
2026.01.20
【ヴィロン直伝】オニオングラタンスープのレシピ。甘い玉ねぎ&とろ~りチーズが美味!
飴色になるまで炒めた玉ねぎのスープにパンとチーズをのせ、香ばしく焼き上げた「オニオングラタンスープ」。玉ねぎの甘みをたっぷり吸い込んだパンと、とろ~りとしたチーズのマッチングが絶妙で、寒い日にアツアツをいただくと幸せな気持ちになれますよね。
主な材料は玉ねぎ、ブイヨン、チーズ、バゲットと少ないので作りやすそうですが、材料も作り方もシンプルだからこそ、玉ねぎを飴色に炒めるコツなど、ちょっとした作り方の違いが仕上がりに差を生みそうです。
そこで今回は、VIRON(ヴィロン)社のフランス産小麦を使ったパンや洋菓子、カジュアルなフランス料理をカジュアルに楽しめる東京・渋谷の人気レストラン<BRASSERIE VIRON(ブラッスリー ヴィロン)渋谷店>調理長の山田英治シェフに教えてもらいました。お店で長年愛されてきたというプロ直伝の「オニオングラタンスープ」の作り方、とても気になります!
さっそく、作り方のポイントからチェックしていきましょう。
玉ねぎの甘さ、風味を引き出す「オニオングラタンスープ」3つのポイント

「オニオングラタンスープとは、フランスのリヨンで発祥したスープ・ド・オニオン(玉ねぎのスープ)に、バゲットやチーズをのせて焼いたグラタンとしてパリで進化したものです。<ブラッスリー・ヴィロン渋谷店>ではランチ、ディナーともに幅広い世代から人気のメニューで、とりわけ寒い季節はよく出ます。
味の決め手はなんといっても、玉ねぎ。ほどよく食感が残る切り方をして、甘く香ばしい風味を最大限引き出すよう、焦がさず、けれど焼き色をつけながらじっくりと飴色に炒めます。お店では一度の仕込みで10kgの玉ねぎを6時間かけて炒めますが、今回は家庭用に作りやすい量でご紹介します」
【ポイント①】玉ねぎは繊維に沿って2~3㎜のうす切りに。しっかり炒めても、ほどよい食感が残る!

玉ねぎのうす切りには、繊維を断つように切る(繊維に対して直角)か、繊維に沿って切る(繊維に対して平行)か、2通りの切り方があります。
オニオングラタンスープの場合、玉ねぎの甘さを引き出すためにしっかりと炒めますが、シャキシャキとした食感を残したいので、繊維に沿って切ります。
また、うすすぎると食感が消えてしまうので、2~3㎜の厚さが最適。新玉ねぎを使う場合は繊維自体がやわらかいので、もう少し厚い4㎜程度に切るとよいでしょう。
繊維を断つ切り方は組織が壊れやすいので、ポタージュなどやわらかい口当たりに仕上げたい料理に向いています。
【ポイント②】玉ねぎは、焦がさないよう飴色に炒める。玉ねぎの甘み、風味が引き出され、美味しくなる!

味の決め手となる玉ねぎは、水分を飛ばしながら炒め、鍋底にはりついて焼き色がついた玉ねぎをゴムベラでこそげながら、うま味を含んだ焼き色が全体に回るよう、飴色になるまでじっくりと炒めることが肝心です。
焦がさず、飴色に炒められた玉ねぎは、甘さが最大限に引き出され、何ともいえない甘く香ばしい香りになります。ここに鶏のだし汁「フォン・ド・ボライユ」を加え、玉ねぎのエキスをスープに溶け込ませることで、うま味たっぷりの「スープ・ド・オニオン(玉ねぎのスープ)」ができ上がります。
炒める時間は1時間30分ほどかかりますが、はじめは蒸し炒めにして水分を引き出したり、絶えず炒めるのではなく、焼き色がついたらこそげるようにときどき混ぜたりするなど、プロのコツがたくさんあります。詳しくはレシピのなかで紹介していきます。

左から、炒めはじめの玉ねぎ。炒め途中の玉ねぎ、炒め終わりの玉ねぎ。徐々に色が濃くなり、ねっとりとしてくる
「飴色玉ねぎは、スープやカレー、シチュー、ビール煮などの煮込み料理のほか、キッシュのアパレイユ(卵液)に混ぜたり、パンに塗ってチーズをのせて焼いたりと、さまざまなアレンジができます。保存用密閉袋に小分けして、冷凍保存しておくと何かと重宝するので、まとめて多めに作るのがおすすめです」
【ポイント③】チーズは「グリュイエールチーズ」を使用。器の底にも入れ、チーズのトロリとした食感、味わいを最後まで楽しむ!

グリュイエールチーズ(グリエールチーズ)は、スイス原産のセミハードタイプのチーズ。わずかに酸味があり、クリーミーでナッツのようなコクがあります。加熱すると溶け、のびがよく、チーズフォンデュやキッシュ・ロレーヌにも使われます。
器にスープを注ぎ、バゲットを入れ、おろしたグリュイエールチーズをたっぷりかけて焼き上げますが、器の底にもチーズを少し入れておくと、最後までチーズのトロリとした食感と味わいが楽しめます。
グリュイエールチーズが手に入らない場合は、同じくスイス原産のエメンタールチーズで代用が可能。また、少しブルーチーズを混ぜると一味違った仕上がりになります。
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チーズ専門店が教える「チーズフォンデュ」の作り方>>
<ヴィロン>流「オニオングラタンスープ」のレシピ


<材料>(3~4人分)
- 【スープ・ド・オニオン】
・フォン・ド・ボライユ(鶏のだし汁)…700ml ※市販のコンソメやチキンブイヨンで代用可
・玉ねぎ…1kg(4~5個)
・サラダ油…大さじ1
・塩…適量
・ポートワイン(ルビー、甘口)…20g - バゲット(1㎝厚さ)…適量(1人分約3枚)
- グリュイエールチーズ(すりおろす)…適量(1人分約60g) ※エメンタールチーズや、一部をブルーチーズに変えてもOK
※ポートワインについて
ポルトガル産のデザートワインの一種で、醸造過程でブランデーを添加した酒精強化ワイン。ルビータイプ(甘口)とホワイトタイプ(辛口)があり、今回使用したルビータイプは黒ぶどうから造られ、甘く芳醇な香りが楽しめます。手に入らない場合は赤ワイン(甘口)で代用してください。
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ポートワインを使う「ミートローフ」レシピはこちら>>
※バゲットについて
<ブラッスリー ヴィロン渋谷店>で使っているバゲットはかためなのでそのまま使用していますが、やわらかめのバゲットの場合は、スライスしてから風通しのよい場所におき、ラスクのように乾燥させてから使ってください。
※使用する鍋について
鍋は琺瑯製など、厚手のものが焦げつきにくいのでおすすめです。今回は直径22㎝の琺瑯製鍋を使用しました。フッ素樹脂加工の鍋でも同様に作れます。
三越伊勢丹オンラインストアで<ル・クルーゼ>の商品を見る>>
<作り方>
1. 【スープ・ド・オニオン】を作る。フォン・ド・ボライユ(鶏のだし汁)を作る。
「フォン・ド・ボライユとは、フランス流の鶏のだし汁のことで、スープ・ド・オニオンのベースです。鶏ガラを水にさらし、ひと晩冷蔵庫においてから、3~4時間煮出して作ります。冷凍保存ができるので多めの分量でご紹介します(記事の最後にレシピあり)。前もって作っておくのがおすすめです」
2. 玉ねぎを繊維に沿って厚さ2~3㎜の薄切りにする

玉ねぎは縦半分に切り、繊維に沿って厚さ2~3㎜の薄切りにする。
3. 厚手の鍋にサラダ油を入れて中火で熱し、玉ねぎを加えて塩をふる。ときどきフタをして蒸し煮するように炒め、水分が出てきたら強火にして水分を飛ばす

鍋にサラダ油を入れ、中火にかける。
「油脂にはバターを使うと思いがちですが、バターの風味は強いので、玉ねぎやチーズの香りを邪魔してしまいます。サラダ油のような、クセのない油を使うことをおすすめします」

2.の玉ねぎを加え、塩を2つまみ程度ふる。
「ここで塩をふるのは、玉ねぎから水分を出しやすくするのと、下味をつけるためです。玉ねぎが一度に鍋に入りきらない場合は、先に半分ほど炒め、ある程度カサが減ってから残りを加えてください」

フタをして、30秒ほどおく。

フタを外し、全体をサッと混ぜ合わせる。ふたたびフタをして30秒ほどおき、耐熱のゴムベラで全体を混ぜることをくり返す。
「このように蒸し炒めにすると、玉ねぎから水分が出やすくなります」

写真のように水分がたくさん出てきたら強火にする。

フタはせず、水分を飛ばしながら炒めていく。炒めるときは絶えず混ぜ続けるのではなく、鍋底に接した玉ねぎに焼き色がつくよう、あえて触らずに少しおく。
「焼き色がつきすぎると焦げになって苦みが出てしまうので、写真(赤丸で囲った部分)のような焼き色になるよう、混ぜるタイミングを調整してください。そして、玉ねぎについた焼き色が全体に回るよう、ゴムベラで鍋底をこそげながら混ぜていきます」
4. 水分が飛んだら弱火にし、鍋底をこそげながらさらに炒める

水分が飛んだら弱火にする。

水分が飛んでからも絶えず炒めるのではなく、玉ねぎが鍋底にはりつき、焼き色ができてきたらゴムベラでこそげるようにして炒めていく。
「私は炒め終わるまで水は一切加えませんが、使用する鍋によって火の伝わり方が違うので、もし焦げつきそうになった場合は、水を適量加えて調整してください」

「炒め続けてきつね色になってきました。これだけ炒めればもう充分と思うかもしれませんが、まだ玉ねぎの甘みが存分に引き出されていません。飴色になるまで、さらに炒めていきます。全体の色が濃くなってくると焼き色が分かりにくいので、玉ねぎが鍋底にはりついていたら、それをこそげるように炒めてください」

「トータルで1時間30分ほど炒めると、写真のように全体が飴色になり、ねっとりとして、甘く香ばしい香りが立ってきます。この状態になったら炒め終わりです」
5. ポートワインを加え、混ぜながら煮詰める。1.のフォン・ド・ボライユを注いで混ぜ合わせ、ひと煮立ちしたら塩で味を調える

ポートワインを加える。
「甘みと独特の風味が加わり、味に深みが出ます」

アルコール分を飛ばすよう、混ぜ合わせながら煮詰める。

1.のフォン・ド・ボライユを注ぐ。

混ぜ合わせ、ひと煮立ちしたら塩適量で味をととのえて火を止める。スープ・ド・オニオンの完成。
「塩加減は、普通にスープとして飲んで『美味しい』と感じるくらいが最適です」
6. 耐熱容器にチーズを入れ、スープを注ぎ、バゲットでフタをして、チーズを全体にのせる

1人分の耐熱容器に、グリュイエールチーズを大さじ1杯程度入れる。
「チーズは1人分約60gです。そこから大さじ1杯分程度を取り分けて入れてください」

5.のスープ・ド・オニオンを注ぐ。
「容器からスープをあふれさせる場合は、容器の口のギリギリまで注ぎます(写真)。その場合は、下にオーブン加熱が可能な天板などを敷いてください。スープをあふれさせない場合は、8割程度注ぎましょう」

バゲットを重ね合わせ、フタをするようにスープの表面にのせる。
「バゲットでスープの表面がしっかり覆われていないと、上にのせるチーズの重みで沈んでしまいます。バゲットはスープを吸って膨張するので、1㎝程度のうすさに切っておくとバランスよく食べられます」

残りのグリュイエールチーズを全体にのせる。同様に人数分作る。
7. 200℃に予熱したオーブンに入れる。チーズがこんがりとするまで、20分ほど加熱する

200℃に予熱したオーブン、またはトースター(温度設定のできない機種の場合、様子を見ながら加熱する)に入れ、チーズにこんがりとした焼き色がつくまで加熱する。
「お店では270℃の業務用オーブンで7分加熱してから、さらに上火だけ加熱ができる器具で焼き色をつけて仕上げています。ご家庭のオーブンで200℃以上の加熱が可能なら、もっと温度を上げても構いません。
ただし、家庭用オーブンではお店のような焼き色がつかないかもしれません。高温で長時間焼いているとチーズの水分が抜けてしまうので、焼き色がなかなかつかない場合は、バーナーがあれば表面を焼いて仕上げるのがおすすめです」

オニオングラタンスープの完成。熱いうちにいただく。
【実食】オニオングラタンスープ。玉ねぎの甘み、うま味がこの一杯にぎっしり!

器からスープがあふれ、チーズがグツグツ…。熱いうちに思い切ってスプーンを入れ、チーズ、バゲット、スープを一緒にスプーンにのせて頬張ります。

スープを吸ったバゲットはとろけるようにやわらかく、チーズはミルキーなコクがたっぷり。そしてスープは想像していたよりも玉ねぎがぎっしりと詰まっていて、口の中いっぱいに玉ねぎの風味、うま味が広がります。「砂糖入れたっけ?」と勘違いするほどに玉ねぎが甘く、食べ応えもあって、この一杯でもの凄い満足度!
こんなシンプルな材料と作り方で、ここまで素材の味が引き出せるとは、さすがプロです。これぞ寒い季節のご馳走。みなさんもぜひお試しください。
スープのベースになる! 鶏のだし汁「フォン・ド・ボライユ」の作り方
「フォン・ド・ボライユ」とは、フランス流の鶏のだし汁のこと。スープや煮込みなど、さまざまな料理に使われます。冷凍保存が可能なので、まとめて作っておき、保存用密閉袋に小分けして保存しておくと重宝します。
「お店では、鶏ガラのなかでもだしがよくとれる首の部分を使っています。ご家庭では手に入りやすい丸鶏のガラを使って作れるので、以下の方法でお試しください」

お店でフォン・ド・ボライユを作る様子
<材料>(約1L分)
- 鶏ガラ…1羽分
- にんじん(ぶつ切り)…1/2本分
- セロリ(ぶつ切り)…1本分
- 玉ねぎ(ぶつ切り)…1/2個分
- ローリエ…1枚
- タイム…1枝
- 白粒こしょう…3~4粒
- 塩…少々
<作り方>
1. 鶏ガラは内臓や余分な脂があれば取り除き、30分ほど水にさらす。バットにザルを重ねた上に鶏ガラの水気をきってのせ、ラップをかけて冷蔵庫にひと晩おく。
2. 大きめの鍋に1の鶏ガラのラップを外して入れ、水をひたひたに注ぎ(約1.5L)、塩少々を加えて強火にかける。
3. 沸いたらアクを取り除き、残りの材料を加えてごく弱火にし、3~4時間ほどじっくりと煮出す。
「理想的なでき上がり量は約1Lです。水分が蒸発しすぎているようなら、途中でお湯を適量足してください」
4. ザルでこす。好みでさらに煮詰め、塩で味をととのえる。冷凍保存する場合は、粗熱がとれてから。
取材協力/<BRASSERIE VIRON 渋谷店>山田英治さん

VIRON社のフランス小麦を使用したパンや洋菓子、カジュアルなフランス料理が楽しめる東京・渋谷のレストラン<BRASSERIE VIRON(ブラッスリー ヴィロン)渋谷店>の調理長。
<銀座ベルフランス>で料理人としてのキャリアをスタート。その後、<オーバカナル 原宿>での勤務がきっかけで本格的なフランスのビストロ、ブラッスリー料理に魅了される。2013年、オープンと同時に<BRASSERIE VIRON>へ。以来、本場さながらの味を20年以上支え続けている。近年、生ハム製造の資格を取得するなど、食への探求心は尽きない。
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