

レシピ/野口日出子料理教室 野口敬子さん

料理教室イメージ

2002年義母の主宰する「野口日出子料理教室」に入門。以後、お稽古、本の出版、テレビ出演等の助手を務める。2018年「和食クラス」「お魚クラス」を開講。2023年野口日出子の引退に伴い、教室の主宰を引き継ぐ。

教室と、築地・豊洲市場との関わりは50年以上、魚の仕入れには強い自負がある。食材の持つ味を大切にし、下ごしらえに手間を惜しまない料理を心掛けている。

野口敬子さんのレシピ一覧>>

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撮影:菅井淳子
文:香取里枝

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