2015.10.23
角がとれてマイルドに! 春に次ぐ日本茶の季節 『秋の新茶』の魅力&おいしい淹れ方
新茶といえば春というイメージがありますが、実は秋にも新芽が摘まれます。『秋の新茶』には2種類あり、春とはまた違った風味が楽しめます。日本茶通で知られる徳川家康も愛飲していたという秋の日本茶の魅力と、淹れ方のコツをご紹介します。
今年最後の新芽を摘んだお茶と、熟成させたお茶
『秋の新茶』には、先ほど述べたように2種類があります。
①今年最後の新芽を摘んだお茶
4〜5月に摘まれたものが春の新茶で、一番茶のこと。その後伸びる芽を摘んだ二番茶、三番茶と続き、9月末に今年最後の芽を摘んだものが秋摘み茶です。春の新茶と比べてあっさりしており、風味もまろやか。生産量が少ないため、希少性も高いのが特徴です。
②春の新茶を熟成させて、秋に仕上げたお茶
もうひとつは、春の新茶を荒茶(茎や葉を選別していない状態のこと)のまま低温で保存し、熟成させ、秋に蔵出しして仕上げたもの。「蔵出し茶」「口切り茶」などと呼ばれ、古くは徳川家康も愛飲していたといいます。日本酒の冷やおろしと同じように、角がとれてマイルドな風味になるのが特徴です。
『秋の新茶』のおいしい淹れ方
では、『秋の新茶』をおいしく淹れるポイントを見ていきましょう。日本茶インストラクターの今中寛之さんによると、「①の秋摘みタイプでも②の蔵出しタイプでも、普通の日本茶と同じ淹れ方で十分おいしくなります」とのこと。煎茶の場合は、沸騰したお湯を70℃〜80℃程度に冷ましてから淹れるといいでしょう。ただ、②の蔵出し茶で火入れを強めて仕上げたお茶は、その香ばしい風味を楽しむために熱めのお湯で淹れるのがオススメ。
「熱湯でサッと淹れることで風味が力強く出て、香りも立ちます」(今中さん)
また、これからの季節は気温も下がるため、あらかじめ茶器を温めておけば、淹れたお茶がすぐに冷めてしまった……ということも防げます。ほんの少しの心がけで、いつもよりおいしくいただけるんですね。
その手があった! 秋ならではの楽しみ方
『秋の新茶』ならではの楽しみ方のひとつは、いつも飲んでいるお茶と飲み比べてみること。春のお茶と秋のお茶との違いや、ひと夏寝かせたお茶の変化を発見できると、楽しみ方も広がります。ぜひ挑戦してみて。
「春の新茶はフレッシュで香り高く、青苦みが強い。秋摘み・蔵開きはどう変化したか、飲み比べてみると一目瞭然です。春の新茶が苦手な方は、むしろ秋の熟成を好まれる場合が多いです。あとは、今の時期ならではの栗のお菓子と合わせたりして、季節を楽しみながらお茶の時間を楽しんでみてください」
日本最古の茶書・喫茶養生記の「茶は養生の仙薬なり。延齢の妙術なり」の言葉通り、栄養価の高い日本茶は、これからの季節、風邪予防にも効果的だとか。ゆっくりとお茶を淹れて一息つく時間は、体だけでなく心も潤わせてくれるでしょう。
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