2016.11.07
さつま芋を香ばしくて甘~い「石焼き芋」にする、簡単な方法
さつま芋は秋が深まるほど甘みが増していく、人気の野菜です。
「さつま芋は電子レンジで急に加熱しても、十分に甘みを引き出せません。デンプンの甘みは、ゆっくり加熱することで引き出されるんです」と語るのは、伊勢丹新宿店の野菜のプロ・鈴木理繪シェフ。
なんと、家庭で作るのは難しそうな「石焼き芋」の味を、簡単に再現できる方法があるそうです!
「蒸す+焼く」石焼き芋風のほく甘レシピ
鈴木シェフによると、ポイントは「やわらかくなるまで蒸す」→「表面を焼く」という2段階でじっくり加熱すること。蒸す段階でさつま芋の中心まで十分に熱を加え、さらにフライパンやオーブントースターで、表面から熱を加えながら余計な水分を飛ばし、さらに香ばしさをプラスします。
作り方
① 甘さのためには「蒸す」が早道。蒸し器がなければ「鍋」+「ザル」でOK!

鍋に入る、直径3㎝くらいのさつま芋なら20分くらいで蒸せます。鍋からはみ出る場合、端を切るか、大きめの鍋に替えましょう。湯が少なくなったら、途中で足すこと。
蒸し器があれば、蒸し器でさつま芋を蒸しましょう。
蒸し器がない場合は、写真のように鍋に入るザルを用意します。深さ3cmほど水を入れて沸騰させます。ザルにさつま芋を2~3本入れ、ふたをして加熱。竹串を刺してスッと通るくらいになればOK。
蒸すポイントは、必ず火力は中火~強火にして、常にグラグラと沸いている状態を保つこと。
蒸すという調理方法は、オーブンより多くの熱カロリーを伝えることができ、かたい芯まで加熱するのには向いています。また、ゆでる方法だと湯にうまみが逃げてしまいます。
「面倒に思えるかもしれませんが、野菜の味わいをしっかり残して美味しさを楽しめる優秀な調理方法。昭和の家庭では、それを知ってか知らずか、さつま芋を『ふかし芋』といって蒸して食べていたんです」
② 香ばしい焼き目をつけ、余分な水分を飛ばして「ほく甘」に

火力は強火がおすすめですが、テフロン加工のフライパンはコーティングが傷みやすくなるので、中火以下で加熱するといいでしょう。
蒸したさつま芋は、すでに十分甘くなっていますが、ここでひと工夫するのが鈴木シェフの技。蒸したときにさつま芋の表面に入った水分を、しっかりと蒸発させます。
さつま芋をフライパンに入れ、ときどき転がしながら、全体にしっかり焼き目がつくまで5~10分焼きます。オーブントースターで焼き目をつけてもOK。
しばらくすると、あの石焼き芋の香りがキッチンにほわ~んと充満します。表面にまんべんなく焼き目がついて、皮と実が少しはがれるようになれば完成です。
特別な道具を使わずに、見るからに「石焼き芋」ができ上がるのは感動的!
すぐ食べるのはご法度! 冷まして甘みを引き出して
焼きたてのアツアツを食べたいところですが、ちょっと待ってください! 「実はさつま芋の甘さは、粗熱がとれてきたくらいのほうが、よくわかるんです」と鈴木シェフ。
じっくりと加熱したさつま芋は甘みがしっかり出ているので、バターなどは不要。好みで塩を少しふって、皮ごといただきます。なるほど石焼き芋のような香ばしい「ほく甘」とはこういうことかと、あらためて納得する美味しさでした。
ほくほく好きなら「鳴門金時」「五郎島金時」がおすすめ

今回撮影に使ったのは「五郎島金時」。細いから甘味が少ないということはありません。
さつま芋は収穫されてから適温適湿の状態で保存されることで、糖度がどんどん上がっていきます。秋が深まれば貯蔵時間が長くなるので、それだけ甘みの強いさつま芋が出てきます。
「徳島の『鳴門金時』や石川の『五郎島金時』などは、流行の『安納芋』のようにねっとりした食感ではありませんが、ほくほくした食感こそ、これぞさつま芋!と思わせてくれる、石焼き芋にはおすすめの品種です」
また、さつま芋の種類ごとの味や食感の違いについては、こちらの過去の記事をどうぞ!
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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