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2023.09.02

【冬瓜の人気レシピ】トロトロ食感の煮物(鶏スープ)、炒め物、カレーの3品。下処理や保存方法も解説!

冬瓜と鶏肉の塩うま煮

みずみずしくて、クセのない味わいが特徴の冬瓜。「冬の瓜」と書くので、寒い季節が旬だと勘違いされがちですが、実は夏に旬を迎える野菜です。夏に収穫して冬まで長期保存可能なことから、その名がついたと言われています。

冬瓜は晩夏になると野菜コーナーなどで見かける機会も多いですが、「料理のレパートリーがあんまりない…」という人も多いのでは? そこで今回は、冬瓜のおいしさを引き出すおすすめ料理をプロに聞きました。

教えてくれるのは、旬の野菜を使った料理を得意とする料理研究家の植松良枝さん。レシピに加え、保存方法や下処理なども詳しく解説します!

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冬瓜とはどんな野菜? 特徴と調理のポイント。生食や冷凍保存も可能!

冬瓜のイメージ

●冬瓜の特徴。暑い季節におすすめ!

インドや東南アジアが原産と言われる、ウリ科の野菜。晩夏から秋にかけて旬を迎えます。果実が大きいのが特徴で、3〜5kgほどに育つほか、中には10kgを超えるものも。一方で、近年では品種改良で誕生した、小ぶりサイズのミニ冬瓜も出回っています。

「冬瓜は味わいにクセがなく、どんな料理にも合わせやすいのが魅力です。水分が多く、カリウムやビタミンCが豊富なため、夏バテ気味なときに積極的にとり入れたい野菜。あっさりしているので、食欲が低下気味なときも、するっと食べることができます」

●冬瓜の食べ方。生食も可能!

「あまり知られていませんが、冬瓜は生食も可能です。梨やプラムなどのフルーツと一緒にマリネにするとおいしいですよ。もちろん、炒めたり、煮たりといった加熱調理もおすすめ。炒めると、独特のクニュクニュとした食感に、煮るとトロトロ食感に変化します。味に個性がない分、和風、洋風問わずどんな料理とも相性抜群。私は冬瓜が余ったらすりおろしてお吸い物に入れたり、ツナと一緒に炒め物にしたりしています」

●冬瓜の保存方法。長期保存や冷凍保存ができる!

「冬瓜はもともと冬まで長持ちすることが名前の由来ですが、やはり時間が経つと水分が抜けてきてしまうため、2〜3週間以内に食べきるようにしましょう。保存方法は丸のまま新聞紙に包んで冷暗所に置いてください。

使いかけの冬瓜は冷蔵庫で保存してもあまり日持ちせず、2〜3日以内に使い切ること。食べきれない場合は、早めの冷凍保存がおすすめ。食べやすい大きさにカットして冷凍用保存袋に入れて冷凍すれば、1か月程度保存可能です」

【冬瓜の下処理】皮を薄くむくと翡翠色に仕上がる!

冬瓜の基本の下処理を紹介します。冬瓜は皮を薄くむいて、翡翠色を活かすと、美しい仕上がりに。種とワタを取り除くこともポイントです。

1. 種とワタを取り除く

冬瓜のワタを取っているところ

アスパラの根元を折っているところ

まずは包丁で、種とワタを大まかに除き、次にスプーンでかき出して残りのワタを除く。

「中心部分のふかふかしている部分を、スプーンでかき出すようにしてください」

2. 皮をむく

冬瓜の皮をむいているところ

皮をむいた冬瓜

冬瓜をまな板に置き、ピーラーで皮をむく。

「冬瓜の表皮はとてもかたいので、むき残しはないよう気をつけましょう。薄く皮をむくことで、グリーンがうっすら残り、見た目が美しく仕上がります。皮がとてもかたいため、包丁ではむきにくく、ピーラーを使うのがおすすめです」

それでは、実際にレシピを見ていきましょう。今回は定番の煮物から意外性のあるカレーまで、植松さんおすすめの3レシピをピックアップ!

【冬瓜レシピ①:煮る】「冬瓜と鶏肉の塩うま煮」鶏スープで煮るトロトロ食感と翡翠色が◎

冬瓜と鶏肉の塩うま煮

冬瓜料理の定番である、シンプルな煮物レシピを紹介。鶏肉の旨みたっぷりの煮汁を吸った冬瓜がしみじみおいしい一品です。冬瓜はしっかり加熱することで、トロトロ食感に変化。あっさりしていて毎日食べても飽きのこない味わいです。

「冬瓜が余りそうになったら、すぐに作れる煮物です。冬瓜の大量消費にもぴったりですね。鶏肉からだしが出るので、だし汁は使いません。冬瓜は油で炒めてから煮ることで、煮崩れするのを防ぎましょう。塩麹を加えることで、甘みや旨みがアップして、味に奥行きが出ますよ」

<材料>(3〜4人分)

  • 冬瓜…300g
  • 鶏もも肉…1枚(250〜300g)
  • サラダ油…適量
  • 塩麹…大さじ1 ※ない場合は塩小さじ2/3で代用可
  • 薄口(淡口)醤油…小さじ1
  • あれば、ゆで枝豆(さやから出す)…適量
  • しょうが(すりおろし)…2かけ分

<作り方>

  1. 冬瓜は種とワタを除いて皮をむき、2〜3cm角に切る。鶏肉はひと口大に切る。
  2. フライパンにサラダ油を入れ、鶏肉の皮目を下にして並べる。強めの中火にかけ、皮目に焼き色がつくまで動かさずに焼く。
  3. 冬瓜を加えて炒め合わせ、油が全体に回ってつやっとしてきたら水400ml(分量外)を加えてふたをし、煮立ったら弱火で7〜8分煮る。
  4. 冬瓜がやわらかくなったら塩麹、薄口醤油で調味して器に盛り、あれば枝豆をちらし、しょうがを添える。

【冬瓜レシピ②:炒める】「冬瓜ベーコンエッグソテー」シンプルで手軽に作れる!

冬瓜ベーコンエッグソテー

冬瓜は炒め物としても大活躍! もともと生でも食べられる食材なので、さっと炒めるだけで、あっという間に出来上がります。塩、こしょうだけというシンプルな味付けで、素材のおいしさを活かしてみてください。

「卵やベーコンといったご家庭にある身近な材料と組み合わせて、炒め物にしてみました。ベーコンの代わりにツナを使ってもおいしいですよ。味付けは塩、こしょうだけで十分。やさしい味わいなので、朝食にもぴったりです!」

<材料>(2人分)

  • 冬瓜…150g
  • スライスベーコン…2〜3枚
  • 卵…2個
  • 塩、こしょう…各適量
  • オリーブオイル…適量

<作り方>

  1. 冬瓜は種とワタを除いて皮をむき、5mm厚さのいちょう切りにする。ベーコンは2〜3cm幅に切る。
  2. ボウルに卵を割り入れ、塩少々加え、溶きほぐす。
  3. フライパンにオリーブオイル小さじ1を入れて中火で熱し、ベーコンを広げてさっと炒めたら冬瓜を加え、塩、こしょうをふる。
  4. 冬瓜が透き通ってきたら冬瓜とベーコンを端に寄せ、空いたところにオリーブオイル少々を足し入れて2を加え、半熟状のスクランブルエッグを作ったら、全体を混ぜてなじませる。器に盛り、こしょう少々をふる。

【冬瓜レシピ③:煮る】「冬瓜と豚肉の和風カレー」意外性があるからこそハマる味わい!

冬瓜と豚肉の和風カレー

手軽にめんつゆで味付けした、あっさりした味わいの和風カレー。梅干しを入れることで、酸味がいいアクセントになります。冬瓜は大きめにカットして、ごろっと感を出します。スパイシーな風味が食欲を刺激して、暑い季節でももりもり食べられそう!

「冬瓜はとろみのある欧風カレーよりも、シャバシャバとしたスパイシーなカレーによく合います。豚バラ肉は、あらかじめ熱湯を回しかけることで、余分な脂を取り除きましょう。梅干しではなく、梅酒や梅シロップを加えるのもおすすめ(※その場合、醤油やみりんの量を調整してください)。ご飯は白米の代わりに、黒米入りのご飯なども相性がいいですよ」

<材料>(3〜4人分)

  • 冬瓜…300g
  • 豚バラ薄切り肉…200g
  • 玉ねぎ…中1個
  • トマト…2個
  • 梅干し…1〜2個 ※梅酒、梅シロップ大さじ1~2で代用可
  • にんにく(みじん切り)…1かけ分
  • しょうが(みじん切り)…1かけ分
  • カレー粉…大さじ3〜4
  • A
    ・めんつゆ(2倍濃縮)…80ml
    ・水…500ml
  • B
    ・醤油…大さじ1〜1と1/2(めんつゆや梅干しの甘みや塩分によって調整)
    ・みりん…大さじ1〜1と1/2(めんつゆや梅干しの甘みや塩分によって調整)
    ・塩…少々
  • ごま油…小さじ2
  • 米油…大さじ2
  • 温かいご飯…適量
  • 好みのトッピング(フライドオニオン、ししとうの薄切り、みょうがの薄切りなど)…適量

<作り方>

  1. 冬瓜は種とワタを除いて皮をむき、ひと口大に切る。玉ねぎは粗みじん切りにする。トマトは小さめの角切りにする。梅干しは種をのぞいて適当な大きさにちぎる。
  2. 豚肉は3cm長さに切り、ボウルに入れる。熱湯を回しかけ、ザルにあげる。
  3. 鍋にごま油を入れて中火で熱し、冬瓜を炒める。表面が透き通ってきたら一度取り出す。
  4. 3の鍋に米油を入れて中火で熱し、玉ねぎを炒める。透き通ってきたらにんにく、しょうがを加え、さらに炒める。玉ねぎがうっすらきつね色になったらトマトを加え、水分を飛ばすように炒める。
  5. カレー粉を加え、全体になじんだらAを加え、3の冬瓜を戻し入れる。煮立ったら弱火で4分ほど煮る。2の豚肉を加え、さらに3〜4分煮る。梅干しを加え、Bで調味する。
  6. 器にご飯を盛り、5をかける。好みのトッピングをのせる。

いかがでしたか? 定番から意外性のあるメニューまで、さまざまな魅力を楽しめる冬瓜料理。どれも暑い季節で食欲がないときでも食べやすいレシピばかりなので、ぜひ冬瓜を見かけたら、試してみてください。

植松良枝さん

植松良枝さん

旬の野菜を使った料理を得意とする料理研究家。野菜づくりがライフワークで、季節に寄り添った食と暮らしに関するアイデアを発信している。

さらに国内外を旅し、多くの食文化に触れた経験から生み出される、世界各国のエッセンスを取り入れた料理も人気。『バスクバルレシピブック』(誠文堂新光社)、『春夏秋冬 ふだんのもてなし』(KADOKAWA)、『ヨヨナムのベトナム料理』(文化出版局)など著書多数。

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写真:難波雄史
文:KWC

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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