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2022.04.23

感動のなめらかさ! 簡単手作り「焼きプリン」の作り方。プロが研究してたどりついた味!

プリンのイメージ

子どもから大人までみんな大好きなおやつといえば、カスタードプリン(カスタードプディング)を思い浮かべる人も多いのでは? 卵、牛乳、砂糖…と特別な材料を使わないプリンは、思い立ったらすぐに作れる、手作りにおすすめのお菓子なんです。

そこで今回は、ご家庭で手軽に作れるカスタードプリンの作り方を紹介します。教えてくれるのは、WEB FOODIEでたくさんのお菓子レシピを紹介してくれている料理研究家の小島喜和さんです。

「以前、『プリン』をテーマに1冊レシピ本を制作したこともあり、プリンは、いろいろな作り方で何度も繰り返し作っているお菓子です。若い頃は、卵黄の分量を増やしたり、余計な手間を加えたりしていましたが、結局は『シンプルなレシピが一番、おいしい』という結論にたどりつきました」と小島さん。

そこで今回紹介するのは、小島さんが試行錯誤の末たどりついた全卵を使いきりの、初心者でも簡単に作れるレシピです。加熱方法は電子レンジや鍋や深めのフライパンで蒸すなどいろいろなレシピを見かけますが、おすすめは失敗しにくい「オーブンで蒸し焼きする方法」をご紹介します。ただし、オーブンを持っていない人のために、鍋で蒸す方法も教えてもらいました。

プロが研究してたどりついたレシピなんて気になりますよね! 早速、カスタードプリン作りのポイントから見ていきましょう。

小島喜和さんのレシピ一覧はこちら>>

プリン作りに欠かせない効率よく混ぜる泡だて器はこちら>>

【プリン作りの3つのポイント】シンプルだからこそ、細部にこだわるかどうかで仕上がりに差がつく!

器に盛ったプリン

ポイント① キャラメルソースは、焦がし具合が味の決め手。鍋底を冷水に当てて余熱を断ち切り、絶妙なほろ苦さを目指して!

キャラメルソース(カラメルソース)は、砂糖の焦がし具合で味が変わります。火にかけて色づき始めたら、あっという間に焦げるので、鍋の側につきっきりで様子を見ましょう。

火を止めるタイミングは、砂糖が濃い茶色に煮詰まって、煙が出てきたときです。余熱でもどんどん火が入るので、ちょうどいい濃さになったら、鍋底を水にさっとつけて、温度を下げるのがポイント!

ポイント② たっぷりの牛乳と生クリームで、プルプルの仕上がりに!

型から外したプリン

今回のレシピでは、卵1個に対して液体(牛乳と生クリームを合わせたもの)250mlを使用します。この割合は「これ以上に液体を増やすと、加熱してもプリンがかたまならない」というギリギリの分量。つまり、卵に対して液体の分量をギリギリまで多くすることで、驚くほどなめらかでプルプル食感のプリンに仕上がるというわけです。

ポイント③ オーブンで蒸し焼きにするときは、お湯の温度と量に注意! 加熱時間を短めにすることで、乾燥を防いで

天板にプリンを並べ、熱湯を注いでいるところ

プリンの加熱は、オーブンで蒸し焼きがおすすめ! 安定して火入れをすることができるので、初心者でも失敗しにくい方法なのです。

オーブンで蒸し焼きにするときは、お湯は沸かしたての熱湯を準備することが大切。お湯の量はプリン型の半分が浸かるまで注いでください。お湯の温度が低かったり、注ぐお湯の量が少なかったりすると、プリンがなかなかかたまらず、加熱に時間がかかり、表面が乾燥してしまうので気をつけて。

なるほど、牛乳や生クリームがたっぷり入ることで、プリンのプルプルした仕上がりが実現できるんですね! オーブンで蒸し焼きにするときのお湯の温度や量は、正直今まで適当でした…。加熱時間に関わるなら、きちんと気を配る必要がありますね!

それでは実際にレシピを見て、基本のプリンの作り方を学びたいと思います!

シンプルで簡単! なめらかカスタードプリンのレシピ

プリンの材料

<材料>(140mlのプリン型6個分※)

  • 卵(Lサイズ)…2個(※Lサイズは1個64g~70gが目安)
  • 砂糖…80g ※写真は洗双糖(せんそうとう)。グラニュー糖、上白糖、きび糖など好みのものでOK 
  • 牛乳…400ml
  • 生クリーム…100ml ※乳脂肪分45%以上のものがおすすめ。ない場合は牛乳で代用可
  • バニラビーンズ…2cm分
  • 【キャラメルソース(カラメルソース)の材料】
    ・グラニュー糖…60g
    ・水…小さじ2

※今回、プリン型は熱がやわらかく入る耐熱ガラス製のものを使用。
※キャラメルソースの砂糖は、グラニュー糖を使用。その他の砂糖だと丁度いい苦味に仕上がらなかったり、風味がプリンに合わなかったりするので、グラニュー糖がおすすめ。
※キャラメルソースは、口径が小さい鍋を使用すると失敗しにくい。

<下準備>

・卵は室温に戻す
・オーブンは150℃に予熱する
・キャラメルソースを作るまえに、水を張ったボウルを用意し、プリン型は並べておく
・プリン液を作るまえに、湯せん焼き用のお湯を沸かしておく

<作り方>

1. キャラメルソース(カラメルソース)を作る。鍋にグラニュー糖のみを入れ、中火にかける

鍋に砂糖を入れているところ

砂糖が溶けているところ

鍋にグラニュー糖のみを入れ、中火にかける。

「鍋の中央はガスの火が当たりにくいので、グラニュー糖は鍋の端側に寄せて、中央は空けておきましょう。火にかけたら最初はいじらず、じっと待ちます。その間に徐々にグラニュー糖が溶けてきます。グラニュー糖は色づきはじめると一気に焦げるので、この作業のあとに必要な、水を張ったボウルやプリン型は事前に用意しておいてください」

2. 色が変わってきたら混ぜる

砂糖が焦げ始めたところ

溶けた砂糖を混ぜているところ

グラニュー糖が溶けて縁が茶色く色づきはじめたら、ゴムベラ(または木ベラ)で混ぜる。

「まんべんなく色づくように、全体を混ぜて均一にします」

3. 濃い茶色になったら火を止め、水を加える

砂糖を焦がしているところ

焦げた砂糖に水を加えているところ

グラニュー糖が濃い茶色(上写真)になったら火を止め、ゴムベラを伝わせながら分量の水小さじ2を加える(下写真)。

「水をゴムベラに伝わせず、そのまま一気に加えると蒸気で手を火傷してしまうことがあるので、必ずゴムベラを伝わせながら少量ずつ加えましょう。キャラメルソースの焦がし具合は好みで調整してください。

苦めが好きな方は、写真の状態よりも気持ち長めに焦がして、濃い茶色に仕上げるとよいでしょう。逆にあまり色づいていない段階で火を止めてしまうと、ただ甘いだけで苦味がない場合もあるので、何度か試して自分好みの焦がし具合を見つけるのがおすすめです」

4. 全体を混ぜたら、鍋底を一瞬だけ水に浸けて加熱を止める

キャラメルソースを混ぜているところ

キャラメルソースを冷やしているところ

水を注ぎ終わったらゴムベラで全体を混ぜる(上写真)。均一になったら鍋底をボウルに張った水に一瞬だけ浸けてすぐに水から鍋底を離す(下写真)。

「キャラメルは余熱でもどんどん焦げてしまうので、一瞬だけ水に浸けて冷やすことで、これ以上火が入るのを防ぎましょう」

5. キャラメルソースが熱いうちにプリン型に入れる

キャラメルソースをプリン型に注いでいるところ

キャラメルソースを注ぎ終わったプリン型

4のキャラメルソースが熱いうちにプリン型に等分に注ぐ。

「キャラメルソースは、すぐに冷めてかたまってしまうので、作ったらすぐに型に流し入れてください。今回、プリン型は耐熱ガラス製のものを使用しています。アルミ製のものより熱伝導がゆっくりなので、なめらかなプリンを作りたいときにおすすめです。ない場合は、陶器のココットでも構いませんが、ココットだと逆に火が入るのに時間がかかりすぎて、なめらかな仕上がりにならなかったり、うまくかたまらなっかたりすることも。熱伝導に優れたアルミ製のものは、火が通りやすいので、かためのしっかりしたプリンを作りたいときに使用するといいでしょう」

6. プリンのプリン液を作る。鍋に牛乳、生クリーム、バニラビーンズを入れる

バニラビーンズの種をこそげとっているところ

バニラビーンズは包丁で縦に切り目を入れ、刃先で種をこそげとる。

バニラビーンズの種を牛乳に加えているところ

バニラビーンズのさやを牛乳に加えているところ

鍋に牛乳、生クリーム、バニラビーンズの種と種をこそげとったさやを入れる。

「バニラビーンズは、なければ入れなくてもいいですが、バニラの風味が格別なので、ぜひ、使ってみてください。卵を混ぜ始めたら、一気に作業を進めたいので、牛乳と生クリームを温める準備は事前に行いましょう」

7. ボウルに卵を入れて溶きほぐす

卵を溶いているところ

溶き終わった卵

ボウルに卵を割り入れ、泡立て器でサラサラになるまで溶きほぐす。

「卵は泡立てるのではなく、泡立て器をボウルに押し当てながら、卵白のコシをきるように混ぜましょう。卵黄と卵白が均一に混ざることが大切です」

8. 卵に砂糖を加える

卵に砂糖を加えているところ

混ぜ終わった卵

砂糖を加え、全体がなじむように混ぜる。

「この段階ではさっと混ぜて、全体がなじめばOK。あとで温めた牛乳と生クリームを加え、砂糖を溶かすので、砂糖は一気に加えて大丈夫です。今回、砂糖はミネラルが豊富で旨みの強い洗双糖を使用しましたが、好みのもので問題ありません。グラニュー糖を使うとすっきりした甘さに仕上がります」

9. 6の牛乳と生クリームを50℃になるまで温める

牛乳を温めているところ

6の牛乳と生クリームを50℃になるまで弱めの中火で温める。

「ポイントは50℃という温度。多少の誤差は許容範囲ですが、熱すぎるとプリンを加熱したときに『す』が入りやすくなってしまいます。一方で50℃より温度が低いと、焼くのに時間がかかり、砂糖が溶けないことも。温度計で計るのがベストですが、ない場合は、『お風呂よりも少し熱いイメージ』と覚えておきましょう」

10. 温めた9の牛乳と生クリームを8の卵に3回に分けて加える

卵に温めた牛乳を加えているところ

8の卵に9の温めた牛乳と生クリームを3回に分けて加え、その都度泡立て器でよく混ぜる。

「卵がかたまらないように、最初は利き手で卵を混ぜながら、別の片手で少しずつ牛乳と生クリームを加えていきます。1/3量入れ終わったら、全体が均一になるまで、しっかり泡立て器で混ぜましょう」

プリン液を混ぜているところ

1回目を加えて混ぜた状態

プリン液に温めた牛乳を混ぜているところ

2回目を加えている状態

混ぜ終わって完成したプリン液

3回目を加えて混ぜ終わった状態

「最初にしっかり卵と牛乳、生クリームが混ざったら、残りの2回はスムーズに混ざります。砂糖のザラザラがなくなればOK。これでプリン液の完成です」

11. プリン液をこし器でこす

プリン液をこしているところ

プリン液をこしているところ

10のプリン液をザルでこす。

「こし器や目の細かいザルでこして、卵の混ぜ残りやバニラビーンズのさやを取り除きます。このとき、バニラビーンズの種は取り除きたくないので、ゴムベラで押してこし器の裏側に押し出し、押し出された種をゴムベラでしっかりこそげとって、プリン液に入れましょう」

プリン液の泡をすくっているところ

表面に泡があれば、スプーンですくって取り除く。

12. プリン液を型に流し入れる

プリン型にプリン液を注いでいるところ

5で用意した型に11のプリン液を均等に流し入れる。

プリン液の泡をつぶしているところ

型のふちを拭いているところ

表面に泡があれば包丁で刺してつぶし(上写真)、型の縁についたプリン液をぬれたペーパータオルなどで拭き取る(下写真)。

「型の縁にプリン液がついたまま加熱すると、その部分が焦げてしまうので、しっかり拭き取るようにしてください」

13. 天板に12のプリンを並べ、熱湯を注ぐ

天板にプリンを並べ、熱湯を注いでいるところ

熱湯を注ぎ終わったプリンを並べた天板

深さのある天板(ない場合はバットなどで代用可)に12のプリン型を並べ、熱湯をプリン型の半分の高さまで注ぐ。

「最初にポイント解説のところで紹介しましたが、お湯の温度と量はしっかり守りましょう」

14. プリン型にクッキングシートと網をかぶせ、150℃のオーブンで30〜35分蒸し焼きにする

オーブンに入れる前のプリン

「クッキングシートをかぶせて、プリンの表面の乾燥を防ぎましょう。網はクッキングシートが飛ばないための重石代わりです」

【プリンを鍋で蒸す場合の方法】

プリンを鍋で蒸しているところ

プリンを鍋で蒸しているところ

鍋の底にふきんを敷き、プリンを並べ、熱湯をプリン型の半分の高さまで注ぐ(上写真)。プリンに水滴が落ちないよう鍋のふたをふきんで包み、割り箸をかませた状態でふたをし(下写真)、中火にかける。沸騰したら弱火にし、約20分蒸す。

蒸している途中10分に一度、割り箸をとってふたをきっちりして蒸し、3分ほどたったら再び割り箸をかませるのを繰り返すと火が入りやすい。

「鍋で加熱する場合は、クッキングシートをかぶせる必要はありません。ふたと鍋の間に割り箸をかませて、すき間から蒸気を少し逃がすことで、蒸気の当たりをやわらかくします。

ただし、ずっと割り箸をかましているとなかなかプリンがかたまりません。ときどき、割り箸を外し、様子を見つつ、プリンの表面が膨らんでくるようなら再び割り箸を戻すと、上手に火が入ります。

このように鍋で蒸す方法は、家庭によって使う鍋や中火の加減が微妙に異なるので、仕上がりの状態は何度か試しながら、ベストな加減を探ってみてください」

15. 焼き上がったら網に並べて粗熱をとる

焼き上がったプリンを傾けているところ

「焼き上がりを確認する方法は、プリンをそっと傾けてみること。表面が写真(丸で囲んだ部分)のように引っ張られるかどうかで判断してください。焼き上がっていないと、中心からプリン液が流れ出てしまいます」

プリンを冷ましているところ

プリンが焼き上がったら、網に並べてクッキングシートをかぶせ、粗熱をとる。粗熱がとれたら冷蔵庫に入れて冷やす。

「冷ますときも、乾燥しないようにクッキングシートをかぶせてください。記事のあとでも紹介しますが、20分くらいおいて粗熱がとれてから温かいままいただくのもおすすめです!」

16. 冷蔵庫でしっかり冷やしてから、型から外して器に盛る

プリンを型から外しているところ

冷蔵庫でしっかり冷やしたら、小さめのナイフや包丁を型の縁に沿って底まで入れ、ぐるりと1周させる。皿をかぶせて裏返し、型から抜く。

感動するほどなめらか! 自家製プリンは冷たくしても、作りたての温かいままでもおいしい

器に盛ったプリン

はやる気持ちを押さえて、冷蔵庫でしっかり冷やしたものを器に盛っていただきます。プリンは表面を見るからにプルプルです。味わいは、優しい甘さとキャラメルソースの苦味が絶妙で、食感はなめらか。手作りで、このクオリティのプリンを作れるなんて感動です!

プリンをすくっているところ

実は「自家製のプリンは温かいまま食べてもおいしいんです!」と小島さんのすすめもあり、焼き上がってから20分ほどおいて粗熱をとったもの(※焼き立ては熱いので要注意)もいただきました。スプーンですくうと、プリンがとろ〜り。口に運ぶと、バニラの甘い風味ととろける食感に悶絶します! ぜひ試してみてください。

【レトロ喫茶風の盛りつけ例】ホイップクリームやフルーツを添えると、憧れのプリンアラモードに!

デコレーションしたプリン

自家製プリンは、盛りつけ次第で喫茶店のようなプリンアラモードに大変身! プリンを器に盛って、ホイップクリームを絞り、いちごやバナナなど好みのフルーツを添えると、子どもも大喜びのとってもキュートなデザートが完成します。

いかがでしたか? 基本の材料で、思い立ったらすぐに作れる自家製カスタードプリン。ぜひ何度も繰り返し作ってみてください。

小島喜和さん

小島喜和さん

テーブルトップディレクター。季節のめぐりとともに暮らす日々。手仕事を行う楽しさ、美味しさを伝えることをライフワークに、自身の料理教室では「味噌」や「梅干し」など、【季節の手仕事教室】を開催している。『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)など著書多数。

小島喜和さんのレシピ一覧はこちら>>

プリン作りに欠かせない効率よく混ぜる泡だて器はこちら>>

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写真:矢野宗利
文:ケイ・ライターズクラブ

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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