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2019.08.22

パラパラチャーハンのレシピを<銀座アスター>が伝授。プロ並みの味を作る裏ワザとは?

チャーハンのイメージ

「チャーハンを家のキッチンで上手に作る」って永遠の課題ですよね。ごはんと具材を炒めるだけなのに、「ごはんがくっついてベチャっとする」「パラッとなるまで炒めようとすると時間がかかりすぎて焦げてしまう」「なんだか油っぽくなる」など、なかなか上手にできないもの。

やはりお店のように強い火力のコンロや鉄の中華鍋がないと無理なのか……と諦めるのはまだ早い! 実はそんな悩みを簡単に解決する驚きの裏ワザがあるのだそう。教えてくれるのは、<銀座アスター>伊勢丹新宿店料理長、安蒜(あんびる)義政シェフです。

<銀座アスター>直伝のレシピ一覧はこちら>>

チャーハンが作りやすい深めのフライパンはこちら>>

チャーハンをパラッとさせる裏ワザは、ごはんを水洗いすること!

ごはんを洗っている様子

「レストランのチャーハンは、火力の強いコンロでよく油のなじんだ中華鍋を使って作ります。そのため、ごはん同士がくっつく余地がなくパラパラに仕上がりますが、ご家庭だとコンロの火力も弱く、そもそも中華鍋をお持ちでないことも多いですよね。でも大丈夫! 解決のカギは“ごはんの下処理”にあります」

その方法はなんと冷やごはんを水洗いすること!

「ごはん同士がパラパラにならずくっついてしまうのは、ぬめりが原因。事前にさっと水洗いすれば、表面のぬめりが取れて、炒める前にごはんがパラパラの状態になります。このとき使うのは余分な水分が飛んだ冷やごはんがおすすめ。ただし洗ったあとは、水けをきりましょう」

実際に作り方を見ていきましょう。今回は「家庭のコンロ&フッ素樹脂加工のフライパン」という条件で上手にチャーハンを作る方法を教えていただきます。あわせてチャーハンに関するよくある疑問も解決!

Q&Aで徹底解説! <銀座アスター>の決定版パラパラチャーハンの作り方

「材料を多く入れると鍋の中の温度が下がるので、1回に作る量はなるべく少ない方がおすすめです。量が多いと具材や調味料が全体に混ざりにくくなるので、直径26㎝のフライパンなら多くても2人分まで。パラパラに徹底的にこだわるのであれば1人分ずつ作るのがベストでしょう」

<材料>(1人分)

  • 冷やごはん…180g(茶碗山盛り1杯)
  • 卵(L玉)…1個
  • チャーシュー(細かく刻む)…30g
  • えび(ボイルしたもの・細かく刻む)…20g
  • 青ねぎ(小口切り)…15g 
  • しょうが(みじん切り)…少々 
  • サラダ油…小さじ2
  • 塩、こしょう…各少々
  • しょうゆ…小さじ1〜1と1/2

<作り方>

1. ごはんは水洗いし、よく水けをきる

冷やごはんはさっと水洗いしてザルにあげ、ペーパータオルで水けを取ります。ペーパータオルにお米がつきやすいので注意してください。

「水のきり方があまいと、ベチャっとした仕上がりになるので、よく水分を取るようにしましょう」

2. フライパンにサラダ油、しょうがを入れて中火にかける

油をなじませている様子

フライパンにサラダ油を入れて全体になじませ、しょうがを加えて強火にかけます。

「しょうがは『風味づけ』ではなく、油の『におい消し』という理由で加えます」

3. 卵を加え、大きく混ぜる

卵を炒めている様子

油を十分に熱したら溶いた卵を一気に加え、木べらで大きくかき混ぜます。

Q:卵とごはんを事前に混ぜる方法はあり?

A:生の卵とごはんをあらかじめ混ぜる作り方は、ごはんを卵でコーティングすることで低い温度でもごはん同士をくっつきにくくさせるので、有効な手法のひとつです。

ただし、卵の水分をごはんが吸ってしまうという難点も。かなり火力の弱いコンロで作る場合はひとつの選択肢ですが、一般的な家庭用コンロであれば、卵とごはんは別々に炒めた方がいいでしょう。

4. ごはんを加え、ほぐすように炒める

ごはんを炒めている様子

卵が半熟状に固まったら1を加え、ごはんをほぐして卵となじむように木べらで混ぜながら炒めます。

Q:フライパンはあおらなくていいの?

A:プロの料理人が鍋をあおるのは、火力が強いから。食材が鍋肌に当たって焦げるのを防ぐためです。家庭のコンロはそこまで火力が強くないのであおる必要はありません。むしろ温度が下がってしまうので、なるべく避けて。

Q:手早く作業しないとダメ?

A:チャーハンというとスピーディに仕上げるイメージが強いですが、家庭のコンロなら強火にしたところであまり火力は強くないので、慌てなくても大丈夫です。それよりもここではある程度時間をかけて、卵とごはんをよくほぐし、しっかりと水分を飛ばすことがチャーハンをパラパラに仕上げるポイントです。

5. 塩、こしょうをふる

塩をふっている様子

ごはんと卵がよく混ざり、水分が飛んだら、塩、こしょうをふってさっと炒めます。

Q:塩を加えるタイミングは?

A:塩はこのタイミングで加えましょう。熱を加えて炒めることで、塩の結晶に丸みが出て塩味のとがりが緩和します。同じ量を仕上げのタイミングで加えるよりも味がまろやかになり、全体がなじみます。

6. チャーシュー、えびを加える

チャーシュー、えびを加え炒めている様子

チャーシュー、えびを加えて炒めます。

Q:チャーシューがない場合は?

A:ベーコンやハム、ウインナソーセージなど、旨みの強い食材で代用可能です。チャーハンの具材はチャーシューなどの味が出るもの、ねぎ、卵があれば十分おいしく作れます。今回は彩りでえびを使いましたが、それ以外の具材は季節に応じて好みのものを使ってみてください。

7. 青ねぎを加えてさっと炒める

青ねぎを加え炒めている様子

軽く炒めたら青ねぎを加えます。

「緑色が映えるので、九条ねぎや万能ねぎなどの青ねぎがおすすめですが、長ねぎでも問題ありません」

8. しょうゆを鍋肌から加え、さっと混ぜたら完成!

しょうゆを加え炒めている様子

さっと炒めたらしょうゆを鍋肌に当てるようにして加え、全体をよく混ぜます。

「しょうゆは最初に加えると、チャーハンが黒く焦げてしまう可能性があるので、仕上げに加えましょう。鍋肌に当てることで香ばしい香りを引き出します。ここまで『フライパンはあおる必要はない』と言っていましたが、最後は『一気に全体を混ぜる』という意味で、あおるのも有効です」

Q:仕上げにごま油は入れなくていいの?

A:ごま油は「香り油」といって、中華料理では風味づけによく使われますが、今回はしょうゆの香りを生かしたいので不要です。

シンプルなのに滋味深い! パラパラ絶品チャーハンの完成

チャーハンのイメージ

器に盛ったとたん、パラッと崩れる黄金のチャーハン。食べると、ごはん粒と具材の旨みが一体となって口いっぱいに広がります。チャーシューの噛み応え、ねぎのシャキシャキ感がアクセントになっていて、食べる手が止まりません。やさしくて滋味深い、毎日でも食べられそうな飽きのこない味わいです。

「特別な調味料や食材を使わずともおいしいチャーハンは作れます。シンプルが一番!」

プロが教えてくれた驚きの裏ワザ。騙されたと思ってぜひ一度試してみてください。まるでお店のような仕上がりにきっと驚くはずです。

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取材協力/中国名菜 銀座アスター 伊勢丹新宿店

<銀座アスター>の安蒜義政シェフ

銀座アスターの安蒜(あんびる)義政シェフ

中国の調度品を飾ったシックな店内で、季節ごとに変わるコース料理や気軽なアラカルトなどのメニューが楽しめる。

2017年4月よりシェフに就任した安蒜義政さんは、豊富なアイディアの持ち主。お客さまからのリクエストにも、柔軟に応えてくれる。

<銀座アスター>直伝のレシピ一覧はこちら>>

写真: 矢野宗利
文:斉田麻理子
(追記:2020/7/21 14:45)
一部レシピの内容を変更いたしました。

店舗のご案内について

記事でご紹介している<中国料理 銀座アスター>は、伊勢丹新宿店本館7階にございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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