2016.07.25
【シェフが伝授】本格麻婆豆腐レシピ。3つのコツで肉の旨みをしっかり引き出す!
花椒(ホワァジャオ)のしびれる辛さと、唐辛子のピリッとした辛さが刺激的な麻婆豆腐。なぜかときどき無性に食べたくなる、ピリ辛の中国料理です。家庭でもよく作るメニューですが「ただ辛いばかりで、味がイマイチ…」という経験はありませんか?
「それは『旨辛』がしっかり引き出せてないからですよ」と助け船を出してくれたのは、中国名菜<銀座アスター>伊勢丹新宿店の料理長・村山亮さん。でも、旨辛を引き出すって簡単に言いますが、「本格的な調味料を使う」とか、「プロの道具を使う」というのは、ハードルが高いので無理です…。
「大丈夫です! 材料も道具もいつも通り。誰でもすぐにできるコツばかりですから」と村山さん。えっ! そんな方法があるならすぐに、教えてください!
あと引く美味しさ! しっかりした旨みを引き出す、3つのコツ
【コツ①】炒め油に香味野菜の香りをしっかり移す
「香味野菜は熱い油に入れると香りが飛んでしまうので、最初に、にんにく、しょうが、長ねぎを弱火で加熱し、香りを炒め油に移します」
【コツ②】ひき肉は、じっくり炒める
「家庭で作るときに、みなさんが意外にやっていないことがこれ。一粒ひと粒がパラパラになるまでしっかり炒めてください。ひき肉の余分な水分をしっかり抜くことで、うまみを引き出すことができます。今回は、うまみを強くだすため、お店と同様に牛ひき肉を使っています」
【コツ③】ほんの少しの「砂糖」が隠し味
「砂糖を入れることで、コクが出ます。ほんのひとつまみ程度ですが、入れると入れないとでは、味の深みが違いますよ!」
なるほど、今日からすぐに試せることばかりの、旨辛ポイント。さっそく詳しい作り方、教えてください!
コクがあってピリッと辛い! シェフ直伝の本格麻婆豆腐レシピ
︎<材料>(1~2人分)
- 絹ごし豆腐…230g
- 【香味野菜】
・しょうが(みじん切り)…薄切り2枚
・にんにく(みじん切り)…薄切り4〜5枚分
・長ねぎ(みじん切り)…太め8cm - 牛ひき肉…50g
- 【調味料】
・豆豉醤(トウチジャン、赤みそで代用可)…大さじ1強
・豆板醤(トウバンジャン)…小さじ1
・しょうゆ…大さじ1
・紹興酒(日本酒で代用可)…大さじ1
・鶏ガラスープ…4/5カップ(160ml)
※顆粒の鶏ガラスープの素を表示通りに湯で溶く
・砂糖…ひとつまみ
・ごま油…大さじ1弱
・ラー油…各大さじ1弱 - 水溶き片栗粉…小さじ1
※片栗粉を倍量の水で溶く - 万能ねぎ(小口切り)…適量
- 花椒(ホワァジャオ、山椒で代用可)…適量
- サラダ油…大さじ1~2
<下準備>
豆腐はひと口大に切り、湯を入れた鍋に入れて温めておく(沸騰はさせない)。
<作り方>
1. フライパンにサラダ油、しょうが、にんにく、長ねぎを入れて弱火にかけ、油に香りを移す
「【旨辛にするコツその1】炒め油に香味野菜の香りをしっかり移しましょう。仕上がりの味をしっかり辛くしたい人は、ここで赤唐辛子(分量外)を加えてもいいですが、焦げやすいので気をつけてください」
2. 香りが立ってきたら、ひき肉を加えて中火~弱めの中火でしっかり炒める
「【旨辛にするコツその2】ひき肉はじっくり炒めること。肉の色が変わってからもしばらく炒め(上左写真)、ひき肉の香りが立ってパラパラになり、油がピチピチと泡立ってくるまでしっかりと炒めます(上右写真)」
3. 豆鼓醤、豆板醤、しょうゆを加えて炒める。紹興酒、鶏ガラスープ、豆腐を加える
豆豉醤と豆板醤を加えて炒め、なじんだらしょうゆを加え、しっかり炒める。肉のまわりに透明の油が浮いてきたら(上写真)、鍋肌から紹興酒、鶏ガラスープを加え、湯をきった豆腐を加える。
4. 煮立ってきたら弱めの中火にして1分ほど煮る。砂糖、ごま油、ラー油を加えてさっと混ぜる
「ときどき鍋をまわして豆腐全体にスープをなじませましょう。そのあと隠し味となる【旨辛にするコツその3】ほんの少しの砂糖を加えます。砂糖を加えるのと加えないのとでは、仕上がりの味に大きく差が出るので、ぜひ試してください!」
5. 水溶き片栗粉を少しずつ加え、弱火にして3分ほど煮る
全体を混ぜながら、水溶き片栗粉を少しずつ加える。豆腐の表面にうっすら油が浮いてくるまで3分ほど弱火で煮る。このときは鍋をゆするくらいで、ずっと混ぜなくてもOK。器に盛り、万能ねぎ、花椒をふって完成。
「実は水溶き片栗粉を入れてからが、煮込みの本番です! 香りが飛んでしまうので弱火にすることが肝心。しっかり煮込むと油と調味料が分離して、豆腐の表面に油の膜ができます。これがふたの代わりになって、豆腐にしっかり味が入るというわけです」
いざ実食! 肉と油のうまみが調和したキリッとしたおいしさ
できたてはフワ~っと辛みとうまみのある香りが立ち込めます! アツアツをほおばると、肉、豆腐、調味料のそれぞれの味がキリッと主張しているのに、不思議なほどの一体感が…。油のうまみとコクが全体を包み込んでいます。なんだか大人の深い味。白いご飯はもちろん、紹興酒をグビリ、というのもおすすめです。
取材協力/中国名菜 銀座アスター 伊勢丹新宿店
中国の調度品を飾ったシックな店内。季節ごとに変わるコース料理のほか、気軽なアラカルトなどメニューは多彩。「焼きそば」は揚げた麺と焼いた麺(今回、ご紹介した麺)から選べます。
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