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2022.06.16

【プロ直伝】厚切りパンでリッチな味わい! フレンチトーストのレシピ。バゲットでもおすすめ

フレンチトーストのイメージ

ミルクと卵の風味とやさしい甘さが魅力のフレンチトースト。休日の朝食に楽しめば、手軽に幸せな気分になれるメニューです。フランスでは「パン・ペルデュ(=失われたパン)」といい、時間がたってかたくなってしまったパンを、卵や牛乳に浸すことで生き返らせるという意味合いから、その名がついています。

このフレンチトースト、ちょっとしたポイントをおさえるだけで、食パンにしっかり卵液を含ませることができ、まるでホテルで出てくるような、カリふわっとした食感とリッチな味わいが再現できるんです!

今回は、プロのフレンチトーストの作り方をご紹介。教えてくれるのは、フランスに滞在経験のある料理研究家の小島喜和さんです。

食パンとバゲット両方の作り方を解説しているので、最後までお見逃しなく!

小島喜和さんのレシピ一覧はこちら>>

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まるでホテルの朝食! リッチな味わいのフレンチトースト作りのポイントは?

フレンチトーストを焼いているところ

ポイント① 買った当日のパンではなく、買って翌日以降のパンを使うと卵液がしみ込みやすい!

記事の最初でも紹介した通り、そもそもフレンチトーストとは、フランスでは「パン・ペルデュ(=失われたパン)」といいます。時間がたってかたくなってしまったパンを、卵や牛乳に浸すことで生き返らせるという意味合いから、その名がついているそう。

そんな名前の由来通り、フレンチトーストは購入した当日のパンを使うより、翌日以降のパンを使った方が水分が抜けて乾燥している分、卵液をたくさん吸っておいしく作れるのです。さらに以下のポイントをおさえると、古いパンをよりおいしく復活させることができます!

ポイント② 食パンは厚切り(4枚切り)をチョイスし、カリふわ食感に!

プロの仕上がりを目指すなら、食パンは厚切りのものを使うのがおすすめ! 厚みがある分、外はカリッと、中はしっとりふわふわに仕上がり、食感のコントラストが楽しめます。もちろん、ない場合は薄切りの食パンでもおいしく作れます。

ポイント③ 卵液には生クリームを加えて、コクをプラス!

フレンチトーストというと卵と牛乳で作るのが一般的ですが、今回は、牛乳と乳脂肪分35%の生クリームを1:1の割合で使用。液体の半量を生クリームにすることで、コクが加わり、驚くほどリッチな味わいのフレンチトーストに仕上がります。

ポイント④ 前日の夜に仕込んで、翌日焼くのが簡単! 食パンを卵液に一晩浸せば、しっとりプリンのような仕上がりに

厚めの食パンを使う分、卵液に浸す時間は長めが基本。冷蔵庫で一晩おいて、食パンの中心までしっかり卵液を吸わせましょう。時間をかけることで、食パンに卵液がまんべんなく行き渡り、どこを食べてもしっとりプリンのような味わいが楽しめます。

一晩というと長いように感じますが、寝る前にささっと準備をしておけば、朝は焼くだけなので、とっても簡単!

一晩おく時間がない場合は、薄い食パンを使用して、卵液に浸す時間を10分ほどに短くする方法もありますが、やはり厚切りパンを一晩浸したほうが段違いのおいしさですよ!

4枚切りの食パンを使うなんて贅沢ですね! 厚みのあるフレンチトーストにナイフを入れる瞬間を想像するだけでよだれが出そうです。卵液はやっぱり一晩浸けた方がいいのですね。確かに寝る前に準備しておけば、翌朝やブランチにすぐ作れて簡単そう!

それでは実際にレシピを見ていきましょう。

【基本のレシピ】厚切り食パンで作るフレンチトースト

フレンチトーストの材料

<材料>(2人分)

  • 食パン(4枚切り)…2枚 
  • 卵(Lサイズ)…2個
  • 砂糖…大さじ1 ※写真は洗双糖(せんそうとう)。グラニュー糖、上白糖、きび糖など好みのものでOK 
  • 牛乳…100ml
  • 生クリーム…100ml ※乳脂肪分約35%のものがおすすめ。ない場合は牛乳で代用可
  • バター…20g

<作り方>

1. 食パンは半分に切って、浅く切り込みを入れる

食パンを切っているところ

切り込みを入れた食パン

食パンは半分に切り、横方向に2か所、2〜3mmの浅い切り込みを入れる。

「食パンは半分の大きさに切った方が、味がしみこみやすく、焼くのも簡単です。喫茶店などでは、格子目に切り込みを入れた食パン1枚をそのまま焼くスタイルを見かけますが、フライパンで焼いたときに崩れやすいのが難点。慣れないうちは、半分にカットするのがおすすめです」

2. 卵液を作る。ボウルに卵を割り入れ、溶きほぐす

卵を混ぜているところ

ボウルに卵を割り入れ、泡立て器で軽く溶きほぐす。砂糖を加え、卵白のコシをきるようにすり混ぜる。

「卵は泡立てるのではなく、泡立て器をボウルに押し当てながら、砂糖を溶かし、卵黄と卵白が均一になるよう混ぜましょう」

3. 2に牛乳、生クリームを少しずつ加えて混ぜる

卵液に牛乳を加えているところ

2に牛乳、生クリームを少しずつ加え、その都度よく混ぜる。

「中級テクニックですが、利き手で卵を混ぜながら、別の片手で少しずつ牛乳と生クリームを加えましょう。牛乳と生クリームを加える順番はどちらが先でも大丈夫です。よりなめらかな口当たりに仕上げたい場合は、このタイミングで、卵液をこし器で裏ごしするといいでしょう」

4. 容器に卵液を入れ、食パンを浸す

容器に卵液を注いでいるところ

卵液に食パンを浸しているところ

食パンに卵液を注いでいるところ

保存容器やバットに3の卵液を半量注ぐ。1の食パンを並べ入れ、残りの卵液を上からかける。そのまま室温で10分ほどおく。

「容器はパンがぴったりと入る、ちょうどいいサイズのものを使いましょう。ない場合はファスナー付き保存袋に入れてバットを重ねるか、深めのお皿などに食パンを1枚ずつ入れても構いません」

5. 一度裏返してから、冷蔵庫で一晩寝かせる

食パンを卵液に浸しているところ

10分ほどたったら4の食パンの上下を返す。ふたをして(またはラップをぴったりかけて)冷蔵庫で一晩おく。

「一晩おく時間がない場合は、薄い食パンを使用し、上下5分ずつ、10分程度卵液に浸して焼いても構いません」

卵液を吸い込んだ食パン

冷蔵庫で一晩おいた食パン。卵液を食パンがほとんど吸っている状態。

6. フライパンにバターを入れて弱めの中火で溶かす

バターを溶かしているところ

フレンチトーストを焼いているところ

フライパンにバターを半量入れて弱めの中火で溶かし、5の食パンを焼く。

「バターは、焦がす必要はありません。溶けたタイミングで食パンを入れてください。火加減は強すぎると、中心が温まらずに表面だけ焦げてしまうので、弱めの火加減でじっくり焼いていきます」

フレンチトーストを焼いているところ

3〜4分たったら食パンを90度回転し、側面を焼く。

「忘れがちですが、側面もしっかり焼くことで、カリッとした食感に仕上がります」

7. 残りの面も焼き色がつくまで焼く

フレンチトーストを焼いているところ

フレンチトーストを焼いているところ

側面を1〜2分焼いたらさらに食パンを90度回転し、反対側の面を焼く。2〜3分たったら再び食パンを90度回転し、側面を1〜2分焼く。残りの食パンも同様に焼く。

「耳は特にしっかり焼きましょう。耳がカリッとしないと食べたときに噛みにくく、おいしくありません。全面にきれいな焼き色がついたら、器に取り出します」

ミルクと卵の風味が驚くほどリッチ! フレンチトーストにメープルシロップをたっぷりかけて

フレンチトーストのイメージ

バターの香りが食欲そそる、フレンチトーストができ上がりました。お好みで粉糖をふってからメープルシロップをたっぷりかけていただきます!

まわりはカリッと香ばしく、中はしっとりふわふわ。中心までしっかりと卵液がしみこんでいるので、どこを食べてもミルクと卵の風味が感じられ、とってもリッチ。こんなフレンチトーストが朝から食べられたら、一気に優雅な気分になれそう!

フレンチトーストのイメージ

「メープルシロップの代わりにはちみつや好みのジャムで甘さをプラスしてもおいしいですよ。私はホイップクリームを添えて、シナモンパウダーをふったり、ラムレーズンを添えたりする食べ方が大好きです」

【アレンジのアドバイス】フレンチトーストは、かたくなったバゲットで作れば、おいしく復活!

バゲットのフレンチトーストのイメージ

リッチな味わいのフレンチトーストは、バゲットで作るのもおすすめ。購入してから時間がたって少しかたくなってしまったバゲットも、フレンチトーストにすることで、やわらかく、香ばしく復活します!

「バゲットは3cm幅ぐらいの厚めに切ってから、十文字に切り込みを深さ1.5cm(パンの厚みの半分ほどの深さが目安)ほど入れ、あとは基本のレシピと同じ手順で作ればOKです。食パンよりもバゲットの方が卵液を吸いにくいので、一晩しっかり寝かせましょう。バゲットで作るフレンチトーストは、噛み応えがあって皮の香ばしさが感じられ、食パンとはまた違った味わいが楽しめます」

いかがでしたか? リッチな味わいのプロレベルのフレンチトースト。ぜひ、前日の夜に仕込んで、優雅な朝を過ごしてみましょう。

小島喜和さん

小島喜和さん

テーブルトップディレクター。季節のめぐりとともに暮らす日々。手仕事を行う楽しさ、美味しさを伝えることをライフワークに、自身の料理教室では「味噌」や「梅干し」など、【季節の手仕事教室】を開催している。『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)など著書多数。

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写真:矢野宗利
文:ケイ・ライターズクラブ

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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