Foodie(フーディー)は、三越伊勢丹グループが運営する食のメディアです。

2017.06.15

レシピ

ラップはNG!? チーズの正しい保存法を専門店が解説!

食べきれずに残ったナチュラルチーズ。「後日の楽しみに……」と、ラップで包んで保存していませんか?  実はソレ、間違いだったんです!

「まずはオーブンペーパーで包むのが正解です!」と教えてくれたのは、伊勢丹新宿店のナチュラルチーズ専門店<フロマジュリーHISADA>の店長、榎島功さん。

「ラップで包んではいけない理由はふたつ。①ラップの石油臭さが移ってしまうから。そして、②発酵過程の呼吸や水分調節が妨げられてしまうからです」

発酵食品であるナチュラルチーズは、熟成がうまくいかないと味わいが劣化していきます。榎島さん曰く、正しい保存方法を知ればチーズの熟成に差が出て、美味しさまで変わってくるそう。

プロ直伝、チーズの保存方法&賞味期限

そこで代表的なナチュラルチーズについて、詳しく教えてもらいました。チーズによって冷蔵庫の「チルド室」「野菜室」「冷蔵室」のどこに保存するのかも注目です!

カマンベール(白カビタイプ)
モッツァレラ、マスカルポーネ(フレッシュタイプ)
ゴルゴンゾーラ、ロックフォール(青カビタイプ)
パルミジャーノ レッジャーノ(ハードタイプ)、ゴーダ(セミハードタイプ)
エポワス(ウォッシュタイプ)

① カマンベール(白カビタイプ)

カマンベール

ふわふわの白いカビの外皮に覆われた【白カビタイプ】の代表・カマンベール。ブリード・モー、シャウルスなども同タイプで、熟成によって味わいが変化しやすいチーズです。

【保存方法】

カマンベールをペーパーで包み、元の容器で保存する様子

外皮が蒸れないようオーブンシートで包み、あればチーズが入っていた木枠に戻し入れます。さらに密閉容器に入れて(このときパセリやレタスを一緒に入れると乾燥が防げる)、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。1週間に2回くらい、上下を返すと熟成が均一に進みます。

 

【賞味期限】

外側から内側へと熟成は進み、若いときはかためでほのかな酸味があり、熟成が進むほどとろけるようなやわらかさに。熟成しても見た目はあまり変わりませんが、カマンベールによっては苦みが出るので、その場合は食べごろを過ぎたと思ってください。

一覧に戻る▲

②モッツァレラ、マスカルポーネ(フレッシュタイプ)

モッツァレラ、マスカルポーネ(フレッシュタイプ)

見るからにミルキーなモッツァレラ(写真左)やマスカルポーネ(写真右)は、【フレッシュタイプ】のチーズ。数日で作られ、熟成させずにミルクの新鮮な風味を楽しみます。クセがない味わいとしっとりソフトな食感が特徴。リコッタやフロマージュブランも同類です。

【保存方法】

マスカルポーネにペーパーをかぶせる様子、モッツアレラの切り口を下にして保存する様子

モッツァレラは断面を下にして、浸かっていた乳清とともに保存容器に入れて冷蔵庫へ(左写真)。マスカルポーネはオーブンシートで表面を覆い、空気に触れないよう指で押さえ(右写真)、ラップで包むか保存袋に入れて冷蔵庫へ。乳清(水分)が出ていたら、ペーパータオルでこまめに拭き取りましょう。

フレッシュタイプのチーズは冷蔵庫の冷蔵室で保存します。チルド室で保存するのは、冷えすぎて食感がボソボソになるおそれがあるのでNGです。

【賞味期限】

鮮度が命のフレッシュチーズ。時間がたつほど風味は落ちるので、できるだけ早く食べましょう。少し味見をしてみて苦みや微炭酸を感じたら発酵が進んでいます。お好みの頃合いで食べきるようにしてください。

一覧に戻る▲

③ゴルゴンゾーラ、ロックフォール(青カビタイプ)

ゴルゴンゾーラ、ロックフォール

ゴルゴンゾーラ(写真左)や羊乳を原料とするロックフォール(写真右)は、青カビ菌を用いて作られる【青カビタイプ】。その見た目から「ブルーチーズ」とも呼ばれ、舌をピリッと刺すような風味と強い塩気、独特の香りが特徴です。

【保存方法】

ブルーチーズから出てきた水気をふき取る様子

オーブンシートで包んで密閉容器に入れ、冷蔵庫のチルド室で保存しましょう。乳清(水分)が出た分だけ、ペーパータオルで拭き取ってください。

 

【賞味期限】

臭いが強くなり、舌を刺激するようになったら熟成が進んでいると考えてください。熟成が進んだものは、カレーやシチューなどの煮込み料理に使用していただくと良いでしょう。

一覧に戻る▲

④パルミジャーノ レッジャーノ(ハードタイプ)、ゴーダ(セミハードタイプ)

パルミジャーノ(ハードタイプ)、ゴーダ(セミハードタイプ)

パルミジャーノ レッジャーノ(写真右)は【ハードタイプ】。水分量を減らして製造するのでかたい仕上がりになり、熟成期間も6カ月~3年と最長。コンテやエメンタールも同じ種類です。

ゴーダ(写真左、トリュフ入り)は熟成期間が1~8カ月と、ハードタイプよりやわらかい【セミハードタイプ】。チェダーやラクレットも同じ種類で、加熱すると溶けて糸を引くよう伸びるのが特徴。ピザやグラタンに使われます。

【保存方法】

ゴーダをペーパーに包む様子

オーブンシートで包んでからラップで包み、密閉容器に入れて冷蔵庫の野菜室で保存。蒸れ防止のために、3日に一度は空気に触れさせるといいでしょう。パルミジャーノ レッジャーノはほかの食材の匂いを吸収しやすいので、香りの強い食材の側には置かないこと。

 

【賞味期限】

カビが生えてきてもその部分を削れば大丈夫ですが、組織がもろくなったり、味にえぐみが出てきたら熟成が進んでいると考えてください。また、少しずつカットして食べる場合、違う側面を切っていくと、乾燥具合がかたよりません。

一覧に戻る▲

⑤エポワス(ウォッシュタイプ)

エポワス(ウォッシュタイプ)

エポワスは表面を塩水や蒸留酒で洗って熟成させる【ウォッシュタイプ】。納豆菌の一種で表面が覆われるため、個性的な香りと風味が特徴です。香りの強い外皮と中身のマイルドな味わいとのギャップは、チーズ通を虜に。タレッジオやランゴドールも同類です。

【保存方法】

エポワスにペーパーをかぶせている様子

ウォッシュタイプは乾燥が大敵。空気に触れないようオーブンシートで表面を覆い、木枠ごとラップで包み、ファスナー付き保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。蒸れ防止のために、2日に一度は空気に触れさせるといいでしょう。

 

【賞味期限】

熟成が若いうちは外皮の匂いも穏やかで、中身はねっとりとした食感。熟成が進むにつれ外皮の匂いが増し、トロッとした食感になり味わいも濃厚に。

好みにもよりますが、外皮の臭いがさらに強くなりアンモニア臭が出てきたら、熟成が進んでいると考えます。白ワインと合わせて加熱し、チーズフォンデュなどにすれば、比較的匂いも気にならず美味しく食べられます。

一覧に戻る▲

専用の保存用シートも販売されています

フロマジュリーHISADAで販売しているチーズを保存するペーパー

<フロマジュリーHISADA>で販売しているチーズの保存専用ペーパー 5枚 108円(税込)

今回お話を聞いた<フロマジュリーHISADA>では、保存用のオーブンペーパーを販売しています。ちなみに販売時にチーズを包んでいる透明なフィルムは、チーズの保存専用に開発したものなので、食べきれなかったらそのまま包んで保存してOKです。

 

「ご自宅で保存しているチーズは、食べるときに室温にもどすことをお忘れなく。本来の風味と食感が引き出されます 」と榎島さん。これでもう完璧ですね!

【チーズの保存Q&A】

さらに気になる保存について、榎島さんに教えてもらいました。

Q:チーズにカビが生えてしまったら食べられない?

A: ナチュラルチーズは防腐剤などを含まない発酵食品です。発酵食品に生えるカビは乳酸菌の力で中まで浸透しないので(青カビタイプは意図的に穴を開けて内部にカビを繁殖させています)、カビが生えた部分だけ取り除けば、たいていは美味しく食べられます。

Q:チーズは冷凍できる?

シュレッドチーズを保存する様子

A:チーズは冷凍・解凍すると組織が壊れてボソボソとした食感になりますが、冷凍のまま加熱調理するなら冷凍してもOK。ハード、セミハードタイプのチーズはスライスして1枚ずつラップに包み、シュレッド(ピザ用チーズ)チーズは平たくラップで包んで、ファスナー付き保存袋に入れて冷凍を。

 

文: 香取里枝

写真:鵜澤昭彦(スタジオ・パワー)

バイヤー・スタイリスト / 榎島功
大学時代のアルバイトからチーズ一筋。国内の各店舗やパリ1号店のオープニングスタッフなどを経験し、チーズ専門店<フロマジュリー HISADA>伊勢丹新宿店の店長に。「まるで生きもののように、日々育っていくのがナチュラルチーズのおもしろさです」

商品の取扱いについて

この記事でご紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=シェフズセレクション/フロマジュリー HISADAにてお取扱いがございます。
また、伊勢丹オンラインストアでは<フロマジュリー HISADA>の一部商品をお取扱いいたしております。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

FOODIE 占い