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2019.12.26

プロが教える、基本の栗きんとんの作り方【栗の甘露煮レシピ付き】

栗きんとんのイメージ

おせち料理の中でも老若男女問わず、人気の高い栗きんとん。さつまいもや栗の風味を味わいたい、あるいは甘さを好みに合わせたい、ということなら、手作りがおすすめです。今回は、一度覚えれば一生ものの栗きんとんの基本の作り方を、料理研究家の小島喜和さんに教えていただきます。

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栗きんとんを上手に仕上げる3つのポイント

【ポイント1】さつまいもの皮は厚めにむいて筋っぽさを残さない
さつまいもは少し大胆なくらい皮を厚めにむくことで、筋っぽさを除きます。色よく仕上げるためにも、必要なポイントです。

【ポイント2】くちなしの実と一緒に茹でて色鮮やかに
栗きんとんの鮮やかな黄色は、くちなしの実を使って出します。黄金色の栗きんとんは豊かさの象徴と言われ、縁起ものとされています。

【ポイント3】正しい裏ごしで口当たりなめらかに
できあがりのなめらかさに差がつくのが裏ごしの工程。裏ごし器を正しく使い、細かい筋を取り除きます。

それでは実際に栗きんとんの作り方を見ていきましょう。記事の最後には、小島先生おすすめの「栗の甘露煮」の作り方も紹介していますので、あわせてチェックしてみてください。

一生ものの栗きんとんの作り方

栗きんとんの材料

<材料>(作りやすい分量)

  • さつまいも…2本
  • 栗の甘露煮(※下記参照・または市販品を使う)…8〜10個
  • 砂糖(写真は洗双糖。白砂糖やグラニュー糖など好みのもので)…200g
  • くちなしの実…1個
  • 塩…小さじ1/2
  • 栗の甘露煮のみつ、みりん…各大さじ2

<作り方>

1.さつまいもを2cm幅の輪切りにする

さつまいもを切っている様子

変色を防ぐため、切ったさつまいもはすぐに水を張ったボウルに入れ、水にさらします。

2.さつまいもの皮を厚めにむく

さつまいもの皮をむいている様子

輪切りにしたさつまいもを一つずつ水から取り出し、皮を厚めにむきます。

「皮に近い部分は筋が多くかたいため、皮を厚めにむくようにします。目安は皮の内側のうっすらした線を完全にむきとるぐらい。水を張った別のボウルを用意し、切ったものから新しい水にさらしていきましょう」

さつまいもを水にさらしている様子

皮がむき終わったらボウルの水を2〜3回取り替えながら、白っぽい水が透明になるまでさつまいもを洗います。

3.鍋にたっぷりの水とさつまいもを入れ、下茹でする

さつまいもを下茹でしている様子

さつまいもを下茹でします。鍋にたっぷりの水とさつまいもを入れ、中火にかけます。沸騰したら火を弱めます。

4.ひと煮立ちしたらざるにあげ、黒ずんだ部分などを取り除く

さつまいもの黒ずんだ部分を除いている様子

「さつまいもは、下茹ですることで、むききれなかった黒ずんだ部分や色が悪い部分がはっきりわかるようになります。仕上がりが悪くなるので、そうした部分はこの段階で取り除いてください」

5.くちなしの実を用意する

くちなしの実を包丁の腹で潰している様子

さつまいもと一緒に煮るためのくちなしの実を用意します。

「くちなしの実はそのままだと色が出ないので、包丁の腹でつぶすなどして、割ってから使用します。鍋の中で実がバラバラにならないよう、だし用の不織布のパックなどに入れるとよいでしょう」

くちなしの実を出しパックに入れている様子

6.鍋に、さつまいも、くちなしの実、水を入れて茹でる

さつまいもをくちなしの実と一緒に茹でている様子

鍋に、水、さつまいも、くちなしの実を入れて中火にかけます。沸騰したら火を弱め、煮崩れないよう静かに茹でます。

「水は、さつまいもが十分にかぶるくらいの量(今回はさつまいも2本で1〜1.5ℓ程度)を目安にしてください。色を濃くしたい場合は、くちなしの実をもうひとつ増やしてもよいでしょう。水の量が多いと色が薄くなります。さつまいもは銀杏ぐし(細ぐし)がスーッと通るくらいのやわらかさになるまで、茹でます」

7.裏ごしの準備をする

裏ごし器のイメージ

馬毛の裏ごし器を使う場合は、事前に水にひたしておきます。

「裏ごし器がない場合はざるなどで代用しても問題ありませんが、目が細かい方がよりなめらかな仕上がりになります。裏ごし器をセットする際は、手前から見て網目が×になる向きで置くようにしましょう」

8.さつまいもを熱いうちに裏ごしする

さつまいもを裏ごししている様子

さつまいもがやわらかくなったら火から外し、網じゃくしなどでひとつずつさつまいもをすくいとって、裏ごしします。

「網の奥側にさつまいもをのせ、温かいうちに木べらでさつまいもを押しつけて、手前に引きます。一度に多くの量をのせると作業しづらいので、少しずつ裏ごししましょう。木べらで食材を押す際は、なるべく少ない回数ですませると上手に仕上がります」

裏ごしたさつまいも

9.鍋に裏ごしたさつまいもと砂糖を入れ、中火にかける

さつまいもに砂糖を加えて混ぜている様子

鍋に8のさつまいもと砂糖を全量入れ、中火にかけます。

「焦がさないよう、絶えず木べらで混ぜ続けながら加熱します。さつまいもが温まったら弱火に落として作業しましょう」

10.砂糖が混ざったら、塩、みりん、甘露煮のみつを加え、弱火で練る

みりん、みつを加えて混ぜている様子

「塩を少量入れることで、全体の味わいを引き締めてくれます。みりんは料理に照りを出すのと同時に砂糖とは異なる甘さで味に奥行きを与えてくれます」

栗きんとんを混ぜている様子

絶えず木べらで混ぜ続け、砂糖が完全に溶けてなめらかなになるまで練り上げたら最終段階です。

11.照りが出てほどよく水分が飛んだら、汁気をきった栗の甘露煮を加える

甘露煮を加えて混ぜている様子

仕上げに、汁気をきった栗の甘露煮を加え、やさしく混ぜながら温まるまで加熱したら、栗きんとんの完成です。すぐにバットに取り出し、薄く広げて冷まします。

素朴で風味豊か! 上品な味わいの栗きんとんが完成

栗きんとんのイメージ

できあがった栗きんとんがこちら。ごろっと入った栗の存在感が際立っています。ひと口食べると、品のよい甘さと同時にさつまいもの風味、栗の旨みが口いっぱいに。その味わいはまるで上等な和菓子のよう。お正月にだけ食べるなんてもったいないくらいのおいしさです。

丁寧に作るからこそ、味わいの差が出る栗きんとん。今年のお正月はぜひ、手作りしてみてください。

【栗の甘露煮レシピ】手作りの味わいは絶品!

「栗きんとんは甘露煮から手作りすると味が全然違います」

ということで、今回は「栗の甘露煮」の作り方についても教えていただきました。

<材料>(作りやすい分量)

  • 栗…500g
  • 水…350ml
  • 砂糖…200g

<作り方>

1.栗の皮をむく

鬼皮をむいている様子

栗は、ざらざらした底の部分を少し切り落とし、そこをきっかけに鬼皮をむきます。鬼皮をむき終わったら渋皮を包丁できれいにむきます。

渋皮をむいている様子

2.水にさらす

栗を水にさらしている様子

栗をさっと水にさらし、1度新しい水に取り替えて洗ったら、ざるにあげます。

3.栗を下茹でする

栗を下茹でしている様子

鍋に湯を沸かし、沸騰したら栗を入れて、ふつふつするくらいの火加減で栗を茹でます。10分ほどたったらざるにあげ、水けを切ります。

4.シロップを作る。鍋に分量の水と砂糖を入れ中火にかける

砂糖と水を煮ている様子

鍋に分量分の新しい水と砂糖を入れて中火にかけます。ときどき混ぜて砂糖を溶かします。

「私は自然な甘さが好みなので、砂糖はミネラルが豊富な洗双糖を使っていますが、グラニュー糖やきび砂糖など、ほかの砂糖を使っても問題ありません」

5.砂糖が溶けて煮立ったら栗を加え、静かに煮る

栗を煮ている様子

煮立ったら栗を加え、紙の落としぶたをして栗が踊らないくらいの火加減で静かに煮ます。

6.煮汁が半分ほどになったら甘露煮のできあがり

栗の甘露煮の完成

煮汁が半分くらいに煮詰まり、とろっとしてきたら、火から外してそのまま冷まします。これで、栗の甘露煮の完成です。

「使う食材はいたってシンプルなのに、自家製の甘露煮は格別のおいしさ。多めに仕込んで、お茶請けにしてもよいですね」

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小島喜和さん

小島喜和さん

テーブルトップディレクター。季節のめぐりとともに暮らす日々。手仕事を行う楽しさ、美味しさを伝えることをライフワークに、自身の料理教室では「味噌」や「梅干し」など、【季節の手仕事教室】を開催している。『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)など著書多数。
http://kiwakojima.com/

写真:矢野宗利
文:ケイ・ライターズクラブ

(追記:2020/1/6 18:52)
一部掲載内容に誤りがございました。「栗の甘露煮レシピ」の材料に間違いがございましたため、訂正し、お詫び申し上げます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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