2023.08.15
【簡単】かに入りふわとろ卵の丼「天津飯」プロのレシピ。あんはなし、ごま香る台湾風です!
かに入りの卵(玉子)にとろりとしたあんのかかった、黄金色に輝く見た目がなんとも食欲をそそる丼めし(丼飯)「天津飯」。
気軽で美味しい丼ものの代表格ですが、自宅で作ろうとするとフライパンで卵を焼いて、鍋であんを作って…と意外に手間がかかります。また卵がもそもそしたり、卵焼きのようなかたさになってしまったりと、理想的なふわふわ食感に仕上げるのも難しいですよね。
「天津飯は、卵の表面が香ばしく焼けていて、中からふわっととろけ出る卵のコントラストの妙を味わえるのが醍醐味です。おうちでもぜひその美味しさを味わってもらいたいので、今回は台湾のオムレツをヒントに、誰でも簡単にベストなふわとろ食感を作れるレシピを考えました。火を使うのは1回だけ、タレは混ぜるだけで完成するオリジナル天津飯です」
片栗粉不要、ワンパン(フライパンひとつ)で作れる手軽な天津飯レシピは、時間がないときの時短メニューとして、子どものランチにもぴったり! ぜひ挑戦してみてください。
【天津飯とは?】実は日本発祥のメニュー。関東風甘酢あん、関西風醤油あんが二大巨頭に
日本では中華料理の定番メニュー「天津飯」。実は日本発祥の料理だって知っていましたか?
その誕生の歴史には、諸説あります。お客様からの「早く食べられるものを」という要望に応えて東京の中華料理店で生まれたという説や、本場・中国のかに玉と、同じく中国・天津で食べられているご飯の上に肉や野菜などを載せた「蓋飯(ガイファン)」をヒントに大阪で誕生したという説などが知られています。
そんな丼もの好きな日本人によって作られた天津飯は、日本各地で発展を続け、現在では関東風の甘酢あん、関西風の醤油あんが二大巨頭に。ほかにも塩あんやオイスターソースベースのあんなど全国にさまざまな味付けの天津飯が存在します。
今回ご紹介するのは、そんなおなじみの天津飯とはひと味違う、シェフオリジナルの台湾風。さっそくそのポイントをチェックしてみましょう。
旨みたっぷり、ふわとろに仕上げる! 天津飯レシピ4つのポイント
【ポイント1】隠し味にたくあんを加え、旨みと食感をプラス
台湾では「菜脯(ツァイポー)」という干し大根の漬物を入れたオムレツが親しまれています。これをヒントに、今回は日本でも手に入りやすいたくあんを卵に入れて旨みと食感を加えます。たくあんの凝縮した旨みと甘酸っぱい風味が卵の味わいに深みを加え、細かく切ったたくあんのぽりぽり食感もアクセントに!
【ポイント2】卵は白身と黄身をしっかり混ぜ、ふわとろ食感に
卵の白身と黄身はかたまる温度帯が異なります。そのため熱を入れる前にしっかり混ぜ合わせないと、ムラが出て、食感がもそもそしてしまう原因に。ふわっと仕上げるためには、はじめは卵のコシを切るイメージで混ぜ、最後は白身と黄身の境がなくなり、一体になったと感じられるくらいまでしっかりと混ぜきりましょう。
【ポイント3】卵が泳ぐくらいたっぷりの油でサッと揚げ焼き。卵の中と外に温度差を作り出す
卵を外はカリッと中はふわとろ食感に仕上げるために、卵が泳ぐほど多めの油を使って、短時間で揚げ焼きにします。じっくり均一に火を通すのではなく、外側を焼きかため、中に半熟を閉じ込めるイメージで焼くのがポイントです。
【ポイント4】片栗粉不要で簡単! 混ぜるだけ&加熱なしのタレは「しゃぶしゃぶ用ごまダレ」でコクアップ
今回は、一般的な関東風の甘酢あん、関西風の醤油あんとはひと味違う、シェフオリジナルの「ごまダレ」で仕上げるレシピです。「しゃぶしゃぶ用ごまダレ」をベースにすれば、混ぜるだけでごまのコクたっぷりのタレに。適度なとろみも加わるので、片栗粉も不要です。しょうがと長ねぎもたっぷり加えて、パンチのある味わいに仕上げます。しゃぶしゃぶ用ごまダレがない場合は、ごま風味ドレッシングでも代用可能です。
ふわとろに仕上げるために卵の溶き方がポイントだなんて、知りませんでした! 火力を強くすると火が入り過ぎてしまうのでは? と心配していましたが、強火で短時間が正解なんですね。一体どんな食感に仕上がるのか楽しみです。
それでは実際にレシピを見ていきましょう。
ワンパンで簡単! ランチにもおすすめの新感覚「天津飯」の作り方
<材料>(1人分)
- 卵…2個
- たくあん…15g(5mm厚さ2、3枚)
- 塩…ふたつまみ
- かに足のむき身、またはかに風味かまぼこ(細く裂く)…20g
- 長ねぎ(斜め薄切り)…10g
- 太白ごま油…大さじ1 ※サラダ油で代用可
- あたたかいご飯…1人分
- 万能ねぎ(小ねぎ)の小口切り(好みで)…適量
- 【タレ】 ※タレは作りやすい分量。多めにできるので、適量を使用。
・しゃぶしゃぶ用ごまダレ…20g(大さじ1強) ※ごま風味ドレッシングで代用可
・醤油…10g(大さじ2/3)
・砂糖…5g(大さじ1/2強)
・酢…2.5g(小さじ1/2)
・しょうが(みじん切り)…10g(大さじ1)
・長ねぎ(みじん切り)…10g(大さじ1)
・ごま油…5g(小さじ1強)
「卵を焼く際は、生のごまをそのまま搾って作られた透明な『太白ごま油』を使います。一般的なごま油に比べ、香りやクセが少ないので、素材の味を邪魔しません。同じく香りや味の淡いサラダ油でも代用可能です」
それでは、実際に作り方を見ていきましょう。
<作り方>
1.タレを作る
ボウルにタレの材料をすべて入れ、よく混ぜる。
【おすすめの材料の計り方】小さめのボウルをキッチンスケールにのせ、メモリをゼロに合わせる。タレの材料を順番に計量しながら足していけば、ひとつのボウルで完結できる。
「タレは作りやすい分量です。多めにできるので、余った分は蒸し鶏などのタレとして使うのもおすすめです」
余ったタレは清潔な容器に入れ、表面にぴったりとラップをかけて、冷蔵庫で約5日保存できます。
2.たくあんを切る
たくあんは5mm角に切る。
「パリパリとした食感も楽しみたいので、小さすぎない5㎜角がベストサイズです」
3.卵を溶く
ボウルに卵を割り入れ、塩をふたつまみ加えて、卵を溶く。
「塩は卵に下味をつけると同時に、卵のコシを切れやすくします」
「菜箸を使って、まずは白身を切るようなイメージで、コシがなくなるまでよく混ぜてください。コシがなくなったと感じられたら、空気を含ませるようなイメージで大きくかき混ぜると黄身と白身が一体となり、なめらかになります」
4.卵に具材を加えて混ぜる
切ったたくあん、かに足のむき身(またはかに風味かまぼこ)、長ねぎを加え、ざっくり混ぜ合わせる。
5.フライパンに油を入れて強火で熱する
フライパンに太白ごま油を入れて強火にかけ、油からやや白い煙が出るくらいまで熱する。
「この時、フライパンからもくもく煙が出たら熱しすぎです。熱しすぎてしまった場合は、一度火を止め、少し温度が下がるのを待ってください」
6.強火のまま4の卵液を油に加え、30秒で揚げ焼きにする
フライパンを片側に傾けて油を寄せ、そこに4の卵液を流し込む。
「熱した油に卵液をジュッと落とすイメージです」
すぐに卵液をフライパンに広げてから、折りたたむようにして片側に寄せて、手早くひとつにまとめる。
「強火で熱しているので、フライパンに当たっている面からどんどんかたまります。フライパンに広げたら、たたむような感じで手早くまとめてください。折りたたむことで、卵に油が含まれてふっくらと焼き上がります。フライパンに卵液を入れてからここまで約30秒で仕上げます」
7.火を止め、器に盛りつける
卵がひとつにまとまったら火を止める。器にご飯を盛り、6の卵をのせて1のタレを適量かける。好みで万能ねぎ(小ねぎ)をちらす。
ふわりとほどける卵と、パンチの効いたタレの融合がたまらない「天津飯」の完成
でき上がった天津飯にレンゲを入れると、卵が割れて中から半熟の部分がとろりと溶け出します。ひと口ほおばると、卵の滋味深い味わいの後に、ごまダレの濃厚さと、しょうがや長ねぎの効いたスパイシーな香りが追いかけてきて、もうやみつきです!
丼ものなのでちょっとボリュームがあるかなと思いましたが、ペロリと完食してしまいました。短時間かつ少ない材料でこれだけ満足感の高い一皿が作れるのはうれしいですね。
「卵の具材として、ニラを加えると彩りと香りがよくなります。また、トマトを加えるとボリュームが増してさわやかな仕上がりになるのでおすすめです。ぜひお好みの具材を加えて、卵の美味しさを堪能してください」
自分好みのアレンジも楽しめる新感覚の台湾風「天津飯」。ぜひご自宅で挑戦してみてください。
伊勢丹新宿店<キッチンステージ>では、有名シェフ監修のメニューが月替りで楽しめます!
伊勢丹新宿店 本館地下1階にある<キッチンステージ>は、有名シェフが監修したメニューを味わえるレストラン。メニューは4〜5週間ごとに変わり、フレンチに和食、中華まで、名店の味をカジュアルに楽しめます。ご家庭で提供メニューの味を再現できるようにレシピも差し上げていますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
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