2021.01.31
韓国料理店が教えるナムルのレシピ。もやし、小松菜(ほうれん草)、なんと切り干し大根でも!
野菜が1種類あったら、何を作りますか? おひたしやごまあえもいいですが、ナムルがおすすめ! ごま油とにんにくの風味が食欲をそそる、韓国の定番おかずです。日本でもビビンパにのっていたり、焼肉のサブメニューとして人気だったりすっかりお馴染みになっています。
でも、おうちで作ろうとすると、野菜がべちゃっとなってイマイチ味が決まらない…という経験ありませんか?
そこで今回、本場韓国ナムルの作り方を<韓国料理 韓食 古家>の料理長で、ソウル出身の金民水(キム・ミンス)シェフに教えてもらいました。
レシピは人気のもやしと小松菜(青菜)のナムルに加えて、なんと韓国のご家庭ではよく作られるという、切り干し大根のナムルの3本立てでご紹介します!
本場の韓国ナムルをおいしく作る、3つのポイント
◆野菜によってベストなゆで時間を見極める!
ナムルは「野菜をゆでる」のが基本の調理法。加熱時間が長いと野菜がやわらかくなりすぎて、おいしく仕上がりません。少し固さが残っている状態で、お湯から野菜を取り出すのがポイント!
◆市販の化学調味料は使用せず、野菜の旨みを引き出す!
調味料に市販の顆粒鶏がらスープを使うレシピも多くみかけますが、そうすると素材の味より調味料の味が強くなってしまいがち。野菜それぞれの個性を引き出すなら、塩とごま油でシンプルに味つけを。香味野菜を少し加えれば、旨みも十分です!
◆手でやさしく混ぜて、調味料をよくなじませる!
野菜と調味料を混ぜるときは箸やトングではなく、なるべく手を使いましょう。韓国のオモニ(お母さん)も、ナムルを作るときは手で混ぜるのが基本。野菜を傷つけることなく、調味料を満遍なく全体に行き渡らせることができます。
では、実際に作り方を見ていきましょう。①もやし、②小松菜(青菜)、③切り干し大根の順番で紹介します!
【レシピ①】豆もやしのナムル。ゆで時間は2分がベスト!
淡白な味わいのもやしも、ナムルにすれば香り豊かな一品に! 味つけがシンプルですが、炒りごまやねぎの風味が、もやしのおいしさを引き立てます。シャキシャキとした食感に箸もすすみ、あっという間に1袋分食べられそう!
「韓国ではもやしといえば、ほぼ豆もやしのことを指します。豆がついているので食べ応えがあって、少量でも満足するおかずに。ひげ根はナムルに関してはあまり気にならないので、取らなくても問題ありません」
<材料>(3〜4人分)
- 豆もやし…1袋(200g)
- A
・ごま油…小さじ2
・にんにく(すりおろし)…小さじ1/3
・塩…少々 - 長ねぎ(小口切り)、白炒りごま…各適量
<作り方>
1. 鍋に湯を沸かして塩を入れ、もやしを2分ゆでる
鍋に700㎖ほどの水を入れて沸かし、塩小さじ1/2(ともに分量外)を入れ、もやしを2分ゆでる。
「塩を加えた湯でゆでると、もやしに軽く下味がつきます。いちばん大切なことは、もやしはゆで時間が難しい野菜だということ。ゆでる時間が短いと、ナムルを作ってから時間が経つにつれ、茶色に変色していきます。逆に、ゆでる時間が長すぎると、もやしの食感が悪くなってしまいます。だから、初めてこのレシピで作るとき、湯の量は700ml、ゆで時間は2分を厳守して作ってみてください!」
2. ゆでたもやしをザルにあげ、流水で洗って冷ます
「たくさんの量を一度に作るときは、氷水につけることもありますが、今回の分量なら流水で洗えばOKです。手で軽くもみながら洗って、余熱で野菜がやわらかくならないよう中心までしっかり温度を下げるようにしてください」
3. そのまま10分ほどおいて、水気をしっかりきる
4. ボウルに3のもやし、Aの調味料を加えて混ぜ、長ねぎ、ごまを加えて混ぜる
「にんにくと塩の量は味見をしながら、好みで調整してください。豆もやしは混ぜるときに豆の部分が取れやすいので、手でやさしくあえるようにしましょう」
【レシピ②】小松菜(青菜)のナムル。葉と茎を別々にゆでるのがコツ!
つややかで彩りのきれいな小松菜のナムルも、ゆで時間が最大のポイント。なんと茎は15秒、葉は5秒ほどで十分なのだそう! スピーディーに仕上げたナムルは、噛み締める度に旨みがジュワッと口の中に広がります。
「小松菜の代わりにほうれん草でもおいしく作れます。韓国では特に、ちぢみほうれん草を使って作るのが一般的ですね。作りたてをすぐに食べるより、5分ほどおいて味をなじませてから食べるのがおすすめ。葉と茎で異なる食感を楽しんでください」
<材料>(3〜4人分)
- 小松菜…1束(200g)
- A
・ごま油…小さじ1
・にんにく(すりおろし)…小さじ1/2
・塩…少々 - 長ねぎ(小口切り)、白炒りごま…各適量
<作り方>
1. 小松菜を切る
小松菜は根元を切り落として長さ3cmに切り、葉と茎に分ける。
「葉と茎の部分では火の通り方が異なるので、あらかじめ分けておきましょう」
2. 鍋に湯を沸かし、茎は15秒、葉は5秒それぞれゆでる
鍋に700㎖ほどの水を入れて沸かし、塩小さじ1/2(ともに分量外)を入れて茎を15秒、葉を5秒、それぞれ別にゆでる。
「店では大量に作るので鍋を2つ用意し、別々にゆでていますが、ご家庭で作るときは、先に茎を入れて10秒後に葉を加え、時間差でゆでる方法でもいいでしょう。青菜はシャキシャキとした食感を残したいので、スピーディーな作業を心がけましょう」
3. ザルにあげ、流水で洗って冷ます
手で軽くもみながら流水で洗って、中心までしっかり温度を下げる。
4. 小松菜を絞って、水気をしっかりきる
「水っぽさが残っていると味がぼやけるので、手でぎゅっと絞って、しっかり水気をきりましょう」
5. ボウルに4の小松菜、Aを加えて混ぜ、長ねぎ、炒りごまを加えて混ぜる
「もやしと同様、手で混ぜて調味料とよくなじませたらできあがりです」
【レシピ③】切り干し大根のナムル。甘辛い味つけがポイント
余りがちな乾物もおいしいナムルに大変身! こちらは基本の調味料に唐辛子と水あめを加えて、ひと工夫。シャキシャキとした食感と甘辛い味つけに箸が止まりません! 白いごはんにも、ビールのおともにもぴったりなおかずです。
「韓国ではとてもポピュラーなナムルです。個人的にもお気に入りでよく作ります。切り干し大根だけでもいいですが、韓国ではにらや玉ねぎ、唐辛子の葉っぱなどを混ぜるレシピも。見た目は辛そうですが、甘味をしっかりつけているので、意外と食べやすいですよ」
<材料>(3〜4人分)
- 切り干し大根…30g
- A
・水あめ…30g
・粉唐辛子(韓国料理用唐辛子)…小さじ3
※粉唐辛子の各メーカーのスパイス配合によって辛さが多少異なる場合がございます。お好みでご調整ください。
・うす口しょうゆ…小さじ1/2
・にんにく(すりおろし)…小さじ1/2
・塩…少々 - 万能ねぎ(小口切り)、白炒りごま…各適量
- ごま油…小さじ1/2
<作り方>
1. 切り干し大根を熱湯でもどす
ボウルに切り干し大根を入れ、熱湯を700㎖ほど注ぎ、2分ほどそのままおいてもどす。
「切り干し大根のもどし具合の目安は、食べてみて『やわらかいけれど芯が少し残っている』と感じるくらいがおすすめです」
2. 切り干し大根をザルにあげ、流水で洗って冷ます
1をザルにあげ、手で軽くもみながら流水で洗って、中心までしっかり温度を下げる。
3. 切り干し大根を絞って、しっかり水気をきる
手でぎゅっと絞って、しっかり水気をきる。
4. ボウルに3の切り干し大根、Aを入れ、よく混ぜる
「切り干し大根のナムルは、しっかり甘みをつけるのがポイント。水あめを使うと水っぽくならず、味に奥深さが出ます」
切り干し大根をほぐすようにしながら全体をしっかり混ぜ、調味料をなじませる。
5. 調味料がなじんだら、万能ねぎ、ごまを加えてさっとあえる
「仕上げに万能ねぎ、炒りごま、ごま油を加え、さっと混ぜたらできあがりです」
【保存期間】 ナムルは容器に入れて冷蔵庫で3日間ほど
今回ご紹介したナムルの保存期間は、保存容器に入れてから、切り干し大根のナムルは冷蔵庫で2日間、もやしと小松菜のナムルは3日間ほど日持ちします。
簡単に作れて食卓がパッと華やぐ野菜の副菜。ぜひ、常備菜として冷蔵庫にストックしておいてはいかがでしょうか?
なお、伊勢丹新宿店にある<韓国料理 韓食 古家>では、定番のビビンパ、チゲなどのランチメニューが充実しています。ランチタイムは少し長めの17時まで提供しているとのこと。ぜひ、店舗の方にも本場のおいしさを味わいに、足を運んでみてください!
取材協力/韓国料理 韓食 古家 伊勢丹新宿店
韓国金浦市郊外にある韓国料理屋<古家>の日本1号店。宮廷料理を主とした現代風の韓定食などが楽しめる。今回、紹介した野菜ナムルは「石焼ビビンパ」1,815円(税込)にものっています。ぜひ、そのおいしさを確かめに行ってみてください!
商品の取扱いについて
記事でご紹介している<韓国料理 韓食 古家>は、伊勢丹新宿店本館7階にございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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