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2015.05.25

梅仕事のプロが教える、梅シロップ、梅酒、梅干しのおいしい作り方(レシピ)

梅を漬け込む「梅仕事」のイメージ画像

「梅雨」の語源には、梅の実が熟す頃に降る雨、という説もあるのだとか。そう、梅雨の到来とともに、今年も「梅仕事」のシーズンがはじまります。梅仕事とは、梅を収穫し、漬け、梅雨明けに干して梅干しを作る、または梅酒や梅シロップを仕込むための一連の作業のこと。

おむすびをはじめとしたお食事や無添加の手づくり加工食品を取り扱っている「おむすび まるさんかく」オーナーの大倉千枝子さんは毎年この季節に、梅仕事のセミナーを開催されています。その魅力にハマり、毎年参加しているリピーターの方も多いのだとか。

「梅仕事を通して、天候や梅の出来などを気にかけるようになるので、自然の営みや環境の変化に関するさまざまなことに気づかされます」。そう語る大倉さんに、梅仕事の楽しみ方について教えていただきました。

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【下準備】まずは基本となる、梅や容器の選び方

梅の木に実った新鮮で黄熟した梅の実の画像

自宅の庭や畑で梅を収穫できない場合は、スーパーなどで梅を購入できます。「梅は、できるだけ新鮮で黄熟したものを選びましょう。熟成した梅で作ると、味も香りも断然良くなります。店頭に並んでいる梅の中にはまだ熟成していないものも見かけますが、そんな時は新聞紙やザルに広げておき、熟すのを待ちます」と大倉さん。また、梅はしっかり洗って水気を拭き取り、表面を傷つけないよう竹串でヘタを取り除くのもポイントです。

梅を漬ける容器は、漬ける量より大きく余裕のあるサイズを選びましょう。梅酒の場合、梅1㎏に対して氷砂糖500g、ホワイトリカー1.8ℓが入るので、市販のガラス容器なら5ℓサイズが適しています。どの容器も熱湯消毒ののち、アルコール消毒を。

【レシピ①】初めての梅仕事なら、家族で楽しめる「梅シロップ」の作り方

アルコールを含まずジュースにもなる梅シロップの画像

初心者でもはじめやすい梅仕事として大倉さんがすすめてくれたのは、「梅シロップ」づくり。「梅シロップはアルコールを含まない梅のエキスです。希釈してジュースにすれば、小さなお子さんがいるご家庭でも皆さんで召し上がれます」とのこと。もちろん、梅シロップをベースにしたカクテルも楽しめますよ。

 

梅シロップの材料と作り方

1.梅と氷砂糖を同量用意します(完熟梅1㎏に対して氷砂糖1㎏)

2.消毒したガラス容器などに、梅と氷砂糖を交互に入れていきます

3.梅のエキスが上がってきてから1ヵ月ほど漬け込んだら、完成!

【POINT】

仕込んだ梅の変化を毎日観察し、梅から上がってきたシロップが全体にかぶる程度になるまで、瓶を揺すって発酵を促します。青い梅で作るとキリッとした味に、完熟梅で作るとまろやかな味に仕上がります。完成後、引き続き時間をかけて寝かせてもOK。深い味わいの梅シロップが楽しめます。高温多湿の場所を避け、冷暗所に保管して。

 

【レシピ②】梅シロップの応用編! 梅酒の作り方

また、梅シロップの材料に度数の高いアルコールを加えれば、梅酒も同じように作ることができます。完成までに時間はかかるものの、できあがったときの喜びはひとしおです。

梅酒の材料と作り方

1.梅1㎏に対して、氷砂糖500g、ホワイトリカー1.8ℓを用意します

2.梅シロップと同様に漬けていき、最後にホワイトリカーを入れます

3.冷暗所に保管。半年から1年ほど経つと、おいしく飲めるようになります。

【POINT】

35度以上のホワイトリカーで作るのが一般的ですが、アルコール度数の高い日本酒やブランデーなどで漬けるのもオススメ。氷砂糖の代わりにキビ砂糖や黒糖などを使うことで、風味の違いが楽しめます。

【レシピ③】梅仕事を深めたいなら挑戦しよう!梅干しの作り方(レシピ)

漬け込んだ梅干しの画像

梅仕事をもっと深めてみたいという方は、ぜひ梅干しに挑戦してみて。手順が多いのでハードルが高く感じられるかも知れませんが、「手間ひまかけて、美味しく育てる」という、梅仕事のいちばんの楽しみが凝縮されています。

 

梅干しの材料と作り方

1.梅2㎏に対して塩400g(梅の量に対して20%)を用意します
2.消毒した容器に梅と塩を交互に入れていき、重石を置きます
3.2〜3日で梅酢があがってくるので、そのまま1ヵ月ほど漬けます
4.十分に梅酢が上がってきたら、赤紫蘇を揉んだものを一緒に漬けます
5.3日以上晴れる日が続く頃を見計らい、梅をザルに並べて天日干しにします
6.片面が干し上がったら、そっと裏返して反対側も干しましょう。3日ほど天日干しにしたら、完成です。保存容器に入れて冷暗所へ。

【POINT】

「赤紫蘇の準備や梅の干し方は、実際に見て体験して覚えた方が良いので、最初は梅を漬けたことがある人に教わるのがおすすめです」と大倉さん。梅干しづくりのより細かい手順については、大倉さん(オオクラチエコさん)のホームページでも紹介されています。

大倉さんの梅仕事は、今年31年目を迎えるそう。毎年欠かさず続けてきた理由は、純粋に「楽しいから」。年ごとに異なる季節の訪れや天候を楽しみ、自ら収穫したもので作る喜び、食べる喜びを味わう…、それが梅仕事の醍醐味なのです。

【取材協力】おむすび まるさんかく

厳選した食材でつくったおむすびと食事を提供しながら、手づくりのオリジナル加工品を企画・販売。おむすび、梅干しをはじめとした日本の食文化を広く発信している。

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文: 根本暖子

 写真:おむすび まるさんかく

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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