2017.04.09
プロが教えるたけのこのゆで方。ぬかなしでもアク抜きできる!
春になると登場する皮つきのたけのこを、ご家庭でゆでたことはありますか? ちなみに、一般的な「皮つきたけのこのゆで方」はこんな流れ。
◆基本の「皮つきたけのこ」のゆで方(アク抜き)
- 外側の皮をむき、穂先を斜めに切り落とし、縦に切り込みを入れる。
- 皮つきのまま米ぬかと赤唐辛子と一緒にゆでる。
- そのまま冷ます。
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でも、いざやってみると「皮はどこまでむく?」「米ぬかがないとダメ?」など、疑問がいろいろと出てきます。そこで、伊勢丹新宿店・フレッシュマーケットの鈴木理繒シェフに正しい方法を解説してもらいました。
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Q:なぜ、買ってすぐにゆでないといけないの?
A:アクが出続けるのを止めるためです。たけのこは切り取られてすぐにえぐみの原因となるアクが出始め、時間が経つほどどんどん強まっていきます。買って帰ったら、なるべく早く調理してください。
Q:たけのこの皮は全部むいてから、ゆでちゃダメ?
A:外側の泥のついた2~3枚はむきますが、全部むいてはダメです。
皮をつけたままゆでる理由は2つ。①たけのこのうまみを逃がさないためと、②しっかりアク抜きするためです。皮がついていた方が、じっくり時間をかけてゆでることができ、アクがよく抜けます。
Q:下ごしらえの時、切り込みはどこまで入れる?
A:たけのこの実のギリギリまでです。穂先を斜めに切り落としてから、写真のように、皮の中に入っているたけのこの実の形をイメージしながら、繊維に沿って2本切り込みを入れましょう(①、②)。これで厚い皮に覆われていた穂先に火が入りやすくなります。
Q:米ぬかや赤唐辛子は、絶対に必要?
A:米ぬかと赤唐辛子はアク抜きに重要な働きをすると言われています。たけのこは鮮度が命。産地や鮮度によっては米ぬかなどが必要ない場合もありますが、小売店などで売られているものは収穫から時間がたっているものが多いので、アクやエグミを感じることがあります。その場合は米ぬかや赤唐辛子を使用した方がおいしさがクリアになりますよ。米ぬかがないときは、米のとぎ汁や米ひとつかみ(洗わずに使う。無洗米はぬかがついていないのでNG)で代用できます。
Q:短時間でゆでられる方法はないの?
A:ありません。強火でゆでれば短時間でやわらかくはなりますが、アク抜きが不十分なためえぐみが残ってしまいます。
ゆでる目的は「やわらかくする」だけでなく、「アクをきちんと取る」こと。最初は強火にかけ、沸騰したら弱火にして、じっくりと1時間程度ゆでてください。根元のかたい部分に竹串がすっと入ったら、火を止めます。
Q:どうしてもえぐみが気になります
A:ゆで上がりにえぐみが残る場合、①買ってきてすぐにゆでる、②弱火でゆっくり加熱する、③ゆでているときに出る白い泡のようなアクを取る(写真)、④ゆでたらひと晩(8時間以上)しっかり冷ますという、4つのポイントを守っていない可能性があります。
とくに③のアクを取ることをやっていない場合が多いので、丁寧に取るようにしてください。
ただし、春の野菜の美味しさは、ほろ苦さにもありますから、ある程度の苦みは季節の美味しさだと思いたいですね。
Q:ゆでたらそのまま冷ますのはなぜ?
A:理由は2つ。①火を止めたあともゆで汁の中に入れておくことで、アクがさらに抜けるから。そして、②しっかり冷ますことで、ゆで汁に出たうまみをたけのこの実に戻すことができるからです。
「粗熱がとれれば冷めた」と思っている人が多いのですが、その程度ではアクが残ってしまいます。火を止めてから最低でもひと晩(8時間以上)おいて、しっかりと冷ましてください。
Q:たけのこの皮はどこまでむけばいい?
A:穂先と根元をそれぞれ握り、①それぞれ「ぐっ」と逆方向にひねって、②穂先を上に引き抜き、皮がスポンとはずれたところまでむきます。一枚ずつはがしながらむいている人が多いのですが、この方法の方が簡単です。
むけたたけのこの実の部分はすべて食べられます。ただし穂先1cmくらいには、かたく苦い部分が残っていることがあるので、好みで切り落とすといいでしょう。
Q:たけのこをゆでた後、どう切ればいい?
A:かたさの違う部位別に切り分けてから、それぞれに適した切り方をします。
まず「穂先」「中央」「根元」の3つの部位に切り分けます。そして「穂先」は垂直方向に4等分。「中央」は食感を生かすために繊維に沿って縦に切ります。「根元」はかたいので繊維を断ち切るように輪切りにするとやわらかく食べられます。
Q:ゆでたたけのこの保存方法と賞味期限は?
A:たけのこは保存容器に水と一緒に入れて、冷蔵庫で保存してください。水は毎日替えること。ただし時間が経つにつれてうまみが抜けていくので、なるべく3~4日で食べきるのがいいでしょう。
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【基本】皮つきたけのこのゆで方
- たけのこ(皮つき)…1本(250g)
- 米ぬか…1カップ
- 赤唐辛子…1本
※たけのこ1本500gほどの大きさなら、米ぬか2カップ、赤唐辛子2本にする
- たけのこは泥のついた外側の皮を2~3枚むいて、全体をさっと洗う。穂先を斜めに切り落とし、繊維に沿って2本切り込みを入れる。
- 鍋にたけのこを入れて全体がかぶるくらいに水を注ぎ、米ぬかと赤唐辛子を入れる。たけのこが浮いてくるようなら落としぶたをして強火にかける。沸騰したらふつふつ沸くくらいの弱火にして、アクを取りながら1時間ほどゆでる。途中で湯が少なくなったら湯を足して、たけのこが湯から出ないようにする。
- かたい根元に竹串を刺して、すっと入ったら火を止める。鍋に入れたまま、ひと晩(8時間以上)そのままおいてしっかり冷ます。
【おすすめのたけのこの選び方】
先端の穂先は土から頭を出すと光合成し、緑色に変化します。茶色~黄色のものの方がおすすめです。根元にある丸い粒々はもともとは白く、収穫後時間とともに赤みを帯び濃く変色していくため、色が薄く少ないものを選ぶのが良いでしょう。また、底の断面の形がまん丸ではなく「楕円」になっているものの方が、柔らかくゆで上がります。
また、小さいサイズの方がやわらかいのですが、食べられる部分が少ないので値段が安くなります。
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商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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